
B&T MP9-NタイプGBB、Maruyama MP-IX(MP9-N) SMG DX JP Versionのレビュー
記事作成日:2025年10月28日
台風の影響で発売が遅れてしまったMaruyama MP-IX(MP9-N) SMG DX JP Versionが届いたのでレビューしていきます。
色々ネタにされていますが、全面に冨嶽三十六景の神奈川沖浪裏が印刷されています。
海外からの観光客向けのお土産屋で売られてそうな見た目で、エアガンが入っているようには見えないです。
SNSでは御歳暮とか銘菓、寿司、日本酒とか色々言われています。
尚、取っ手の部分は金色の紐になっています。


尚、小ネタというかお遊び要素というか、「銃は波にさらわれてしまった」と書かれています。

裏面には警告文と製品名のシールが貼られています。
警告文には『Under 2J』と記載されていることから、台湾仕様ベースのようです。
JPバージョンの記載は側面にシールが貼られています。(ここにはUnder 0.98Jouleと記載)


付属品について
内容物はこんな感じでMP-IX本体とマガジン、サプレッサー、BBローダー、L字レンチ(HOP調節用)、注意書きなどが書かれた冊子です。
説明書などは入っておらず、パーツリストなどもありません。


マガジンについて
Maruyama MP-IX(MP9-N)のマガジンは同社のSCW-9などと同じ物になります。
装弾数は45発、ガスタンク部のインナーとスモークグレーの樹脂で出来た外装に分かれており、弾丸が印刷された紙が挟まっています。
尚、30連仕様のマガジンを元にしており、側面には5、10、15、20、30の残弾を示す印字がしっかり入っています。


紙に印刷されている物なので全体的にのっぺりしており、個人的には無い方が良いかなと思いました。
リップ部はこんな感じ。
マガジンの前側もシースルー仕様になっているので、残弾を確認することが出来るようになっています。



マガジン底部には注入バルブが付いています。
バルブは海外の高圧ガス仕様になっており、HFC134Aなどの低圧なガスを入れるには少し時間が掛かり、吹き戻しもありません。

注入バルブの形状はWE系と同じなので、汎用的な日本仕様注入バルブに置き換えることが出来ます。
マガジン空の状態の重量は244g、ガスを満タンに入れた状態で283gとなるのでガス容量は39gのようです。



サプレッサーについて
本製品にはサプレッサーが付属します。
刻印は入っていませんが、B&TのRBSタイプサプレッサーになります。


MP-IXのマズルに固定する仕様の専用サプレッサーで、取り付け部はこんな感じ。


基部には20mmレールが付いており、ライトなどの光学機器を取り付けることが出来るようになっています。

先端部はこんな感じ。

サプレッサー装着時の全体像はこんな感じ。

サプレッサーを分解するとこんな感じ。

サプレッサーですが消音材などは入っておらず、入れるなら外径44mm〜45mm程度、長さ98mm程度の消音材を入れることが出来ます。


尚、基部側には14mm逆ネジが付いており、トレーサーなどを取り付けることが出来るようにもなっています。


個人的にここの14mm逆ネジ仕様はありがたく、これならそのままファスガンで使えますね。
外観レビュー
という訳で、Maruyama MP-IX(MP9-N) GBBの外観を見ていきます。
こちらはステアー社製のTMPをB&T社がアップデートしているMP9をガスブローバックで再現したモデルで、上面と右側面にピカティニーレールが設置されており、ボタン式のセレクターレバーだったのがレバー式の物に変更されている、Nバージョンになっているのが特徴です。
現状、最新のMP9のようですね。


ストックは折りたたみ式。
展開するとこんな感じになります。

重量は1094g(マガジン無し)。
全体が樹脂で出来ていることもあり、軽いです。

樹脂の質感はB&T APC9を模したMaruyama SWC-9よりも良く、ちゃんと表面にはシボが入っています。
SWC9の樹脂パーツ、ツルツルしてて安っぽさが強かったので…。
では各部の細部を見ていきます。
まず、マズルはこんな感じでTMP(MP9)系の特徴である大型な3ラグハイダーが付いています。
スチールで出来ており、かなりガッチリしています。
奥まった所にはインナーバレルが確認出来る他、アウターバレルにはライフリングを模した凹凸が付いていることも確認出来ます。


付属のサプレッサーを取り付けるには、まず写真の向きにハイダーを差し込んだ後、レールが下向きになるように回します。


その後、サプレッサー自体をねじ込んでロックします。
板バネがカチカチと鳴り、しっかりロックされる為不意に緩むような心配は無く、ガッチリ固定されます。
ガタツキなどは一切ありません。

尚、外す時は逆向きにサプレッサーを回します。
引っ張りながら回すと自然に抜けます。
何回転も回さないといけないので、QDサプレッサーとは言っても瞬時な着脱が出来る訳では無いので注意が必要です。
マズルの上部には分解時に使用する「UP」と書かれたレバーが付いています。
このレバーを押しこむことでバレルのロックを解除することが出来ます。

フォアグリップはこんな感じでレシーバー一体型の物で、少し斜め前に傾いています。
グリップ内側は空洞になっており、2つの突起が付いています。
ここにHOP調節用の六角レンチを差し込む事が出来るようです。


サイドレールはこんな感じで、アッパーレシーバー側にネジ止めされています。
このレールは右側にのみ付いています。
尚、左側にはMP9と印字されています。


トップレールはこんな感じで、フロントサイトとリアサイトの間が全てピカティニーレールになっています。
また、中央部には穴が開いており、ここに1.5mmの六角レンチを差し込み回すことでHOP調節が出来るようになっています。(時計回りでHOP上げ、反時計回りでHOP下げ)


尚、これは分解して分かった事ですがHOPアームの構造的にこのイモネジを回しすぎるとHOPアームが破損してしまったり、イモネジが噛み込んで回らなくなってしまう可能性があるので締め込むにしても緩めるにしても、回しすぎには注意が必要です。
フロントサイトとリアサイトはこんな感じで、フロントサイトは固定。
リアサイトは左右の調節だけが出来るピープサイトになっています。


サイトピクチャーはこんな感じ。

トリガーはこんな感じで、トリガーセーフティ付きのトリガーが付いています。
トリガーガードは中腹部が幅広になっています。


トリガーは前後にスライドする仕様になっています。
ハンマーダウンのタイミングが分かりやすく、そんなに重たくも無いのでトリガーフィーリングは悪くはないですが、トリガーの動きが特殊なので慣れないと違和感が大きくガク引きしやすい印象があります。
STEYR AUGとかP90とか、そういうのと同じ仕様ですね。



セレクターレバーはこんな感じ。
冒頭でも紹介しましたが、B&T MP9-Nを模している本製品はレバー式のセレクターレバーになっています。
また、セーフティレバーの上にはスチール製のボルトリリースボタンが付いています。


セレクターレバーはアンビ仕様になっておりSAFEとSEMIの間は狭め、フルオートは半周回すような形になっています。


セレクターレバーやボルトリリースボタンの厚みはこんな感じで、左側に付いているセレクターレバーとボルトリリースボタンの厚みはほぼ同じで結構大きく飛び出しているので操作しやすいです。
右側のセレクターレバーは低めで、一応操作は出来ますが左側のレバーに比べると操作はし辛いです。


マガジンキャッチボタンはこんな感じで、ボタンもアンビ仕様になっています。
割と操作性の良いボタンで右手でも左手でも同様の操作性でマガジンキャッチを解除することが出来ます。


グリップ全体はこんな感じで、案外太めなグリップになっています。
手が小さいとトリガーの操作性も相まって結構使いづらい印象。

グリップ底部、マグウェル部とマガジン装着時はこんな感じで、マグウェル部は口が広く手の根本に付いていることもあってマガジンの差し込みはやりやすいです。


エジェクションポートはこんな感じで、銀色のボルトが確認出来ます。
色味がかなりいい感じですが、無刻印。

ホールドオープン状態だとこんな感じ。
エキストラクターはボルトと別パーツでスプリングも組み込まれており、見えない所の再現度もかなり頑張ってる印象。


尚、ボルトはフルストロークではありません。
内部に組み込まれているダンパーの影響による物かと思われます。(この辺りは後日投稿する分解レビュー記事で詳しく見ていきます)
チャージングハンドルは樹脂製の物が付いています。
摘むことでロックが解除され、引けるようになります。

レシーバー後部、ストック基部周りはこんな感じ。
本来ならB&Tのロゴや『SWISS MADE』などの文字が入る部分は窪みになっており、そのうち社外製のロゴプレートとかが発売されるのかな?という形になっています。


底部はこんな感じ。
ストック基部にはロックボタンが付いており、このボタンを押しながらストックを操作することでストックを畳んだり展開したりする事が出来ます。
尚、ボタンはかなり硬めです。


ストックを展開した時の見た目はこんな感じ。
樹脂製のストックで、少し弾性があるのでグッと力を込めて構えると少し歪みます。

個人的には構えた時に少し歪むのが気になる所ではありますが、まあ全部樹脂で出来ておりこの太さだと仕方がないのかも…。
バットプレート側はこんな感じでスリングスイベル用と思われる穴が開いているのと、畳んだストックのロック用の突起が付いています。


ストックを畳む際、テイクダウン時に使用するレバーの穴にストック側の突起が刺さります。

箱出し状態の初速と作動性について
という訳で、箱出し状態の初速と発射サイクルなどを見ていきます。
本製品のマガジンはアウターとインナーに分かれているので細かな温度調節やマガジン温度の確認がやりにくいので、ざっくり常温時と高温時の2パターンでのみ検証を行いました。
使用したガスはHFC134A、BB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。
まずは常温状態(マガジン表面温度 22.6度)での初速は75.29m/sでした。
この温度があれば安定して動作してくれます。


マガジン表面温度50.1度の状態での初速は83.89m/sでした。
リコイルは少し大きくなりますが、ボルト自体がそんなに巨大な物では無いのでリコイルは控えめ。


尚、フルオートもそれなりにしっかり動作しますが、初速のブレは大きい印象でした。
また、生ガスも少し吹きがちで急激に動作が不安定になるタイミングがありました。

フルオートを使うならトリガー引きっぱなしではなく3~4発のバースト程度に収めておくのが良さそうです。
セミオート・フルオートの動作はこんな感じ。
重本体が軽い影響もあっていい感じに揺れます。
作動性はめちゃくちゃ良い訳では無いですが、普通に動いてくれるといった感じ。
以前購入したMaruyama SCW-9 PROよりかは作動性は良いです。
外部ソース運用について
外部ソースで動かした方が圧倒的に作動が安定したので、外部ソースでの初速についても紹介します。
いつも通り、マガジンに穴を開けて6mmホースを接続出来るようにしています。
レギュレーターはサンプロジェクト製です。(ボンベは38g)


0.5MPa弱での初速はこんな感じ。
初速に関しては91m/s半ば程度の初速が出ており、発射サイクルは毎秒19.1発。
フルオート時の初速のバラツキは少々ありますが、それでもフロンガスのリキッドチャージに比べるとかなりマシです。


また、マガジンの表面を50度まで温めた状態よりも大きく初速が出ている事から、やはりマガジンの外装を温めてもあんまり意味は無さそうです。(アウターだけ温まってインナーが温まらない)
明らかにリコイルも強くなります。
というか、0.5MPaでこれだけしっかり動くなら文句無しですね。
尚、ガス圧を調節して色々試した結果、最低動作可能な圧力は0.3MPs程度で、初速は74.6m/sでした。
これよりも低いとボルトが正常に後退せずガスカットされず、ガスが流れ続けてしまいます。

という訳で、Maruyama MP-IX(MP9-N) SMG DX JP Version GBBのレビューは以上になります。
刻印などは入っていませんが全体的に外観の再現度はかなり高いと思います。
正直、B&T APC9を模したSCW-9よりも完成度は高いと思われ、結構気合の入った製品になってるかなと思います。

という訳で引き続き、いつも通り分解レビューと調整記事を書いていく予定です。