FALCON TOYS MCX Rattlerの内部調整、カスタムを行っていきます
記事作成日:2023年2月20日
先日分解を行ったFALCON TOYS MCX Rattlerの調整を行っていきます。
分解レビュー時にも説明しましたが、FALCON TOYS MCX Rattlerの内部パーツの多くはIRON Airsoft製の東京マルイ MWS用カスタムパーツになっており、正直パーツ交換が必要な要素は殆ど無いように感じました。
MWS用カスタムパーツの中でもかなり高級な物が組み込まれている訳ですからね…。
ただ、個人的に気になった箇所は色々あるのでその辺りのパーツ交換と微調整を行っていきました。
今回のカスタムでやろうと思っている事は下記になります。
- ノズル破損にも繋がる可能性があるのでノズルの咥え込みを弱くする
- 軽量弾でも使えるようにHOPパッキンを変更する
- 低温並びに高温時のフルオートの作動性改善
- ボルトの動きをよりスムーズにする
尚、調整時に使っているグリスは全てG.A.W. GグリースとG.A.W. Gルーブです。
アッパーレシーバー側の調整
まず、HOPパッキンです。
今回はインドアフィールドでの使用も想定して0.20g〜0.25gが使えるようにしたかったので、純正の硬度高めの面HOPパッキンは交換しようと思っていました。
また、純正パッキンはノズルの咥え込みもかなりキツイので、そういう意味でもHOPパッキンは変えた方が良い気がします。
GBBにおいてノズルを咥え込む力はかなり重要な要素ではありますが、キツ過ぎるとボルトの動作を妨げたりローディングノズルの破損、更には給弾不良も起きやすくなるので結構気を配らないといけないパーツになります。
基本的にノズルがスカスカじゃない限り気密漏れを起こす事は無いので、気密に関しては特段気にしなくても良いと思います。
という訳で、交換するHOPパッキンはこちら。
KM企画 Gホップ 55(TMHGCY55)です。
KM企画 マルイ各種G-HOP対応 Vカットウレタンチャンバー 55【正規品】【TMHGCY55】
東京マルイの各種GBBシリーズやボルトアクションライフルシリーズに適合するHOPパッキンになります。
材質は硬度55の柔らかいウレタンで、HOPの突起形状は中央がくぼんでいるVパッキン形状になっています。
最近はあんまりインドアフィールドを意識したセッティングをしてこなかったのでこういうVパッキン形状のHOPパッキンを使ってこなかったのですが、この形状はHOPの突出量の割にはHOPの掛かりが弱くなる特徴があります。
その為、軽い弾でも停止弾位置を安定させやすいという利点があるので今回採用しました。
また、昔使った時に口のサイズがちょうど良かった記憶があったのと、柔らかいHOPパッキンを使う事によりローディングノズルの咥え込みを低減させる事ができる事に期待してこちらを選びました。
まあ、ぶっちゃけ東京マルイ純正のHOPパッキンでも全然良かったのですが、それだと味気ないですからね…。
インナーバレルは純正のままで特に気になる天は無かったので純正バレルをそのまま使いました。
HOPパッキンの取り付けも問題無し。
チャンバー周りは色々調整しました。
HOPクッションはKM企画製ホップクッションラバーの赤色にし、バレルのガタツキ防止にアルミテープを巻き、HOPアームのガタツキ防止に0.15mmのシムを2枚(アームの左右に1枚ずつ)入れました。
しかし、この構成だと0.25gを使うには少しHOPの突出量が足りないかな?と感じたので、外径3.2mm、内径1.1mmのシリコンチューブに切り替えました。
これでもHOP無しの状態を作る事が出来ましたし、最大HOPでもそんなにHOPが飛び出さない状態を作る事が出来ました。
チューブの内径が細いので強いHOPを掛けた時にしっかりHOPパッキンを押す事が出来るはずです。
この構成にしてチャンバーを組み立てていきます。
チャンバー外側に関しては特に手は加えていません。
アウターバレルとインナーバレルの間のガタツキを無くす為にインナーバレルにポリイミドテープを巻きました。
結構クリアランスが大きかったので割と何重にも巻く必要があったので、もしインナーバレルを交換するならOリングを取り付ける事ができる溝がある製品を選ぶと楽かも知れません。
後はアウターバレルを組み立ててバレル周りの調整は完了。
フラッシュハイダーは純正から先日レビューしたARRON SMITH DEAD AIR SANDMAN-Kタイプ レプリカ サプレッサーに付属するマズルブレーキに変更しました。
純正のままでも良かったのですが、せっかく300BLK対応のフラッシュを持ってるならこっちに付けたいなと思ったので付けました。
続いて、HOPダイヤルをレシーバーに取り付けていくのですが、こちらもちょっと手を加えました。
純正のプランジャースプリングだと少し緩すぎてクルクル回ってしまう感じだったので、丁度よいサイズと硬さのOリングの切れ端を突っ込んで接着をする事でテンションを強くしました。
硬めのスプリングがあれば良かったのですが、無かったのでOリングの切れ端を突っ込みました。
次にボルト周りを弄っていきます。
まず、ローディングノズル内のフローティングバルブスプリングを少し柔らかくする為に2巻き程短くしました。
これで純正状態よりも速いタイミングでフローティングバルブが閉鎖され、ブローバック側により多くのガスを回す事が出来、動作を安定させる事ができるようになります。
柔らかすぎるのも良くないので、ここはバランスですね。
個人的には多少初速を犠牲にしてでも動作側にガスを割り当てたいと思っているので、フローティングバルブスプリングは柔らかい方が好みです。
また、ボルトキャリアーキーのダンパーとして組み込まれているスプリングが硬すぎる気がしたので、2.5巻きくらいカットして若干柔らかくしてみました。
もし手に入るなら東京マルイ純正のスプリングに交換しても良いかも知れません。
これでアッパーレシーバー側の調整は完了です。
ロアレシーバー側の調整
続いてロアレシーバー側を弄っていきます。
ダンパーも少し仕様を変えました。
ロアレシーバーを見るとダンパーが入る部分にテーパーが掛かっていたので、ここにOリングを取り付けネジを少し緩めに締め込む事でクッション性を高めてみました。
ハンマーユニットにも手を加えます。
まずハンマースプリングを柔らかい東京マルイ純正相当のハンマースプリングにしたくて探してみたのですが、見当たらなかったので、カスタムパーツの中でも線形が細めで柔らかそうだったWII TECHのMWS用スプリングセットを購入しました。
800円と手頃な値段なのもこれを選んだ理由ですが…。(仮に駄目だったとしても痛くない)
ハンマー周りのスプリング(ハンマースプリング、バルブノッカープリング、シアースプリング)がセットになっている物ですが、今回はハンマースプリングだけ使います。
左がFALCON TOYS MCX Rattlerに組み込まれているハンマースプリング、右がWII TECH製ハンマースプリングです。
FALCON TOYS MCX Rattler純正の線形が1.10mm、WII TECH製が1.06mmと僅かにWII TECHの方が線形が細く、実際ほんの僅かにWII TECHの方が柔らかかったです。
ハンマースプリングを交換しようと思った理由はボルト後退時の抵抗を減らしたかったからです。
HFC134AやHFC152A、ノンフロンガスのような国内で一般的なガス圧の低いガスを使う分に関してはハンマースプリングの硬さは抵抗でしか無いので柔らかい方が良いと思います。
ハンマースプリングが柔らかければ必要以上にマガジン温度が上がった時にバルブが叩けなくなるという物理的な安全装置にもなりますしね。
もっとも、今回組み込むWII TECHのハンマースプリングも十分硬いのであんまり安全装置の役割にはならなさそうですが…。
ハンマースプリングとハンマーの取り付けに関しては、スプリングを設置した後、側面の穴から棒を突っ込んで曲げた状態でハンマーを取り付けると組み込みが楽だと思います。
後はグリスを塗布しつつハンマーユニットを組み立てていきます。
この辺りは普通に組み立てるだけで特に調整などは行っていません。
これでロアレシーバー側の調整も完了です。
尚、ついでにグリップを純正のMOE K2タイプグリップからREPTILIA CQG グリップに変更しました。(APFG MPX GBBから移植)
初速と作動性について
という訳で、調整後の初速と作動性を見ていきます。
ガスはHFC134A、BB弾はHITCALL 0.20g バイオBB弾です。
まずは常温、マガジン温度16.8度の状態から。
箱出し状態ではまともに動作しなかった温度ですが、今回の調整でかなり安定して動くようになりました。
動作自体はもっさり気味ですが、感覚的には東京マルイ M4 MWSの箱出し状態と同等もしくは少しモッサリしてるかな?程度の動作になりました。
フルオートも安定しているのでフローティングバルブの閉鎖タイミングを速めたり、ハンマースプリングを柔らかくしてボルト作動時の抵抗を減らしたのは大きかったような気がします。
まあ、流石にこの気温でバシバシ動かそうとは思っていないので、長物でこれくらい動いてくれたら十分かな?といった程度には持っていけたと思います。
続いて、マガジンを温めて30.5度にしました。
この温度になるとバシバシ動いて気持ちが良いです。
初速は75m/sからスタートし、8発撃ったタイミングでは初速が2m/s位下がりました。
フルオートを撃つと更に初速は低下し、70m/s台まで落ちましたが発射サイクルは秒間15発程度と実銃のMCXに近い発射サイクルになりました。
更にマガジン温度を上げて40.6度にしました。
30度の時よりも更にリコイルが強くなり、キビキビ動いていました。
初速は82.1m/sからスタートして8発撃つ事で79.1m/sまで下がりました。
フルオートを撃っていると急激に初速が下がりました。
初速の低下に伴い発射サイクルも下がっており、最初のうちは秒18発とか出てたんですよね。
ガスの容量は十分にあったのですが…。
マガジンの芯まで温まってなかったのかも知れません。
最後に50度までマガジンを温めました。
この温度になるとかなりガツガツ動き、気持ちの良い作動になります。
夏場が楽しみですね。
初速は85m/s前後で安定し、フルオートの発射サイクルは秒間20発でした。
やっぱりマガジン温度40度の時の状態が変だっただけのようですね。
動作の様子はこんな感じ。
こちらはマガジン温度40度位の状態での動作になります。
FALCON TOYS MCX RATTLER弄りました。
— エボログの中の人@エボログ10周年 (@Evolutor_web) February 18, 2023
元々のパーツ構成自体は悪くは無いので、ちょっと変えるだけでだいぶ良くなりますね。 pic.twitter.com/DXwcrVp1SZ
という訳で、FALCON TOYS MCX Rattlerはこんな感じになりました。
フォアグリップはRGW製 RSスタイル M-LOK フォアグリップ ナックルダスター セットを付けています。
これ、レビュー時点ではMPXに付けていましたが、元々MCX Rattlerで使う為に購入したグリップですからね。
ストックを折りたたみ、サプレッサーを外した状態はこんな感じ。