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FALCON TOYS MCX Rattlerの分解レビュー

記事作成日:2023年2月15日

先日開封レビュー記事を書き、動作検証時に起きた問題と消耗部品、交換方法についてを紹介したFALCON TOYS製ガスブローバックライフル、MCX Rattlerを分解していきます。

FALCON TOYSのMCX Rattlerは東京マルイ MWSベースの製品となっている為分解方法はMWSに近く、内部パーツも一部は流用可能な仕様となっています。

ここまでは工具不要で分解が可能

という訳で、各部を詳しく見ていく事にします。

ハンドガードについて

開封レビューでも紹介しましたが、FALCON TOYS MCX Rattlerのハンドガードは実物と非互換になります。
これはMWS用レシーバーの寸法に合わせてハンドガードの寸法も調整されている事が原因の為、現状販売・発表されているMWSベースのMCXシリーズはどれも実ハンドガード非互換となっています。

ハンドガードに関しては実互換が無い事以外は特に言う事は無いのですが、製品によっては小加工+ピポッドピンに引っかかるパーツを移植したり作る事で取り付ける事が出来る場合があるので、一応紹介しておきます。

このパーツはハンドガード下部のネジ2本で固定されており、簡単に外す事ができます。

アウターバレルについて

アウターバレルの先端は14mm逆ネジになっており、フラッシュハイダーは下部のイモネジを緩める事で外す事が出来ます。
フラッシュハイダーとアウターバレルの間にはクラッシュナットも付いているのですがこちらは固着しているようで簡単には外す事が出来ませんでした。

ガスブロックは下部のイモネジ+側面のロールピン2本を抜く事で外す事が出来ます。
尚、ガスブロックを外さなくてもアウターバレルを取り外す事は可能です。

アウターバレルを外すには基部に付いている2本のネジを外します。(緩めるだけでもOK)
このネジはかなり独特な形状をしていますし、ネジを緩めるとスプリングテンションによってアウターバレルをロックしているパーツが開いていくというユニークな構造になっています。

これは実銃の構造を再現しているようですね。

ロック機構のパーツが十分に開いた後、アウターバレルを引っ張れば抜けます。

アウターバレルはこんな感じ。
色々形状がMWSと違っているのでアウターバレル自体に互換性は無さそうですがチャンバー側はまんまMWSです。

バレル基部はこんな感じ。
MWSのバレル基部に加えて回転止め用のピンが左右に生えているのが特徴です。

チャンバー周りについて

チャンバーは緑色のアルミ製。
IRON AIrsoftのチャンバーを緑色にしたような感じです。

Oリングを外す事でチャンバーを分解する事が出来ます。

インナーバレルはGBL製の物で、長さは140mm。
MAPLE LEAF製インナーバレルと内径やチャンバー側の形状は同じですがクレイジージェットじゃない普通のマズル形状の製品になります。

バレルカットで長さが調整されている為、テーパーなどは追加工
GBLのロゴ
HOP窓が広く、溝がたくさんあるおなじみの形状

HOPクッションとHOPパッキンは恐らく同じ素材で、結構硬め。
ゴムの硬度は65との事ですが、分解時の部屋の気温が低い影響もあってか感覚的には70位ありそうな硬さで、HOPクッションの負荷でHOPパッキン上部が潰れたまま形状が固まっていました。

HOPクッションはゴム棒
面押しのHOPパッキン
パッキン上部は潰れたまま固まっている

口の部分もかなりタイトめな仕様になっているので、パッキンの硬さも相まってガッツリノズルを加えこんでいる理由になっている気がします。

HOPダイヤルの取り外し

HOPダイヤルはミーボルト風の基部に固定されており、細長い1.5mmの六角レンチを使って外す必要があります。

こちらはIRON Airsoft製のMWS用HOPダイヤルで、基部もダイヤルも全て削り出しパーツになっています。

ダミーボルトはレシーバーに固定されており、こちらは細長い2mmの六角レンチを使って外す事が出来ます。
2箇所のネジを外す事でダミーボルトを取り外す事が出来ます。

赤矢印の奥にネジがある
このネジも外す
実銃におけるボルトの先端を切り取ったようなデザインのパーツ

トップレシーバーに付いている外装パーツの取り外し

RATTLERと書かれているパネルはトルクスネジを外す事で取り外す事が出来ます。
まあ、外しても何か意味がある訳では無いですが…。

ダストカバーはケースリフレクターに固定されているので、ケースリフレクターを外します。
こちらのパーツは下部から2本のネジで固定されているのでこれを外し、持ち上げる事でケースリフレクターとダストカバーを外す事が出来ます。

ダストカバーはMWS用の形状となっています。
電動ガン程では無いですが、ロック機構が薄いんですよね。

ケースリフレクターは実銃同様2ピース構造になっており、これらのパーツはイモネジで固定されています。
しかし、このイモネジはいくら回しても空転してしまい外す事が出来なかったので分解が出来ませんでした。

トリガーユニットのシアーを動かす為のシアプレートはMCXのようなボルトの動きがレシーバー内部で完結する製品にしか付いていない専用パーツです。
他メーカーも同じような仕組みのプレートがアッパーレシーバーに備わっています。

こちらのパーツを外すにはレシーバーに付いている2本のロールピンを抜き、シアプレートをスライドさせて取り外します。
シアプレートを外す際にリターンスプリングが変形してしまう可能性があるので、予備のリターンスプリングが無い場合はこの作業はやめておいた方が良いでしょう。
また、ロールピンも何度か抜き差ししていると緩くなってきてしまうので着脱をする場合は予備を用意しておいた方が良いです。

この辺りの予備パーツは注文すれば購入出来るそうなので、必要な場合は販売店に問い合わせて頂くと良いと思います。

チャージングハンドルは特に言う事無いので軽く紹介しますが、MWSとは微妙に形状が異なっているので注意が必要です。

全長が短く、MWS用っぽい形状のチャージングハンドル
MWS用のチャージングハンドルには無い左右の出っ張りがあり、組み込み方法がVFCやGHKなどのリアル仕様の物になっている

ボルトの分解について

つづいて、ボルトを分解していきます。

まず、ボルト上部のネジを外します。
尚、このネジは原則再利用NGとの事なので分解する際は注意が必要です

その為、組み立てる際は別途M3x8の六角穴付きボルトを用意する必要があります。
尚、補修パーツのボルトキャリアーキーにはM3x8の六角穴付きボルトとスプリングワッシャーがセットになるとの事なので、修理する為に分解する際には別途用意する必要は無いそうです。

リコイルスプリングを外すにはスプリングガイド後部のパーツを外します。
このようにスプリングを縮めた状態でスライドさせれば外す事が出来ます。

これでリコイルスプリングの分解は完了です。
FALCON TOYS MCX Rattlerには柔らかいリコイルスプリングが同梱されているので、セッティングによってこのパーツは交換する感じですね。

続いて、ボルト上部に付いているボルトキャリアーキーのダンパーになっているスプリングを外します。
その後、ボルトキャリアーキーを浮かしながらファイアリングピンを少し引っ張り、ファイアリングピンストッパーをズラします。

スプリングを抜く
ボルトキャリアーキーを浮かす
ファイアリングピンストッパーを引き抜く

これでボルトとローディングノズル・ピストン部を分離させる事が出来ます。

ノズル周りのパーツはMWS互換となっています。
組み込まれているノズルはIRON AIrsoftのMWS用強化ノズルですね。

ローディングノズルを分解していきます。
まずピストンヘッドを外し、ローディングノズル上部のネジを外す事でフローティングバルブを外す事が出来ます。

尚、ノズルのリターンスプリングの中には柔らかいゴム棒が入っています。

フローティングバルブにはNPASが付いており、ノズルの先端から六角レンチを突っ込んで回す事でフローティングバルブの初期位置を調整する事が出来るようになっています。
尚、箱出し状態では一番初速が高い状態(チャンバー側に流れるガスの量が多い状態)になっています。

ローディングノズルに引っかかっているダミーのロッキングラグは引っかかりの爪を外せば外せます。

ロアレシーバーに付いている外装パーツの取り外し

続いてロアレシーバーです。
まずグリップを外すのですが、この際テイクダウンピン用のプランジャースプリングが飛び出すので無くさないように気をつける必要があります。

このパーツ、付けたまま分解を進めていると気づいたらどっかに消えているのでグリップを外した時にプランジャーごと抜いてしまうのが安牌でしょう。

ボルト用のダンパーを固定しているネジを外します。
ダンパーは硬くて分厚い物と柔らかくて薄い物の2重構造になっていました。

続いて、グリップ底部についているイモネジを外します。
こちらのイモネジの先端にはプラスチックっぽい材質の物が付いており、このネジを締め込んで調整する事で、アッパーレシーバのテイクダウンピンが刺さる部分を押さえつけ、レシーバーのガタツキを低減させる為の物です。

もしレシーバーのガタツキが気になる人はこのイモネジを締め込んであげると良いでしょう。

ハンマーユニットの取り外し

ハンマーユニットの取り外しはMWSと同様の手順で、セレクターレバーを外します。

MCX Rattlerのセレクターレバーはアンビ仕様になっているので、まず右側のセレクターレバーに付いているピンを抜きます。

側面からピンが刺さっている
 ピンポンチでピンを抜く
セレクターレバーが外せるようになる

続いて、セレクターレバーをセミオートとフルオートの間の位置にした状態で、反対側から叩き出します。
尚、少し渋い場合は無理に叩いたりこねくり回さず、ハンマーを押しながらセレクターレバーを引っ張る事で外しやすくなります。

続いて、マガジンキャッチを外します。
マガジンキャッチボタンを強く押しながらマガジンキャッチを回します。
この際、ボルトリリースボタンとマガジンキャッチがぶつからないように気をつけながら回します。

続いて、トリガーピンを抜き、ハンマーユニット後部のネジを外します。
これでハンマーユニットを取り外す事が出来ます。

ハンマーユニットの紹介と分解

ハンマーユニットはこんな感じでこちらもIRON Airsoft製のMWS用カスタムパーツとして販売されている物です。

ただし、そのまま使える訳ではなく、MCXの独特な形状のマガジンキャッチボタンを逃がす為に追加工が施されています。

とりあえずパーツを外していきます。
一番最初に外せるのはZ SYSTEM周りのパーツですね。

ボルトキャッチとZシステム用のダンパーを外す
プランジャー周りを外す
ダンパーとプランジャーを連動させているパーツを外す

これらのパーツを外したら3本のネジを外します。
これでハンマーユニットの外装を外す事が出来ます。

内部パーツは全てスチール製の強化パーツになっています。
バルブのッカーやシアー周りはこんな感じ。(写真を撮っておかないと組み込み時訳わからなくなりそうなパーツなので一応紹介)

トリガーはこんな感じ。
内部パーツに関してはMWS用がそのまま使えそうですが、IRON Airsoftのパーツなので組み合わせるメーカーによっては相性問題とかはあるかも知れません。

尚、このトリガーはトリガーの初期位置やストローク量を微調整する事が出来る製品となっています。
分解せずともハンマーとシアーの隙間から細い六角レンチを突っ込んでイモネジを回す事で微調整する事が出来ます。

しかし、やりすぎるとセレクターレバーが回せなくなったりハンマーダウンしなくなったりする事があるので、程々に…といった感じ。
電動ガンのショートストロークカスタムと違ってあんまり調整幅はありません。

フルオートシアとセミオートシア、ハンマー周りはそれぞれこんな感じ。
全体的にスプリングはMWS純正よりも少し硬めの物が入っていました。


という訳で、FALCON TOYS MCX Rattlerの分解レビューは以上になります。

専用パーツも多いですが基本的にはMWSと同じなので分解自体はそんなに苦労しないと思います。
一部内部パーツはMWS用の物を使う事も出来るので、カスタムの自由度もそんなに悪くは無さそうな印象があります。

もっとも、最初からIRON Airsoft製のカスタムパーツまみれなのでどこを弄るか…?という問題もありそうですが…。

個人的には一部のスプリング関係をもう少し柔らかくしたり、HOPパッキンの硬度を下げたり、後は細かい微調整を行っていこうと思っています。

まあ、春〜夏に向けて使えるように調整していければと思っています。