KSC SIG PRO SP2009 GSG9 創設30周年記念モデルを買ってみた(中古)
記事作成日:2024年7月31日
先日、リサイクルショップに行った際にKSC製のガスブロックハンドガン、SIG PRO SP2009のGSG9 創設30周年記念モデルが安く売られていたので買ってみました。
本製品はドイツ国家警察特殊部隊、GSG9の創設30周年である2002年に発売された1000丁限定モデルになります。
元々SIG PROシリーズは形が好きで、何か持っていきたいな〜と思って手頃な物を見つけたら買おうと思っていたので、ちょうど良かったです。
この過渡期なデザインが好きなんですよね。
実際は違うんですが、SIG P220系からSIG P320に移る間の機種(過渡期な機種)…みたいな感じが良い…。
内容物について
内容物はこんな感じ。
中古ですが付属品は一通り揃っており、使用感もほぼ確認出来ない綺麗な状態で、銃本体以外に説明書類とローダー、HOP調節工具、BB弾が同梱されています。
カタログは当時の物なので、今の販売価格と比べるとかなり安いです。
懐かしいな〜と思いながら見てましたが、よくよく考えるとこの時代からそこまで製品増えてないんですよね…。
この頃からの変化は長物が増えた事とCO2モデルが出てきた位でしょうか…。
とは言え、長物もモータードライブエアーコッキングガンシリーズ以外は基本KWAですし、CO2モデルは焼き回しですし…完全新作少なくない…?
説明書はSP2340/SP2009共用になっています。
説明書に0.5ジュール製品用登録カード、KSCリミテッドエディションシリーズ パーツ販売/修理に関するお知らせ、KSC製品 ご愛用カードが挟まっていました。
また、SP2009『ドイツ国家警察 “GSG9” 創設30周年記念モデル』について記載されている冊子も付属しています。
説明書には基本的な操作方法や注意事項、メンテナンス方法などの他にパーツリストやポリマーフレームの歴史についてのコラムが記載されています。
ローダーはお馴染みの棒状の物です。
最近は見かけなくなりましたが、昔はこのタイプのローダーが一般的でしたね。
SP2009 GSG9 創設30周年記念モデルの外観レビュー
という訳で、KSC SIG PRO SP2009 GSG9 創設30周年記念モデルの外観を見ていきます。
本製品は同社のSP2009をベースに刻印の変更とフロントセレーションの追加、ポーティング加工がされている為、SP2009とは見た目が異なっています。
ヘビーウェイト樹脂モデルの為、結構ずっしりした重さがあります。
マガジン内のガスを入れていない状態で814gあります。
マズルはこんな感じ。
奥まった所に暗い灰色のインナーバレルが確認出来ます。
尚、シャーシ側の白いのは付着しているグリスです。
フロント側の刻印やセレーションはこんな感じ。
スライドに入っている製品名は普通のSP2009と同じですが、反対側にはGSG9(GRESZ SHUTTZ GRUPPE 9)の文字とユニークなシリアルNOが、シャーシ側には30 JAHRE(30周年)、1972-2002などの刻印が追加されている他、ユニークなシリアルNOも入っています。
今回購入した物のシリアルNOは0290-GSG9なので30周年記念モデルの290番目の個体のようです。
スライドの彫り込みとかはSIG P220系を彷彿させますね。
また、セレーションの入り方はP226 Eliteっぽさがあります。
スライド上部にはポーティング加工が施されており、左右のポートとインナーバレルに5×2のポートが開いています。
シャーシ前側には独自規格のアンダーレールになっており、光学機器を取り付ける事が出来ます。
尚、シリアルNOのプレートが入っていますがここは製品のシリアルNOとは関係の無い物が付いているようです。
また、JASGの刻印も入っています。
当時はまだ20mmレールはそこまで普及しておらず、特に拳銃のアクセサリーはこういう特定の製品専用の独自規格のレールが使われている事が多かった印象があります。
有名どころだとH&KのUSPとかMARK23、S&W SIGMAとか専用レール付きですね、
トリガー周りはこんな感じ。
トリガーガード前側にはセレーションが入っており、トリガーは三日月状の物が付いています。
トリガーのデザインはSIG P220系をスリムにした感じで、SIG P320よりかは太いです。
このトリガーにはユニークなセーフティ機能が付いており、トリガーの根本側に付いているピンを押す事で、トリガーの後ろ側に棒状の突起が出てきます。
この状態でトリガーを引こうとするとハンマーダウンさせるポジションまで引くことが出来なくなります。
本来物理的なセーフティが存在しない製品に物理セーフティを追加するのは国内の自主規制に則っている物だと思いますが、各社色々工夫してるのが面白いですよね。
どうせならスライドに物理セーフティが付いているモデル(P2009-9-BMS)のラインナップをしても…と思いましたが…。
スライドストップとデコッキングレバーはこんな感じ。
この辺りのダイカストパーツは色味の劣化が確認出来ますが、白錆とかは出ていないので本当に綺麗な状態だと思います。
スライドストップやデコッキングレバーの操作に関しては後述します。
尚、反対側は特に何も付いておらず、あっさりしています。
当時は左右対称デザインというか両利き対応とかしてる製品は殆ど(全く?)無かったですからね。
エジェクションポートはこんな感じで、ここにもシリアルNOが入っています。
また、薄いですが9mm Paraと使用弾を指す刻印が入っています。
スライド後ろ側のセレーションはこんな感じ。
この辺りはSIG P220/P230系の名残を感じますね。
GSG9 創設30周年記念モデルにはスライドの後ろ側にも刻印が追加されています。
アイアンサイトの仕様も変わっており、フロントサイトとリアサイトはこんな感じ。
フロントサイトはホワイトドット入り、リアサイトは上下左右の調節が出来るタイプでGlockのアジャスタブルリアサイトと良く似た仕様になっています。
サイトピクチャーはこんな感じ。
個人的にGlockのアイアンサイトが使いやすいと思っているので、同じ仕様のこのサイトも使いやすいサイトだと感じます。
ハンマー周りはこんな感じで、ここのデザインはP220系の感じがあります。
ダブルアクション・シングルアクション両方に対応する製品なので、ハンマーを起こすとトリガーの位置も変わります。
また、ハンマーを起こした状態でデコッキングレバーを押し下げ、元に戻す事でデコッキングを行う事が出来ます。
デコッキングレバーを下げた時にシアーが解除され、レバーを上げると際にハンマーダウン状態に戻ります。
スライドストップを掛けるとこんな感じになります。
しっかりチルトダウンの動きも再現されており、かなり銃口が上を向いています。
かなり頑張ってる角度だと思います。
尚、スライドストップの補強は入っておらずスライドストップが直接スライドにぶつかる仕様です。
スライドの厚み自体薄いので、スライドストップによる負荷はかなり高いと思います。
別途補強をしない限り、基本的にスライドストップを押し下げる使い方はしない方が良いでしょうね。
もっとも、補強出来る幅も無さそうな気がしますが…。
ホールドオープン状態にするとノズルが確認出来ます。
ノズルは金属製で段付きになっています。
この段付き部はフローティングバルブのような構造になっており、BB弾を装填した状態だとノズルの先端部分が下がり、ガスが銃口側に流れるようになります。
そして、BB弾がチャンバーから離れるとノズルの先端部分が飛び出し、ガスの流れがピストン側に切り替わります。
ウエスタンアームズのマグナブローバックと原理は同じですね。
マガジンキャッチボタンは三角形のデザインでSIG P320感があります。
というか、同じデザインですね。
グリップはこんな感じで、シボの感じはSIG P226の新型グリップ(エルゴノミクス ポリマーグリップ)でも採用されているようなタイプ。
シボのパターン自体はP320にも引き継がれてますね。
また、グリップの後ろ側にsig proと入っています。
シボの感じと程よい丸みのお陰で握りやすいグリップです。
多少手が小さくてもしっかりグリップ出来ると思いますが、根本が太くビーバーテイルの位置も下がっているのでハイグリップには向いていないですね。
グリップ前側にはセレーションが入っており、中央が横方向のセレーション、左右が縦方向のセレーションになっています。
グリップ底部はこんな感じ。
マガジンバンパーはフィンガーレストを兼ねているデザインです。
続いて、マガジンを抜いてマガジンの細部を見ていきます。
マガジンはスチール製で、側面にsig proのロゴが入っています。
マガジン側面のプレス感や残弾確認穴、背中側のつなぎ目や溶接跡がしっかり再現されています。
リップ側はこんな感じ。
パッキン類の劣化も確認できないどころか、オイルでちょっとウェットな状態でした。
尚、放出バルブをバルブノッカーが直接叩くタイプではなく、プレートが間に挟まっているタイプです。
ローダーを使うとこんな感じになります。
マガジンバンパー側にSIGのロゴと注入バルブが付いています。
マガジンの重量は277g。
ガス(HFC152A)を満タンに入れると286gになります。
ガス容量は9gとダブルカラムサイズのマガジンとしては少ない印象がありますが、古い製品かつKSC製品という事を考えるとまあ妥当な容量な気がします。
HOP調節について
HOP調節は付属のレンチを使って行います。
ただし、ホールドオープン状態だとレバーの操作がし辛く、スライドを閉鎖させてレンチをノズルで押さえつけるような感じにして回すとやりやすかったです。
尚、HOP調節ダイヤルはカチカチとしたクリック感があります。
初速について
中古なので箱出し状態では無いですが、初速を測っていきます。
検証に使用したガスはHFC152A、BB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。
まずは常温状態(夏場なので温度高め)での計測。
29.7度で初速は70m/s前後。
めちゃくちゃ安定感のある初速で、10発撃ちましたが69m/s〜71m/sの間を行ったり来たりといった感じでした。
作動も非常にスムーズでキビキビとした動きです。
リコイルはそこまで強くは無いものの、重いスライドが動くので現行機種と比較しても遜色はないリコイルはあります。
マガジン温度を48度まで上げてみた所、初速は80m/s程度まで上がりました。
マガジン温度が高い状態での初速も非常に安定しており、初速のブレは2m/s程度に収まっていました。
マガジン温度を上げる事でブローバック速度も上がり、リコイルは強くなります。
動作の様子はこんな感じ。
結構ガツガツ揺れている事が分かると思います。
SIG PRO SP2009の動作の様子 pic.twitter.com/3H40bKA5mb
— エボログの中の人 (@Evolutor_web) July 30, 2024
尚、フローティングバルブの構造上弾を入れた時よりも空打ちの時の方がリコイルが若干強いです。
という訳で、KSC SIG PRO SP2009 GSG9 創設30周年記念モデルのレビューは以上になります。
最近、これと言って欲しい銃もでない…というか出るものの予約だけして手元に来ていない状態なので、前から欲しいなと思っていた古い製品を中古で買う事も増えてくるかも知れません…。
とは言え、エアソフトガンレビューのメインは現行機種で行こうとは思いますが…。