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LAMBDA DEFENCE B&T GHM9-G GBB(日本仕様)のレビュー

記事作成日:2023年12月28日

友人がLAMBDA DEFENCE製のガスブローバックサブマシンガン、『Quality Precision Innovation B&T GHM9-G BLACK』を購入したので借りてレビューします。
また、分解とカスタムもやって欲しいとの事なので、いつも通り一通りバラして調整もやる予定です。

尚、こちらの製品は株式会社プラウダが日本仕様として輸入している個体になります。
また、B&Tからの正規ライセンスを受けて生産されている為、リアル刻印になっています。

内容物はこんな感じで銃本体とマガジン、ボルトハンドル、リコイルスプリング、説明書、パーツリスト、弾速チェックシート、使用上の注意書きが同梱されています。

リコイルスプリングは本体に組み込まれている物とは別の物が同梱されており、こちらは「夏用リコイルスプリング(ハードリコイルスプリング)」になります。
本体に組み込まれているリコイルスプリングは柔らかいスプリングで、こちらは冬用スプリングとの事です。
押しつぶした時の硬さでも分かりますが、ピッチが異なっているので見分けが付きます。

付属のハードリコイルスプリング
上が柔らかく、ピッチが細かい。
下が硬いく、ピッチが広い。

付属のマガジンについて

付属のマガジンはMAGPUL PMAG 21連(PMAG 21 GL9)タイプのマガジンが付属してきます。
装弾数は31発です。

刻印周りもしっかり入っています。

マガジンバンパーも金属で出来ています。
固定ネジがプラスなのがちょっと残念。六角にして欲しかったところ。

リップ側はこんな感じ。
フォロワートップの引っかかりがネジになっているのは特徴的ですが、注入バルブが放出バルブの下に配置されていたり、ガスルートパッキンが平らなタイプだったりとVFC系のマガジンとデザインがよく似ています。

販売店情報ではActionArmy AAP01のマガジンが使えるとの事で、手持ちのマガジンで試した限り、

  • 東京マルイ Glock17 GBB用マガジン(ガスルートパッキンそのままでも一応使えましたがあまり良くはないと思います)
  • ActionArmy AAP01用マガジン
  • KJ Works Glock用マガジン
  • VFC Glock17 Gen5マガジン

のマガジンを使う事が出来ました。
ただし、GHM9-Gのマグウェル内側が非常にタイトで、挿すと抜けなくなるケースもあったので注意が必要です。
付属のマガジンも最初のうちはメチャクチャタイトでしたし、何度も抜き差ししている現状でも差し込む時はマガジン底部を叩く必要がありますし、抜く時はマガジンキャッチを押しながら引っ張らないと抜けません。

尚、注入バルブは日本仕様になっておりHFC134Aなどのガス圧が低い液体ガスもちゃんと充填出来るようになっています。

マガジンの重量は空の状態で351g、HFC134Aを満タンに入れると385gでしたが満タンに入れてしまうと気化スペースが無くなってしまい、生ガスが吹き出してしまいます。
生ガスを吹き出さない程度のガス容量は380g程度でした。

最大のガス容量は34g、実用レベルのガス容量は29gといった感じですね。

LAMBDA DEFENCE B&T GHM9-G GBBの外観レビュー

続いて、LAMBDA DEFENCE B&T GHM9-G GBBの外観を見ていきます。
フラッシュハイダー、アイアンサイト、ストックなどの付属品が一切無い非常にシンプルな構成になっています。
「付けたいパーツがあれば買って付けろ」って感じでしょうね。

また、アターバレル、ハンドガード、レシーバー、ストック基部など殆の外装パーツが樹脂製という事もあり軽いですが、VFC UMP GBBの「軽っ!」という感じでは無いです。(あれは異常に軽い)

ちなみに、純正オプションでアルミアウターバレル、アルミハンドガード、アルミレシーバー、アルミストック基部+伸縮ストックなどが発売されている外、SDタイプハンドガードとサプレッサーのセットもあります。

マズルは14mm逆ネジが付いています。
ちなみに樹脂製アウターバレルという事もあって負荷を掛けると割とグニグニ動きます。

ハンドガードはM-LOKスロットが左右に1つずつ付いている小さな物が付いています。
また、ハンドガードの上下には20mmレールが付いています。

尚、ハンドガード上部からレシーバーの後ろまでツライチの物が付いています。

アッパーレシーバーにはSWISS MADEのロゴとB&Tのロゴが入っています。
SWISS MADEロゴにはネジによって削られたと思われる跡が付いてロゴが削れている外、B&Tのロゴは若干傾いています。

尚、この傷は開封時点からついていたのですが友人曰く「言うのもめんどくさいから別に良い」との事でした。

ボルト・エジェクションポート周りはこんな感じ。
口径とシリアルNOが記載されています。

ボルトを引くとこんな感じ。
尚、ホールドオープン状態にする事でHOPチャンバー上部に付いているHOP調節ダイヤル(茶色いダイヤル)にアクセスする事が出来ます。

マグウェル側はこんな感じでアンビ仕様のマガジンキャッチやボルトリリースボタンが付いています。
尚、マガジンキャッチはダイカストで出来ています。

尚、右側のマガジンキャッチは人差し指を伸ばした時にちゃんと届く位置にあります。
長すぎず短すぎず、丁度良い感じですね。

マグウェル部に貼られているMade in Taiwanのシールを剥がすと「SWISS MADE」の印字が出てきます。
B&Tのロゴや製品名もしっかり入っています。

マグウェルはこんな感じ。
冒頭でも述べましたが、内側が非常にタイトなので暫くはマガジンを抜き差しして慣らしてあげた方が良いと思います。
最初のうちはマガジンを挿すと相当強い力で引っ張らないと抜けない位の状態でした。

マガジンを挿すとこんな感じ。
尚、ハンマーダウンした状態でマガジンを挿すと一瞬生ガスを吹き出してしまう事があるので、恐らくバルブノッカーがちゃんと逃げてくれていないようです。
なので一度コッキングした状態でマガジンを挿した方が良いと思います。

尚、マグウェル内側を覗いてた時に気づいたというか、思い出したのですがこの製品はマガジンキャッチの裏側が非常に肉薄で穴が空いてしまっている個体の報告がちらほら上がっているようです。
今回レビューした個体もマガジンキャッチの裏側に穴が空いていました。

ボルトハンドルはこんな感じ。
今回は左側に付けていますが、右側に付ける事も出来ます。

セレクターレバー周りはこんな感じでアンビセレクターレバーが付いています。
左側より右側の方がレバーば若干短くなっており、右手でグリップを握った時にセレクターレバーが手に当たり辛くなっています。

尚、ハンマーダウン状態ではセーフティレバーをセーフに入れる事は出来ないので、セーフに入れるにはボルトを引いてハンマーを起こす必要があります。

セレクターレバーを動かすとこんな感じでカチカチとした程よいクリック感があります。
白点がセーフ、赤点がセミオート、赤棒がフルオートです。

トリガー周りはこんな感じ。

トリガープルは結構重めというか動きが渋いです。
ハンマーが開放される直前が非常に分かりづらく、勢いよくトリガーを引く分には問題無いのですが、ゆっくりトリガーを引くとどのタイミングでハンマーダウンするかが分かりづらいです。

トリガーを引く前
ハンマーダウン直前
ハンマーダウン後

グリップはこんな感じ。
グリップもB&Tのロゴがしっかり入っており、非常に薄いです。

グリップ底部はこんな感じで蓋が付いています。

ストック基部はこんな感じで大きく飛び出しています。
20mmレールが付いているので、色々なストックを取り付ける事が出来ます。

箱出し状態の初速と作動性について

という訳で、動作させて行きます。
尚、スプリングは冬用スプリングを入れており、ガスはHFC134A、BB弾は東京マルイ 0.20g樹脂弾です。

まずは常温の状態(22.8度)から。
この状態でも弾は出るもののボルトが後退せず生ガスを吹き出しながらのガスコキみたいな状態でした。

25〜26度程度でもまだ動かず、マガジン温度を10度ほど上げて32度程度にする事でようやく動くようになりました。
ただし、かろうじて動いているような状態でリコイルもまだマイルドな感じ、フルオートは3〜4発のバースト程度しか撃つ事が出来ない上に初速もかなり不安定な感じで10m/s程度前後していました。

更にマガジンを温めて43度の状態にしました。
結果、初速は85m/s台まで上がり、リコイルもそれなりに来るようになりました。

この状態であればフルオートもちゃんと動いてくれましたが、冬用スプリング(柔らかいスプリング)で秒10.5発程度、夏用スプリング(硬いスプリング)で秒11.8発程度といった感じでかなりゆっくりしたサイクルでした。

冬用スプリング
夏用スプリング

マガジン温度40度の状態での動作はこんな感じ。
この温度であればセミフルもちゃんと動きますし、ある程度動かした後でもボルトストップが掛かりました。

ボルトの動きが渋かったりするような事は無く、比較的スムーズに動いているのですがここまで作動性に問題があるのはブローバックエンジン側に何かしらの問題がありそうな気がします。
あと、ハンマースプリングは結構硬めなので、交換出来るなら多少柔らかい物にした方が良いのでは?と思います。


という訳で、LAMBDA DEFENCE B&T GHM9-G GBB(日本仕様)のレビューは以上になります。

久しぶりに「海外製ガスブロといえばこれでしょ!」って感じの作動性の製品に出会った気がします。

最近のガスブローバック長物って、ガス圧でゴリ押ししなくてもちゃんと動いてくれる機種が多いですし、特に最近のVFC M4系なんて冬でもそれなりに動いてくれるほど作動性が上がっているので、そういう製品と比べると昔の海外製GBB感が非常に強い製品でした。

外の人のレビューを見る限り作動性に関しては個体差もかなり激しいようで、今回レビューした個体とは異なる作動性を持っている製品もあるとは思いますが、多くの人が「マガジンを温めないと使えない」と評価しているようなので、やはり箱出し状態ではガス圧でゴリ押しする必要がある製品なのだと思われます。

とりあえず分解してみない事には改善点も分からないので、どう弄っていくかは分解後に考えようと思います。