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Silverback SRSA1のカスタム(ノズル長変更、ノズル絞り、インナーバレルのロングテーパー加工)

記事作成日:2019年8月19日

先日、屋外でHOPの掛かり具合をチェックし、DEFCON1のレンジでグルーピングを計測した結果を元に、Silverback SRSA1を再度弄っていきます。

DEFCON1のシューティングレンジ(約23m)のグルーピング結果としては横方向のブレはそこまで激しくないものの、縦方向のブレが激しかったので、今回はノズル長の調整を行う事にします。

基本的に弾が縦方向にブレる場合、ノズル長が合ってない事が多いような気がします。
もちろん、組み方が適切で気密がしっかり取れている事が前提になりますが。

SRSのノズルは何故か異常な位に飛び出しており、弾の保持位置が微妙なんですよね…。
もしかしたらドラム式チャンバーとの相性問題とかあるのかもしれませんが…。

弾棒を使ってチェックしてみた所、0.5mm程度短くしても問題無さそうだったので、加工していきます。
なんなら、もうちょっと削っても良さそうなんですが、削りすぎて失敗するのも怖いのでとりあえず0.5mm削ります。

まず、フライスに固定してノズルが水平出ている事を確認。

後は削るだけです。
ただ、SRSのノズルはかなり硬いので、一気に削らず0.1mmずつ削っていきました。

そういえばSRSのノズルって昔は別パーツだったらしいですね。
別パーツだったらノズル単体を作ってしまえば良いので、こんな後戻りの出来ない加工をしなくて良かったんですが…。

続いて、ノズルの絞りも行いました。
やるかやるまいか悩んでたんですが、せっかく旋盤を買ったなら使いたいな…と思ってやる事にしました。

ホームセンターで売られている外径4mm、厚さ0.5mmの真鍮パイプを切って削って、穴のサイズを調整します。
まず、3mmの内径を3.2mmまで広げ、その後かなり角度の緩いテーパーリーマーを使って穴に角度を付けます。

このリーマー、本来こんな用途で使う物じゃないんですがね…。
でも、角度がちょうど良いんですよ。

単なるパイプなら旋盤使わなくても出来ますが、こういう特殊な形のものは旋盤使わないと無理ですからね…。

ピストン側の内径が3.84mm、チャンバー側が3.2mmになっています。
尚、ピストン側のフチの厚みに関しては0.01mmしかありません。

イラストにするとこんな感じです。
このようなゆるやかなテーパーをかける事で効率よくエアーが圧縮されたら良いな〜とか思ってます。

実際こういうテーパーに意味合あるのかよく分かってないんですけどね。

とりあえず、これをノズルに圧入します。
真鍮パイプの外径(4mm)とノズルの内径はほぼドンピシャなので、接着剤は不要です。
圧入には万力を使いました。

これで一旦ノズル周りの加工は完了。
続いて、バレル・チャンバー側を弄っていきます。

まず、バレルに関しては以前のカスタムではVFC Psalm 144:1 of David 168mmを組んでいたのですが、これは短すぎるのでやめて、やっぱりKM企画の300mm位の長さがあるインナーバレルを使おうと思いました。

単に交換するだけだと面白くないので、KM企画のインナーバレルのロングテーパー加工を施しました。(段付きテーパーではない)
薄くしすぎて強度が落ちても問題なので、0.4mm程度の厚みは残してますが、奥行き2.5cm程度のテーパーが掛かっています。

末端はバリ取りがてら45度のテーパーを付けています。

ロングテーパー加工はエアーの流れを良くする効果があるというのは色んな所で言われているので、個人的によく使っています。
真鍮バレルとかだと加工もしやすいですからね。

後はピストンスプリングで初速を調整。
以前、M120スプリングを4巻カットしましたが、今回は更に4巻カットする事になりました。
結果、「これ以上スプリング短く出来ない」という危機的な状態になってしまいました…。

写真右側のM90スプリングと見比べていただくとわかりやすいと思うのですが、スプリングカットと断面を潰す処理によって限界まで短くなっています。
てか、これスプリングヘタったら終わりですよね。

これでも初速が94m/s台なんですよ。
ちなみに、M90スプリングを入れると78m/sまで落ちます。

M90とM120の間の硬さが欲しい…M90は柔らかすぎ、M120は硬すぎです。
まあ、バレル長を500mmとか長く取ればM90でもしっかり初速が出るんでしょうけど、ロングインナーバレルは趣味じゃないので…。

一旦調整が終わり、さっさと結果が見たくなったので、またDEFCON1のシューティングレンジに行ってきました。
シューティングレンジの距離は約23mです。

結果としてはかなり好調。
以前起きていた上下のブレはほぼ無くなり、かなり安定していました。(10発のグルーピングです)

しかし、たまに撃ってると突然ドロップする弾が現れてしまう事が判明。
30発位連続で撃ってみた所、HOPダイヤルがちょっとずつ動いてしまっているようでした。
これは要改良ですねぇ…。

また、これはHOPパッキンの構造上仕方がないとは思うのですが、実質固定HOPみたいな状態になってしまいました。

適正HOP以外のHOP量ではグルーピングが著しく低下します。
例えば、「もうちょっと浮かせたいな…」と思ってHOPを強くすると凄い左右の散りが激しくなり、「ドロップさせたいな…」と思ってHOPを弱くすると今度は上下に散るようになってしまいます。

ダイヤルを0.5mm程度動かすだけでこういう変化が起きるので、HOP調節はかなりシビアです。

ひたすら撃って、ちょうど良い塩梅のHOP量を見つけるのに結構時間が掛かってしまいましたが、こんなグルーピングが取れたり…。

帰宅する数十分前には38.8mmという結果も出せました。

まあ、ぶっちゃけこの38.8mmに関しては奇跡に近いグルーピングですがね…。

ちなみに、このグルーピング結果にはもう1つ事情がありまして、この日のDEFCON1のシューティングレンジには4人で遊びに行ってました。

その中で私が最初に49.1mmを出して安心してたらもう1人が40mmを出し、それを上回る結果を出すために私が調整と射撃を繰り返して38.8mmを出しました。

最終的に関東30mチャレンジ主催の人が33.1mmという化け物みたいなグルーピングを出してこの日のDEFCON1チャレンジは幕を閉じたんですが…。

ちなみに、30mチャレンジと違ってDEFCON1チャレンジは単純に10発のグルーピング結果でマウントを取るだけのシンプルなゲームです(この日、唐突に決まったゲームルール)

何発撃ってもOKです。
とにかく10発連続でのグルーピングが良ければ良いといった感じですね。