
E&L QBZ-191(T-191 DPS GBBR/EL-G190) CO2ガスブローバックライフルのレビュー
記事作成日:2025年6月11日
友人がE&L製のガスブローバックライフル、QBZ-191を購入したので借りてレビューします。
こちらの製品は日本向けの調整が施されている、JAPAN EDITIONになります。


ショップの商品名では「QBZ-191」、パッケージ上面には「T-191 DPS GBBR」、側面には「EL-G190」及び「ELT 191 DPS」といろいろな記載があるので、何が正しい製品名なのか分からないんですが、とりあえず当記事では実銃の名称であるQBZ-191と紹介します。
また、今回レビューする製品はサイドアームズで販売されているショートバレルカスタムモデルで、予めショートバレルキットが組み込まれた状態になっています。

また、開封時点の付属品は一通り揃っていますが、一部友人の手が入り仕様が変わっている箇所もあるので、そういった点は注釈などで補足していきます。
という訳で、開封していきます。
まず、箱を開けるとE&Lのバッジが確認出来ます。

金属製のバッジで、かなりずっしりしています。
裏面には10周年記念モデルである旨と、1200丁のうち何丁目のモデルなのかの記載が入っています。
どうやらこちらは871丁目のモデルのようですね。


付属品について
内容物はこんな感じで、銃本体(ショートバレル組み込み)と、純正のロングバレル、マガジン、操作マニュアル、弾速証明書、バッジ、ベルクロワッペン、予備スプリング、イモネジ、L時レンチ、Oリング各種です。
※ハンドガード側面に20mmレールが付いていますが、これは付属品ではなく後付けされたレールです。


操作マニュアルはしっかり日本語化されており、イラストやCGで説明が記載されています。
パーツリストは存在しませんが、メンテナンスに必要な分解手順は記載されています。



取り外された純正バレルが同梱されていますが、比較するとこんな感じでショートバレルはフラッシュハイダーの長さ分短くなっているようです。

ちなみに、出荷状態の本製品はバレルナットが異常に硬く、並大抵の工具では外せないという話しを聞いています。
ショートバレルモデルが欲しいなら、ショップ組みのモデルを買うのが安牌な気がします…。
マガジンについて
マガジンはこんな感じでAKのマガジンと良く似ていますが、QBZ191専用マガジンで他製品との互換性はありません。
ポリマー樹脂製で、サラサラとした肌触りをしています。

リップ側とマガジンバンパーはこんな感じ。
バンパーの材質はスチールです。


本来、残弾確認用の穴が空いている部分は埋まっており、数値と穴を再現した窪みが付いています。

マガジン前側にはレシーバーに引っ掛ける突起が付いており、後ろ側には最終弾検知用のレバーが付いている事が分かります。


マガジン上面に付いているボタンを押すと給弾口のストッパーが解除されます。
普通、ストッパーはチャンバーの給弾口によって開放されるのですが、本製品は別のボタンで開放されるという、かなり特殊な動きをするマガジンである事が分かります。


マガジンバンパーを取り外す事でインナーを取り出す事が出来ます。
インナーにはリアルカウント切り替えスイッチが付いており、120連と30連を切り替える事が出来ます。


E&L QBZ-191の外観レビュー
という訳で、E&L QBZ-191の外観を見ていきます。
厳密にはショートバレルを搭載したモデル(カービンモデル)はQBZ-192というモデル名になるようですが、QBZ-191として紹介します。


まず、手に取った時に感じるのは剛性の高さです。
樹脂パーツの軋みなどは一切無く、すべてガチガチ、バレルもガチガチに固定されています。
元が軍用のトレーニングガンなだけあって、非常に強固な作りになっているものと思われます。
尚、外装パーツの多くはスチールで出来ています。
ハンドガード、ストック、グリップなどは樹脂、レシーバーは恐らく亜鉛合金ですが、バレル周りやボルト、マガジンキャッチ、トリガー、セレクターレバーなどはスチールで出来ています。


フラッシュハイダーはこんな感じで、バードケージスタイルのフラッシュハイダーが付いています。
尚、こちらのハイダーはアウターバレルに完全に固定されてしまっており、取り外す事は出来ないとの事です。


ガスブロックの根本/ハンドガードの先端部にはスリングスイベルが付いています。
細めですがここもスチールで出来ているので、安心してスリングを取り付ける事が出来そうです。

フロントサイトはこんな感じで、フリップアップ式のサイトが付いています。
左側に付いているボタンを押しながら起こしたり、倒したりする事が出来ます。


ハンドガードは樹脂製ですが、非常に硬いです。
全体的に細かなシボが入っているのと、ほどよい間隔で凸型の滑り止め加工が施されています。

上面には20mmレールが付いており、HK416みたいな凹凸の組み合わせでレシーバーに引っかかっています。

また、底部と左右にはレールパネルなどアクセサリーを取り付ける為のネジ穴が付いています。


尚、ハンドガードに取り付けるレールパネルは純正オプションパーツとして3枚セットの物が販売されていますが、加工すればM-LOKパネルを取り付ける事も可能です。
結構削ったり穴を拡張しないといけないですが、一応取り付け可能です。



続いて、レシーバーを見ていきます。
マグウェル左側には「EL871-24-135」とシリアルNOが記載されています。
右側にはE&LのロゴとELT191と製品名が記載されています。


マグウェル内側はこんな感じで、給弾口やマガジンキャッチ、ボルトストップと連動するパーツなどが確認出来ます。

マグウェル内側の各部はこんな感じ。
まず、給弾口の手前にはドラム式のHOPダイヤルが付いていますが、ダイヤルがかなり緩く、射撃時の衝撃でズレます。
マグウェル後ろ側にはフォロワーストッパー解除用の突起と、最終弾検知レバー(ボルトストップと連動している)が付いています。


マガジンキャッチはこんな感じで、大型な物が付いています。
AKのように親指でマガジンキャッチを操作する事も出来ますし、グリップを握っている状態で人差し指を使って操作する事も可能です。



中国軍向けに製作され、アジア人向けサイズになっている事もあってか、指が短くてもしっかり操作出来るマガジンキャッチになっていると思います。
マガジンを取り付けるとこんな感じになります。
マガジンの装着はAKと同じで、前側を引っ掛かけてからマガジンキャッチに引っかかるまで押し込む感じです。


ボルトストップはこんな感じで、これはM4のような操作性です。

ボルトはこんな感じで、スチール製のボルトが付いています。
丸みを帯びたコッキングハンドルがボルト側面から飛び出しており、表面は光沢感がある塗装がほどこされています。
『T.A.C.(Terahedal Amorphous Carbon)ダイアモンドライクカーボンコーティング』と言うコーティングが施されているようです。


ボルトを引くとこんな感じで、白色のノズルやダンパー?と思われるスプリングが確認出来ます。
尚、ボルトのストローク量は短く、写真の位置までしか動かす事が出来ません。

尚、この白色のノズルはSEFP(Super Enhanced Formulated Polymer、超強化配合ポリマー)という素材を使っているようで、エアソフトでは初めて採用している素材のようです。
上面レールはこんな感じ。

レシーバー後部にはEL087-24-135と、マグウェルに入っているのと同じ番号が記載されています。

リアサイトはこんな感じで、フロントサイトと同様にフリップアップ式の物が付いており、トップレールより一段高い位置に付いています。
ロックボタンは無く、プランジャーのテンションで保持されています。


ピープホールはダイヤルを回す事で上下位置を4段階の中から選ぶ事が出来ます。
恐らく距離に応じて適切なピープホールを選ぶのだと思います。
一番上と一番下はこんな感じで、ちょうど穴1個分ズレるようです。


穴の大きさが変わるのではなく、位置が変わるというのはユニークですね。
サイトピクチャーはこんな感じ。
ダイヤルが大きいので見た目の割には死角が大きいですが、案外狙いやすいです。

セレクターレバーはこんな感じで、アンビセレクターレバーが付いています。
左右で長さが違っているのが特徴です。


0がセーフ、2がフルオート、1がセミオートという感じで、いわゆる45度セレクターレバーになっています。
AKと同じでセーフ→フルオート→セミオートという順番になっているのが特徴です。


普段からM4系を使っていると、見た目がM4系と似ているのに、順番が異なっているのは違和感がありますが、この辺りは長らくこの順番のセレクターに慣れている現場の兵士の学習コストを抑えたり、誤操作による暴発を防止する為なのでしょう。
トリガー周りはこんな感じ。
程よい丸みを帯びたトリガーが付いており、トリガーガードは分厚く、底部にはシリアルNOが記載されています。


グリップはこんな感じで、丸みを帯びた物が付いています。
全体的に細身で握りやすいグリップです。


グリップ底部には蓋が付いており、開けるとソケットが付いています。
ソケットの規格は海外製HPAやペイントボールなどで採用されている、いわゆるUSカプラーに対応しているソケットです。



尚、本製品は高圧なガス圧が必要なので、日本で販売されている0.5mpa制限のレギュレーターでは安定して動作しないようです。
もし動作させようとするなら、ガス圧が低圧な状態でも動作するように色々調整しないといけないと思います。
ストックはこんな感じで、樹脂製の伸縮ストックが付いています。


ストックの伸縮はバットプレート側に付いているボタンを押しながら引っ張る事で伸ばせます。

ストックの長さはこんな感じ。
ストック根本から17.5cm〜25cmの間で調節する事が可能です。


バットプレートはこんな感じで、ラバー製で凹凸が付いています。

ストックには金色のボタンが付いており、これを押すと内部に設けられている気化室に残ったガスを放出します。
カートリッジを取り出す際は必ずこのボタンを押してから操作を行う必要があります。

CO2カートリッジはストック内に取り付けます。

CO2カートリッジの種類と装着方法について
QBZ-191で使用するカートリッジは33gカートリッジで、蓋によってカートリッジに穴が開くので先端をバットプレート側にして取り付けます。
いわゆる内部充填式と呼ばれる構造です。(同じ構造のAPSのマガジンは肉薄なので爆発する事件が多発していますが、流石に本製品ほど分厚ければ大丈夫でしょう…大丈夫だと思いたい)


尚、33g CO2カートリッジは一般的にはスキューバーダイビング用品として販売されているようですが、日本国内ではあまり一般的ではないカートリッジのようで、サイドアームズでは1本1340円で販売されているようです。
他にもエアソフトガンショップでの取り扱いがあるかは不明ですが、通販で調べる限り1100円〜2000円程度と全体的に結構高価なカートリッジのようです。
33gカートリッジは38g(テトラボンベ)カートリッジよりも一回り細く、12gカートリッジよりもかなり大きなカートリッジです。

尚、サイドアームズではQBZ191で12g CO2カートリッジを使えるようにするスペーサーの販売をしているようです。
3Dプリント製のスペーサーで、ここに12g CO2カートリッジを取り付ける事で33g CO2カートリッジと同じサイズにする事が出来ます。



取り付けるとこんな感じ

箱出し状態での作動性と初速、発射サイクル、燃費について
箱出し状態での動作はこんな感じ。
動画だと伝わらないと思いますが、とんでもない破裂音が鳴ります。
音の特性が違うので比較は難しいですが、感覚的にモデルガンのシングルキャップよりも煩いです。
CO2 GBBの中ではダントツの煩さだと思います…。
また、エジェクションポートから白い煙(生ガス)が吹き出している事も分かります。
かなりガスがロスしている物と思われます。
尚、リコイルに関しては音の割にはそんなに強くはなく、夏場の東京マルイ MWS純正状態と同レベルかちょっと軽いリコイルです。
ガスガンのリコイルに関しては可動部の重さと移動距離、移動速度が関係するので、本製品は移動速度はかなり早いですがボルトはそんなに重くはない上に移動距離も短いのでそんなに重いリコイルにはならないという事なのでしょう。
ボルトストップの動作はこんな感じ。
続いて、初速を測っていきます。
使用したBB弾は東京マルイ 0.20g樹脂弾で、HOP量は最低も最大も特に変化は無かったです。
初速は50m/s後半〜70m/s後半程度で最大20m/s程度のブレがありました。

フルオートの発射サイクルは毎秒13〜17発程度とこれもそれなりにブレがあります(もしかしたら発射されていない事があるのかも)
初速はセミオートの時以上に不安定になり、最低で9.5m/sまで落ちていることが分かります。

これの原因は色々と考えられるのですが、原因の1つが著しくノズルの長さが足りておらず、気密も保ててていないという事です。
弾棒で確認した所、1cm程度ノズルの先端とHOPパッキンの間にクリアランスがあり、ノズルとチャンバーも密着していないのか、空気が漏れていました。
まあ、元々トレーニング用のペイントボール銃を元に、エアソフトガン化している製品なのでこういう問題も起きるのでしょう。
6mm BB弾を発射する物では無い物を改造してる訳ですし、色々寸法的に無茶をしているんだと思います。
箱出し状態で初速が既定値を超えるような事は無いですが、そのままサバイバルゲームで使えるかと言われるとかなり難しいと思います。
尚、33gカートリッジ1本でだいたい70〜80発程度撃つ事が出来ます。
燃費を気にして、セミオートのみでゆっくり撃っていれば100発程度撃つ事は出来ますが、ゲームで使うような撃ち方をすると70〜80発程度が限界かなといった感じです。
という訳で、E&L QBZ-191(T-191 DPS GBBR/EL-G190) CO2ガスブローバックライフルのレビューは以上になります。
尚、本製品は特に分解などはする予定はありません。(調整とか頼まれたらやるかも…ですが…)
