エボログ

Falcon Toys MCX Rattler GBB用CO2マガジンのレビュー

記事作成日:2023年5月1日

Falcon Toys製のFalcon Toys MCX Rattler GBB用CO2マガジンを三山商事株式会社様よりお送り頂いたのでレビューしていきます。
本マガジンは安全性を最大限考慮し、同社製MCX Rattler GBBにおいてフロンガス用マガジンのセッティングの状態でそのままCO2化できるように様々な調整、検証を経て何度もアップデートを繰り返して遂に製品化されました。

パッケージ正面には注意書きが書かれたシールが貼られています。
「本マガジンはFalcon Toys製MCX Rattler GBB用に設計されたスペアマガジンで、動作保証温度は30℃以下となります(それ以上の温度では、内圧により放出バルブは十分開放されません)。上記以外の使用条件において利用される場合、動作保証できかねますので、予めご了承ください。また、CO2マガジンは気温など周辺環境の変動によりパフォーマンスが異なりますので、ご使用の際は十分にご注意願います。」

注意書きに記載されている通り、気温が低い環境用のマガジンとなります。
温かい状態ではフロンガスを使い、冬場などフロンガスでの動作が鈍くなる時期に使用する想定のマガジンとなっており、マガジンの温度(厳密にはCO2カートリッジの温度)が上がり、ガス圧が上昇すると放出バルブが叩ききれなくなる仕様となっています。

内容物はマガジン本体のみです。
CO2カートリッジを入れるのに6mmの六角レンチが必要になるのですが、それは別途用意する必要があります。

尚、定価は税別で12800円となっています。

外観レビュー

こちらのマガジンはMAGPUL P-MAG GEN3を再現した形状になっており、外観自体は同社製の『東京マルイ MWS用 MAGPUL P-MAG GEN M3タイプ マガジン』と同じです。

リップ側はこんな感じ。
ボルトストップを押し上げるアームや放出バルブの色が異なっていますが、それ以外はリキッドチャージタイプのマガジンと同じです。

尚、このリップはWAやKSC、VFC、GHKなどのGBB用マガジンと同様にリップの上から給弾する事ができるので、装填が楽です。
実際はリップの前側を指で抑えてBB弾が飛び出さないようにしないといけないですが、それでもだいぶ楽に給弾する事が出来ます。

マガジン上部の刻印はこんな感じで、刻印周りもリアルに再現されています。

マガジン底部はこんな感じ。
3×5マスの四角形が4つ並んでおり、白色のマーカーなどを使って印を付けておく事が出来るP-MAG GEN3のユニークな機能が再現されています。
マガジンバンパーはロック機構の部分がデフォルメされていますが、刻印などはしっかり再現されています。

補修パーツについて

こちらのCO2マガジンの補修パーツは一通り用意されており、こちらはIRON Airsoft名義で販売されています。
パッケージ売りされている物としては現状放出バルブとガスケット(カートリッジ側)の2種類ですが、それ以外のパーツに関しても小売店に問い合わせて頂ければ購入する事が可能との事です。

放出バルブのモデル番号は『1704M』で、税別定価が1980円、ガスケットのモデル番号は『0904J-J03』で、2個セットが税別価格500円となっています。

CO2カートリッジの抜き差しについて

CO2マガジンの抜き差しはマガジンバンパーを外して行います。
マガジン底部のボタンを押しながらマガジンバンパーをスライドさせるとイモネジと六角穴付きボルトが確認できるようになります。

こちらの六角穴付きボルトを外し、蓋を開きます。

ボルトで固定されている蓋を開けると中にCO2カートリッジを差し込めるようになります。
尚、内側にはCO2カートリッジを抜く時の手助けをしてくれるスプリングが組み込まれています。
これによりガスケットにカートリッジが張り付いて抜けなくなるような問題が低減されます。

尚、内部はアルミ削り出しになっており高強度な仕様となっています。

使用するCO2カートリッジは12gサイズです。
ノズル側を上にして入れます。

CO2カートリッジを入れたら蓋を閉める前に中央のイモネジをガッツリ飛び出す程度に緩めておきます。
その状態で蓋を閉めて、六角穴付きボルトを戻します。

その後、イモネジを締め込みます。
このイモネジによってCO2カートリッジがガスケット側に付いているニードルによって穴が空くので、「硬くなってきたな」と思ったら一気にグッと締め込みます。
ゆっくり締め込んでいるとガスが漏れるのでなるべく勢いよく締めた方が良いですが、あまりにきつく締めすぎるとガスケットを破損させてしまうので、程々にといった感じです。

尚、私の手持ちの個体では問題が無かったのですが、個体差によって放出バルブからガスが漏れるケースがあるそうですが、その場合は放出バルブをちょっとだけ締め込んでやると改善するとの事です。
どうしても直らない場合は購入店にご連絡ください。

逆に撃ち切ったマガジンからCO2カートリッジを取り出す場合は先に中央のイモネジを緩めます。
万が一CO2カートリッジにガスが残っている状態で六角穴付きボルトを外してしまうと蓋が勢いよく開き、CO2ボンベが飛び出してしまい非常に危険なので、必ず中央のイモネジから先に緩める必要があります。

尚、大量のガスが残っている状態で中央のイモネジを緩めるとガスケットを痛める原因になるので、なるべく動作しなくなるまで撃ちきった状態でCO2カートリッジは取り外した方が良いです。

イモネジを緩め、CO2カートリッジが完全に空になった事が確認出来たら六角穴付きボルトを外します。

初速検証

という訳で、Falcon Toys MCX Rattlerを使って動作検証をしていきます。
尚、検証に使用したFalcon Toys MCX Rattlerはこちらの記事で紹介した調整を行った物になります。

色々と細かい調整を行いましたが、作動性に大きな影響を与えそうな変更点としては、HOPパッキンとクッションゴムの変更、フローティングバルブスプリングのカット、ハンマースプリングを若干柔らかい物に変更しています。

検証に使用したCO2カートリッジはPUFF DINO製の12g CO2カートリッジ。
BB弾はHITCALL 0.20g 蓄光BB弾です。

常温時の動作検証

まずは常温状態での動作から。
マガジンの表面温度は17度の状態です。

初弾の初速は80.9m/sで、そこから少しずつ初速が下がっていきます。
初速の低下は10発で5〜6m/s程度となっておりリニアに初速が低下していきます。
途中リロードを行っているのですが、リロード後に初速が8m/sほど上がる事から僅かな時間の間でカートリッジの温度が回復している事が分かりました。
その後も少しずつ初速が下がっていき最終弾は66発目、初速は43.9m/sで、マガジン温度は8度まで下がっていました。

マガジン温度を40度まで温めた状態のリキッドチャージマガジンと同等の初速が出ているので、真夏日並の初速と作動性を20度以下の環境でも実現出来るという事になります。

尚、撃ち終わったマガジンの上側の表面温度は12度、CO2カートリッジが収まっている箇所付近は8度まで下がり、取り出したCo2カートリッジはキンキンに冷えて表面が凍っていました。

30度程度の温度での動作検証

続いて、マガジンとCO2カートリッジ両方を温め、30.9度にした状態です。

初弾の初速は86.2m/sで、そこから少しずつ初速が下がっていきますが、初速の低下速度は10発で2〜3m/sとだいぶ控えめでした。
ただし15発程度撃つまではボルトの後退速度が遅く、バルブがしっかり叩けていない事が分かります。
その状態でも給弾は出来ていますし別の検証でブローバック速度が低下した状態であっても、ボルトストップは機能していたので動作に支障はありませんでした。
最初のうちはバルブがしっかり叩けていなかった事もあって、発射可能弾数は79発と多かったです。
尚、最終初速は45.5m/sでした。

尚、しっかりバルブが叩けているなと感じたタイミングの初速は79.6m/sでした。

40度程度の温度での動作検証

続いてCO2カートリッジとマガジンを温め、41.2度まで上げた状態で検証しました。

初弾の初速は93.2m/sと高めではありますが、やはりボルトの後退速度は遅い状態でした。
この状態が44発程度撃つまで続き、44発時点での初速は80.9m/s程度でした。
また、元々のマガジン温度が高かったという事もあって初速の低下具合はかなり緩やかで、リロード後に初速が上がるような事もありませんでした。
発射可能弾数は89発(アプリ上では90発目)で、初速は46.6m/sでした。

途中、異様に低い初速が計測されたのは、跳弾で跳ね返った弾が計測されてしまった物

フルオートでの動作検証

最後に、フルオートでの動作検証です。
マガジン温度20度の状態で1トリガー10発程度の射撃を行いました。

結果、31発でガス欠になりました。
初弾は80.7m/sでしたが31発目では40.6m/sになりました。
カートリッジが冷える速度は明らかに速いですが、初速の低下が激しいだけで生ガスを吹いたり発射サイクルが著しく低下するような事も無く撃ち切る事が出来ました。

セミ・フルの動作について

実際にセミオート、フルオートがどのような動きになるのかを動画で撮ってきました。
館内は空調が効いており、程よく涼しい感じの気温でした。

動作はこんな感じで、セミオート・フルオート共にスムーズに動いてくれています。
CO2カートリッジのボンベを入れた直後に撮影を行っています。

尚、撃ち終わったカートリッジは相変わらずキンキンに冷えていました。


という訳で、Falcon Toys MCX Rattler GBB用CO2マガジンのレビューは以上になります。
これでMCX Rattlerを使えるシーズンの幅が広がりますね。