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Double Bell SCAR-H M-LOKカスタム TAN No.807の分解レビュー

記事作成日:2022年3月23日

『Twitterでアンケートを取って1位だった電動ガンを購入、レビューを行う企画の第三弾』として購入した、Double Bell SCAR-H M-LOKカスタム TAN No.807を分解していきます。

尚、開封レビューと箱出し状態でのグルーピング検証はそれぞれ下記から。
開封レビュー:https://blog.evolutor.net/2022/03/02/double-bell-scar-h-m-lok-tan/
箱出し状態でのグルーピング検証:https://blog.evolutor.net/2022/03/10/double-bell-scar-h-m-lok-shooting-test/

という訳で、まずテイクダウンから。
ピポッドピン、アッパーレシーバー後部のネジ(左右2本ずつ、上部1本)を外せばアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離しつつストックを外す事が出来ます。

ストック側には配線が通っているのですがこの配線、コネクタが邪魔でストックから外す事が出来なかったので、コネクタを外しました。
そもそも開いてる穴にコネクタが通らなかったのでケーブルを切断するか、リムーバーが必要かも知れません。

コネクタのサイズの方が大きいので通らない
切断して取り外し

続いて、アッパーレシーバーから色々パーツを外していきます。
ダミーボルトのリターンスプリングやダミーボルトは特に苦もなく外す事が出来ます。
尚、コッキングハンドルはダミーボルトを後退させた状態で90度回転させる事で外す事が出来ます。

アウターバレルのエクステンションやフラッシュハイダーを外しました。
尚、Double Bell SCAR-H M-LOKカスタムのバレルエクステンションは何故かM4A1の14.5インチタイプの物が付いており、見た目が微妙なのでこれは交換予定です。

ハンドガード周りはとりあえず外側のネジを外していけば外せると思います。
特に外しても弄る要素は無いと思うので、分解はしません。

バレル・チャンバー周りを見ていきます

ではアッパーレシーバーから取り出したバレル・チャンバー周りを見ていきます。

チャンバーはクリアの樹脂製(ポリカーボネートかな?)で独特な形状をしています。
外側から見て分かるレベルでグリスがべっとり塗られている状態だったのですが、チャンバーからバレル・HOPパッキンを外すと予想以上にグリスまみれでした。

クリアのチャンバー越しに分かるグリス
地獄のようなグリスまみれパッキン

尚、パッキン内側にもしっかりグリスが飛び散っていたので、箱出し状態で初速が出ている割には全然HOPが掛からなかった原因はこれでしょうね…。

あまりにドロドロだったのでさっさと洗浄。
HOPアーム周りのパーツは分解が面倒なので外していませんが、東京マルイのスタンダード電動ガンと似た形状の横ダイヤルチャンバーです。

HOPパッキンは気密を取る為の3つのコブ付きでメイプルリーフのHOPパッキンに外観は似ていますが、凸形状は普通のマルイ形状。
口は厚めでも薄めでもなく無難な感じで、高度も60度程度と使い勝手の良さそうな硬さです。

グリスまみれじゃなかったら割と普通のHOPパッキンなのでは…?と思いました。

押しゴムはちょっと固めのゴムチューブ(ムシゴム)でした。
ちなみにこのチューブの真ん中も最初はグリスがみっちり詰まっていました。

インナーバレルは長さ390mmの真鍮製。
HOPパッキンが付いていた部分は茶色く変色しているのは中華電動ガンではよくあるのですが、バレルエクステンションの所にはスレ傷が付いている事からアウターバレルにインナーバレルがガッツリ擦れていたようです。

ロアレシーバーからメカボックスを取り外します

続いて、ロアレシーバーからメカボックスを取り外していきます。

まず、セレクターレバー下部のイモネジを緩めてセレクターレバーを外します。(別にここを外すのは後でも大丈夫です)
左右共に同じ仕様で、プランジャー部にグリスがしっかり塗られています。

かなりべっとりグリスが付着

続いて、グリップの底蓋を外してモーターを取り出します。

モーターはラベル無しの銀色ボディ。
何か別メーカーの電動ガンで見かけた記憶があるので、中華ガンでたまに使われてるモーターだと思います。

しょぼいモーターではありますが、11.1Vを使ってもあんまりサイクルが上がらないので11.1V運用ならそれなりに使い勝手の良いモーターだったりします。

先端が開いている、ショートモーター用みたいな仕様のスプリングが特徴的で、ピニオンギアの形状は歯のエッジが立っていないD型。
ブラシはレイダウンタイプ。

モーターを外したらグリップ内側のネジを2本外して、グリップを取り外します。

グリップは一般的なM4電動ガン用グリップと同じ形状。
尚、底蓋を固定しているネジ穴はちゃんと金属インサートが入っています。

続いて、メカボックスのピストンスプリングガイドと配線を固定しているパーツを外します。
このパーツを外せばピストンスプリングガイドを抜く事が出来るのですが、一旦そこは置いておきます。

続いて、セレクターレバーの基部パーツを外します。
セレクターレバー本体とロアレシーバー内側に収まっているギアとを連結させる為のパーツですね。

次にマガジンキャッチを外します。

何故ここまで分解してやっとマガジンキャッチを外すのかと言うと、この銃のマガジンキャッチは結構無茶な事をしており、メカボックスをかなり前側に動かさないとマガジンキャッチがメカボックスに干渉して外す事が出来ないのです。(赤矢印部がメカボックスに鑑賞する)

その為、セレクターレバーやグリップなどを先に外してメカボックスをフリーにする必要がありました。

メカボックスを前に押しながら外してもかなり強引に抜く必要がありましたが、何とかマガジンキャッチを外す事が出来ました。
ここの形状、もう少しなんとかならなかったのだろうか…。

これでメカボックスを取り外す事が出来るので、外しました。

ロアレシーバー内側はこんな感じで、メカボックスの厚みに対してかなりタイトに設計されており、メカボックスを抜くのもソコソコ抵抗がありました。
セレクターレバーの動きが渋い理由はこういう所にありそうです。
また、ロアレシーバーに白いプラ板が接着剤で貼られており、メカボックスの位置調整が行われていました。

メカボックスを見ていきます

Double Bell SCAR-HのメカボックスはVer2です。
逆転防止ラッチ解除穴があったり、スプリングガイドがQDだったりとアレンジは加えられている程度です。

特殊なのはノズルがロングノズルになっていたり、チャンバーとの隙間を埋める為のパーツが付いている位ですね。

アンビセレクターレバーはこんな感じ。
これ、外す時は簡単に外せたのですが、組み立てる時めちゃくちゃ面倒くさかったです…。

メカボックスを開ける前に逆転防止ラッチを解除して、ピストンスプリングガイドを外します。

細い棒を使って逆転防止ラッチ解除
スプリングガイドはマイナスドライバーで外せる
マイナスドライバーを使ってスプリングガイドを外す

ピストンスプリングはこんな感じでそこそこ柔らかめな物が入っており、スプリングカットもされていないのでちゃんと日本国内仕様として用意されたスプリングのようです。
ピストンスプリングガイドにはスラストベアリングが付いています。

アンビセレクターレバーの連結ギアを外す為に、イモネジを緩めて片側を抜きます。
ガッツリ圧入されているのでイモネジを緩めてもなかなか外せなくて苦労しました。

これでようやくメカボックスを開く事が出来るようになります。
尚、メカボックスに使われているネジはほぼ全てネジ頭が変形していました。

メカボックスのネジを8本外します。
尚、長い鍋ネジにのみスプリングワッシャーが付いていました。

ギアには半透明の高粘度グリスが塗布されており、中華ガン特有ネバネバ・ドロドロギ・トギト系ではなく、そんなに悪くはない印象です。
メカボックスに付着しているグリスもそんなに酷くはなく、ブレーキクリーナーで軽く洗浄すれば済む程度でした。

ちなみに、削れた樹脂が付着していました(何が削れていたのかは後述)

ギアはおなじみの18:1ギア。
セクターギアには三角形のセクターチップが付いており、ベベルギアは4枚ラッチ仕様となっています。
このギア本当に色々なメーカーの電動ガンで採用されていますよねぇ…。

タペットプレート、ノズルはこんな感じ。

ノズル長は38.8mmと次世代M4用に比べると短いですが、結構なロングノズルとなっています。
チャンバーと同じ材質で、エアシール用のパッキンは付いていないタイプです。

タペットプレートはセクターギアのセクターチップの影響でメチャクチャ変形していました。
メカボックスを開けた時に付着していた黒い樹脂の破片はこのタペットプレートの削りカスだったようです。

安易なセクターチップの組み込み、本当良くない…。
尚、ここまで変形させてもタペットプレートを歪めないとギアを回す事が出来ない程度にはメチャクチャな寸法でした。

このまま使い続けているとタペットプレートが折れてしまう可能性もありそうな、悲惨な状況でした。

シリンダーとシリンダーヘッドはそれぞれこんな感じ。
シリンダーは加速シリンダーで後ろ寄りで大きな水滴状の加速穴が空いており、シリンダーヘッドは樹脂製。

尚、シリンダーの加速穴には内側・外側共にバリが出ており、このまま使い続けているとピストンのOリングを駄目にしてしまいそうな印象がありました。

シリンダーヘッド側のノズルも一般的なシリンダーヘッドに比べて長くなっており、ここもグリスまみれでした。
チャンバー側に塗られているグリスと同じ物が塗布されているようです。

ピストンは全金属歯で左右に肉抜き穴が空いているタイプ。
ピストンヘッドはダブルOリング仕様の後方吸気メタルピストンヘッドが付いていました。

独特な吸気穴が空いているピストンヘッドで、MAXX製のピストンヘッドによく似ています。
ピストン中央のロゴが違っているだけで、名前もMAXXと同じハイパフォーマンス ピストンとなっています。

Oリングは一般的な電動ガン規格より一回り大きな、物と細い物が付いています。

ピストンヘッドを外す為にネジを回したら簡単にネジ頭がもげました。
外せなかったら温めてから外そうと思い、試しにそんなに力を掛けずに回したんですが簡単にもげました…。

内側にはスラストベアリングが入っていました。
また、ピストンヘッド側の穴の大きさがかなり広めで、一般的なピストンヘッド(東京マルイ準拠)を取り付けるとガタガタだったので、付属のピストンヘッド専用品のようです。
もちろん、DoubleBellのピストンヘッドを一般的なピストン(東京マルイ準拠)に取り付ける事も出来ませんでした。

ピストン内部にはスラストベアリングが
ピストンヘッドが差し込まれる穴の大きさがかなり大きい

トリガー周りはこんな感じ。
まあ、至って普通のVer2メカボックス用のトリガー(SCARの形になっていますが)と物理スイッチです。

スイッチやカットオフレバー、セレクタープレートはこんな感じ。
セレクタープレートは独特な形状をしていますが、それ以外は特に言う事も無い普通の形状をしています。

という訳で、Double Bell SCAR-H M-LOKカスタム TAN No.807の分解は以上になります。

とりあえずチャンバーがグリスまみれという点以外は割と悪くはない構成かな?と最初のうちは思っていたのですが、分解を進めるうちにタペットプレートが変形していたり、加速シリンダーのバリなど気になる箇所がちらほら出てきた感じです。

特にセクターチップによるタペットプレートの変形はタペットプレートが折れる原因にも繋がる問題なので、割と致命的な気がするので、こういう仕様の製品なのであれば調整は必須でしょうね。

とは言え、2万円を切る価格で買える事を考えると、カスタム前提で買うならかなりお買い得感のある電動ガンではないかと思います。

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