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東京マルイ 次世代電動ガン MP5A5を分解していきます

記事作成日:2021年8月19日

先日発売されて早速レビュー記事を書いた東京マルイの最新作、次世代電動ガン MP5A5を分解していきます。
やっぱりエアガンはバラさなきゃ始まらないですからね。

尚、撮影時に使っている照明の調子がとても悪く、色がおかしくなっていますがご了承下さい…。(色ムラがあったり写真によって色が変わったり)

という訳で、まずはハンドガードとストックを外します。
これらはピンを抜くだけで簡単に外す事が出来ます。

外装部品を外していきます

続いて、レシーバー基部に付いている2本のプラスネジを外します。
このネジを外すには比較的長めのドライバー(200mm位?)が必要になります。
プラスネジなので無理して回すとネジ頭を痛めてしまう可能性があります。

この2本のネジを外したらフロント側が飛び出すので、そのまま引っ張るとフロントが抜けます。

コッキングハンドルのリターンスプリングはここに入っているようです。
ここのスプリングを固くしたらコッキングハンドルを少しは重く出来るかも知れないですね。

尚、フロント側の分解はもう少し可能な感じがしましたが、バラしても特に得られる物は無いと思うので、これ以上の分解はしません。

続いて、アッパーフレームとロアフレームを分離させます。
マガジンキャッチ部に付いているピンと、ロアフレーム後ろ側に付いている細いピンを抜いてからグリップを後ろに引っ張るとメカボックスが付いた状態のロアフレームが引っこ抜けます。

バレル、リコイルユニット、メカボックス、ロアフレームが一体化しているように見えます。(バレルは引っかかっているだけで固定されている訳ではない)

リコイルユニットはメカボックス上部に配置されており、次世代電動ガンのAKやG36、SCARに近いレイアウトではあるものの今までに無い機構が搭載されているようです。
写真左が無負荷状態、右がリコイルウエイトを後退させた状態です。

リコイルユニット内に付いているギア(パーツリストの表記ではボルトギア)が回転する事で、リコイルユニットの後退とは異なる動きでボルトを動かす事が出来ています。
これにより、少ないリコイルウエイトの稼働量でもダミーボルトをフルオープンさせる事が出来ているのだと思われます。

上の動画を見てもらえると分かりやすいと思いますが、リコイルウエイトが動いた量の倍近く、ダミーボルトが動いています。

リコイルユニットにはリコイルウエイト後退時の衝撃を緩和させたり戻りの速度を稼ぐ為の硬いスプリングと、前進時の衝撃を緩和させるダンパー(ゴムパッキン)が付いていました。

また、コッキングハンドルの動きと連動して動くレバーがメカボックス側に付いていたので、フロント側と組み合わせて動きを見てみる事にしました。

この状態でコッキングハンドルを後退させると、チャンバー側面辺りに付いている銀色のアームが動き、棒が押されます。
そうすると棒の末端に付いているレバーが動き、何かしらによってセンサーを反応させている事が分かります。

写真左はコッキングハンドルを引いていない状態、右がコッキングハンドルを引いた状態

こうやってボルトハンドルの動きをメカボックス側に伝えているんですね…。
すげぇや…。

尚、リコイルウエイトを色々弄っていて気づいたんですが、リコイルウエイトから伸びている黒い棒(リコイルウエイトシャフト)はガッチリ固定されている訳ではなく、上下左右に動く上に回転もします。

特に固定されておらず、上下に動くリコイルウエイトシャフト

次世代MP5はメカボックスから大きく飛び出したウェイトを動かすという、不安定な構造になっている為、激しい動きをした際のリコイルユニットやメカボックスへの負荷がかなり大きくなる印象があります。
その為、こういう遊びを設ける事で可動部へのダメージを低減させているのではないか?と思いました。

ダンパーと良いこういう設計と良い、本当によく考えて設計されています。
最近は海外製品でもリコイルユニットを搭載した電動ガンが出ていますが、こんな凝った構造にしているメーカー、無い気がします。(よく考えられてるの、KWA位じゃないですかね…)

チャンバーは特に固定されておらず、チャンバーに引っかかっている配線を外せばメカボックス側から分離させる事が出来ます。

バレル・チャンバーを見ていきます

という訳で、次世代電動ガン MP5A5のインナーバレルとチャンバー周りを見ていきます。
まず、バレルの先端にはガタとり用のOリングが付いており、チャンバー側にはメカボックスに押し付ける為のスプリングが付いています。

チャンバーの口(ノズルの差し込み部)は写真右のように少し回転させるとロックが解除され、外す事が出来るようになります。

このパーツを外したらHOPダイヤルも外せます。

HOPダイヤルを外したらHOPアームを外します。
アームの先には確実に上下運動が出来るようなガイドが付いた、HOPアジャスター的が付いており、その先端には電動ガンでおなじみの虫ゴムが付いています。

この機構、メチャクチャ精度出るんでこの構造凄く良いんですよね。
まさかこれが採用されているとは…。

HOPアームを外したらバレルクリップを外し、インナーバレルを引っこ抜きます。

なんとインナーバレル・HOPパッキンはコンパクト電動ガン系です。

ただし、インナーバレルに関してはバレルクリップ用の溝の位置がコンパクト電動ガンと異なっているので、既製品との互換性は無さそうです。
コンパクト電動ガン用のインナーバレルを使うにしても、普通電動ガン用のインナーバレルを使うにしても、加工・調整が必要になるでしょう。
HOPパッキンの方は普通のコンパクト電動ガン用となんら変わりないですね。

インナーバレル長は229mm。
スタンダード電動ガンのMP5と長さは同じですね。

メカボックスとロアフレームを分離させます

続いて、メカボックスとロアフレームを分離させます。
「とりあえず先に外せそうな所から外していこう」と思ったので、ダミーボルト用のガイドを外しました。
片側のE型スナップリングを外せばガイドとダミーボルトが外せます。

続いて、リコイルウェイトのリターンスプリングとストッパーを外しました。
これはストッパーをリコイルウエイト側に動かした状態で上にズラせば外せます。

これらのパーツを外すのは別に後からでも全然問題無かったです。(メカボックスを分離させた後で良かった)

という訳で、この状態からメカボックスをロアフレームから外していきます。

まずはセレクターレバーを外します。
セレクターレバーはSAFEの状態から更に逆方向に回す事が可能になっており、SAFEより後ろに持っていくとトリガーが引けるようになります。
トリガーを引いたままセレクターレバーを逆方向に回し続けると、写真左の位置辺りでセレクターレバーを抜く事が出来るようになります。

電動ガンなのに妙にリアルな分解方法です…。

セレクターレバーはこんな感じで電動ガンとは思えない程太い物(GBBみたい)が入っており、クリック感を出す為のパーツもGBBみたいな構造になっています。

どうりでセレクターレバーを動かした時のクリック感が良い訳ですね…。
こりゃ凄い…。

続いて、グリップの底蓋を外すのですが、このネジがなんとタップネジ…。
次世代電動ガンになってもここはタップネジのままなんですね…。
また、底蓋は全部プラスチックで出来ていました。

純正モーター程度なら問題無いんでしょうけど、エアフロー皆無なので発熱の激しいモーターは入れない方が良さそうです。

モーターピンはU型端子でブラシホルダーにネジ止めする仕様になっています。
最近の東京マルイ製品、この方式が増えてますよね。

着脱が楽ですし、ピンが抜ける心配が無いので全部これがスタンダードになれば良いのに…と思ってたり。

エンドベルを見ればわかると思いますが、モーターはEG1000でした。

モーターを外したらグリップの奥の方に付いているネジを2本外します。
これでロアフレームとメカボックスを分離させる事が出来ます。

尚、ロアフレーム側に残ったセレクターレバー(右側のセレクターレバー)を見てみると、磁石が付いていました。
どうやらセレクターレバーは磁気検知みたいですね。

という訳で、これが次世代電動ガン MP5A5のメカボックスです。
右と左で色が異なっている理由は何なんでしょうか…?
黒い塗装がされている方は基板が付いているから絶縁塗装とか?

M-SYSTEMを見ていきます

とりあえずこの銃の心臓部であるM-SYSTEMを外します。
まず、ボルトハンドルの位置を検知する為のレバーを外し、続いて基板も外します。

配線が外側なのは良いですね。

基板は樹脂製のシールドで覆われていますが、特に固定はされていないので簡単に分離させる事が出来ます。

基板はこんな感じ。
TOKYO MARUI Ver.2.0と書かれている面にはセレクターレバー検知用の磁気センサーとIC、FETなどが備わっています。
反対側にはインジケーター用のLEDとボルトハンドルの位置検知用の磁気センサーとカットオフ検知用の磁気センサー、最終弾検知用の磁気センサー、トリガー検知用のマイクロスイッチが備わっています。

トリガーだけマイクロスイッチ、後のセンサーは全て磁気…。
ARES EFCSかな…?

後、AA12でVer.1.0と書かれた基板が入っているのを見つけた時に「これは今後バージョンアップしていくのでしょうか・・・。」と言ったのですが、まさかこんな進化を遂げるとは思ってもいませんでした…。

AA12に搭載されている基板、TOKYO MARUI Ver.1.0

そう言えばMK46にもこういう基板が入ってるハズなんですが、バージョンはいくつなんですかね。(MK46は分解してないので知らない)

基板の裏側には最終弾検知の機構と、インジケーターランプを拡散させる為の透明の板が付いているので、外します。
尚、最終弾検知用のレバーの末端には磁石が付いています。

メカボックスを分解、リコイルユニットや中身のパーツ類を見ていきます

分解作業もいよいよ大詰め。
メカボックスに付いているネジ(トルクスネジ)を外して、メカボックスを真っ二つにします。

これが次世代 MP5A5のメカボックスの中身です。
セレクターレバーを逃がす為に面白いレイアウトになっているのと、リコイルユニットの構造がかなり独特である事が分かると思います。

とりあえず色々なパーツを外す前に先にピストンスプリングガイドとピストンスプリングを外しておきます。
ピストンスプリングは次世代電動ガンではおなじみの長さが短いタイプですが、ピストン側にくっついていません。

メカボックスを真っ二つにしたらリコイルユニットを外す事が出来るようになります。
リコイルユニットに付いているボルトギアを貫通する形で付いているネジを外せば、リコイルユニットとリコイルウェイトロッドを外せます。

このギア(プーリーギア)がラックギアで挟まれている構造を見るとSYSTEMA PTW リコイルユニットのリコイルバッファーを彷彿させますね…。
尚、リコイルユニット後部にはピストンに引っかかる突起が付いているのですが、ここにもしっかりダンパーが付いています。

やはり耐久性面でよく考えられた設計になっています…。

尚、リコイルユニットは291g。
大きさの割には結構な重量があると思います。

尚、こちらのリコイルユニットはピストンが真ん中位まで後退した時に引かれ始めるようです。

メカボックスには予め割れ防止加工が施されています。
というか、そういう金型で作られている感じですね。

続いて、吸気系を外したので見ていきます。
まずはタペットプレートとノズル。
両方とも専用品のような気がします。(もしかしたらタペットプレートは互換があるかもですが…)

ノズルは回転しないような構造になっており、ノズルの先端がでんでんむしノズルの逆バージョンみたいな形になっています。
恐らくBB弾の停弾位置を安定させる目的でノズルを延長させつつ、BB弾を上側に持っていく(HOPの突起に押し付ける)為にノズルの下部を飛び出させているのではないか?と思いました。

後、ノズル全体を延長させないのは、マルイが前方吸気型のピストンヘッドを採用しているからだと思われます。
前方吸気のピストンは、空気を取り込む隙間がノズルに必要なので、その隙間を確保する為だと思われます。

ピストン周りはこんな感じ。
まず、シリンダーはMP5Kサイズのかなり加速量の大きな物が入っており、特段変わった事はありません。
シリンダーヘッドは中央穴タイプなので、こちらも既製品と互換がありそうです。

ラックギアはおなじみの最後の1枚が金属歯になっているタイプ、ピストンヘッドは前方吸気タイプなんですが、ピストン本体の材質が今までと全然違っており、グラスファイバーが混ざったような色ムラのある、粘り気の強そうな樹脂になっています。
強度向上が目的でしょうか…。

尚、ピストンの中にはいつもの錘が入っていました。
純正ピストンではおなじみですが、ピストンヘッドの内側にネジが埋まっているので、ピストンヘッド中央に穴を開ければピストンを分解出来るようになります。

尚、ピストン重量は22gでした。

最後に駆動系であるギアを見ていきます。
ギアの構成はおなじみの次世代電動ガン用なんですが、なんと逆転防止ラッチが存在しません。

2枚ラッチから始まり4枚ラッチに進化、次世代電動ガンではギアの歯を使う事で10枚ラッチにまで増えた逆転防止ラッチがこの最新作では0枚に…。
電子制御でギアの停止位置を安定させるので、逆転防止ラッチは不要という事なんでしょうね。

ASCSが最初から採用されている、ASG EVO3に逆転防止ラッチが備わっていないのと同じ理由だと思われます。
そう言えばARES EFCS搭載機には何で逆転防止ラッチが付いてるんですかね…(あの製品も逆転防止ラッチ要らないハズ)

また、軸受は全て6mmの樹脂軸受です。

ちなみに、逆転防止ラッチが付いていないものの、付けられそうな穴は空いています。
次世代電動ガン用の逆転防止ラッチを取り付けてみる(スプリングは入れてません)とこんな感じで割としっくり来ます。

ただ、反対側は皿ネジを入れるような面取りがされているので、そのままだと逆転防止ラッチがガタガタです。
通常よりシャフトが長い逆転防止ラッチとかがあれば使えそうなんですがねぇ…。

もしかしたら試作品では逆転防止ラッチがあったのかも知れないですね。

カットオフレバーはセクターギアの裏側に隠れており、先端に磁石が付いています。

トリガーはこんな感じで、黒いトリガーが銀色のバーを押し、マイクロスイッチが押されるという構造になっています。
これにより次世代MP5のトリガープルは重く、2ステージっぽいトリガーフィーリングになっています。

こんな感じでバネはしっかり2個入っていますからね。
ちなみに、トリガー本体よりも銀色のパーツ(マイクロスイッチを押す為のバー)に使われているスプリングの方が硬いです。

という訳で、東京マルイ 次世代電動ガン MP5A5の分解レビューは以上になります。
今回はとにかく新しい事だらけで分解がめちゃくちゃ楽しかったです。
次世代電動ガン MP5A5は外装のクオリティも高いですし、動作も快調というだけではなく、中身の拘りも凄かったので、東京マルイの本気度が伺えます。

この後は調整、組み立てなんですが特にこれといって調整する事も無いと思うので、そのまま組み上げる事になる気がします。
まあ、ブログネタにする為に何かしらのカスタムパーツは試すと思いますが…。

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追記:マガジンに隠されたリアルカウント(30連)切り替えレバーが存在する事が判明したので、別途この切替機能を紹介する記事を書きました。