近未来的なデザインが特徴の、APS Phantom Extremis Mark V(PER705)をレビュー
記事作成日:2018年2月2日
つぼみトレードカンパニー様よりAPS製電動ガンを3丁お借りして順次レビュー・ご紹介していく記事もこれで最後になります。
尚、今回の記事はご依頼を頂き書かせて頂いているレビュー記事ですが、レビュー内容はいつもの当ブログの方向性と変わらず、私が見て思った事を色々書いていっています。
というわけで今回ご紹介するのはAPS Phantom Extremis Mark V(PER705)です。
こちらの電動ガンは、APSが2年の歳月をかけて制作したオリジナルデザインシリーズの電動ガンの1つです。
近未来的ながらユーザーに配慮したデザインとなっています。
最近の海外メーカーの多くは、オリジナルでカッコイイデザインのエアーソフトガンに力を入れているような印象があります。
いわゆる「M16」や「M4」等の軍用アサルトライフルではなく、民間向けのアサルトライフル(民間AR)の方向性ですね。
APSにもその流れが来ており、今回ご紹介するPhantom Extremisシリーズもオリジナルデザインの電動ガンシリーズで、Mark I〜Mark Vといった5種類のバージョンが存在します。
Phantom Extremis Mark Vはその中でも2017年に発売された最新バージョンです。
APS 電動ガン M4 ベースの近未来的なオリジナルデザイン 初心者やカスタムベースに Phantom Extremis Mark V PER705
内容物は銃本体とクリーニングロッド、M-LOKマウントの20mmレイルパネル2枚、説明書ダウンロード用のQRコード、マガジン(多弾数マガジン)、グリップパネルです。
説明書は付属するのではなく、QRコードをスキャンしてAPSのオフィシャルサイトからダウンロードする形になります。
QRコードをスキャンするとダウンロードの一覧ページに遷移するので、そこから該当の銃を選択してダウンロードします。
尚、今回レビュー用にお借りした物には、英語サイトへ飛ぶQRコードになっていますが、正式発売時には日本語マニュアルに対応したQRコードが付属するそうです。
その為、QRコードを読み込むと日本語説明書へ飛ぶような仕様になります。
Phantom Extremis Mark Vの外観レビュー
細部を見ていきます。
と、その前に手にとって最初に思ったことを言わせてください。
「軽っ!」
めっちゃ軽いです。
正直、笑いました。
ただ単に全体が軽いのではなく前側の方に重みがあるので、構えた時の重量バランスは丁度良い感じです。
いわゆるフロントヘビーって奴ですね。
また、アッパーフレームとロアフレームのガタツキも無く、外装はかなりガッチリしているのも高評価です。
ハンドガードはフリーフローティングのM-LOKハンドガードが付属しています。
ハンドガードの長さは約25.5cmだったので、大体10インチ相当のハンドガードです。
M-LOKの穴は7面あり、左右のみ4コマで、それ以外の面は5コマあります。
ハンドガードの首元付近に空いている穴はQDスイベルになっています。
また、フラッシュハイダーはハンドガードに埋め込まれるような形の最近流行りなデザインになっています。
フラッシュハイダーはNOVESKE KX3、KFHのようなラッパ状のフラッシュハイダーで、インナーバレルはマズルギリギリの所まで伸びています。
このフラッシュハイダーは一般的に「サウンドブラスター」と呼ばれ、発射音を大きくする特性があります。
その特性や形状的な特徴から、「ラッパハイダー」とも言われますね。
「パン!」「パン!」という気持ちのよい破裂音になります。
アウターバレルのネジ切りは一般的な電動ガンと同じ14mm逆ネジで、マズルはハンドガードとほぼツライチです。
ハンドガードとレシーバーのつなぎ目には段差が無く、綺麗な継ぎ目になっています。
レシーバーは至る所に凹凸があり、特徴的な装飾が施されていますね。
この辺りは特にAPSのオリジナルデザイン感が溢れ出ています。
セレクターレバーはアンビ仕様になっており、動かすと「カチッ」といい感じのクリック音がします。
また、左側のセレクターレバーはグリップを右手で握り込んだときに手に当たらないように短いセレクターレバーになっています。
セレクターの刻印も特徴的で、「NO PEW(撃てない)」「PEW(セミオート)」、「PEW PEW PEW(フルオート)」と、ネタが仕込まれています。
「PEW」というのは射撃音の擬音で、実銃でもこの刻印が施されたレシーバーが存在しています。
guns.comのこちらの記事より拝借
付属のトリガーは、最近の民間ARで流行っているストレートトリガーです。
真ん中が肉抜きされているのと、先端が尖っているのが特徴的です。
マガジンキャッチもセレクターレバーと同様、左右どちらからでも操作が出来るアンビ仕様になっています。
共に大型のボタンが採用されており、押しやすく、操作性が良いです。
チャージングハンドルを引き、イジェクションポートを開けるとHOP-UPの調節ダイアルが見えます。
HOP-UP調節ダイヤルは東京マルイ製の通常電動ガン M4/M16系で採用されている一般的な形状です。
また、イジェクションポートを開いた状態でボルトリリーボタンを引っ張る(押すのではない)と、上写真の位置でダミーボルトがロックされます。
VFCやKingArmsの電動ガンのように自動でロックが掛る訳では無いようですが、HOP調節の為に毎回チャージングハンドルを引かなくていいのが良いですね。
尚、ボルトリリースボタンを押す事で開放されます。
チャージングハンドルもアンビ仕様で操作し易い大型な形状をしています。
BCMのチャージングハンドル、「BCMGUNFIGHTER Ambidextrous Charging Handle (5.56mm/.223) w/ Mod A44 (Ambi)」に非常に良く似たデザインです。
フロントサイトとリアサイトはフリップアップ式ですが、フリップアップしなくても使えるという、ユニークな物が付属しています。
尚、フリップアップさせる時は手前のAPSのロゴを押すと、スプリングテンションで自動的に起き上がります。
サイトピクチャーはこんな感じ。
左側は折りたたまれた状態、右側はフリップアップさせた状態になります。
それぞれノッチサイトとピープサイトの形状になっています。
折りたたまれた状態のアイアンサイトは、集光アクリルのおかげでとても狙いやすいです。
しかし、この位置のサイトを覗くには少々無茶が生じ、普通に頬付けした状態では狙えません。
顔を横にするなど「無理やり覗き込む」ような姿勢になると思います。
グリップは根本が細くなっており、かなり握りやすい形状になっています。
写真だと伝わりにくいと思いますが、電動ガンのグリップの中ではかなり細くて握りやすい部類だと思います。
また、グリップの前後はゴム製のグリップパネルになっており、交換用のパネルが前後各1枚ずつ付属します。
前後のグリップパネルは単にはめ込まれているだけなので、細いマイナスドライバーを突っ込んで簡単に剥がす事が可能です。
パネルを交換するとこのようにスリムなグリップになります。
前側はフィンガーチャンネルが無くなり、後ろ側は少し薄くなっています。
私はフィンガーチャンネルが無い方が好きなので、こちらの形の方が好みですね。
グリップ底部、底蓋は金属製で放熱用のスリッドが空いているタイプの物になります。
モーターの位置調整は中央のマイナスネジで行います。
ストックはリトラクタブルで、MFT BMSのようなL字型のデザインをしています。
ストック下部にはQDスリングスイベルが付いています。
ポジションは6ポジション。
ストックチューブの形状は一般的なM4系ですね。
ストックチューブの中に配線とヒューズ(管型の15A)が入っています。
バッテリーコネクタはタミヤミニコネクタでです。
ストック上部のピンを抜くとバットプレートを開く事が出来ます。
こちらにバッテリーを収納する仕様です。
Phantom Extremis Mark Vで使えるバッテリー
手持ちのバッテリーで収容可能なサイズを見てみた所、ストックチューブに入れれるサイズの細身のLiPoバッテリーであれば大体問題ありませんでした。
また、ミニSサイズのLiPoバッテリーも問題なく入れる事が出来ました。
また、ヒューズをバッファーチューブ内ではなく、バットプレート側に逃がして、バッファーチューブ内にLiPoバッテリーを入れるのであれば、もっと大きな棒状のLiPoバッテリーも入りますし、2セルならセパレート(二股)バッテリーも入ります。
スリムなストックではあるものの、バッテリーの選択肢は割と幅が広い印象です。
Phantom Extremis Mark Vの初速と連射速度、トリガーフィーリング
最後に、銃の動作を見ていきます。
動作テストに使用したバッテリーは7.4V 2000mAh 25CのLiPoバッテリーで、BB弾は東京マルイ パーフェクトヒット 0.20gです。
しかし、HOP-UPを強くしていくと、初速が下がっていきます。
少しHOPの突起がある状態(弱HOP)だと、84m/s前後でした。
もう少しHOPを強くした状態(中HOP)だと、74m/s前後でした。
限界までHOPを強くした状態(強HOP)だと、63m/s前後でした。
0.20gのような軽い弾であれば問題なく使えそうですが、0.25gのような重めの弾を使おうとすると少々厳しい感じがします。
そして、個人的に驚いたのは動作音の静かさです。
ASR120、ASR102としてきて、他にも何度かAPSの電動ガンは使ったことがあるのですが、APSと言えば低価格中華ガンらしい酷いギアノイズと酷いレスポンスが印象的だったのですが、Phantom Extremis Mark Vは東京マルイの電動ガンかと思わせるような綺麗な動作音でした。
また、レスポンスも悪くはなく、他のAPS製電動ガンとは全く違った印象を受けました。
ぶっちゃけ、東京マルイ純正の電動ガンと同レベルではないか?と思えるレベルです。
セミ、フルの動作を動画に撮ってみました。
セミを10発、フルを2回撃っています。
動作音が静かなおかげでラッパ状のハイダーによる気持ちのよい破裂音がよく聞こえます。
箱出し状態にも関わらず、ここまでギアノイズが少ないのは驚きでした。
そして、ASR120やASR102などと違い、APS Phantom Extremis Mark Vではダミーボルトがカシャカシャ動く、『リアルブローバック』が搭載されていません。
また、トリガーストローク・トリガーフィーリングも悪くはない感じです。
ストレートトリガーにしては若干長めな気もしますが、これは物理スイッチのトリガーなので仕方がないでしょう。
グググと引いていった後、少し重みというか引っかかる感触があって、そのまま引くと発射されるというようなトリガーフィーリングです。
発射される瞬間が分かるトリガーフィーリングなのは好印象です。
Phantom Extremis Mark Vの総評
個人的にAPS Phantom Extremis Mark Vは驚きの連続でした。
「APSの電動ガンってこんなに良くなってるのか!」と。
もっともAPSの電動ガン全てがこの品質なのではなく、低価格帯は低価格帯らしい性能である事には変わりありませんが…。
Phantom Extremis Mark Vに関しては、APSの自信作なのでしょうか。
外装、動作性能共にかなり気合の入った物になっていると思いました。
あと、他のAPS製電動ガンシリーズで搭載されている、リアルブローバックが搭載されているないのも個人的に高評価です。
本当あの機能要らない…。
HOPを強く掛ける事による初速の低下があるのは不安ではあるものの、箱出し状態でここまでしっかり動くのなら、調整も楽そうですし、箱出し状態でも軽い弾を使うのであればサバイバルゲームでも十分使えるのではないか?と思います。
流石にロングレンジを攻められるような銃では無いですが、20m、30m程度であれば十分戦えるのでは無いかと思います。
ご依頼主であるつぼみトレードカンパニー様からは分解しても良いとのご連絡を頂いたので、今後分解レビューもしていきますので、お楽しみに!
もちろん、メカボックスの中身まで紹介しますよ。
APS 電動ガン M4 ベースの近未来的なオリジナルデザイン 初心者やカスタムベースに Phantom Extremis Mark V PER705