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Archwick Accuracy International Mk13Cの調整とカスタムをしていきます

記事作成日:2020年12月3日

先日分解したArchwick Accuracy International Mk13Cの中身を弄っていきます。
分解レビューの際にも紹介した通り、この銃の内部はカスタムパーツが最初から組み込まれたような状態なので、殆どパーツ変更の必要が無いと思っています。

そんな訳で、当記事では基本的にはグリスアップしたり、微調整する程度の内容となります。

まずやった事はトリガー周り。
私は純正状態のトリガーフィーリングが好きじゃなかったので、シアーに熱収縮チューブを巻き、瞬間接着剤で固めてトリガーストロークを短くし、1mmあるか無いかの極僅かな遊びの後少し力を掛けるとシアーが開放されるように調整しました。
また、この辺りはスチールっぽいパーツだらけだったので、錆止めを兼ねてオイルを多めに塗布しておきました。

続いて、シリンダー。
純正のままでも割と綺麗だったのですが、表面をコンパウンドで磨きました。

ボルトアクションにおいて、シリンダーの滑りの良さってかなり重要だと思ってます。
ボルトを引く時に引っかかりがあると気持ちが悪いので、スムーズな方が気持ちよく操作出来ますし、見栄えも良くなります。

次にピストンです。
これは発売後にオフィシャルから注意が促されいた事なのですが、ピストンヘッド中央に付いているイモネジが緩みやすく、使用しているうちに外れてしまう事があるそうです。
このイモネジを外して、エアダンパーに変える事も出来るのですが、私はエアダンパーがあまり好きじゃないので普通に純正のイモネジをネジロック剤で固定させる事にしました。

また、ピストンヘッドのOリングをG.A.W. FRUS-Oリング(東京マルイVSR-10用)に変更しました。
まあ、Oリング交換はとりあえずいつもやってる事なので、今回もやりました。

G.A.W. FRUS-Oリング(東京マルイVSR-10用)
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スプリングやスプリングガイドは一旦そのまま使う事にしました。
スプリングガイドには不満は無いですし、スプリングに関しては元々柔らかめの物が入っていましたし、組み上げた後の初速を見て考えれば良いかなと思っています。

そして、MK13Cを弄る上で一番やりたかった事をやります。
それは、ボルトの中に詰め物をしてショートストローク化をするという事です。

個人的にVSR10のシリンダー容量って多すぎると思うんですよね。
爆音流速とか、バレル長600mmオーバーみたいなカスタムをする上では必要になってくるかも知れませんが、300mm程度のバレル長で、普通に静かなVSR10を作りたいならあまりに多すぎるかと…。

昔PDIが「VSR-10用 B↑ショートストロークシリンダーヘッド」という製品を作っていましたが、もう廃盤なんですかね…?

とりあえず、私は3Dプリンタでスペーサーを作り、シリンダーの中に入れました。
シリンダーの中でガタガタ動かないように少しきつめのOリングも取り付けています。

内径は5mm。
テーパーを掛けたり、無駄に内径を広くならないようにしたりと、スペーサーによるエアロスはなるべく少ないようにしています。

スペーサーの長さは3cm。
VSR10のシリンダー内径は22mmなので、約11400mm3分のシリンダー容量削減になります。
そして、ボルトハンドルの可動量が3cm短くなります。

長さを3cmにした理由は「ボルトハンドルをこれくらい短くしたら良いよね」と、「シリンダー容量、これくらいなら削っても良いよね」というかなり感覚的な物ですが、結果としていい感じでした。

組み込むとこんな感じで、純正だと写真左の位置まで引けていたボルトハンドルが右の位置までしか引く事が出来なくなります。
スプリングが柔らかいという事もあって、コッキングがかなり楽になりますね。

とりあえずシリンダー周りはこんな所で、バレル・チャンバー周りを弄っていきます。
まず、チャンバーに付いている逆流防止用のパーツの動きが少し渋い感じがしたので、シリコンスプレーを吹きました。

チャンバー周りは特に不満も無いので弄る予定が無かったのですが、だいぶ前に買ったMIYA[一撃]のシリコン 70度が1個余っていたのでこれを使ってみる事にしました。
「使ってみてほしい」みたいな事を度々言われるので…。

ぶっちゃけこのパッキン、口の部分がタイト過ぎて相性問題めちゃくちゃ起きるんで、個人的にはあまり好みじゃ無いんですよね…。
というか、タイトな設計になっているという事は理解していましたが、口のタイトさに驚きました。

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このMK13Cもそれは同じで、無理やり入れるとこんな具合にチャンバーパッキンが膨らみます。

当たり前ですが、パッキンをチャンバーに取り付けた状態ではこんなに膨らませる事が出来ないので、ただ単にノズルが刺さらずボルトの閉鎖不良を起こします。

マルイのVSR10基準で作られているパッキンとの事ですし、社外製品でこうなるのは仕方がないのかも知れませんが…。

という訳で、内径を1mm程度広くします。
目安としてはパッキン内側に付いている段差を完全に無くしつつ、もう少し削る感じです。

これでギリギリノズルが差し込めるようになります。
力を加えないとパッキンによってノズルが押し戻されてしまうので、少し隙間が空いてノズルが奥まで刺さっていない状態になりますが、ボルトハンドルを閉鎖ポジションに持っていくと強引にノズルが押し込まれます。

もっと削るべきか悩んだのですが、一旦これで使ってみる事にしました。
実は宮川パッキンの内径を広げる作業は今回が初めてじゃ無いんですよね…。

以前、試したModify Accurate HOPパッキンもかなりタイトでしたが、これと同レベルか、もしかしたらそれ以上にタイトなので、気密を考慮して作られたノズルとの組み合わせはやめた方が良さそうな印象があります。

Modify Accurate Hop Up Bucking (1st Class Aircraft Rubber)-for VSR-10

ちなみに、このModifyのパッキンを使った時はパッキン側ではなくノズル側を削りました。

とりあえず、問題が合ったのはノズルとの相性のみで、HOPの突起の位置は問題無さそうだったのでHOPアジャスターを取り付けます。
アジャスターはとりあえず純正のままです。

後は組み立てていくだけです。
バレルやバレルスペーサーは変更なし、純正のままです。

アウターバレルが組み上がったらレシーバーと合体させて弾の保持位置と気密チェック。
保持位置は0.5mm程度のクリアランスがある程度、エアダスターを使った気密チェックも問題無さそうでした。

続いて、初速チェック。
こういう状態なのでチャンバーに弾を手で入れて計測しています。
東京マルイ 0.20g 樹脂弾で92m/s前後といった感じの初速が出ていたので問題無しと判断。

尚、HOPを調整する事による初速の変化ですが、ノンHOP状態で82m/s程度、HOPを少し強めにすると91〜92m/s程度で、更にHOPを強くしていくと初速は下がっていき最終的には弾詰まりを起こします。

箱出し状態で平均94m/sだったので、シリンダー容量を削っても2、3m/sしか変わらないのか…といった感想。
つまり、無駄って事ですね…。(後述しますが、この感想は間違いでした)

ストックに取りつけます。
まだ調整する可能性があるので、ハンドガードは付けません。

この状態で暫く撃って慣らします。
結果はこんな感じ。

とりあえず初速も安定しているので問題は無さそう…と思っていたんですが、4〜5マガジン目位から突然80m/sとか70m/sとか初速が落ちて不安定になりました。

確認してみた所、パッキンの前側が裂けてました。
もっと削ってノズルの差し込みをスムーズにさせた方が良かったかも知れないですが、まあ元々無茶な付け方をしていたので仕方がないでしょう…。

まあ、仕方がないのでパッキンを純正に変えました。
そしたら初速が上がりました。
というか、箱出しの時と同レベルの初速まで上がりました。(HOPを調整して最大初速になる状態で計測)

もちろん、シリンダー容量は下げたままです。
つまり、シリンダー容量を1139.82mm3削っても、初速への影響は全く無いって事ですね。
やはりVSR10ってシリンダー容量をだいぶ持て余してますよね…。
もっとも、VSR10って元々法改正前に作られた銃ですしパワーが出るようにそういう設計にしているのでしょうかね。

これはいい結果が得られたので、T10Sのシリンダー容量も減らそうと思います。

とりあえず初速は安定していますし、法的には問題の無い初速ではあるものの、個人的にはもう少し下げたかったのでノズル内側にワッシャーを挟み込んで内径を絞る事にしました。
ワッシャーの内径は3.34mm。純正が約4.5mmだったので、-1.16mmです。

自分の銃は安全マージンを考慮して初速を92m/sを目安として調整しているので、94m/s後半が出るとなると、ちょっと下げたいなと思いまして…。

これをノズルとシリンダーの延長パーツの間に取り付けます。
ついでに、ノズルの位置を前側にして弾の保持位置も調整したかったので、ワッシャーの枚数を足しました。
ノズルと延長パーツの間には割とクリアランスがあるようで、結構な量を足す必要がありました。というか、足す事が出来たので足してます。

極力ロスが発生しないように、綺麗に真っ直ぐ貼った後に内側をヤスリがけしました。

この状態でノズルをシリンダーに取り付けるとこんな感じ。
ノズルと延長パーツの間にわずかに隙間が空いている事が分かると思います。

この分だけノズルが前側にズレるので、弾の保持位置が安定します。
実際に、弾棒を使ったチェックで全くクリアランスが無いようなレベルになっていました。

これにより初速が約3m/s程度下がりました。
とりあえずこれで安心です。
調整後、1週間位経ったら初速が1〜2m/s上がってる事もあるんですが、それを考慮しても安全マージンは取れているでしょう。

という訳で、MK13Cのカスタムはこんな感じです。
結局追加したパーツはシリンダー容量減らす為のスペーサーとノズルを絞る為のワッシャー位になりました。

後は外で撃って様子を見る感じですね。
あと、30mチャレンジのデータも取りたいので、一旦この仕様で持っていこうと思います。(実は次の30mチャレンジに間に合わせる為に急いで作業した)