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VFC製電動ガン MP7A1の内部カスタムと調整を行っていきます

記事作成日:2019年6月24日

久しぶりに“海よりも深い後悔”を味わったVFC AEG MP7A1ですが、分解・組み立て時の破損やトラブルの話をいくつか耳にしました。
皆さん苦労しているみたいですね…。

細かいパーツが多い…

ちなみに、分解方法はこちらをご参照下さい。

という訳で、そんなVFC製電動ガン MP7A1の組み立てを行っていきます。
まずはメカボックスから。

VFC AEG MP7A1のメカボックス周りの調整

まずは適当にシム調整を行います。
VFC AEG MP7A1のギアは4枚あるので、通常の3枚ギアに比べると手間が増えます。
感覚的には1.5倍位面倒くさかったです。

正直シム調整に関しては好みが分かれる所だと思うので、あんまり詳しくは書きませんが、「メカボックスと擦れない事」「ギアの面同士が擦れないこと」の2点さえ守られていれば基本的にスムーズに回ると思います。

シム調整しながらピニオンギアとベベルギアとの当たり具合を確認していた所、ピニオンギアがベベルギアに対して深く刺さりすぎており、それによるギアノイズが発生していたのでピニオンギアを0.5mm程奥まで差し込み、ベベルギアに付いていた真鍮のパイプを外し、シムで高さを稼ぐ方式にしました。

他の個体を撃たせてもらったのですが、未調整でも割と作動音が静かな個体もあるので、ギアノイズに関しては個体差という可能性が高そうです。
うちの個体、結構ギャーギャー鳴いてたんですよ…。

尚、MP7A1のモーターは普通のモーターよりもだいぶ短いので、ピニオンリムーバーを使ったピニオンの圧入が出来ませんでした。
その為、万力を使って挟み込み、エンドベル側のシャフトにねじを当てて抑えながら圧入しました。
リムーバーを使う時もそうですが、シャフトを抑えないままピニオンを圧入しようとすると、最悪の場合モーターが壊れます。(昔やらかした経験あり)

シム調整の結果はこんな感じ。
軸受やギアの精度自体は悪くは無さそうで、異音無く綺麗に回ってくれます。

ちなみに、エアダスターを使った確認方法は結構前からやってるのですが、結構オススメです。
樹脂軸受以外の軸受なら、この方法で精度は問題無いか、調整はちゃんと出来ているかのチェックが出来ます。

シム調整が完了したらグリスアップです。
MP7A1の軸受はボールベアリングなので軸受にはGAW G-LUBEを、ギアの歯にはGAW G-GREASEを塗ります。

一旦この状態で組み上げて動作テストを行います。
尚、VFC MP7A1は逆転防止ラッチを入れていない状態であれば側面からピニオンギアとベベルギアの接触具合が確認できるのでかなり便利です。

動作テストはいつもの動作テスト用物理スイッチを使うのですが、VFC AEG MP7A1のモーターには一般的なモーターピンが取り付けられないので、ワニクリップを使っています。

この時点である程度ピニオン位置の調整と、どの程度締め込んだり緩めたりすると異音が鳴るか?という事を確認しておきます。
これでピニオンギアの可動域がなんとなく分かります。

尚、先述の通りピニオンギアをより深く挿し、ベベルギアまで下げたのですが、それでも結構ギリギリ(調整幅が少ない)でした…。
箱出し状態でギア鳴り凄かったのは多分ピニオンギアとベベルギアの当たりが悪かったからでしょうね…。

という訳で、続いてタペットプレートやシリンダー、逆転防止ラッチを組み込みます。

ここで発覚した問題なのですが、ベベルギアの位置を変えるとタペットプレートがベベルギアに当たります。
今回シム調整の時に外した真鍮のパイプはタペットプレートとギアが接触しないようにする為の役割があったんですねぇ…。

まあ、シム調整やり直すのは面倒くさいので、タペットプレートを加工する事にしました。
タペットプレートには元々ベベルギアを逃がす為に、少し削り込まれたデザインになっているのですが、そこを0.5mm程深くしました。(写真赤矢印)
リューターに切削ホイールを付けて削れば簡単に加工が出来ます。

とりあえずこれでタペットプレートの動作はスムーズになりました。
尚、ノズルに関しては元々シーリングノズルになっているおかげか気になるようなエア漏れは無く、ノズル長も合っていたのでそのまま使う事にしました。

続いて、ピストンの準備です。
ピストンは当初純正のまま使おうと思ってたんですが、DCI Guns製の側面吸気ピストンを発売開始直後に買ったものの放置されていたのを思い出したので、それを使う事にしました。

ピストンヘッドの他にスラストベアリングが付属します。
尚、ピストンヘッドに付いているOリングは、GAW FRUS-Oリングです。

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ちょっと脱線しますが、吸気方向についての説明を簡単に…。
一般的なピストンは「前方吸気」と「後方吸気」の2種類です。

前方吸気というのはピストンヘッドに穴が開いていない、東京マルイ純正の電動ガン用ピストン等で採用されているタイプで、ピストン後退時にノズル側から吸気を行うピストンです。

緑が空気の流れ、青がピストン、赤がOリング

一方、後方吸気というのはピストンヘッドに穴が開いているピストンヘッドの事です。
海外製電動ガンや、カスタムピストンヘッドでは形や穴の大きさに違いはあれど一般的な仕様で、VFC AEG MP7A1のピストンもこの形の物が入っています。

緑が空気の流れ、青がピストン、赤がOリング

そして、DCI Gunsは恐らく今までに無かった側方吸気(側面から空気を取り込む)というアイデアの商品です。

空気の流れとしてはこんな感じ。
この方式ではピストン後退時は後方吸気のようなスムーズな吸気が行え、ピストン前進時は前方吸気のようなしっかりした圧力を維持する事が出来るような気がします。

緑が空気の流れ、青がピストン、赤がOリング

ただ、結局の所後ろ側から空気を取り込んでるので後方吸気の亜種みたいな感じな気がしなくもない…。
詳しくは公式が解説動画を上げていますので、これを見ていただけるとより理解が深まると思います。

これは構造を見ていてなんとなく思った事ですが、特にフルシリンダーで効果を発揮しそうなピストンだと思いました。

それと、アルミで出来ている事もあって、MP7A1純正の樹脂ピストンヘッドの倍以上の重量があるので、HOPを強めに掛けた時の初速低下を少しでも防げたらな…と思っております。
詳しくは後述しますが、当初からHOPパッキンを変えるつもりだったので…。

尚、今回はスラストベアリングは使いません。
VFC AEG MP7A1にはピストンスプリングガイド側にスラストベアリングが付いてるので、2個は要らないでしょ…という判断です。
なので、内側のネジはこんな構成になりました。

気密チェックを行っていた所、シリンダーヘッドとシリンダーのくっつきが弱いかな?と思ったのでシールテープを使って気密を上げる事にしました。
シリンダーヘッドにシールテープを巻いて、余分な所を切除します。

尚、AOE調整をどうしようか色々考えていたんですが、AOEについては特に触らなくて良さそうだったので、そのままです。
ほぼドンピシャ出てるので、仮にやったとしても1mm未満の座金を1枚入れる程度で良いと思います。

ピストンを入れた状態で動作テストを行った所、ピストンの動作やギアノイズは問題が無かったのですが、モーターがガタガタ揺れ動いているのが気になったのでビニールテープを貼ってガタを抑えるようにしてみました。

これで組み立てて動作テスト。
この時もまだ動作テスト用の物理スイッチを繋いで行っています。

メカボックス側の調整が一段落したらバレル・チャンバー周りをいじっていきます。

VFC AEG MP7A1のバレル、チャンバー周りのカスタム

今回、HOP周りには「MAPLE LEAF SUPER macaron 60°」と「Silverback SRS Hop Up Rubber Nub」を組み込む事にしました。

「コイツいつもメイプルリーフ使ってんな」って思われるというか、実際言われたことあるんですが、メイプルリーフが一番手っ取り早いカスタムパッキンなんですよ…。
あと、言わせてもらうと今回組み込む奴はMAPLE LEAFの新作で、今回始めて使う奴です。(パッキン自体は半年位前に買った奴ですが…)

従来品との違いはHOPの凸がGBB用SUPERと同じひし形状になっているのと、外側のリブの形が変わっています。

ただし、パッキンの口が肉厚である所は変わっていないのでここは注意が必要です。

個人的にメイプルリーフのAEG用パッキンを組んで「性能が微妙だった」「エア漏れひどかった」「給弾不良凄い」といった場合は大抵この独特な口の形状が悪さをしている気がします。

MAGPUL PTS MASADAのカスタム記事でメイプルリーフのHOPパッキンを調整しているので、気になる人はこちらも見てみて下さい。

尚、当初インナーバレルも交換しようと思っていたのですが、初速の変化を見てみたかったのでとりあえず純正のままにしておきました。

続いて、直押し仕様のHOPアームをHOPクッションに対応させる為に加工を施しました。
まあ、リューターで削るだけですけど。

HOPクッションは組み込んだ後にズレるのが嫌なので、接着しています。
また、この時に設けたHOPクッション用の溝ですが、ちょっと工夫をしています。

HOPクッションが傾いているので、「加工ミスってるじゃねーか」と思ってしまいますが、これで正解です。

というのも、VFC MP7A1のHOPアームは樹脂のアームを片側(右側)から押し下げるタイプなので、HOPを強くかければ強く掛けるほどアームが変形し、右側が強く押されるようになってしまいます。
マルイ式だとちょっと弾が逸れる程度でそこまで大きな問題は起きないのでしょうけど、メイプルリーフのパッキンでそうなると弾道は酷い事になります。

今回のやり方は「右側に傾くなら予め右側を凹ませておけばいいじゃないか」という割と強引な解決方法です。

結果、こんな感じになりました。
ちなみに「削る→組む→HOPの突出量を見る」を何度も繰り返すので、地味に面倒くさいです。

HOP弱の状態だと左側の方が突起が大きいです。
HOP中で左右がだいたい均等になります。
HOP大だと右側の方が突起が大きくなります。

お分かり頂けたでしょうか。
こんなにHOPテンショナーを反対側に傾けて付けていても、HOPを強く掛けると結構突起が傾くんですよ…。

尚、HOPの傾きが右側になるタイミングに印を付けておきました。
「これ以上HOPを強く掛けると弾が逸れるよ」という目安になります。

あと、個人的にVFCのバレルクリップが嫌いなので、レトロアームズのバレルクリップに変更しておきました。
VFCのバレルクリップはガッチリ固定出来るので良いんですが、外すの面倒くさいので…。

という訳で、これでバレル・チャンバー周りが出来上がったので、組み立てていきます。

MP7A1の残りのパーツを組み立てていきます

チャンバーとメカボを合体させ、配線などを通せば完了。

この状態で動作テストを行い、全部組み上げる前にピニオンギアの位置の最終調整を行います。
というのも、ピニオンギアの位置を調整するには写真の通り、一旦基盤を外す必要があるためです。

また、この状態で動作テストを行う場合、いくつか注意が必要です。
まず、一部のパーツ(レバー類は特に)はフレームによって押さえつけられている物もあるので、それらは外しておいたほうが良いでしょう。
また、動作に必要なパーツも固定されていない物が多いので、これらが外れないように注意が必要です。

そして、スイッチ類は全て非常に小型で壊れやすいので特に注意が必要です。

動作させるにはまず、青色の配線の先にあるスイッチを押しておきます。(写真左)
これはマガジンの有無とボルトリリースボタンと連動しているスイッチです。
この状態でオレンジ色の線の先にあるスイッチ(写真右)を押すと動作します。

このオレンジ色の線の先にあるスイッチがトリガーのスイッチなのですが、スイッチがめちゃくちゃ小さくて、周りに可動パーツが多いので、特に注意が必要なスイッチです。

動画の方が分かりやすいと思うので、動画を撮ってみました。
こんな感じで動かす事が出来ます。

動作の問題が無かったので、ハイダー等まだ付けていなかったパーツを取り付けます。

ちなみに、FETですがちょうど良いサイズの熱収縮チューブが手元に無くて、とりあえず絶縁テープを巻いています…。
漏電しなきゃいいんだよ…!(すみません、次バラす時までには買っておきます…)

あと、コネクタも変えました。(例のごとく後回しになるコネクタ変更)
コネクタは今回もXT30です。

そういえばヒューズを付けておこうと思ってたんですが、すっかり忘れてました。
まあ、ヒューズの取り付けも次回で良いや…。

カスタム後の初速とグルーピングに関して

結果、フルオートの初速がだいぶ安定しました。
箱出し状態だとセミオートの時よりも若干初速が下がってしまい、不安定な感じだったのですが、組み上げた後は良い感に安定しています。

尚、バッテリーは7.4V 1300mAhのLiPoバッテリー、弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

しっかし、相変わらず初速が高いですねぇ…。
スプリングはあんまり柔らかくしたくないですし、バレルをルーズにするか、バレルカットですかねぇ…。

ちなみに、11.1Vでも動かしてみました。
箱出しだと内部がどういう構造になってるのか分からないので、11.1V使うのは怖かったんですが、一度自分で内部弄ってるなら安心して動かせます。

7.4V 1300mAh LiPOバッテリーと11.1V 1100mAhでの比較です。

写真撮り忘れたんですが、11.1Vで動かすと秒間27発位の発射サイクルがありました。
マルイのハイサイ並ですね…。

という訳で、これで一旦VFC AEG MP7A1の内部調整、カスタムは終了です。
カスタムと言っても実際純正から取り外されたパーツは「バレルクリップ」「チャンバーパッキン」「ピストンヘッド」の3つだけなんですがね…。

そして、早速撃ってきました。
場所はDEFCON1のシューティングレンジです。

元々0.25gを使って計測しようと思っていたんですが、0.25gだとHOPを最弱にしても浮き上がってしまい、ちゃんとしたデータが取れなさそうだったので、0.28g(エンネス プレシジョンマックス バイオBB弾)を使用しました。

結果はこの通り、セミオートで100mmちょい、フルオートで220mm程度といった感じでした。
100mmを切る事は出来ていませんね…。まあ、でも悪くはないでしょう。
あと、やっぱりメイプルリーフはフルオート苦手な感じですねぇ…。
基本的にメイプルリーフのパッキンを秒間15発以上のフルオートで使うと上下に散る印象があります。

まあ、基本的にフルオートは使わないので、セミオートがちゃんとまとまってくれるなら良いんですけどね。

とは言え、0.25gが使えないのはちょっと辛いので再調整です。
あと、今回レンジで結構撃ったんですがちょっとずつギアの音が煩くなってきた感じがしたので、そこも再チェックですね…。
ピニオン位置ズレちゃったかな…。

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