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Arcturus AT-NY06 Karambit MOD1 PDW 5.5″をベースに11.1V対応のDSG ハイサイクルを組んでみた(なるべく純正パーツ流用カスタム)

記事作成日:2022年11月2日

レビュー依頼で箱出し状態での外観レビューグルーピング計測分解レビュー13:1ギアの組み込みArcturus製カスタムモーターのレビューなどに使ってきたArcturus AT-NY06 Karambit MOD1 PDW 5.5″ですが、製品を頂いたので、今度はDSGを組んでハイサイクル仕様の電動ガンにカスタムしてみました。

DSGを組もうと思った理由の1つとして、BigDragonから発売された肉抜きギアがどんな物なのか気になった為です。
このギア自体は去年位からAliExpressで見かけるようになった軽量を売りにしているギアセットシリーズで、今はAmazonにも入荷しており入手しやすくなっている製品になります。

BigDragon DSG ダブルセクターギア 超軽量 9:1 ギアセット マルイ 各社 電動ガン ウルトラライト 9 1 // DSG ダブルセクター BD4570D-1Amazonで購入する

今回購入したのはDSGですが、SSGも発売されています。

BigDragon DSG 超軽量 9:1 ギアセット(BD4570D-1)について

という訳で、まずはこのギアセットを紹介します。
こちらのギアはセクターギア、スパーギア、ベベルギアがセットになっている製品で、ギア比は18:1です。
最近、DSGの事を9:1と表記している製品を度々見かけますが、この言い方にだいぶ違和感を感じるので、個人的には18:1のDSGとかいう言い方をよくしています。(厳密には18:1ギアも18.72:1ですが…)

材質はスチール、重量が60gと軽量になっている為初動の回転速度が高いというのが売りのようですが正直ギアの重さがどの程度回転数に影響を与えるのかは未知数。
確かに無負荷状態であれば回転数は高まるのかも知れませんが、スプリングを引く時のトルクが落ちるという事でもあるので、メリットがあるのかは正直分かりません。

それ以上に強度的な問題が気になったので、今回は固めのスプリングレートを使ったりして負荷高めのカスタム内容にして試そうと思ってこのギアを購入しました。

高負荷なDSGで全然問題無いならSSGも問題なく使えそうなので、今後のギアの選択肢の幅が広がりますからね。

セクターギアはこんな感じでタペットカムの間に肉抜きがされています。
DSGの8枚歯で、タペットカムは引き始めの2枚目下に付いています。

スパーギアには6箇所に肉抜き穴が設けられています。
車のタイヤホイールみたいですね。

ベベルギアには肉抜きはありませんが裏面の3箇所に凹みが設けられています。
逆転防止ラッチが引っかかる歯の枚数は6枚です。

ピニオンギアと接する歯の形状はこんな感じ。
歯同士の間隔も広く角度もいい感じなのでピニオンギアとの相性問題は起きにくそうな印象があります。

ちなみに、似たような軽量ベベルギアとしてFightingBro製のギアセットに付属するベベルギアにも凹みが設けられています。
ちなみにこのギアセットと同じ物が、BigDragon名義でも出てます。

この辺りのギアセットはメーカーが違えど工場は同じというケースが多いので、あんまり「このメーカーのギアはこう」と断言出来ないんですがね…。
ロットによって全然別物のギアになる事もありますし。(特にBigDragonとかロット差がめっちゃ激しい印象)

という訳で、今回はこのBigDragon製の軽量DSGを使っていこうと思います。

Arcturus AT-NY06 Karambit MOD1 PDW 5.5″のDSGカスタムについて

今回の趣旨ですが私が個人的にBigDragonの肉抜きDSGを使いたいという要望から始まりましたが、それ以外にもArcturus製電動ガンの純正パーツがどの程度使えるかを試すという目的もあります。

分解していて全体的にパーツ自体は悪くは無さそうでしたし、もし純正パーツ流用で色々弄っていけるならカスタム時の費用を抑える事が出来ますからね。
一部は私の趣味でパーツを入れ替えたりしていますが、基本的には純正パーツを使っていこうと思っています。

という訳でまずは全部のパーツの洗浄を行い、続いてメカボックスに歪みは無いかの確認と軸受に緩みはないか、軸の芯が出ているかのチェックは念入りに行いました。
高負荷・高回転系のカスタムをする場合、特に軸受周辺の精度がかなり重要になりますからね。

Arcturus AT-NY06シリーズのメカボックスに付いている軸受はセクターギアとスパーギア部が8mmのオイルレスベアリング、ベベルギア部にボールベアリングと負荷が高いハイサイクル系カスタムでも耐えれる仕様になっていた為、軸受はそのままにしています。

ギアやピストンも純正パーツをそのまま使う予定です。
Karambit MOD1 PDW 5.5″のシリンダーはMP5Kサイズの大幅な加速シリンダーが採用されている為、8枚歯DSGでも加速シリンダーを活かす事が出来ます。

今回は初速の上限を抑える為とピストンの前進速度を上げる為にもこの加速シリンダーを流用します。

ギアの組み込みとシム調整について

という訳で、いつもどおり適当にシム調整を行ってグリスアップします。
DSGだからと言って特別な事をする必要は無いと思っているので、いつもどおり適当なサイズのシムを適当に入れていい感じに回ればOKとしています。
グリスはG.A.W. Gグリース、ボールベアリングにはG.A.W. Gルーブを塗布しています。

一旦この状態で動作テストを行います。
シム調整の具合は動かしてみないと分からないので、一旦最小構成で動かしてみるのが良いと思います。

尚、モーターは回転速度が欲しかったのでArcturus ANT19Tを使う事にします。
このモーターはカスタムパーツとして単品販売されているハイスピードモーターです。

モーターとギアのみ付けた状態での動作テストは問題なし。
気になるようなギアノイズも発生せず、カットオフレバーもちゃんと動いていた(スイッチは付けていないので、カットオフされているかどうかはこの時点では不明)ので、このままカスタムを続ける事にします。

動作テスト用の外付けスイッチに接続

タペットプレートについて

タペットプレートも純正を流用しますが、羽はDSG用にカットします。
カット位置はピストン開放の直前でタペットプレートが前進するようにします。
もうちょっと短くても良いのですが、私の場合は色々なメーカーや重さのBB弾を使う可能性があるので、弾上がりが悪い場合を考慮して少し長めにしています。
ピストン前進のタイミング的に、結構ギリギリの長さになっていると思います。

少し長めにカット
ピストンの前進の直前にノズルが前進する仕様

尚、Arcturus純正のタペットプレートには予め各部にR面取りや補強が施されており、ハイサイクルカスタムでやった方が良い負荷低減の加工を行う必要は無さそうに思えました。

普通に単品販売してくれたら買いたいなと思える、良いタペットプレートですね、これ。

尚、慎重にやるならタペットプレートを付けた状態での動作テストも行った方が良いのですが、今回はちょっと時間があまり取れなかった(記事ネタが枯渇してるので、半日程度で調整を終わらせる必要があった)ので、動作テストは端折ってピストンなどを組み始めました。

ピストン周りについて

ピストンも純正を流用しますが、AOE調整用のシムを追加したのと、スラストベアリングを外して樹脂スペーサーに置き換えました。
これによりピストンの重量UPを抑えてピストンの前進速度を高めます。
尚、AOE調整を行ったので、ラックギアの3枚目を半分位削りました。(2枚目は最初から完全に削られている)

尚、DSG用にラックギアの使わない部分をカットする加工に必要性を感じないというか、手間の割に効果が薄いと思ってます。
ピストンを限界まで軽量化をするなら必要になる措置ですが、あっても問題は無いと思います。

ちなみにこのピストンは割と粘り気のある樹脂が使われているので高い前進速度を目指すなら、肉抜きとかをしても良いかも知れません。

ピストンとピストンヘッドの固定がタップビスで不安しか無いので、結構ガッツリ目にロックタイト425を塗布しました。
また、ロックタイト712(硬化促進剤)も併用しています。

ピストンヘッドのOリングはG.A.W. FRUS-Oリングにしました。
これは私の趣味です。
純正状態で丁度良いサイズのOリングが付いていたので、純正のままでも大きな問題は無いと思います。

ピストン周りやトリガーなどを組み込み動作テスト

という訳で、これらのパーツを組み込み動作テストを行います。
一気にトリガー周りや配線、ピストン・シリンダー、タペットプレート、ノズルなどを組み立てます。
尚、ピストンとタペットプレート以外のパーツは全て純正のままで加工も何もしておらず、グリス(G.A.W. Gグリース)を塗った程度です。

メカボックスを閉じたらピストンスプリングを入れます。
今回は特に冒険する気も無いので、昔ASG EVO3のDSGカスタムで使っていた(多分ブログで紹介はしてないと思いますが…)とある試作品のDSG専用スプリングを使います。

動作はこんな感じ。
動作テストで使っているバッテリーが7.4Vという事もありますがだいぶ大人しめなサイクル。
単純にモーターがトルク負けしてるような気もしますが、一旦Arcturus ANT19Tのままにしておきます。

バレル・チャンバー周りについて

バレル・チャンバー周りに関しては基本的に純正のままですがHOPクッションのみ変更しました。
ハイサイクル系はHOPパッキンやHOPクッションが戻る速度も重要になるので、硬めのシリコンチューブに変更、HOPパッキンは純正状態で少し固めなのでこのままで良いかなと思っています。

後はインナーバレルの先端にガタ取り用のポリイミドテープを巻いて完成。
HOPの突起も問題無さそうです。

組み立てについて

後は組み立てを行い、弾が出るようにします。
尚、レシーバー周りは一切手を加えていません。

ちなみに何度か動作テストを行っていたのですが、ピストンスプリングガイドのこのパーツは結構キツめに締め込んであげないとネジが緩んできてピストンスプリングガイドが暴れてしまう可能性があったのでカスタム時は注意が必要です。
実際に何度か動かしていたら少しゆるくなっていて「やべっ」となりました。

動作テストをしていて気づいた事というか、一応予想はしていましたが発射音が煩かったのでサプレッサーをつける事にしました。
丁度よくわからない、使っていないサプレッサーが余っていたので、中身の消音材を弄って組み込む事にしました。

サプレッサーについて

サプレッサーの外形は30mmなので、消音材としては太さ28mmの物を使用。
先端を柔らかめのスポンジにし、手前側をDCI Guns ちくわスポンジにしています。
また、間にDCI Guns ちくわスポンジ付属の仕切りを計4枚入れています。

サプレッサーを取り付け、ハンドガードを取り付けたのですがKarambit MOD1 PDW 5.5″純正ハンドガードだとバランスが悪かったので、Sword MOD1 SBR 8″のハンドガードを取り付けました。
これでサプレッサーの半分位がハンドガードに隠れる感じになりました。

色々と動作テストを行っていて、7.4Vでも11.1Vでも特に動作は問題無かった(一応あるにはあるのですが、そこは後述)のでバッテリーコネクタ側の調整を行いました。

まず、純正状態の配線は長すぎて配線の取り回しやバッテリーのレイアウトに苦労するので、短くしつつ普段使っているXT30コネクタに変更しました。
PDWストックを付けた際に基部から少しコネクタが飛び出す程度の長さにしています。

今回この電動ガンにはBETAPFV 450mAh 75C/150C 11.1Vを使おうと思っていたので、こういうレイアウトにしました。
配線を短くした事でだいぶバッテリーが入れやすくなりました。

という訳で、弄ったArcturus AT-NY06 Karambit MOD1 PDW 5.5″はこんな感じになりました。
まあ、ハンドガード変えちゃったので、PDW 5.5″では無くなってしまいましたが…。

Karambit SBRとでも呼びましょうかね…?

初速と発射サイクルについて

初速は最大初速でが94m/s前後、発射サイクルは秒間39発程度になりました。
ギリギリ秒間40発に届きませんが、これくらいならバッテリーのスペックを上げれば40発超えも出来そうな気がします。

尚、最低初速はHOP最低の状態で、85m/s程度でした。

動作はこんな感じ。
まだ1000発も動かしていない状態なので何も分かりませんが、とりあえず動作は問題無さそうです。
ちょっとバネ鳴り気味なのはスプリングガイドの外形がすこし小さめ且つピストンが前進状態で停止するのと、樹脂レシーバーの反響が原因で色々なスプリングを試しましたが駄目でした。

また、他にも問題…というか構造上どうしようも無さそうな事なのですが、Arcturus純正のカットオフレバーのサイズが大きいせいでセミロックの発生率がかなり高いのです。

普通にセミオートで使っている分にはギアの停止位置は安定しているので問題無いのですが、フルオートを使ってギアの停止位置がおかしくなった状態でセミオートに切り替えるとセミロックが起きます。
これ自体は物理スイッチを採用している電動ガンならどのような製品でも起こりうる問題ではありますが、ちょっと頻度が高いかな?と感じています。

このセミロック問題は以前弄った同社のPP-19でも同じなので、同社のマイクロスイッチメカボの宿命のような気がします。

まあ、自分は基本的にセミオートしか使わないので気にならない問題ですし、この銃は多分逆にフルオートしか使わないのであまり気にはならないと思いますが…。

という訳で、今度サバイバルゲームフィールドにでも持っていって飛び具合とかを見てみようと思います。

それにしても、久しぶりにこんなハイサイクルな電動ガンを作りましたが、たまにはこういうのも気分転換になるので良いですね。
最近は個人的に使い勝手の良いセッティングばかりで同じような仕様の物ばかり作ってたので…。

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