エボログ

Novel Arms SURE HIT MPS1 1x マイクロプリズムサイトを買いました

記事作成日:2024年8月13日

Novel Armsの新作、SURE HIT MPS1 1x マイクロプリズムサイトを購入しました。
先月位には発売されていたのですが、Absolute MPS3と同時に予約していたハズの物が届かず、いつの間にかキャンセル扱いになっていたようで、別途購入したのでこのタイミングになりました…。

それにしても、以前レビューしたNovel Arms Absolute MPS3と同時期発表された製品なのですが、発売までに結構時間がかかりましたね…。

SURE HIT MPS1は3倍プリズムサイトである『ABSOLUTE MPS3』、『SURE HIT MPS3』と同時に発表された1倍率のプリズムサイトで、コンパクトさとアイレリーフの長さが特徴の製品になります。

NOVEL ARMS SURE HIT MPS1 (1X Micro Prism Sight)Amazonで購入する

内容物はサイト本体とライザープレート、ライザープレート固定用の長いネジ、キルフラッシュ、L字レンチ(トルクスレンチ)、説明書、クリーニングクロス、電池(CR2032)です。

説明書には製品の仕様と製品の使い方が書かれています。

トルクスのL字レンチやライザープレート、キルフラッシュはこんな感じ。
ライザープレートとキルフラッシュに関しての詳細は後述します。

SURE HIT MPS1の外観レビュー

という訳で、SURE HIT MPS1本体を見ていきます。
後ろ側にオフセットされたマウントベースが装着されているのが特徴的で、ディオプターを縮めた状態での全長が65.5mm、チューブ部の外径は38mmと太くて短い感じです。

対物レンズ側はこんな感じで、キルフラッシュを取り付ける為のねじ切りが付いています。
レンズは奥まった位置に付いており、レンズ径20mmとハウジングのサイズに対してかなり小さなレンズが付いています。

ハウジング上部には輝度調節スイッチが付いています。
輝度は10段階(うち2段階はNVモード)で調整可能、ラバーで覆われているスイッチは押すとカチカチとクリック感があります。

バッテリー収納スペースはハウジング左側についており、キャップの高さは低め。
これのお陰で全体的にハウジングから大きく飛び出している部位が少ないデザインになっています。

電池はCR2032を1つ使用します。

エレベーションダイヤルとウィンテージダイヤルはそれぞれハウジングに埋まったようなデザインになっており、マイナスドライバーなどを使って回す仕様になっています。
ダイヤルはカチカチとしっかりしたクリック感があり、最大の稼働量は90MOA、1クリックで1MOA稼働します。

視度調整ノブ(ディオプター)もちゃんと付いています。
ここも薄くて全体的なコンパクトさに貢献していますが、+方向に回すとソコソコ飛び出します。

純正マウントベースの仕様について

マウントベースはこんな感じで、後ろ側にオフセットされています。
アイレリーフが長いと言っても、ドットサイトのようなアイレリーフフリーな製品では無いので、覗きやすいように後ろ側にオフセットさせているのだと思います。

マウントベースの高さは42mm(レール上面からレンズ中央の距離)で、Lower 1/3 Co-Witness(1.53インチ)マウントよりも少し高くなっています。
マウントベース自体の高さはそんなに高くないのですが、ハウジングが大きいので高くなっているのだと思います。

また、側面と前後がガッツリ肉抜きされたデザインになっています。

こちらのマウントはピカティニーレールに対応している形状の為、20mmレール規格であっても独自規格のスロットやウィーバーレールへの取り付けが出来ない可能性があるので注意が必要です。
ちなみに、マウントレール底部にはシールが貼られており、そのままだと黒文字なので読めませんが剥がすとMADE IN CHINAと書かれている事が分かります。

マウントベースを外すとこんな感じ。
SURE HIT MPS1はAimpoint Micro T1/T2系と互換性のあるフットプリントが採用されています。
また、4つあるネジ穴はイリサートで補強されています。

ライザープレートの装着について

付属のライザープレートは厚みが8.23mmと結構分厚いです。

こちらのプレートをハウジングとマウントベースの間に挟み込む形で取り付けます。
最近は2インチオーバー、高い物だと3インチ近い高さのハイマウントが流行っているので、そういったハイマウントに近い高さにする事が出来ます。

Aimpoint Micro T1/T2用マウントベースの取り付けについて

先述の通りSURE HIT MPS1のフットプリントはAimpoint Micro T1/T2規格と互換がある為、一般的にT1/T2ドットサイト用マウントベースとして販売されている製品に取り付ける事が出来ます。

ハウジングのサイズが異なるので、マウントベースの高さ表記はアテにならないですが、マウントベースの自由度は高いですね。

ただし、前後が丸まっているデザインのマウントベースと組み合わせると少し段差が出来ます。
T1/T2系ドットサイトに角ばってるマウントベースを取り付けると段差が生まれるのと逆現象ですね。

ちなみにAbsolute MPS3はACOG系やキャリングハンドルマウントと同じかと思いきや謎の突起があるせいで非互換となっています…。

レンズコーティングと覗いた時の様子について

対物レンズ・接眼レンズ共にグリーンマルチコーティングが施されています。

尚、レンズ内側にはプリズムを確認する事が出来ます。
まあ、プリズムサイトなので当たり前ですが、とりあえず確認したくなるので毎回見てます。

覗くとこんな感じ。
レティクルのイルミネーションはレティクル全体を光らせる仕様

尚、視野角(F.O.V)は15°と極端に広い訳ではなく比較的自然な像になっています。(若干の倍率感はあります)

レティクル形状はこんな感じ。
中央のドットは3MOA、下方向のハッシュは上から順に20MOA、30MOA、40MOAとなっており、ホールシューの内側が90MOA、外側が102MOAとなっています。

尚、レティクル左側が少し滲んでいるのは撮影時の問題だと思われます。
肉眼だとこのようなに滲みは確認出来ませんでした。

アイレリーフ・アイボックスは製品の特徴に記載されている通り大きめ。
ケラれるギリギリの位置は140mm程度もありますし、フチは太くなりますが10mm程度の距離まで近づけて覗く事も出来ます。
ただし、140mmまで離すと流石にアイボックスは狭くなります。

150mm位でケラれ始める
近くで覗いた時の様子

推奨アイレリーフは85mmとなっていますが、全然100mm超えでも問題なく覗く事が出来ます。
無理に遠くから覗く意味は無いですが、100mm超えのアイレリーフがあるなら使い勝手も十分に良いです。

ちなみに、イルミネーションの輝度ですが炎天下の屋外でも最大輝度であれば視認できる明るさがありました。

このように白い所を覗いてもちゃんと赤色に発光したレティクルを確認する事が出来ているので十分な輝度があると言えるでしょう。

キルフラッシュについて

付属のキルフラッシュをMPS1に取り付けてみます。
キルフラッシュにはOリングが付いており、しっかり取り付ける事が出来ます。

これで対物レンズの反射を抑える事が出来ます。

尚、キルフラッシュを取り付けると全体にモヤモヤした影みたいなのが映り込みます。
ドットサイトにキルフラッシュを取り付けた時よりかは全然気にならないですが、全く気にならないという訳では無いので注意が必要です。

まあ、低倍率の光学機器にキルフラッシュを取り付けると基本的にこうなりますね。

レンズの歪みとパララックス計測

という訳で、いつもの歪み・パララックス計測を行います。

120mm程度の距離で覗くとこんな感じで、少し左側が滲んでいるかな?と感じる程度で気になるような歪みはありませんでした。
ただしこの距離だと肉眼よりも僅かに拡大されたような像になり、体感的には1.1倍率位はあるように感じます。

この状態で視点を上下左右に動かし、パララックス量を見ていきます。

結果、パララックスは許容範囲内に収まっている事が分かりました。
また、これはプリズムサイト固有の現象ですが、ケラレの形が上下左右で全て異なっています。

上方向に動かすと右上から影が出てきて、下方向に動かすと右下から影が出てきます。
そして、左右に動かすと左側から影が出てきます。

尚、視点を近づけると見え方がまた変わってきます。
視野は殆ど変わりませんが、滲みがかなり少なくなるようです。
こんなに近づけて覗く事は無いですが、

また、この状態で視点を上下左右に動かすとパララックス量は変わりませんがケラレる時の動きが普通のスコープとかと同じ感じになります。

おまけ(1)マグニファイアとの組み合わせについて

1倍プリズムサイトとマグニファイアを組み合わせたい需要はそこそこあるようなので、一応確認しておきましたが、本製品はディオプターを調整しないと駄目な感じでした。

殆どの1倍プリズムサイトはこの仕様で、プリズムサイト側のディオプターを使ってマグニファイアで覗いた時のピントを合わせる事になるので、マグニファイアを使わずに覗く事が困難になります。

視度調整後の状態と裸眼で綺麗に覗ける状態が同じというレアケース以外ではマグニファイアと組み合わせる事は困難だと思います。

おまけ(2) サーマルイメージャーとの組み合わせについて

SURE HIT MPS1を購入した理由は単純に興味があったというだけではなく、サーマルイメージャーと組み合わせて使いたかったからです。

自分が持っているiRay RH25 Pfalcon640+はアイレリーフが極端に短く、使いづらいので、プリズムサイトを使ってアイレリーフ・アイボックスを広げる事で使いやすくするという方法があります。

今まではPrimary Arms SLx1 Micro Prismを使っていたのですが、Primary Arms SLx1 Micro Prismは単体で使いたい事も多く、頻繁にマウントベースの着脱を行うのが面倒だったので、iRay RH25 Pfalcon640+専用のプリズムサイトが欲しかったんですよね。

という訳で、T1/T2マウント互換である事を活かして、こんな感じの構成をやってみました。
KAC Micro NVG ハイライズマウントを前後逆にして、マグニファイアを取り付ける所にサーマルを取り付けています。

また、MPS1を単体運用する可能性もあるので、こういう構成にするのも良い気がしました。

ちなみに覗くとこんな感じになります。
サーマルイメージャーとの組み合わせに関してはセットアップが落ち着いたらまた別記事にて紹介しようと思います。

窓ガラスに反射している自分自身を撮影

という訳で、Novel Arms SURE HIT MPS1 1xマイクロプリズムサイトのレビューは以上になります。
3万円程度と手頃な価格で購入可能ですし、全体的にクセのないシンプルなデザインなのが個人的には良いですね。

光学サイトとしての性能自体は軽く見た感じ問題も無く至って普通。
普通に覗きやすいですし、レティクルも使い勝手の良い感じなので満足です。

NOVEL ARMS SURE HIT MPS1 (1X Micro Prism Sight)Amazonで購入する