Zenit VZOR-1タイプで付属品も充実しているレッド ドットサイト、NOVUS MDS-3のレビュー
記事作成日:2023年4月14日
三山商事株式会社様より『NOVUS MICRO RED DOT SIGHT MDS-3』をお送り頂いたので、レビューしていきます。
MDS-1、MDS-2とオリジナルデザインの製品なのですが、MDS-3はZenit VZOR-1を模した製品で、形状・刻印だけではなく付属品に至るまで再現するという拘りっぷりの製品になります。
主なカタログスペックは下記の通り
- レティクル:2MOAドット
- バッテリー:単4電池/1.5V
- 輝度調節範囲:8段階+NVモード2段階
- バッテリーライフ:輝度3で66,000時間
- 対物レンズ径:22mm
- レンズコーティング:ハードコート(HA TYPE3)、乱反射防止、曇り止め
- ハウジング材質:A6061-T6
- 表面仕上:ハードコート アルマイト Type3
- レティクル調整範囲:±60MOA
- 1クリック辺りのレティクル稼働量:1MOA
- 耐水性:IPX8
- 耐衝撃性:1000G
- 保管可能温度:-35度〜75度
- 使用可能温度:-25度〜50度
- T1/T2スタイルの互換マウント
- ニトロゲン封入済み
- 10分経過での自動消灯
- 自動点灯機能(自動消灯後にのみ適応)
付属品の紹介
内容物はこんな感じでMDS-3本体に加えてQDマウントベース(NS-1)、通常マウントベース(NP-1)、30mmスペーサー(NS-30)、39mmスペーサー(NS-39)、Basisマウント(NS-B45U)、キルフラッシュ、バトラーキャップ2個、調整用工具、マウントベース取り付け用のネジ、取扱説明書、製品カタログ、ラバーパッチ、クリーニングクロスです。
付属品がものすごく充実しており、この付属品の種類は実物のZenit VZOR-1とほぼ同じです。
尚、説明書は英語、日本語、ロシア語で記載されており、イラスト付きでかなり丁寧に説明されています。
キルフラッシュとバトラーキャップについて
キルフラッシュとバトラーキャップはこんな感じ。
キルフラッシュは板厚薄めの物で、一部歪んだりしていましたがバリなどは無く比較的綺麗なキルフラッシュです。
キルフラッシュはドットサイトの対物レンズ側・接眼レンズ側とキルフラッシュにはめ込んで固定するタイプです。
Zenitのロゴもしっかり入っています。
マウントベースについて
20mmレール用のマウントベースはQDレバー仕様とネジ固定仕様の2種類が付属。
共にピカティニーレールに適合、QDレバー仕様の方は21mm幅であれば大抵のレールに取り付ける事が出来そうですがネジ固定仕様の方はピカティニーレール規格にのみに適合する形状となっているので注意が必要です。
QDレバーはARMS製QDレバーのようなロック機構が付いており、ノブを引っ張ってロックを解除します。
QDレバーの締め込み具合はQDレバー反対側に付いているピンを押しながらナットを回して調整します。
ネジ締め込み仕様のマウントはシンプルに側面のネジを回して緩めたり締めたりするだけです。
尚、ネジ部分にスプリングが仕込まれており、ネジをある程度緩めた後でネジ頭を押す事でクランプ部を開く事が出来ます。
この状態で20mmレールに重ねて取り付ける感じですね。
VortexやTrijiconのマウントベースで採用されている構造です。
Basis規格(ロシア版M-LOK的な物でZenit製ハンドガードなどで採用)の穴に取り付ける為のオフセットマウントも付属しています。
M-LOKっぽい金具が付いていますが、M-LOKと互換性がある訳では無いので注意が必要です。
これらのマウントベースとは別にマウントの高さを稼ぐ為のスペーサーが2種類付属しています。
このスペーサーはマウント側の段差にハマる事で定位置に固定される、Zenit VZORシリーズ専用品になります。
スペーサーを使う場合、付属の長い六角皿ネジをそれぞれ使用します。
スペーサーを使わない場合は銀色のマイナス皿ネジを使います。
ちなみに、スペーサーを2個つなげて使う事も出来そうですが、この高さに対応するネジは付属しないのでこの高さで使いたい場合は別途長い六角皿ネジを用意する必要があります。
NOVUS MDS-3(Zenit VZOR-1タイプドットサイト)本体について
という訳で、Zenit VZOR-1タイプドットサイトであるNOVUS MDS-3本体を見ていきます。
形状から刻印までよく再現されていると思います。
対物レンズ側のデザインはこんな感じでバトラーキャップやキルフラッシュを取り付ける為の溝が付いています。
バトラーキャップを取り付けるとこんな感じ。
キルフラッシュを取り付けるにはキルフラッシュ内側の突起と本体側の窪みを合わせて差し込み、回転させて固定させます。
キルフラッシュを取り付ける事により対物レンズの反射を抑え、位置バレを防ぐ事が出来ます。
太陽光やライトに照らされた時に対物レンズが赤く反射するので結構位置バレするんですよね。
物陰や草むらとかに隠れていても結構光学サイトの反射でバレたりするので、それを抑える事が出来ます。
尚、非常に薄い金属板なのでBB弾が直撃したら大きく変形してしまう可能性が高いので、防弾に使おうと思っている場合は使い捨てになる可能性が高いので要注意です。
キルフラッシュにバトラーキャップを取り付ける事も出来ます。
接眼レンズ側も同じような形状になっており、バトラーキャップを取り付ける事が出来ます。
ハウジング左側面には「P」「+」「-」とボタンが3つ設置されています。
ボタンは柔らかめのラバーで出来ており、押し込み量は大きいですがしっかりしたクリック感があります。
+-は輝度調節に使うボタンでPは特殊な設定と電源ボタンとして使われます。
消灯状態でいずれかのボタンを押す事で点灯します。
点灯状態でPを3秒以上長押しする事で消灯します。
Pと+を同時押しする事で最大輝度で点灯し、Pと-を同時押しする事で再低輝度で点灯します。
尚、輝度の記憶機能が備わっているので電源ON時の輝度は前回使用した輝度になっています。
また、自動スリープ・自動ウェイクアップ機能が付いている為、自動消灯と自動点灯が行われます。
10分間静置させると自動的に消灯され、何かしらの動きが検知されると自動的に点灯します。
電池収納スペースはハウジング右側に付いています。
使用する電池は単4電池1本で、前側に付いているキャップを開けて入れます。
電池の極性はハウジングに記載されています。
エレベーテーションダイヤルの前側にはダイヤルを保護する為のツノみたいな形状の物が付いており、どことなくAimpoint T2感があります。
また、このツノには小さな穴が空いており、脱落防止用のワイヤーを通したりするのかな?と思います。
エレベーテーションダイヤルとウィンテージダイヤルには保護キャップが付いています。
キャップを外す事でダイヤルにアクセスする事が出来ます。
ダイヤルを回すには付属の工具を使っても良いですし、キャップがダイヤル調整工具になっているのでキャップを逆さにして使っても良いと思います。
マウント側はこんな感じで特徴的な窪みがマウントベース側の突起にハマり、四隅に付いているネジ穴を使って固定する仕様です。
尚、ネジ穴はイリサートで補強されています。
尚、マウント形状がT1/T2系っぽい見た目をしていますが専用品です。
この通り、凹凸の形状はもちろんネジ穴のレイアウトなども全然別物である事が分かると思います。
付属のQDマウントを取り付けるとこんな感じになります。
各マウントごとの高さはそれぞれこんな感じになります。
ねじ込み式通常マウントベース(NP-1)
このマウントベースが一番低くドットサイトを取り付ける事が出来ます。
20mmレール上面からドットサイト中央までの高さは約15mmのようです。
QDマウントベース(NS-1)
QDマウントベースは少し高さがあるので、20mmレール上面からドットサイト中央までは約20mm程度の高さになります。
QDマウントベース(NS-1)+30mmスペーサー(NS-30)
スペーサーの高さが30mmというわけではなく、このスペーサーを取り付ける事でドットサイト中央までの高さが30mmになる感じですね。
QDマウントベース(NS-1)+39mmスペーサー(NS-39)
スペーサーの高さが39mmというわけではなく、このスペーサーを取り付ける事でドットサイト中央までの高さが39mmになる感じですね。
Basisマウント(NS-B45U)
こちらのマウントベースを取り付ける事が出来る製品を持っていないので、銃に取り付けた際の見え方が確認出来ませんが、とりあえずNOVUS MDS-3だけ付けてみました。
レンズコーティングについて
対物レンズ側のレンズコーティングはルビーコートで雰囲気はHOLOSUN製品で使われている物とよく似た内側の青色のコーティングが透けて見える感じの薄めのルビーコートです。
接眼レンズ側は薄緑色のコーティングが施されています。
覗いた時の様子とレティクル形状について
覗くとこんな感じ。
まずはバトラーキャップもキルフラッシュも取り付けずに覗いてみました。
レンズは最近のクリアなドットサイトと比べると少し青みが強めな感じですが、めちゃくちゃ青い訳では無い感じ。
同社製のMDS-1よりも青みが強く、MDS-2と同程度の青みのようでした。
また、レンズより一回り小さいチューブが内側に付いている(発光モジュールが付いているチューブ)為、レンズ径22mmの割には少し視野が狭い印象があります。
ドットサイトを点灯させるとこんな感じ。
実物のZenit VZOR-1はサークルレティクルが採用されているのですが、MDS-3は2MOAのシングルドットのみとなっています。
最大輝度ではレンズ全体が真っ赤に輝く位に明るくなるので、炎天下の屋外でもレティクルが見えなくなるような事は無さそうな印象があります。
シングルドットしか無いというのはこちらの製品を買う上で気をつけた方が良いでしょう。
内部構造やレティクルの仕様まで再現している訳ではないという事ですね。
キルフラッシュとバトラーキャップを取り付けるとこんな感じ。
尚、低輝度状態の1番目と2番目はNVモードになっていますが、実際に見てみた所輝度2の状態は暗闇であれば肉眼で視認出来る程度の明るさがあり、実質視認出来ない明るさは1番目のみでした。
それでもだいぶ明るいのか、PVS14越しで覗いてみた所まばゆく輝いていました。(屋内で完全消灯した状態で撮影)
また、多少の個体差はあるのかも知れませんが同社製のドットサイト、MDS-1よりも少し明るく、MDS-2と同程度の明るさがありました。
レンズの歪みとパララックス計測
という訳で、いつもどおり2.5mの距離でレンズの歪みとパララックス計測を行っていきます。
レンズの歪みは無さそうですね。
レンズの縁までしっかり綺麗に見えています。
視点を上下左右に動かすとこんな感じ。
2cmの円からはみ出す事も無く収まっているので問題は無さそうですね。
尚、キルフラッシュを取り付けた状態だとこんな感じになります。
銃に取り付けた時の見え方について
ロシア系光学サイトという事もあり、AK12に取り付けてみました。
出来ればZenitカスタムのAKに載せたりするとより良いんだとは思いますが…。
サイトピクチャーはこんな感じ。
個人的には30mmのスペーサーを取り付けた状態にする事でアイアンサイトとも被らず覗きやすい高さに感じました。
ちなみにスペーサーには穴が空いているのでドットサイトを取り付けた状態でもアイアンサイトを使う事が出来ます。
あくまでマウントによってアイアンサイトが遮られないというだけで、覗きやすい訳では無いですが…。
バトラーキャップを付けるとこんな感じになります。
キャップの向きを逆にしたりしても良いかも知れませんね。
という訳で、NOVUS MDS-3のレビューは以上になります。
Zenit VZOR-1タイプのドットサイトという非常に珍しい機種をモデルアップしたなと思います。
しかも付属品が非常に充実しており、これだけ揃っていて販売価格が23800円とはかなりコストパフォーマンスの高いドットサイトなのでは無いでしょうか。
レンズの青みは気になる要素ではあるものの、実物のVZOR-1も結構青いですしね…。
唯一残念なのはレティクルがシングルドットのみという点でしょうか。
VZOR-1と同じレティクルだったら完璧だったと思うのですが…。