レンズの明るさ?レティクル形状?個人的なドットサイト選びの基準
記事作成日:2017年4月13日
私は今まで色々なドットサイトを買ってきました。
オープン(リフレックス)型、チューブ型、ホロサイト、etc…
レプリカから実物まで色々と…。
流石に10万オーバーの高級ドットサイトにはまだ手を出していませんが…。
昔はドットサイトなんて「付いてれば良い」位の感覚で、別にどんな製品でも良かったのです。
ゼロイン調整すらロクにしてなかったですし。
しかし、最近は『自分がドットサイトに必要としている性能』という物に気づき始め、それを基準にドットサイトを選んで購入するようになってきました。
そんな私のドットサイト選びの基準みたいなのを紹介しようと思います。
尚、当記事ではホロサイトもドットサイトと同じ扱いにしています。
厳密にはドットサイトとホロサイトは技術的に異なる製品なので、同一カテゴリでは無いと思うのですが…。
ちなみに、前提条件として私は「この銃にドットサイト乗せたいからドットサイト探そう!」というモチベーションはありません。
「何か面白いドットサイト無いかな〜」と探して面白いのを見つけたらそのドットサイトのスペックを調べて良さげだったら買います。
そして、買ってから乗せる銃を選びます。
乗せる銃が無ければ銃を買います。
やっぱり見た目が第一
という訳で、私がドットサイトを選ぶ基準の第1は「外観」です。
「何だこの形!キモっ!」ってなったら大体買います。
ただ、オーソドックスな形状をベースにアレンジしているというのも重要かと思います。
あまりに変態的なドットサイトを買うと似合う銃を探すのが大変ですから。
↑キモくて衝動買いしたドットサイトの一例(Sightmark Wolverine 1×28 FSR)
もちろん、カッコイイと思ったドットサイトも買います。(こっちの方が割合多い気がする)
↑カッコよくて衝動買いしたドットサイトの一例(SIG SAUER ROMEO 4B)
とにかく、私はまずは見た目から入る人間です。
レティクルの形状はとても重要
続いて「ドット(レティクル)の形状」です。
ドットサイトのドットの形状って本当に色々な種類があるんですよね。
実用的に思える物から「何のための形状だ?」と思える物まで…。
そんな多種多様なレティクルを持つドットサイトですが、やっぱり変わった形のレティクルは使ってて楽しいんですよね。
なので、「何だこのレティクル!キモっ!」ってなったら大体買います。
特にレティクルの種類が変えれる奴は評価高いです。
個人的に気に入ってるドットの形状は、LUCID HD7 GEN3のレティクルです。
まずは、上向きの矢印のようなレティクル。
矢印の先端を40mに設定し、基本的にターゲットは矢印の上に乗せるような感じにして照準します。
更に長距離を狙いたい場合はひとつ下のドットに合わせると45m、もう1つ下のドットだと50mといった具合に調整する事で、射角を付けた射撃時の照準もしやすくなります。
あと、このようなT時のレティクルも良いです。
横に長い線が入っているおかげで水平が取りやすいですし、縦線の部分はドットになっているので、射角を付けた射撃をする時に便利です。
エアソフトガンの場合、銃を水平にするのは非常に重要な事です。
実銃だと極端な話横に向けようが逆さにしようが、ちゃんと撃てますしちゃんと飛びますが、エアソフトガンではちょっとでも傾けるとホップアップの回転の影響で弾が逸れてしまいますからね…。
後はよく見かけるサークル+ドットですね。
EoTech系のホロサイトやHOLOSUN辺りで採用されていますね。
このレティクルも結構便利で、射角を付けて照準する時は外側のサークルの下側を使って照準できますし、とっさに構えた時にドットを見失う事が格段に減ります。
小さなドット1個だと結構瞬時にドットの位置を把握するのは難しいですからね。
また、近距離で瞬時な射撃をする場合は大雑把な照準でも良いのでサークルにターゲットが入るように狙えば良いので、そのような使い方も出来ますね。
レンズは綺麗な方が良い
次にレンズです。
「レンズ」という物を使う機器なら何でもそうですが、レンズは綺麗である事に越したことはありません。
ただ、ドットサイトに関して言うと、結構好みが分かれる話で、私は「歪みが少ない」「透明度が高い」の2点を最重要視します。
ドットサイトのレンズの歪み
ドットサイトはドットを投影、ゼロインさせる機構の構造上、像が歪まないレンズなんて物は作ることが不可能なので「像の歪みが少ない」と表現しています。
歪みの無いレンズが欲しければホロサイト以外の選択肢は無い気がします。
※ホロサイトはホログラムが投影される投影膜その物を動かしてゼロインを調整する為、平らなレンズを使う事が出来るのでレンズの歪みがありません。
正直、レンズの歪みは実際に物を見ないと分からないです。
写真で判断する事も不可能では無いですが、写真だと分からないレベルの歪みでも肉眼だと気になる事が多々あります。(これはスコープでも同じ)
実物を見ても「店頭では気にならなかったけど、実際にサバゲーで使ったら気になる」といった事もあります。
よくある歪みの症状と言えば、
- レンズの周囲が歪んで魚眼レンズっぽくなっている
- レンズの周囲がぼやけている
- レンズの色が不均一
とかでしょうか。
特にレンズの歪みはオープン型のマイクロドットでよく起こります。
Trijicon RMRとか見たことがある人なら分かるのではないでしょうか。
ドットサイトを上下方向に傾けてみると、レンズの湾曲具合にそって像が歪んで見えると思います。
ドットサイトのレンズの透明度(クリアさ)
続いて、「レンズの透明度」の話です。
どれだけクリアなレンズか?という点ですね。
これは特に賛否が分かれると思います。
それは、クリアなレンズが一概に良いという訳では無いからです。
例えばAimpointやTrijiconのドットサイトはわざとレンズを青くしているようです。
理由は赤道沿いのような日光のとても強い環境下だと透明なレンズの中でドットを視認するのが難しい為、レンズを青くして赤いドットを見やすくしているらしいです。
そんな訳で別にクリアである事がドットサイトにおいて最重要であるという訳ではありません。
用途によって色々といった感じですね。
私がクリアなレンズが好きなのは、単に私がそういったレンズを好んでいるだけです。
ちなみに、対物レンズにルビーコートが施されているドットサイトの場合、レンズが青くなるのは仕方がない事のようです。
その為、その青みを抑えるために「ルビーコートが掛かった対物レンズでもクリアさを保つ」という技術を持っているメーカーも多いです。(最近はレプリカでもこういった技術が見受けられます)
例えば、ルビーコートが掛かっている、同じサイズのオープン型のドットサイトでも、メーカーによってこんなにレンズに色の差が出ます。
という訳で、色の付いたレンズ紹介
青すぎるレンズ
Trijicon RX01のレンズなんですが、めっちゃ青いです。
レンズ越しだと青いフィルムを覗いているような状態になり、片目照準は厳しいですね…。
ちなみに、Trijicon RMRもこれよりかはマシですが、結構青いレンズが採用されています。
ぶっちゃけ、メーカーによってはレプリカのRMRより青かったりします。
ただ、これはトリチウム+集光アクリルを用いたドットサイトという仕様上の問題が大きいのです。
いかんせんトリチウムと集光アクリルだけでレティクルを表示させようとすると明るさが足りないのです。
その為、レンズを青くしてレティクルの視認性を上げているのだと思われます。
青いレンズ
レプリカドットサイトでよく見られる青さです。
あからさまに「青いな」と感じる青さですが、昔のAimpoint製品(COMPとか)やTrijicon RMRもこれくらいの青さです。
昔の私なら十分満足していた青さなのですが、これ以上にクリアなレンズがある事を知ってしまうとこういったドットサイトを買うことは無いでしょう…。
あまり青くない、透明度の高いレンズ
ここらへんが私の好みですね。
色の違いに気が付かないレベルで、よく見ると「ちょっと青いな」と感じる程度の青さです。
最近買った製品だと「Sightmark Wolverine 1×28 FSR」「VORTEX SPARC AR」「SIG SAUER ROMEO 4B」辺りがこのような透明度の高いレンズが採用されています。
もちろん、全て対物レンズにルビーコートが施されています。
それでもかなりの透明度を保つ事が出来ているのです。
暗いレンズ
多くのレプリカホロサイトがこれですね。
スモークレンズかよ?!と思える暗いにレンズが暗いです。
確かにドットは見やすいですけど…。
また、この手のレンズは反射も強く、覗いてる自分自身が映り込む事もありますね。
ドットを覗いたら自分の目が映り込むとかよくあります。
↑腕か何か…、とにかく体の一部が写り込んでます
透明のレンズ
レンズなので透明度100%なんて事はありませんが、恐らくドットサイトの中では一番クリアなレンズでは無いでしょうか。
EoTechホロサイトのレンズです。
めちゃくちゃクリアです。
ただ、EoTechホロサイトのレンズは暫く使っていると黄色く変色してきたり、湿気が入り込む事でレンズの周囲に滲みが出てきたりします。
それも早ければ2〜3年で…。
私が使っているEoTech 556のレンズは少し黄ばんできている程度ですが、ホログラムの明るさ(ドットの明るさ)がかなり低下してきており、もう晴の日の屋外では使い物になりません。
ホログラムの光量低下はEoTechホロサイトが抱えてる持病みたいな物です。
ちなみに、1997年製のBushnell ホロサイトはまだまだ元気に動いているので、「ホロサイト」という技術が悪い訳では無さそうです…。
それにしてもBushnellホロサイト、長持ちし過ぎじゃないですかねぇ…。
他にはOptima2000のような競技用銃に取り付けるようなドットサイトもかなり透明度の高い製品が多かったりします。
こういった製品はレンズに対してこれと言ったコーティングが施されていない透明のレンズを採用しているので、「何もしてないから透明」という状態のようです。
最も、最近は競技で使われるドットサイトもルビーコートが当たり前になってきており、無色透明なレンズを採用しているドットサイトは全て一昔前の製品なのかもしれませんが…。
茶色いレンズ
異色系その1、レプリカドットサイトでたまにある茶色いレンズ。
茶色と言うより、赤色といった方が正しい気がしますが、なんでこんな色のレンズを採用したのだろうか…。
紫色のレンズ
異色系その2、一部のレプリカホロサイトやLeupold LCOレプリカドットサイトがこの色ですね。
「暗い」んじゃないです「紫色」なんです…。
という訳で、レンズの色紹介はこんな感じです。
意外と忘れがちなドットサイトの視野
最後に、ドットサイトの視野について。
と、その前にそもそもドットサイトを銃に取り付ける際の注意点があるのでそれを紹介。
例えば、MP5/G3専用のドットサイトとして売られているこちらの製品。
「WALTHERタイプ〜」とか言われてる製品なのですが…。
もう、これはアイアンサイト覗いてるのとなんら変わりありませんね。
これ、ドットサイトの意味ある…?
MP5KやG3のようにリアサイトが円ではなくV字型に切られてる物ならここまで視界が悪くなったりしないんでしょうけど…。
AR系でレシーバーに乗せるタイプのドットサイトを付ける場合はフロントサイトはフリップアップ式(折りたためる奴)にするのが良い気がします。
あとはライザープレートかますとかライザーマウント付けるとか…。
ちなみに、フロント、リアサイト共にフリップアップにすると、このようにドットサイトを付けたままでもアイアンサイトが使えます。
サバゲーだとバックアップサイトの必要性はほとんどありませんが、実戦だと戦闘中の衝撃でレンズが割れたりドットサイトが故障しても戦闘が継続出来るようにバックアップサイトとしてフリップアップサイトを付けている場合が多いです。
また、アイアンサイトのような視界を遮る物が無かったとしても、ドットサイト本体の視野というのもあります。
視野の広さという点で言うとオープン型に勝る物は無いでしょう。
チューブ型だとチューブ自体の厚さ(縁の厚さ)もありますし、対物レンズから入った光がチューブを通って接眼レンズを通して見るので、対物レンズや接眼レンズの直径、チューブの長さも視野に影響を及ぼします。
例えば、VORTEX SPARCとかはレンズ径も狭いですしチューブも長いので視野が狭いです。
改良された最新バージョンであるVORTEX SPARC ARもチューブの長さは短くなりましたが、レンズ系が小さいので、視野は狭いまま(SPARCよりかはマシ)です。
左がVORTEX SPARC AR、右がSIG SAUER ROMEO 4B(HOLOSUNと同スペック)
後はパララックスの話も注意点ではありますが、正直エアソフトガン程度の用途だとあまりパララックスの話は気にしなくて良いと個人的に思っています。
そもそもBB弾は10メートル程度の距離ですら真っ直ぐは飛びませんし、長距離になればホップアップの挙動もあわさってもうめちゃくちゃな事になります。
正直これは自分の銃が「何メートルから何メートルの間、同じゼロイン設定で狙えるか」というのが重要になってくると思うので…。
という訳で、「私はドットサイトをこういう視点で選んでます」的な話をしてみました。