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お借りしたDEON March-F 1-8×24mm D8V24FIMLを屋外でLayLax SOL、Bushnell AR-OPTICSと比較してみた

記事作成日:2017年6月9日

ガンジニアの石岡さんにお借りした、DEON March-F 1-8×24mm D8V24FIMLを屋外で見てみました。
比較対象として、私が持っているショートスコープ、「サイトロンジャパン×LayLax RS1-4×24mm SHORT SCOPE “SOL”<Quintes sence MIL>」と「Bushnell AR OPTICS 1-4X 24MM THROW DOWN PCL」を使って比較してみる事にします。

尚、屋内でのレビュー(ファーストインプレッション)はこちらからどうぞ。

共に普及価格帯の製品なので、高級品であるD8V24FIMLと比較するのはちょっとアレですし、同じ「ショートスコープ」という種類ではあるものの、SOLもAR-OPTICSも低倍シリーズの1種、D8V24FIMLは高倍率シリーズの1種なので、特性というかカテゴリが違っていますし、当然レンズの設計やら要件やら色々違っているはずです。

とは言っても、高倍率なスコープ持ってないのでこれらのショートスコープと比較する事にしました。

撮影は近所の河川敷にある高架下。橋桁までの距離は60〜70m位です。
こんな感じでスコープを横に並べて撮っています。
動画はiPhone SE、写真はデジカメで撮影しています。

尚、レティクルのイルミネーションは全てのスコープで最大光量にしています。

という訳でまずはアイボックスとアイレリーフの比較動画から。

それぞれ見え方違いますよねぇ…。
SOLは相変わらずのアイボックスとアイレリーフの広さ、縁の細さを誇っていますが、やはり色はお世辞にも綺麗ではありませんし、対物レンズとレティクルの反射が気になります。
というか、その反射のせいでカメラのピントが上手く合わないのです…。

AR OPTICSはアイボックスとアイレリーフは狭く、縁も太いですが、像は鮮明で歪みも少なめです。
また、ガラスエッジングレティクルの為レンズの反射はありません。(動画だとレティクル小さすぎて見えませんが…)

D8V24FIMLはSOL程ではありませんが、アイレリーフとアイボックスが広く、SOLレベルに縁も細いです。
像も鮮明で歪みも少なく、言うなればSOLとAR OPTICSのいいとこ取りといった感じでしょうか。

ただ、少し気になったのは視点をずらした時にぐにゃっと像が歪むという事。
適切な角度で除けば歪みは殆どなく綺麗に見えているのですが、角度を少しずらすと明らかに歪みます。
今まで色々なスコープを見てきましたが、このような歪み方をするスコープは初めて出会いました。
DEONは独特なレンズ使ってるんでしょうか…。

続いて、写真で1倍と4倍を見ていきます。
D8V24FIMLには8倍があるのでそれは比較ではなく、単体で見ていきます。

1倍(等倍)での見え方比較

ショートスコープの醍醐味とも言える1倍(等倍)表示です。
ここの見え方が凄いと、感動しますよね。

サイトロンジャパン×LayLax 1-4×24mm SOL

相変わらず3万円レベルとは思えない程の性能ですよ…。
像に関しては先述の通り、少し残念な所はありますが、価格を考えると仕方がないでしょう。

そして、少し注目して頂きたいのは、橋桁の位置。
スコープの内側と外側でズレているのが分かると思います。(スコープ内の像は1m程度下にズレてる)
像の大きさは肉眼と大差無いので、倍率のせいでズレているという訳では無さそう。

Bushnell AR OPTICS 1-4×24mm

こちらも像に関しては先述の通り。
AR OPTICSのレティクルは本当に小さいですね…。写真だとより一層見つけづらいです。
肉眼だとドットサイトのような感覚で使えるのでちょうどいい感じなのですが。

そして、SOLと同様に橋桁の位置が下側にズレているのが分かります。
スコープの角度の問題なのかな?とも思ったのですが、色々な角度で色んな物を見てみたのですが、やっぱり下側にズレてました。

DEON March-F 1-8×24mm D8V24FIML

像に関しては先述の通り、とても鮮明かつ歪みのない綺麗な像です。
そして、橋桁に注目して下さい。

ズレてません。

2倍での見え方比較

普段、私がショートスコープをサバゲーで使う時にデフォルトにしている倍率です。
故に、一番使用頻度が大きい倍率ですね。

サイトロンジャパン×LayLax 1-4×24mm SOL

アイレリーフやアイボックスは少しだけ狭くなりますが、まだまだ全然広いです。
倍率が上がった事によって像のズレはあまり気にならなくなります。

Bushnell AR OPTICS 1-4×24mm

こちらも倍率が上がった事によって像のズレはあまり気にならなくなります。
こちらのスコープはレティクルがFFPなので、少しレティクルが大きくなり、目盛りが視認出来るようになります。

DEON March-F 1-8×24mm D8V24FIML

こちらのスコープもFFPなのでレティクルが拡大され、目盛りがしっかり視認出来るようになります。

アイレリーフ、アイボックス共に1倍の時と大きな違いは感じず使えます(実際は少し狭くなっているはずなのですが、気にならないレベルです)

4倍(SOL、AR OPTICSでの最大倍率)での見え方比較

続いて、4倍比較です。
これがLayLax SOLとBushnell AR OPTICSでの最大倍率になります。

サイトロンジャパン×LayLax 1-4×24mm SOL

SOLは4倍になるとアイボックス、アイレリーフがかなり狭くなってしまうので撮るの大変でした…。
SOLの4倍を常用するのはあまり現実的では無い気がします。

Bushnell AR OPTICS 1-4×24mm

大抵のスコープは倍率を上げるとアイボックス、アイレリーフがかなり狭くなってしまうのですが、AR OPTICSはあまり気にならないレベルで抑えられています。
元からアイボックス、アイレリーフが狭いからかもしれませんが…。
ただし、スコープの縁が太くなり、視野は狭くなります。

レティクルがかなり大きくなり、目盛りやサークルをしっかり視認出来るようになります。

DEON March-F 1-8×24mm D8V24FIML

等倍、2倍の時に比べるとアイボックス、アイレリーフ共に狭くなりますが、まだ実用的な範囲内だと思います。
等倍〜2倍位までのBushnell AR OPTICSや、3倍時のSOLと同じ程度の広さはあると思います。

レティクルがかなり大きく表示され、目盛りの脇に書かれている数字も視認出来るようになります。

D8V24FIMLの8倍表示

最後に、D8V24FIMLの8倍表示です。
先述の通り、SOLとAR OPTICSは4倍が最大なので、D8V24FIMLのみの写真になります。

流石8倍。めちゃくちゃ拡大されますね…。
レティクルもかなり拡大され、目盛りがくっきり見えます。
ドロップ量のコントロールがかなりやりやすくなる感じなので、長距離での射撃時に有効だと思います。

そして、8倍にしても像が暗くならないのが良いですね。
低価格帯〜普及価格帯だとよくあるのですが、高倍率にすると像が暗くなりすぎる製品があります。
24mmしかない対物レンズでよくここまでの明るさを維持出来ているな〜と関心…。

D8V24FIMLのサイドフォーカス

続いて、サイドフォーカスを見ていきます。

D8V24FIMLにはショートスコープでは珍しくサイドフォーカスが付いています。
まあ、見た目は低倍率なショートスコープですが、なんだかんだ高倍率シリーズの1種だという事でしょうか。

このサイドフォーカス、使ってるとかなり便利な機能だという事が分かります。
正直、サバゲー中に「敵までの距離がXXmだから、フォーカス合わせて〜」とかそんな悠長な事やってられないので、このサイドフォーカスは主に精密射撃とか競技性のある場所で有効な物だと思います。

D8V24FIMLのサイドフォーカスは最低10ヤード(9.144メートル)から設定出来ます。
目盛り上の最大は100ヤード、それ以降は無限となっています。

最低約9mとの事ですが、実際は4m位でピントが合います。
その為、このように5m程度の距離で8倍率という頭のおかしい設定が出来るのです…。

※カメラ側の問題でレティクルにピントが合っていませんが、肉眼だと像とレティクル共にくっきり見えています。

更に近づけると(距離約2〜3m)少しぼやけてしまいますが、柵の網目がしっかり見えているのが分かると思います。

APSのブルズアイみたいな感じで近距離の的に対して正確な射撃をする時に使えそうですね。
このサイドフォーカスを使えばペーパーターゲットの線までくっきり見えそうな感じです。

まとめ

という訳で、DEON March-F 1-8×24mm D8V24FIMLのレビュー記事はこれにて終了です。
もう石岡さんに返送してしまったので…。

ファーストインプレッションの方にも書きましたが、そもそも私がこのスコープをお借りした理由は、March-Fを買うかMarch Compactを買うかで悩んでいた為です。

March-Fをお借りして色々検討した結果、私の用途には不必要な機能が多く存在し、アイレリーフ、アイボックス等も少し狭いのが気になってしまったのでMarch Compact March Compact 1x-4×24 D4V24IMLの方を購入する事に決めました。

もっと精密射撃とかやる人間ならMarch-Fを買ってたと思うのですが、未だにそういった競技をやった事が無いですし、今後もやる事は無さそうなので…。

サバゲーでの用途メインなら、March Compactの方が良さそうな気がします。
スペック的にはもちろん、価格的にも…。

D4V24IMLの実物を見れたら一番良かったのですが、それは無い物ねだりですからね…。
買って試す事にします。

スペックを見る限り、D4V24IMLの方がSOLに近しい気がしますし、SOLの上位モデルと考えると良いのかな?と…。

お借りできてとても助かりました。
やはり、こういう物は実物を見てみないと分からないですよね…。

カタログスペックを眺めながら長らく悩み続けていた物も、実物を見るとカタログスペックには記載されない細かな特性とかがが分かってきて、自分の好み、用途に合ったものかが一瞬で分かります。