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東京マルイ P90+(プラス)を分解、中身がどうなっているのか、どう変わっているのかを見ていきます

記事作成日:2023年5月18日

先日発売された東京マルイ P90+(プラス)を分解していきます。
P90+はあくまでP90にFET(PLUSシステム)を搭載して外装をちょっと変えただけとの話ですが、東京マルイは発表していない仕様変更とかも割と多いので、内部にはどういう手が加えられているのか気になる所です。

尚、開封レビュー従来型P90であるP90TRとの比較レビューはそれぞれ別記事にて公開していますので、ご興味のある方はそちらもご参照ください。

テイクダウンについて

まずはレシーバーとストックを分離させます。

レシーバーはこんな感じで、バレル・チャンバーが付いています。
また、コッキングハンドルのリターンスプリングはバレルの周りにくっついています。

チャンバーを外すにはチャンバーを前に押しながら90度回転させるだけです。

ここまでは従来型と同じですね。
実際レシーバーの互換性もありますし。

P90+とP90TRの比較記事で検証、双方向のレシーバーを載せ替える事が出来る

インナーバレル・チャンバーについて

インナーバレル・チャンバーはこんな感じ。
真鍮製のインナーバレルに樹脂製のチャンバーが付いています。

インナーバレルの先端にはガタ取り用のOリングが付いています。
最近の東京マルイ製品には基本的にこのOリングが付くようになりましたね。
マズルのテーパーはシンプルな感じです。

HOPの突起はこんな感じ。
HOP最低の状態でも少しだけ突起がある状態になっており、最大HOPではHOPの突起がかなり大きくなります。

HOP最低の状態
HOP最大の状態

チャンバーを分解するとこんな感じ。
バレルやHOPパッキンはスタンダード電動ガン用のままですね。

インナーバレルは247mm。
先端部分にガタ取りのOリングが追加されている以外の違いは無さそうです。

トリガー周りについて

トリガー周りはこんな感じで、ここもP90+で少し仕様が変わっている箇所の1つになります。
まず、トリガーバーが塗装されなくなり銀色になっているのと、トリガーバーを抑える為のパーツが追加されています。

P90のトリガーはトリガーの引き代でセミオートとフルオートが切り替わります。
トリガーの引き代はそれぞれこんな感じで、セレクターレバーによってトリガーの稼働量が変化します。

セーフティ
セミオート
フルオート

トリガーバーを抑えるパーツは小さなネジ2本で固定されています。
この固定パーツのお陰でトリガーバーの遊びが無くなり、トリガーフィーリングが多少改善している気がします。

これを外す事でトリガーバーを外し、トリガー自体を外す事が出来るようになります。
※トリガーバーを外すにはメカボックスを外しておく必要もあります。

尚、比較記事の方でも紹介しましたが、セレクターレバーの形状が変更されています。
セミオートの引き代が明らかに短くなり、フルオートはより奥までトリガーが動くようになっているようです。

左がP90+、右がP90TR

メカボックスの取り外し

メカボックスを取り外すにはバットプレートを外した奥に付いている2本のネジを外し、メカボックスを固定しているプレートを外します。

この状態でストックを傾ければメカボックスを取り外す事が出来ます。
恐らく東京マルイ製電動ガンの中で一番チャンバーとメカボックスへのアクセスが速いのがP90だと思います。
本当に外装パーツのパーツ点数が少ない…。

メカボックスの外観を見ていきます

という訳で、こちらがP90+のメカボックスです。
形状自体はVer6のままですが、色々と従来型のP90から変更されている箇所が確認出来ます。

まず、明らかな違いはこれでしょう。
モーターの上に基盤が付いています。
この基盤を固定しているプレートに「FET SYSTEM」と書かれているのですが、PLUS SYSTEMでは無いんですね…。
「PLUSシステム搭載」と紹介されているので、てっきりこの基盤の名称はPLUSシステムだと思ってたんですが…。

モーターの上に基盤が付いている
FET SYSTEMと記載

FETになった影響でスイッチに伸びる配線が細くなっています。

スイッチ自体の形状は特に変わりない…と思いきや、カットオフレバーを抑えておく為のパーツがスイッチに追加されていました。
スイッチの仕様は変わらず、カットオフレバーと連動するセミオート用のスイッチと、フルオート用のスイッチが個別に用意されている、独特なスイッチが付いています。

尚、スイッチの位置や形状などはこんな感じで従来型のP90用Ver6メカボックスと同じでした。
トリガー周りの変更点はセレクターレバー、トリガーバー、トリガーバーを抑えるパーツが追加された位のようです。

左がP90+のメカボックス、右がP90TRのメカボックス

カットオフレバーはこんな感じ。
本当、Ver6って特殊な構造していますよね。

メカボックスの分解をしていきます

まず、スイッチを外します。

従来型のVer6であればこの時点で配線を外す事が出来るのですが、FETがモーターホルダー部に固定されているので、こちらを外す必要があります。
単に爪で引っかかってるだけなので、モーターホルダーを固定するネジを外さなくても取り外す事は出来そうですが、外した方が楽だと思います。

これでメカボックスとスイッチ周りのパーツを分離させる事が出来ます。

PLUSシステムを見ていきます

P90+の基盤は熱収縮チューブに覆われており、樹脂製のプレートに両面テープでくっついています。

こちらを剥がして基盤を見てみました。
単なるFETだけではなく、マイコンやらダイオードやら色々な部品が確認出来るので結構複雑な回路になっています。
バッテリーの電圧監視機能があるAA12に付いている基盤程度の物を想像していたのですが、段違いですね…。

スイッチについて

PLUSシステムに繋がっている物理スイッチはこんな感じ。
このユニットの構造自体はやはり従来型のP90系と基本的には同じですね。
ただし、ただの銅板だったフルオート用の接点に銀メッキ?が施されていました。

尚、P90のスイッチはロットによって数種類存在し、主にフルオート用の接点の形状が変更されているので、比較する個体によっては「スイッチの形状が違っている」と感じるかも知れません。

モーターホルダーの取り外し

メカボックスからモーターホルダーを外し、モーターホルダーを真っ二つにしてモーターを取り外します。

ちなみに、今までに無かった気がするこのようなパイプ状のパーツがモーターホルダーに付いていました。
ネジを締め込んだ時にモーターホルダーが歪んでしまないようにする物でしょうか。

モーターについて

東京マルイ P90+の発射サイクルが非常に速い事から「モーターが変えられているのでは?」との声がありましたが、やっぱりEG1000のままでした。
気づいてない人も多いですが、EG1000のポテンシャルって半端ないんですよ…。

もっとも、P90+に搭載されているPLUSシステムに関しては、M-SYSTEMと同様にEG1000に最適化されていると思われます。

ピニオンギアは当たりが取れるちょっと前位ですね。
もうちょっと撃てばいい感じに当たりが取れる気がします。

メカボックス内部の分解を進める

というわけで、いよいよメカボックスの内部をバラしていきます。
まずは外側に付いているカットオフレバーを外します。

このカットオフレバーは外さなくてもメカボックス内部の分解を進める事が出来るのですが、引っ掛けたりして歪んだり折れてしまう可能性があるので、とりあえず先に外しておいた方が良いです。

続いて、逆転防止ラッチを解除しておきます。
逆転防止ラッチを解除するだけで分解が楽になります。

その後、メカボックス上部に付いている背骨を外し、メカボックス前側のネジを外します。

メカボックスを開けるとこんな感じ。
ギアに関しては変わらず18:1のスタンダード電動ガン用ですが、セクターギアにメッキが施されていて綺麗になっていたり、ベベルギアが次世代タイプになっていたりと変更が加えられています。
尚、軸受は変わらず樹脂軸受です。

ギアセットについて

ベベルギアと逆転防止ラッチはこんな感じ。
ベベルギア自体はおなじみの次世代形状ですが、逆転防止ラッチはユニークな形状をしています。

スパーギアは変わりない気がします。

セクターギアはこんな感じでメッキ処理が施されており、テカテカしています。
ピストンのラックギアに当たる歯は引き終わり側(最後の歯)が肉厚になっています。

吸気系について

吸気系のパーツはこんな感じ。
ここも大きな変更は無さそうですが、シリンダーヘッドが明るい白色になっていました。

タペットプレートとノズルはこんな感じ。
まあ、普通のP90用ですね。

シリンダー周りはこんな感じ。

やっぱりシリンダーヘッドの色、明らかに違ってますよね…。
こんな真っ白じゃ無かったはず。
形状自体は変わりないと思います。

ピストン周りのパーツについて

ピストンとピストンスプリングは分離する仕様になっています。
最近の東京マルイ製電動ガンはこの仕様になってきているので、ピストンに固定されていた時代が懐かしくなるのも近いのかも知れませんね…。

ピストンは次世代電動ガン MP5シリーズで採用されているのと同じ色味の黒色。
形状自体はスタンダード電動ガン形状(フルティース+最後1枚金属は)ですが、次世代電動ガン MP5の時と同様にバウンド対策に2枚目の歯が削られているという変更が加えられています。
尚、ピストンヘッドは白色の前方吸気のままでした。

ピストン内側に入っている重りはピストンスプリングが分離する仕様になった事から形状が変更されていました。

ピストンスプリングガイドは普通の樹脂製ですね。


という訳で、東京マルイ P90+(プラス)の分解レビューは以上になります。
こうやって紹介していくとFET搭載以外にも結構内部に手が加えられている事が分かると思います。

とは言え、新規形状ではなくパーツの互換性が高いので、弄りたい人は今まで通り内部を弄る事も出来そうです。

それにしても、やっぱりP90はパーツ点数が少なく、内部パーツへのアクセスが楽で、メカボックスに関しても分解しやすい構造になっているのが本当に優秀な電動ガンだと思います。

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