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FALCON TOYS GBB MCX Rattlerのレビュー

記事作成日:2023年2月3日

FALCON TOYS製のガスブローバックライフル、MCX Rattlerを三山商事株式会社様よりお送り頂いたのでレビューしていきます。
尚、そのまま製品を購入させて頂いたので追々色々と弄っていったりする予定です。

FALCON TOYS GBB MCX Rattlerは東京マルイ MWSシリーズの内部ユニットを搭載しておりトリガー、ハンマー周りやマガジンはMWS互換となっている製品になります。

色々なメーカーからMCX Rattlerが発表されていますが、FALCON TOYSは外装のクオリティの高さを最大の売りにしています。
細かな再現度や実銃でスチールで出来ているパーツはバレルを除いて全てスチールで作られています。

内容物はMCX Rattler本体と交換用リコイルスプリング、弾速証明書のみです。
ストックやマガジンが付属しないので、別途用意する必要があります。

付属のリコイルスプリングは予め組み込まれている物よりもスプリングレートが低い物になっています。
このスプリングをそのまま組み込むとボルトの前進速度が低下する事による動作不良が発生する可能性がありますが、夏場などボルトの稼働速度が高くなる状況で使うとより発射サイクルを上げる事が出来るとの事でした。

尚、FALCON TOYS GBB MCX Rattlerは構造上独自パーツが多いですが、全てのパーツは補修部品があるようで、販売店に連絡する事で取り寄せる事が出来るとの事でした。

分解せずに確認できる内部パーツの紹介

アッパーレシーバーとロアレシーバーに分離させられた状態で入っているので、まずはアッパー側とロア側の分解せずに確認出来る範囲を見ていきます。
細かな分解レビューは追々行う予定です。

まずはアッパーレシーバー側から。

ボルトはMCX Rattler専用の物が入っており、チャージングハンドルを引く事で取り出す事が出来ます。

入っているボルトはこんな感で材質はスチール
ボルト本体には焼入れも入っていてかなり強度の高い仕様になっています。
リコイルスプリング一体型になっているのがユニークですね。

尚、ボルト自体は見ての通り専用品ですがローディングノズルはIRON Airsoft製のMWS用NPAS入りローディングノズルが組み込まれています。

ハンマーを起こす時の抵抗を減らす為の措置が施されています。
尚、MWS純正ボルトはよくここが潰れて動作が不安定になったりしますが、こちらは焼入れが入っているスチールなのでそう簡単に変形する事は無いと思います。

チャンバー周りはアルミ削り出しのカスタムチャンバーが予め組み込まれています。
色が違っていますが、こちらもIRON Airsoft製のMWS用によく似ています。
HOPパッキンは面押しタイプのようで、Maple Leafの硬度65の物を使っていると伺っています。
尚、インナーバレルもMaple LeafのOEM品をカットして組み込んでいるそうです。

ハンドガードはMCX Rattlerのロープロファイル 5インチハンドガードを再現した物が付いています。
レシーバーの設計の都合上実物ハンドガードとは若干寸法が異なっており、実物ハンドガードとの互換性が無いので注意が必要です。
特に大きな問題としては、ハンドガード基部に付いているピポッドピンを通すためのリングの位置が異なっている為、削ったりするような加工だけではなくパーツを新規で作る必要が出てくる物と思われます。

尚、ハンドガードは少しタイトめに差し込まれているので、外す時に少しゴムハンマーで叩く必要がありました。

アウターバレルやガスブロックは300BLK仕様でバレルの太さやガスブロックの位置の再現度がかなり高い印象があります。

ガスガンでは意味の無いギミックではありますが、ガスの流量調節ノブはライブで回す事が出来ます。
動かせるギミックが付いているだけで、ここを動かして何か変わる訳ではないですが…。

ハンドガードの取り付け基部はこんな感じ。

続いてロアレシーバーを見ていきます。

ロアレシーバー後部にはボルト用のゴムダンパーがネジ固定されています。

トリガーユニットはIRON Airsoft製のMWS用アルミ削り出しトリガーユニットが搭載されており、トリガーの引き代調整機能が付いています。
ハンマーやシアーなど負荷の掛かるパーツはスチールで出来ている単体でも2万円以上する高価なカスタムパーツが予め組み込まれています。

また、Z-SYSTEMの特徴であるボルト前進時のダンパーパーツはステンレス削り出しの強化パーツになっています。

東京マルイ MWSのレシーバーとの互換性について

MCXロアー+M4アッパー、M4ロアー+MCXアッパーのような組み合わせが出来るか試してみました。
電動ガンが出た時にこの組み合わせをやりたがっている人が居たのを見かけたので、一応やっておこうかと。

まずMCXロアーとM4アッパーの組み合わせはダメそうでした。
そもそもチャージングハンドルとレシーバー後部がガッツリ干渉するので大工事が必要ですね。
そもそも実銃でもこの組み合わせは無いんじゃないですかね。

逆にM4ロアー+MCXアッパーの組み合わせは微妙にピンが刺さらない位でかなりおしい所までいけました。
レシーバーを若干加工しつつボルト周りをどうにかすればもしかしたら何とかなるかも知れません。

尚、純正フレームとの互換性はこの通り無さそうですが、IRON AirsoftやFalcon Toys製のMWS互換レシーバー(ロアーのみ)とは互換性があるとの事です。
工場の方での確認になりますが、FALCON TOYS MCX Rattlerアッパーを同社製のTTIコンプリートのロアレシーバーやIRON Airsoft製のF1ロアレシーバーに交換して使う事が出来ているそうです。

MCX Rattlerを組み立てて外観を見ていきます

FALCON TOYS GBB MCX Rattlerを組み立てて外観を見ていきます。

フラッシュハイダーはテーパーロックシステムを採用したQDフラッシュハイダー、『SIG SAUER SRD762-QD 1/2-28 TPI Flash Hider Mount』を模した物がアウターバレルの14mm逆ネジに付いています。
フラッシュハイダー下部に付いているイモネジを緩めて回す事で外す事が出来ます。

正面から見るとこんな感じ。
フラッシュハイダーの外径がハンドガード内側ギリギリまである事から、フラッシュハイダーの大きさがよく分かると思います。

冒頭でも紹介しましたが、ハンドガードは左右と底部にM-LOKスロットが2つずつ付いている、MCX Rattler用のロープロファイル 5インチハンドガードが組み込まれています。

冒頭でも説明しましたが、FALCON TOYS GBB MCX Rattler専用設計で実物のMCX Rattler用ハンドガードとは互換が無いのでご注意下さい。
また、VirtusとRattlerはそもそもレシーバーの形状が違うのでVirtusとも互換性はありません。


トップレールはこんな感じで、ハンドガード上部からレシーバー後ろまで一体型のレールが伸びています。

レシーバー上部に付いているプレートはスチール製でRATTLERの文字が入っています。
プレートを固定するネジはちゃんとトルクスネジが使われています。

エジェクションポートはこんな感じ。
ダストカバーのデザインはMWS系と同様のデフォルメが入っている物で材質はスチールで出来ています。

エジェクションポートのサイズがリアルに近いサイズになっているので、微妙にボルトが閉鎖されていないように見えますが、MWSの仕様上仕方がない物だと思います。(東京マルイ MWS系レシーバーはエジェクションポートのサイズを小さくしている)

ロッキングラグ部がエジェクションポートからチラ見している状態で正常

ケースリフレクターはRattlerの特徴の1つでもある2ピース構造になっています。
この背の低いリフレクターが樹脂で出来ているのがRattlerの面白いところだと思います。
尚、樹脂部分の材質は不明ですがナイロンの3Dプリントのようなザラザラした肌触りをしており、実物の繊維強化プラスチック的な見た目とは若干異なっています。

マグウェル左側はこんな感じでSIGの刻印とモデル名、使用弾薬についての記載が入っています。
これらの刻印はレーザーではなく切削になっているようで、エッジの面取りがとても綺麗です。

反対側のマグウェルは特に何も無いです。

ボルトオープン状態でマグウェル内側から指を伸ばしてHOP調節ダイヤルにアクセスする事が出来ますが、MWSと同様に調整はかなりやり辛いです。
ぶっちゃけテイクダウンしてダイヤルを弄った方が楽です。

MWSのHOP調節ダイヤルを回すにはLayLaxから出ているツール『LayLax NINE BALL ホップダイヤル アジャスター』を使うのもアリだと思います。

マガジンキャッチとボルトリリースボタンはこんな感じで全てスチール製。

ボルトリリースボタン、マガジンキャッチボタンの操作性は共に問題無しで渋くも無く緩くもなく、硬すぎず柔らかすぎずのスプリングテンションでいい感じです。

セレクターレバー周りはこんな感じ。
マグウェル部と同様にこちらの刻印も綺麗で、セレクターレバーはちゃんとアンビ仕様になっています。
尚、シリアルNOの文字間隔が均一では無いのは実物のシリアルNOの仕様を再現しているそうです。
セレクターレバーのクリック感は東京マルイ MWSと似ています。

トリガーはシンプルな三日月状のトリガーが付いています。

トリガーガードはしっかり薄いです。
電動ガンはレシーバーの厚みに合わせてトリガーガードが少し分厚いんですが、こちらはリアルサイズレシーバーなので幅を薄く出来るんですね。

グリップはIRON AirsoftのGBB用MAGPUL MOE K2タイプグリップが付いています。

個人的にはMCX Rattlerのこの変なグリップを採用して欲しかった所です。
このグリップ、結構握りやすいんですよね。

SHOT SHOW 2019で撮影

尚、グリップの規格は実/GBB規格なので好きなグリップに交換する事が出来ます。
グリップを外すとテイクダウンピン用のプランジャースプリングが飛び出すので注意が必要です。

レシーバー後部の左右にQDスイベルホールが付いています。
電動ガンのMCXと違って無加工で多くのQDスリングスイベルを取り付ける事が出来ます。
尚、スリングスイベルホールは90度刻みでプランジャーのボールが入る溝が掘られており、クルクル回転しないような構造になっています。

左側のQDスイベルホール
右側のQDスイベルホール

チャージングハンドルはアンビ仕様の物が付いています。
Rattlerと言えばこのチャージングハンドルですよね。

ストック基部は20mmレールになっています。
レール中央に付いているネジ穴はレシーバー内側に付いているボルト用のダンパーを固定する為の穴です。

ストックは20mmレールなので様々な製品の物を取り付ける事が出来ます。

SIG SAUERのミニマリストストックのような左右からクランプさせて固定するタイプのストックはもちろん…

基部の構造上取り付け時に相性問題が起きやすい上からスライドさせて取り付ける仕様の伸縮ワイヤーストックの方も問題なしです。
写真はSIG AIR MCXのストックを付けています。

他にも様々なストックの装着をメーカー側でチェックしているそうですが、装着不可能だった製品は無いとの事です。

箱出し状態の作動性について

という訳で、箱出し状態の動作を見ていきます。
ちなみに、ノズルの咥え込みはバッチリです。(むしろ少しキツすぎる気もしますが…)

マガジンが付属しないので、動作検証には東京マルイ M4 MWS用の純正マガジンを使いました。
充填するガスはHFC134Aです。

I.T.W Nexus マグブーツ GEN2を付けていますが、MWS用純正マガジン
装着は問題無し

セミ・フル共に快調で動作検証でかれこれ100発以上撃っていますが、特に問題はありませんでした。
動画はマガジン温度35度位の状態から撃ち始めています。

尚、メーカー曰く工場出荷時に動作テストを行っている状態で出荷しているそうですが、もし箱出し状態で動作が渋い場合は100発程度の慣らしをしてみると改善するだろうとの事です。

箱出し状態の初速チェック

続いて、初速を計測していきます。
ガスは動作テストの時と変わらずHFC134A、弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾を使っています。

まず、検証した時期が冬なので最初めっちゃ寒い状態でした。
マガジン温度は8度の状態で撃ってみた所、動作はせずガスが勢いよくマズルから吹き出るだけでした。

その後、マガジン温度を上げていって15度でも一度試しましたが安定動作せず、20度を超えた辺りで安定して動作するようになりました。
セミオートの初速は76m/s前後ですが、この温度でのフルオートは無理そうで2、3発でボルトが引っかかるように停止したり後退不良が発生していました。

動作はするのでもしかしたらNPAS調整をする事で改善出来るかも知れません。

更にマガジン温度を上げていって30度の状態で動かしてみました。
この温度での初速は78m/s半ば辺り、発射サイクルは秒間18発前後といった感じですがフルオート時の初速が若干低めになるようです。

更にマガジン温度を上げて37度まで上げました。
夏場だとマガジンを日陰に置いていてもこれくらいの温度になったりしますが、この状態での初速は82m/s前半辺りでした。
発射サイクルは秒間19発〜20発と若干サイクルが上がりましたが、フルオート時の初速は相変わらず若干低くなるようです。

更にマガジン温度を上げて43度の状態にすると初速は90m/s台まで上がります。
順調に初速は上がっていくようですが、発射サイクルは不思議な事に下がりフルオート時の初速も大幅に低下します。
単純にマガジン温度が高い状態だとフルオートが不安定になるようです。

この辺りも調整次第では何とか出来る気がします。
尚、空撃ちの状態だとこの温度でもスムーズに動いている印象があったので、弾を入れてノズルの抵抗が増えた時に起きる問題のような気もします。

最後にマガジン温度50度の状態での初速を計測しました。
炎天下の日向に暫く放置してるとこれくらいの温度になったりしますね。
初速は93m/s前半とそこまでめちゃくちゃ高くなる訳では無さそうです。
しかし、フルオートはたまに銃口か生ガスが吹き出すようになり発射サイクルが計測出来ませんでした。

尚、マガジン温度だけではなく銃本体の温度が温度が低い状態と温かい状態では若干ボルト操作時の抵抗が変わり、作動性も少し変わります。
温度は高い方がスムーズに動きます
ね。
※動作検証は室温24度の状態で動かしています。

この辺りは本体に予め塗布されているグリスの問題だとは思うので、好みのオイル(比較的低粘度な方が良いと思う)に交換する事で改善する事が出来ると思います。

CO2マガジンについて

ちょっと話が逸れますが、FALCON TOYSではMCX Rattlerで使えるCO2マガジンの開発も進めているそうです。

1000発以上撃って起きた問題と消耗部品、交換方法について

動作検証中に置きた問題や消耗部品の交換方法について、詳しくまとめた記事を公開しましたので、気になる方はこちらもご参照下さい。

当記事中でも触れていますが、FALCON TOYS MCX Rattlerの補修部品は販売店経由で注文する事が可能となっています。


という訳で、FALCON TOYS GBB MCX Rattlerのレビューは以上になります。

販売価格が13万円を超える高価な製品ではありますが、外装は削り出しパーツだらけですし内部パーツに関してもスチールパーツが多用されていたりトリガーやチャンバー周りにカスタムパーツが予め組み込まれている事を考えると割と妥当な金額なのかなと思います。

MWSベースで好きなAR15組もうとしてもこれくらいの値段は掛かりますからね…。

グリップやハンドガード周りのカスタムをどうするかは追々考えますが、とりあえず私はSIG SAUER ミニマリスト ミニストックを取り付けました。

個人的にMCX Rattlerは2019年、ショットショーに行った時にSIG SAUERのブースで実物を見て色々触って「これ良いなぁ」と思った製品なのでエアソフトガン化は嬉しいですね。
Rattlerに限らずMCXシリーズは毎年のようにマイナーチェンジを繰り返しているので、当時見たMCX Rattlerと現行のMCX Rattlerは若干違ってる箇所がありますが、それでも良いものですね。

2019年のSHOT SHOWで撮影したMCX Rattler
2019年のSHOT SHOWで撮影したMCX Rattler