ARCTURUS AK12 Updated AEG PEエディション(AT-AK12U-PE)の分解レビュー
記事作成日:2023年11月8日
以前、800丁限定のリミテッドエディションのレビューを行いましたが、それとは別個体のARCTURUS AK12U PEエディションを分解・カスタム用に三山商事株式会社よりお送りいただいたので、こちらを分解していきます。
尚、箱出し状態の外観や初速などを紹介しているレビュー記事はこちらをご参照ください。
また、基本的に分解方法は以前紹介しているAK12 PEの分解と同じです。
外装パーツの分解
という訳でまずはトップカバーを外し、フラッシュハイダーやフラッシュハイダーを固定する基部パーツなどのマズル周りのパーツも外しておきます。
ARCTURUS AK12のフラッシュハイダーはハイダー部分と基部パーツの二重構造になっており、ハイダーと基部はOリングのテンションでガタツキを抑えています。
基部パーツはアウターバレルの14mm逆ネジに固定されています。
続いて、ガス流量の調整ノブを模したQDスプリングを取り外す為の工具も外します。(別の工具を使ってバラすなら外す必要はありません)
ARCTURUSのAK12シリーズはこのパーツを使う事でレシーバーの分解や特殊な工具を使わずにピストンスプリングを交換する事ができる仕様になっています。
続いて、ハンドガード・バレルを固定しているピンを抜き、アウターバレルを固定している2本のイモネジを緩めます。
尚、このイモネジは手前側が2.5mm、奥側が2mmとサイズが異なっているので注意が必要です。
これでフロント側を外す事ができるようになります。
尚、チャンバーやインナーバレルはレシーバー側にくっついたままなので、アウターバレルを引っこ抜く時は真っ直ぐ抜くように気をつける必要があります。
レシーバーから飛び出しているインナーバレルはこんな感じ。
マズルギリギリの所までバレルが伸びているのでかなり長いです。
続いて、ダミーボルト周りのパーツを外します。
チャンバーの取り外し
その後、チャンバー下部についているスペーサーを外し、チャンバーについている3本のネジを外します。
チャンバーに付いているネジは2本がレシーバーへの固定、もう1本はメカボックスとチャンバーを固定するのに使われています。
これでチャンバーがフリーになるので、レシーバーからチャンバーを取り外します。
バレル・チャンバーについて
ARCTURUS AK12Uのチャンバーはこんな感じで特徴的なドラムが付いています。
このドラムの溝にHOPアームが入り込み、ドラムが回る事でアームの角度が変わるという構造になっています。
まずはHOPアームとドラムを外します。
続いて、インナーバレルをチャンバーに固定するのに使われているCクリップを外すのですが、このチャンバーのCクリップはイモネジで固定されているのでイモネジを緩める必要があります。
Cクリップ下部の穴にイモネジが貫通しているので、この穴から逃げる程度に緩めれば大丈夫です。
Cクリップが外れたらインナーバレルを引っこ抜くだけです。
尚、インナーバレルとHOPパッキン、チャンバーの寸法はちょうどよい感じで緩すぎずタイト過ぎずな感じでちょうど良かったです。
HOPパッキンは硬度60位の2点掛け。
クッションゴムはよくある虫ゴムですが、一部削れていました。
インナーバレルは450mmの鉄製バレルで表面は酸化防止処理が施されており真っ黒です。
HOP窓はシンプルな形状の物ですが、しっかり面取りされています。
マズル側のテーパーも少し角度はキツイですが、ロングテーパー程の物では無い感じです。
レシーバーからメカボックスの取り外し
続いてメカボックスをレシーバーから外していきます。
まずセレクターレバーを外すのですが、ARCTURUS AK12のセレクターレバーはネジ頭に樹脂製のカバーがついているのでこちらを先に外す必要があります。
カバーを外したら普通にネジを外すだけでセレクターレバーを取り外す事が出来ます。
続いて、グリップ底部のネジとトリガーガード左右のネジを外します。
トリガーガード左右のネジは片側から回すだけだと空転してしまうので両方にドライバーを挿し込んで回す必要があります。
ただし、自分の個体は最初から片側のネジ頭が完全に潰れていたので外す事が出来ませんでした。
もっとも、グリップ底部のネジさえ外せたらメカボックスは取り外す事ができるので、このまま外しました。
メカボックスについて
ARCTURUS AK12U PEのメカボックスはVer3系ですが、ピストン周りの補強リブが付いている強化仕様になっています。
とりあえずメカボックスの周りに付いているパーツを外していきます。
モーターホルダーを開けるとこんな感じ。
ピニオン位置調整用のイモネジが底部に付いており、イモネジによってモータープレートが動きモーターを動かす、一般的な構造です。
ARCTURUS AK12 PEに組み込まれているモーターはANT21Tという同社製のネオジウム磁石を用いるハイトルクモーターです。
6000円程度で販売されているカスタムモーターでもあります。
ピニオンギアはO型でブラシはレイダウンタイプです。
続いて、ピストンスプリングを外します。
尚、ARCTURUSのAKシリーズはメカボックスをレシーバーから取り外さなくともQDスプリングにアクセスできるようになっているので、単純にスプリング交換をするだけならここまで分解する必要は無く、トップカバーを外すだけで良いです。
ピストンスプリングにはオレンジ色のインクが付いており、これでスプリングレートを管理しているようです。
自由長が長くピッチも細かいですがかなり柔らかいスプリングで、以前分解したARCTURUS AK12 PEモデルはスプリングカットされていましたが、こちらはスプリングカットされていませんでした。
尚、スプリングガイドはスラストベアリング付きです。
続いて、セレクターレバーと連動するギアやトリガーの動きを制限する為に組み込まれているパーツを外し、セレクタープレートも外しました。
セレクタープレートには光センサーに検知させる為の白いテープが貼られていました。
このテープは適切な位置に合わせて貼られているので剥がしたりしない方が良いでしょう。
軸受はセクターギアのみが粉末焼結っぽい感じのオイルレスベアリング、スパーギアとベベルギアはボールベアリングになっています。
すべての軸受は8mmです。
続いてメカボックスを止めているネジを外し、メカボックスを開けます。
とりあえず先にトリガーを外しました。
トリガー自体は普通のAK用ですが、スイッチを押す方がPERUN ETU用の物になっています。
このPERUN ETU用のトリガーパーツは磁石が埋め込まれているので、セクターギアにくっつきます。
これが組み立てる時に鬱陶しいんですよね…。
ピストン周りのパーツについて
ピストン周りのパーツはこんな感じ。
ノズルはポリカーボネートで出来ており、先端は前方吸気対応形状になっていました。
また、ノズル内側にOリングが付いているエアシールノズルになっており、長さは19.93mmでした。
タペットプレートはL字部分の補強付きの物ですが、前側が不自然な位に削られていました。
手作業で雑に削られたような見た目になっています。
メカボックス側を見ても干渉するような出っ張りは無いですし…バリ取りなんでしょうか…?(同社製品は結構分解していますが、こんな事になっている個体は初めて見ました)
シリンダーヘッドはこんな感じで樹脂製の物です。
まあ、シンプルな物ですね。
シリンダーはステンレス製の加速シリンダーです。
バレル長が450mmもあるので、加速穴は後ろの方に設置されています。
ピストンはフルティース全金属歯です。
ピストンヘッドは後方吸気の樹脂製で、吸気穴は8個付いています。
ピストンを分解するとこんな感じ。
内側にはスラストベアリングが付いており、タップネジでピストンヘッドが固定されています。
ギアについて
ギアはこんな感じで同社製の強化ギアが組み込まれています。
ギア比は13:1でセクターギアには樹脂製のセクターチップも付いています。
尚、こちらのギアもモーターと同様にカスタムパーツとして単品販売されています。
ベベルギアのラッチ枚数は6枚。
各ギアのシャフト周囲にはグリス溜まりの溝が設けられています。
PERUN ETUについて
PERUN ETUはこんな感じでメカボックスにネジ1本+接着剤で貼り付けられています。
剥がす場合はヒートガンで接着剤を柔らかくしてからが良いでしょう。
という訳で、ARCTURUS AK12U PEエディションの分解レビューは以上になります。
今度はどういう感じで弄っていくか、これから考えようと思っています。