CYMA製電動ガン、SIG 556 CM001BKの分解レビュー(外装、バレル周り、メカボックスなど)
記事作成日:2022年1月21日
以前、色々良くなったと噂のCYMA製電動ガンの1つ、CM001BK SIG 556の開封レビューを行い、その後に箱出しドノーマル状態でサバゲーで使ってみたレポートも書いたので分解していきます。
とりあえず箱出し性能自体は思いの外良かったので、中身がどうなっているのか気になる所です。
外装部品の分解
という訳で、まずハンドガードを外してアウターバレルに配線を固定する為に巻かれている結束バンドを切ります。
あと、ストックも外しておきました。
まずは、グリップを外していきます。
というのも、CYMAのSIG556はグリップがロアレシーバーとアッパーレシーバー両方に干渉する仕様なので、まずはグリップを外さないと分解が進まないのです…。
まず、グリップの底蓋を固定しているネジを2本外します。
これらのネジは細めのタップネジなので、あまり何度も分解・組み立てをしたいと思える仕様では無いですね…。
底蓋内側にはモーターの上下位置を調整する為の板が入っているので、蓋を外す時に無くさないように気をつける必要があります。
モーターはこんな感じ。
モーターピンを外せばモーターを抜く事が出来ます。
モーターは無印FS480SAのミディアムサイズ。
開封レビュー時点でも察してましたが、スペック的に微妙なモーターなので、作動性を改善するには真っ先に交換したいと思えるパーツですが、ミディアムサイズのモーターってロングやショートと比べると選択肢が少ないんですよね…。
ブラシはレイダウンタイプでピニオンギアはD型のイモネジ固定です。
あと、ブラシから伸びてるワイヤーが何故かブラシホルダーにはんだ付けされていました。
モーターを外したらグリップ内側の2本のネジを外します。
このネジを外したらグリップを外す事が出来ます。
グリップを外したら、アウターバレル基部側面中腹に付いているネジを4本(右2本、左2本)外します。
これでフロント側(アウターバレルやフロントサイト周り)を一式外す事が出来ます。
グリップ、アウターバレルを外したらようやくレシーバーの上下を分割させる事が出来るようになります。
レシーバーを分割する為に、ロアレシーバーとアッパーレシーバーの連結に使われている、テイクダウンピンを模したネジを外します。
ネジは鍋ネジみたいな形なのですが、レシーバーの受け側は皿ネジ用みたいな面取りがされてます。
これでアッパーレシーバーを上に引っ張れば、ロアレシーバーから分離させる事が出来ます。
続いて、アッパーレシーバーの構造が少し気になったので、一旦アッパーレシーバーを見ていきます。
まず、アッパーレシーバーの内側はこんな感じで、ダミーボルトが付いています。
スプリングガイドがアッパーレシーバーにネジ止めされています。
スプリングガイドやボルトハンドルはネジ止めされているので外せば外れるのですが、ダミーボルトは左右に付いている、ガイドレールのような樹脂パーツを剥がす必要があります。
しかし、このパーツがレシーバーにはめ込まれていて少々強引に外す必要がありそうだったので、今回は外さないでおきます。
尚、ダミーボルトのスプリングガイドを外すと、リアサイトにテンションを加えているプランジャーも外れるので注意が必要です。
ストックを外すには残っているネジを外します。
どうやらストック基部はこのネジとダミーボルトのリターンスプリングガイド固定ネジの計2本だけで固定されているようですね。
尚、ストック側は貫通しておりバッテリーサイズの自由度は高そうですし、配線逃しの溝も設けられているので、後部配線化は難なく行えそうです。
ではレシーバー側の分解に戻ります。
ロアレシーバーからメカボックスを取り出すにはセレクターレバーを外す必要があります。
セレクターレバーはセレクターレバー下部に付いているイモネジを緩めてから引っ張れば外せます。
その後、内側に付いている樹脂パーツを外します。
反対側のセレクターレバーも同様です。
仕方がないのですが、この辺りは小さなネジが多いので嫌ですねぇ…。
これでロアレシーバーからメカボックスを抜く事が出来るのですが、セレクターレバー基部がロアレシーバーに引っかかるので、少しロアレシーバーを広げながら抜く必要があります。
少し歪めるだけで済むので難しくはないですが、あまり強引にやりすぎると歪んでしまったり最悪割れてしまう可能性もあるので注意が必要だと思います。
これでメカボックスとバレル・チャンバーとロアレシーバーを分離させる事が出来ます。
組み立て・調整の事を考えると少々面倒な仕様ですね…。
特にチャンバー周りに手を加えようと思うとグリップ外さないといけないというのがだいぶ面倒ですね。
バレル・チャンバー周りを見ていきます
ではCM001BK SIG 556のインナーバレルとチャンバーを見ていきます。
チャンバーはチャンバー本体と給弾ルートの分割構造で、給弾ルート側面のネジを外す事で真っ二つに出来ます。
BB弾が擦れた痕が残ってましたが、結構な急カーブになっていますし構造的に仕方がないのかなとも思います。
特にバリなどは見当たりませんでした。
チャンバー周りのパーツをバラしていきます。
HOPダイヤルはマズル側に引っ張れば外れ、バレルクリップは普通に下方向に引っ張れば外れ、HOPアームのピンはべっとり接着剤が塗布されているのですが、そもそも樹脂にくっつかないタイプの接着剤のようだったので簡単に外す事が出来ました。
ただし、問題が1つあってインナーバレルとチャンバーのガタとり用に入っている真鍮のリングにもべっとり接着剤が塗布されており、ここがガチガチに固められていました。
この真鍮リングを外すのが大変でしたね…。
それでは細部を見ていきます。
まず、HOPアームには虫ゴムが付いており、柔らかいテンションとなっています。
HOPパッキンは半透明の白っぽいグリスが塗られていました。
硬度は柔らかめで、感覚的に東京マルイ純正よりも少し硬いかな?といった具合の硬さで、昔のHOPパッキンと比べるとめちゃくちゃ良くなっている気がします。
HOPの凸はマルイ形状かな?と思いきや何やら不思議なアレンジが加えられており、中央にUの字の切れ込みが入っており、50%V字パッキンみたいな形になっていました。
BB弾の停弾位置を安定させる為のくぼみ…?だったりするのでしょうか。
V字パッキンと普通の凸パッキンの間みたいなユニークな形状ですね。
インナーバレルは長さ455mmの真鍮製で、マズル側にガタとり用のOリングを取り付ける為?と思われる溝が掘られているのですが、Oリングは入っていませんでした。(溝にしては浅かったので、違う意図の溝かも知れませんが…)
また、グリスによる影響か、パッキン周りが変色しています。
HOP窓は無難な形状。
特に何も言う事は無い普通な形です。
メカボックスを見ていきます
CM001BK SIG 556は東京マルイ SIG551、552コピーという事もあってVer3メカボックスが採用されています。
東京マルイのメカボックスと見比べてみると、アンビセレクターレバーの連結ギアやモーターホルダーの形状は似ていますが、セレクタープレート周りの仕様がちょっと違っているものの、基本的な構造は同じようですね。
セレクターレバー用のギアには印が付いており、組み立てる時にどこを合わせれば良いかが分かりやすくなっています。
メカボックスを分解するにあたって、まずこれらのギアを外していきます。
セレクターレバーの基部になっているギアは簡単に外せるのですが、これらのギアを連結させる為のギアはシャフトに付いているネジを外す必要があります。
外してみるとシャフトにべっとりおなじみの青グリスが…。
続いて、セレクターレバー周りの樹脂パーツを外していきます。
この辺りは特に固定されていないので、引っ張れば外れます。
続いて、モーター基部パーツを外して、逆転防止ラッチを解除しておきます。
これをやっておくと、メカボックスを開いた時にタペットプレートやピストンスプリングが爆発する心配が減ります。
続いて、トリガー後ろのカバーを外してからメカボックスの背骨、他のネジ類を外します。
Ver3は背骨がある分ネジが少なめなので良いですね。
トリガー周りは嫌いなんですけど、メカボックス外側は割と気に入ってます。
メカボックスを開くとこんな感じ。
グリスは青色のグリスがべっとり。
どうやらCYMA製電動ガンでも白いグリスが塗られている個体もあるらしいですが、自分の個体は青グリスべっとりでした。
結構動かした事もあってか、至る所にグリスが飛び散ってます。
グリスの粘度的にどちらかと言うとジェル…?硬化途中のネジロック剤みたいなねっとり感があり、剥がそうと思うと塊で剥がれる感じですし、メカボックスにべっとりこびりついて中々剥がれません。
グリスの色が変わっただけで、「エイリアングリス」とか呼ばれてた緑グリス時代と大差は無い印象があります。
ギアを外していくと…うわぁぁぁぁぁ…!!!
ギア側、ギトギト過ぎるだろ…。
尚、グリスの塗り方や量はめちゃくちゃですが、ギアがメカボックスに擦れてるような状態では無かったので、割と寸法精度自体はそこまで悪くは無さそうな気がします。
少なくとも1000発は撃っているので、それだけ動かして全然削れていないなら問題無いのかなと。
メカボックスには青色グリスが塗布されていましたが、ギアの方には茶色いものが塗られており、メカボックスとギアに塗られているグリスは分けられているようです。(グリスの硬さは青>茶みたいな感じです)
ギア比は18:1。ベベルギアのラッチは4枚です。
青グリス、茶グリスを見て分かる通り、グリスの雑さは相変わらずですが、昔あった独特なケミカル臭が無くなっており、メカボックスを開けた瞬間に「うわっ」ってなる匂いはありませんでした。
尚、軸受は6mmメタル軸受け、グリス溜まりの十字が入っています。
SHSなどの中華メーカーから強化軸受として販売されている軸受と似た感じですね。
ちなみに軸受はメカボックスに固定されておらず、ユルユルなので簡単に外す事が出来ました。
ピストンスプリングとスプリングガイドはこんな感じ。
ピストンスプリングはスプリングカットで調整されているようで、断面は切りっぱなしでした。
デチューンの処理は雑ですが、スプリングカットで調整されてるだけマシになっていると言えばそうですね…。
ピストンは1枚金属歯の樹脂ピストン。
Oリングやメカボックスと擦れるレール部分には粘度低めの透明のグリスが塗布されていたのですが、ラックギアにはメカボックスに塗られていたのと同じ、粘っこい青色のグリスが塗布されていました。
グリスの塗り方は雑ですが、ちゃんと塗り分ける努力はしているようです。
ピストンヘッドは6個吸気穴が空いている後方吸気仕様。
このピストンヘッドはとてもユニークな構造をしており、ピストンヘッドが内側に窪んでいます。
似たような内側に凹んでいるピストンヘッドはカスタムパーツで存在しますが…そういうのを意識してるんでしょうかね。
あと、ピストンヘッドとピストンの間には謎の透明の板が付いていました。
特に固定されていないので自由に動きますし、ペラペラで強度も無いですし…何のための物なのか謎です。
メカボックス側のレールと干渉する部分は若干凸凹しており、抵抗を減らす工夫が施されています。
ピストン内側には鉛が入っており、ピストンの重量は24gと東京マルイ純正とほぼ同じ重量となっています。
ピストンを分解するとこんな感じ。
分解しても透明のリングの存在が謎ですね…。
尚、ピストンヘッドのOリングは一般的な電動ガン用よりも少し太めの物が入っていました。
シリンダーは真鍮製のフルシリンダー、シリンダーヘッドは樹脂製。
ピストンヘッドは中央が凹んだ変わった形をしていますが、シリンダーヘッドは無難な形状をしています。
タペットプレートとノズルはこんな感じ。
タペットプレートは白色、ノズルは透明です。
ノズル内側のOリングが無いシンプルな仕様で、ノズルの先端は前方吸気対応形状。
ノズル長は21.56mmだったので、マルイのSIG用というよりM4系に近い長さのようです。
昔はグリスの影響かノズルが黄ばんでいたり、デチューンのために穴あけ・カットなどの雑な処理が行われていたノズルですが、現行ロットではだいぶマトモになっている印象です。
実際、箱出し状態の初速が安定している事を見るとノズル長や気密に関しても問題は無いような気がします。
続いて、スイッチを外そうと思ったのですが、ヒューズケースがメカボックスを通らなかったのでスイッチを分解して外しました。
どうせいじる時にヒューズを管型から平型に変える予定なので、ケーブルをぶった切っても良かったんですが…。
スイッチはちょっとだけ焦げてますね。
まあ、LiPoバッテリーでそこそこ撃ったので仕方がないですね。
トリガーはこんな感じ。
特段気になるような事は無かったですが、トリガーの後ろ側にも青グリスが付着しているのを見て「えぇぇ…」ってなりました。
最後に、セレクタープレートを外しました。
接点無しタイプのセレクタープレートです。
という訳で、CYMA CM001BK SIG 556の分解レビューはこんな感じでした。
グリスに関しては多少塗り分けるようになったりして、改善が見られますが、良い状態とは言えません。
ただし、内部パーツ自体は特段悪くはなくオーバーホールさえすれば普通に使えそうな状態でした。
特にピストンやHOPパッキンに関しては意図は分からないものの変わった形の物が入っている事から、単なるマルイ劣化コピーではなく、CYMAの拘りを感じました。
この辺りのパーツは材質的な強度やゴムの硬度、気密も悪くはないので、そのまま流用してしまっても良い気がしますね。
という訳で、次は調整記事になります。
基本的に純正パーツ流用で弄っていこうと思っています。(記事が公開されてる時点では既に調整は終わってるんですが…)