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ピストン重量頼りで重量弾をぶっ飛ばす検証 Part.3 ピストン射出機能搭載

記事作成日:2023年6月20日

ピストン重量頼りで重量弾をぶっ飛ばす検証もこれで最期となります。
Part1では重量弾を飛ばす為の基本セットアップを行い、Part2ではシリンダー容量を犠牲に限界までピストンを加速、ピストン重量もかなり重くしましたが、Part3で最後となります。

という訳で、今回のピストン重量頼り検証で一番やりたかった事、それが「ピストン射出機能」です。

エアーコッキングガンにしろ電動ガンにしろピストンによってエアーを圧縮し、その空気圧を利用してBB弾を飛ばす方式の製品は自由長が足りていない、短いピストンスプリングを使うとエアーが圧縮しきれず初速が低下してしまう為、大抵の製品は必要以上の長さのスプリングが組み込まれています。
また、電動ガンの場合はピストンクラッシュを起こす可能性もあります。

では、逆に「ピストンの加速度だけでエアーを圧縮しようとするとどうなるのか?」を試したかったので、今回スプリングをめちゃくちゃ短くして、ピストン前進途中でピストンがスプリングから離れ、射出されるという機構を試してみる事にしました。

それを実装するにはピストン重量が重要となります。
質量こそ正義。

という訳で、こんなスプリングを買ってきました。
SLONG AIRSOFT製VSR10 M165 スプリングです。
おそらく日本国内で販売され、手頃に入手出来るVSR10用のピストンスプリングの中で一番硬い製品だと思います。
海外市場にはもっと凄いのありますが…。

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自由長は約213mm、線径1.5mmの非常に硬いスプリングです。
正直実用的ではないレベルの硬さがありますが、よく海外で3Jとか4Jとか出してる人はこういうの組んでるんでしょうねぇ…。

末端はしっかり平面が出るように処理されています。

このピストンスプリングを使って、射出ピストンを作っていきます。

まずは重いピストンを用意します。
今まではピストンの周りに鉛を巻き付けていましたが、今回の射出ピストンの調整中に衝撃で鉛が歪んでしまったので、ピストンの内側に鉛を入れる事にしました。
これにより、ピストン重量は軽くなってしまいましたがそれでも80gの重量があります。

この時点でこのピストンで普通の長さのピストンスプリングを組む事は出来なくなりました。

ピストンの内側の長さが短くなったので、スプリングガイドを短くしました。

この構成で使えるようにスプリングをカットします。
使うのは短い方で、切断面を焼き潰ししました。
長さは約8.5cm。

という訳で、これでピストン周りのパーツが用意出来ました。
VSR10用とは思えない構成…。

尚、ピストンスプリングがスプリングガイドから離れてしまうとコッキング出来なくなってしまうので、スプリングの端を歪めてスプリングガイドに固定されるようにしました。

これでピストンは加速穴のちょっと手前でピストンスプリングから離れ、慣性で動きます。
つまり、ピストンに一番抵抗が加わる気密が保たれた時にはスプリングの力を頼らず初期の加速で得えられた力と重量だけでエアーが圧縮される事になります。

また、スプリングガイドにピストンスプリングのテンションが加わらなくなるので、スプリングガイドストッパーが抜けてしまいます。
なので、テープを貼って固定しました。

これでレシーバーは完成。
チャンバーに関しては以前の状態から変更していません。
ActionArmyのチャンバーにR-HOPを組み込んでいる、0.43g弾専用チャンバーです。

この位置までスプリングがフリーの状態になっているのでほぼ無負荷で引く事が出来ます。
ただし、ここから先はメチャクチャ硬いです。
正直、シアーが引っかかる直前は「本当にこれ引いて良いの?壊れるんじゃない?」と思える硬さになっています。

射撃時の様子はこんな感じ。
銃を振った時にカシャカシャ鳴ってるのはスプリング+スプリングガイドとピストンが暴れてる音です。
尚、ボルトを引く時は一気に「グッ」と目一杯引きます。
発射音は普通ですね。

初速はこんな感じになりました。
めちゃくちゃ安定している訳ではありませんが、まあこれくらい出ていれば十分でしょう。

という訳で、先日ゲームに行ってきた時に撃ってきました。
場所はサバイバルゲームフィールドSAVAS、使用弾は変わらずBLS 0.43g バイオBB弾です。

最奥のターゲットが40mなので40m先のマンターゲットを狙って撃っています(ツイート文には30mと書いていますが、間違いです)

30mから少し浮き上がるような感じになり、40mの胴体を狙うと首元位に着弾するような弾道となっています。
こんなメチャクチャなセッティングでも0.43gをしっかり浮かす事が出来る
訳ですね。
まあ、この構成には何のメリットもありませんけどね…。

そして、弾を入れた状態の撃ち味も別に面白くは無く至って普通でした。

「面白そう」と思ってやってみたものの、あんまり面白くないですね。
ボルトハンドルの操作がめちゃくちゃやり辛くなるだけでした…。

正直、こういうネタ構成以外では使い所の無いカスタム内容ですね。
ただし、エアブレーキを使いつつ良い塩梅に調整出来ればピストンがシリンダーヘッドにぶつかる事無く停止させる事も出来そうなので消音カスタムを行う際にちょっと参考にはなるかも知れません。

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