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ARROW ARMS APC9-Kの内部と外部の調整、プリコックカスタムを行いました

記事作成日:2020年7月10日

先日分解レビュー記事を書いたARROW ARMS APC9-Kですが、色々と弄っていきます。
中身はARESなので、いつも通りのARES仕様にしようと思っているのですが、前にARES M45で重めのピストンを使っていたらメカボックスが割れてしまうという問題が起きたので、その辺りを気をつけながら弄っていく事にしました。

また、私が持っている他の銃と差別化する為にインドアフィールド用セッティングとして、0.20gで初速80m/s程度を目指して弄っていく事にしました。
まあ、バレル長もMP5Kですし、その程度の初速でも良いかなと思いますし…。

ストックの調整

いきなり外側からなのですが、あまりに気になってしまったので…。
まず、APC9の伸縮ストックはかなりガタツキがあるので、それを少し抑える為の加工をしました。

まず、ストックのロックボタンを外します。

そしたらネジが刺さっていた部分の穴を削り、下側に広げます。
1mm程度削れば十分です。

そして、ボタンのスプリングを硬い物に変更します。
具体的にどの程度硬さが違うかはちゃんと比較してないので分からないですし、このバネ自体部屋に転がっていた物を使っているので、何のバネなのかも分からないです…。(偶然サイズが丁度良かった)

こうする事で、純正では隙間が出来ていた部分が埋まります。(隙間が出来ている状態の写真を撮り忘れてて比較できず、すみません…)
元々ここにコンマ数ミリ〜1mm程度の隙間が出来ていました。

これで多少は改善しました。
まあ、ガタつきを完全に抑える事は出来てないので、あくまでマシになるといった感じです…。

マガジンが自重で落下するようにマグウェルを加工

続いて、ロアレシーバーの加工です。
箱出し状態だとショート、ミドル、ロング全てにおいてタイトでマガジンキャッチボタンを押してもマガジンは自重で落下しませんでした。
特にロングマガジンの硬さは異常でしたね。
友人が買った個体も同様の症状が起きていたので、個体差ではなくそういう仕様なのだと思われます。
ちなみにロングマガジンはショートとミドルに比べて前後左右が綺麗に0.1mmずつ分厚かったので、寸法をミスって金型作っちゃったんじゃないでしょうかね…。

マガジンの抜き差しがストレスになるレベルの硬さだったので、マグウェルを加工する事にしました。
という訳で、まずは給弾ルートとマガジンキャッチボタンを外します。

そしたら、マグウェル内側の左右を削ります。
この部分だけ飛び出しているので、そこを少し削るだけで良いです。
削る量は0.1〜0.2mm程度で良いので、棒ヤスリでちょっと削る感じです。

次に、マガジンキャッチボタンとマガジンの干渉も酷かったので、ボタンを少し加工しました。
純正状態だとちょっと飛び出し過ぎていて、深く押し込まないとマガジンが抜けなかったんですよね。

続いて、スプリングテンションによってボタン自体が斜めになっている事が分かったので、接着剤で関節部分を盛って真っ直ぐになるようにしました。

これにより箱出し状態では使えなかったアンビ側のマガジンキャッチも使えるようになりました。

という訳で、これで無事マガジンが自重で落下するようになりました。
マガジンキャッチも両方使えますし、抜き差しもスムーズで良い感じです。

ただ、ロングマガジンに関しては抜き差しがしやすくなっただけで、自重では落下してくれません。
ロングマガジンにも対応させたい場合はマガジン側を削った方が良いでしょうね。
これ以上マグウェルを削ると今度はショートとミドルでガタツキが激しくなってしまうと思われます。

バレル、チャンバー、アウターバレルのカスタム

という訳で、いよいよ内部のカスタムです。

まずはHOPアームの加工からです。
純正チャンバーのアームは異常なまでに細いので、プラ板を貼り付けて削る事で、普通の押しゴム対応にしました。
押しゴムは東京マルイ純正のムシゴムと同程度の太さのシリコンチューブです。

これはアーム直押し大好きなARES製品ではおなじみの加工だと思います。
私が最初に購入したARES製品であるM4 CCRに始まりハニーバジャー、G14、VZ58、M45といった全ての電動ガンで基本的にこういう加工を行ってきましたが、今回もやりました。

続いて、チャンバーパッキンをG.A.W. マルチフィット保持ぴったんに交換しました。
このパッキンはHOPの突起を大型化し、少ないHOP量でもBB弾にしっかり回転を掛ける事が出来るのと、弾の保持位置を若干後ろ側にする事が出来るのが特徴です。
尚、APC9-K純正インナーバレルはHOP窓の位置がおかしくて、保持ぴったんを正しく取り付ける事が出来なかったので、純正と同じ長さに加工した適当なバレル(VFC製)を用意しました。
窓を加工するよりもバレルを切る方が楽なので…。

インナーバレルの外径をマスキングテープを使って調整、VFC製インナーバレルなので、GBBパッキンを使う時に使われる溝にOリングを取り付けました。
また、マルチフィット保持ぴったんの方も少し加工しました。

HOP最小で少しHOPの突起が出ている状態、HOP最大だとかなりしっかり突起が飛び出ます。
まあ、丁度良い感じですね。

続いて、インナーバレルをアウターバレルに差し込んでみると物凄いガタガタだったので、インナーバレルの外径をアルミテープで増しました。
見ての通り、アルミテープを3重にも巻くことになりました。

これだけ巻いてちょうど良い太さになる程度には、アウターバレルはガバガバだったという訳です…。

更に、ガバガバなのはアウターバレルの内側だけではありません。
基部もガバガバなので、こちらにもアルミテープを巻きました。
こちら側はテープを2周させています。

尚、「テープを巻かなくてもイモネジで締め付ければガタ抑えれるじゃん」と思うかもしれませんが、それをやってしまうとチャンバーの位置が上方向にズレてしまい、ノズルとチャンバーの位置が狂い、エア漏れや弾詰まりを起こしやすくなってしまうので注意が必要です。

箱出し状態で初速が非常に不安定だったのはこういうガバさが原因ではないか?と思っています。

メカボックスのカスタム

続いて、メカボックス周りのカスタムです。
まず、ピストンヘッドを交換したかったのでピストンヘッドを外そうとしたのですが、ネジがもげました。

交換するピストンヘッドはDCI Guns製の側面吸気ピストンヘッド POM
最近はこればかり使っていますが、本当良いピストンヘッドなんですよ。
それと、金属シムを重ね合わせて作ったAOE調節用スペーサーを用意しました。

DCI Guns 側面吸気ピストンヘッド (スタンダード電動ガン用, POM)Amazonで購入する

今回は特に重りは入れず、ピストンヘッドに付属するスラストベアリングのみ入れました。

そして、ネジロック剤としてロックタイト 401を塗布しました。
ピストンの重量は31gでした。
前回、56gという重さのピストンを使っていたのでそれに比べるとかなり大人しめな重量になっています。

まあ、メカボ割れるの嫌ですしね…。

ちなみに、東京マルイ純正のピストン重量が25g位なので、それよりかは少し重い感じです。

AOEはこんな感じ。
まあ、ちょうど良い感じじゃないでしょうか。

続いて、シリンダーとシリンダーヘッドを用意しました。
まずシリンダーはMP5Kのシリンダーにアルミテープを巻いて外径を太くした物を、シリンダーヘッドは純正シリンダーヘッドのOリングを変更してシールテープで外径を微調整した物を用意しました。

シリンダーにアルミテープを貼っている理由は、シリンダーの外径が細かったからじゃないです。
メカボックス側の寸法がおかしいんです。(付属のシリンダーもガタガタだった)
ガタガタのシリンダーとか精神衛生的に良く無かったので、テープを巻きました。

そう言えばARES M45の時もシリンダーガタガタでビニールテープを巻いてた記憶が…。

シリンダーヘッドのOリングを変更したりしたのは単に純正のOリングがフニャフニャで頼りない感じがしたのと、シリンダーに取り付けた際の安定感が無かった為です。
なので、少し固めのOリングに変えました。

タペットプレートも純正の物を流用しますが、羽の部分を半分にカットしています。
最近、私はこのDSGじゃなくてもこんな風にタペットプレートを切ってしまう事があります。

短くする事で起きるトラブルよりも、長いまま使った時に起こるトラブルの方が多いので、「給弾するのに必要な時間だけ稼げれば良い」という考えでこういう仕様にしています。
めちゃくちゃ弾上がりの悪い銃の場合は、流石にカットせず使いますが、普通に弾上がりの良い場合はだいたいこんな感じですね。

尚、ノズルは純正のものが気密漏れまりくりでバリも酷かったので、余っていたLayLax プロメテウス シーリングノズルのM4用に変更しました。
ノズル長さも丁度良かったので。

続いて、メカボックス側に割れ防止加工を施しました。
ピストンの重量を軽くしたのに加え、割れ防止加工をしたのは前回の教訓です。

というか、ここ最近は割れ防止なんてしなくてもメカボックスが割れる事なんて無かったんですが、ARES M45で起きちゃいましたからね…。
しかも大して撃ってないのに…。

同じ設計で同じ材質のメカボなので、警戒して割れ防止をしました。

吸気系の準備が出来たので、ギアを用意します。
いつもどおりセクターギアのみプリコック仕様の物に変更、それ以外のギアは流用します。

このZC製品のセクターギア、単品売りしてる上に500円で買えるのでめっちゃ便利なんですよ。

セクターギアにネオジウム磁石を埋め込みます。
尚、磁石には適切な向きがあるので適当に入れないように注意が必要です。

位置は最新のEFCSでプリコック可能な位置に配置しています。
磁石の位置はEFCSのバージョンによって変わるので注意が必要です。

後はいつもどおり適当にシム調整を行い、グリスを塗っていきます。
グリスはピストンにもギアにも、G.A.W. Gグリースを使っています。

尚、ベベルギアの軸受(ボールベアリング)のみ簡単に外れてしまう程度にガバガバだったので、ロックタイト638(高強度はめ合い用接着剤)で固定させました。

後はメカボックスを閉じて基板や配線を取り付けます。
普段の電動ガン弄りなら少し組んだら動かして…という作業を何度か行うのですが、ARES系メカボックスは調整が楽なので試運転無しでいきなり全部パーツを組み込んじゃいます。
かれこれほぼ同じセッティングで6丁程度弄ってきてますのでね…。

尚、トリガーのショートストローク化ももちろん行うのですが、今回はプラ板貼り付けじゃなくてスイッチの板自体を曲げる方法を取ってみました。

よく言えば気分転換、悪く言えば手抜き工事です。

次にモーター。
こちらは付属のモーターを流用しても良かったのですが、シルバーブラシへの交換と慣らし運転が十分に完了している、ARES スリムモーターを余らせていたので、それを使う事にしました。

こちらはブラシ周りをSYSTEMA純正のPTW(トレポン)用パーツに交換しています。
詳しくはこちらのブログ記事で紹介しています。

ピストンスプリングはとりあえずG.A.W. Anti Shrink Springの100%(東京マルイ純正と同等の硬さ)を使います。

後は動作チェックとピニオン位置の微調整を行います。
一応、スプリング入れる前に無負荷状態での動作チェックも行っています。

問題無さそうだったので、コネクタの交換とヒューズの取り付けを行いました。
割とスペースが限られている銃なので、なるべく省スペースになるようレイアウトしてみました。
まあ、最近こういうレイアウトで組む頻度が増えてるんですがね。何かと便利なので…。

バッテリーを入れてコネクタを繋ぐとこんな感じになります。
かなりギリギリですが、問題なく収まります。

尚、コネクタの長さの問題で、バッテリー側のコネクタはXT30Uである必要があります。
XT30だと無理やり押し込むような形になってしまいます。

また、アッパーレシーバーの配線と干渉する部分のエッジをR面取りしました。
ここを丸めてあげないと配線が擦れてしまいには皮膜を破ってしまう可能性がありそうでしたので…。

また、ピポッドピンとテイクダウンピンがあまりに渋かったのでオイルを塗布して少し動かしやすくしました。
それでも外すのにピンポンチが必要なレベルには全然硬いんですけど…。

最後に全部のパーツを組み上げてノズル長チェックを行いました。
保持ぴったんと少しだけBB弾の保持位置を前にしてくれる、LayLax プロメテウス シーリングノズルのおかげでノズル長はバッチリな感じでした。

気密漏れもチェックした限り、無さそうでした。

初速と発射サイクルのチェック

という訳で、調整後の初速と発射サイクルを見ていきます。
使用している弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

まず、初速から。
HOP最低が最も低く、少し強めると上がり、更に強くすると下がっていくというような感じで、75m/s〜81/s程度の初速差になっていました。
最大初速でこんな感じですね。

XCORETECHよりもACETECHの方が少し初速が高く出ます

初速の安定性は問題なし。
そして、予定通り80m/s程度という大人しい初速になっていたので良かったです。
恐らく0.20gの適正HOPだと70m/s後半といった感じ思います。

発射サイクルはこんな感じで7.4Vで11発ちょい、11.1Vで18発といった感じでした。
にしても、ARESの薄型モーターは回転数全然上がらないですね。

個人的には使い勝手の良いモーターなんですが、レスポンスを追求する人からすると物足りなさを感じるスペックだと思います。

7.4Vと11.1Vでの動作はそれぞれこんな感じです。
プリコックさせているので7.4Vでも結構キビキビ動きますが、フルオートのもっさり感は「ああ〜ARESだな〜」といった感じ。

ただ、動画を見て気づく方も居ると思いますが、たまにトリガー引いてるのに撃ててない事があります。

ARES最近のEFCSはギア停止後に一定時間入力を受け付けない仕様になっているっぽくて、鬼セミ切りがやり辛くなっています。
まあ、自分はそこまでのセミ連射をしないのであまり気にならないんですが、この挙動が嫌という人も居ますね。

ちなみにプリコックの解除に関しては磁石を使った検知エラーを誘発させる方法を今回も取っています。
これはARES M45を弄ってた時に見つけた方法で、かなり便利なので今回も使いました。

この方法、本当偶然だと思うんですが7.4V LiPoを使うとピストンが前進しきった状態で止まってくれるんですよねぇ…。

尚、プリコック解除で使えるバッテリーはセッティングによって少し変わってくるので、7.4Vで解除出来なかった時は11.1Vを試すと良いです。


という訳で、ARROW ARMS APC9-Kのカスタムは一旦こんな感じです。
色々と細かい調整はしましたが、実質MP5Kですね。
このバレル長なので仕方がないんですが…。

あと、まだいくつかやりたい事が残っているので、メモ書きを残しつつ別の記事で紹介しようと思います。

  • セレクターレバーをリアル仕様にする(最重要課題)
  • 90m/s以上の初速になるスプリングを探す(多分マルイ純正比110%位の硬さがあれば良いと思いますけど)
  • サプレッサー付けたい(要マズル加工)

それにしても、マガジンの単品販売まだかなぁ…。