
GATE TITAN2標準搭載のGATE x ARCTURUS TRINITY ARMAMENT ALPHA AEG CARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)一挙レビュー
記事作成日:2024年10月4日
GATEとARCTURUSのコラボブランド、TRINITY ARMAMENT製の電子トリガー搭載電動ガン、ALPHA CARBINE 11.5″(GA-TA01)、ALPHA RIFLE 15.3″(GA-TA02) 、ALPHA SBR 7.9″(GA-TA03)の3丁を三山商事株式会社様よりお送りいただいたのでレビューしていきます。


TRINITY ARMAMENTについて
本製品は電子トリガーやAEG用内部カスタムパーツ、HPAユニットなどを製造・販売しているGATEとエアソフトガンメーカーのARCTURUSがタッグを組んで立ち上げたブランド、TRINITY ARMAMENT製の電動ガンシリーズで、ARCTURUS製電動ガンにGATE TITAN2が組み込まれているような仕様の製品になります。

また、ギアやモーターなどが予めカスタムされているARCTURUSのハイエンドモデル(PEエディション)と同等の物になっているのが特徴です。
以前、ARCTURUSからPEエディションとして出ていたモデルの基板がGATE TITAN2になり、吸気系パーツもGATE製のカスタムパーツが組み込まれているという、メーカー出荷時点でフルカスタムされているような状態です。
GATE TITAN2は日本の技適も通過している為、安心して使う事が可能なBluetooth連動型の電子トリガーユニットとなっており、国内での販売価格が26,800円程度と比較的高価な電子トリガーとなっています。

尚、CARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)での違いはバレルレングスのみなので、基本的にはCARBINE 11.5″(GA-TA01)の写真を使って紹介していき、仕様が異なる所のみそれぞれのモデルを紹介する形になります。
ご了承下さい。
海外仕様と国内仕様の違いについて
本製品は国内仕様を生産するにあたって色々海外仕様から手を加えている製品になります。
まず、一般的な国内仕様の電動ガンはスプリングレートが海外仕様よりも低くなっていたり、海外仕様のスプリングをカットしていたりする製品が多いですが、本製品はM130スプリングをベースにセクターカット+シリンダー容量の変更によって初速調整を行っています。
これにより低レートのスプリングを使う事によるオーバーランを抑制したり、ノズルの動作タイミングが狂う事によって弾道が不安定になる事を抑えています。
単に初速を抑えるだけのデチューンだけではなく、初速を下げた上で作動性を不安定にさせないような措置が取られているのが、TRINITY ARMAMENT製電動ガンの日本仕様になります。
この辺りは後日投稿予定の分解レビュー記事の方で詳しく見ていこうと思います。
尚、定価(税別希望小売価格)は下記の通りになります。
※2024年10月現在の価格
- CARBINE 11.5″(GA-TA01):79,800円
- RIFLE 15.3″(GA-TA02):81,800円
- SBR 7.9″(GA-TA03):77,800円
バレル長さによって価格が変わるような形になっており、全体的に電動ガンとしては高めな金額設定ですが、内部パーツの構成を考えると妥当な金額ではないかと思っています。
付属品の紹介
内容物はこんな感じ。
銃本体とマガジン、クリーニングロッド、説明書、弾速証明書、TITAN2用のマニュアル、TRINITY ARMAMENTのラバーパッチ、L字レンチ2本、バッファーチューブ用の底蓋です。


説明書はQRコードをスキャンしてPDFを見る仕様です。
PDFには基本的な操作説明が掲載されています。

TAITAN2のマニュアルは結構シンプルで、基本的な操作方法とアプリダウンロード用のQRコード、スペックシートが記載されています。


付属のマガジンはこんな感じで、ARCTURUS製のオリジナルデザインポリマーマガジンです。
装弾数は130発、30発の切り替え式です。



フォロワートップは赤色で、側面に残弾確認の窓が付いている為、「もう少し撃ち切る」という状態がわかりやすい仕様になっているのがこちらのマガジンの特徴です。


マガジンバンパーはモノポッドとしても使える、マグブーツ仕様になっています。

マガジンインナーには30発切り替えスイッチが付いており、このスイッチを動かす事でリアルカウント化させる事が出来ます。


TRINITY ARMAMENT ALPHA AEGの外観レビュー
という訳で、TRINITY ARMAMENT ALPHA AEGシリーズ3種を見ていきます。
冒頭でも記載していますが、こちらの3製品はバレル長とハンドガード長が違うだけでそれ以外の外観仕様は基本的に同じです。

ハンドガードのデザインはMidwest IndustriesのハンドガードとFortisのハンドガードを合体させつつアレンジを加えたような見た目をしています。
尚、バレル長が違う事によりガスブロックの位置とガスチューブの長さが違っています。

ハンドガードやレシーバーなどはアルミで出来ています。
マズル側+ハンドガード前側はこんな感じ。
フラッシュハイダーはハンドガードに半分位埋め込まれたようなデザインになっています。

尚、ハイダーの埋め込み量はモデルによって少し違います。
CARBINE 11.5″(GA-TA01)よりもRIFLE 15.3″(GA-TA02)は大きく飛び出しており、SBR 7.9″(GA-TA03)は大きく入り込んでいます。


ハンドガードは左右と底部にM−LOKスロットが付いており、上面は20mmレールになっている仕様で、ハンドガードの長さによってM-LOKスロットの数は異なっています。
また、底部基部側のM-LOKスロットはネジの締め込みによって歪んでいるので正しい形で使う事は出来ない気がします。


ハンドガードの付け根にはQDスイベルホールが付いています。


アッパーレシーバーの前側にはGATEのロゴ、マグウェルにはTRINITY ARMAMENTのロゴが入っています。
マグウェル右側には製品名やモデル名、シリアルNOなどが記載されています。



尚、RIFLE 15.3″(GA-TA02)とSBR 7.9″(GA-TA03)の刻印はモデル名とシリアルNOが違っているだけでした。


マグウェル内側はこんな感じ。
塗装する最に装着したと思われる治具の部分が塗られていない以外は特に気になる事は無い、シンプルなマグウェル形状です。

マガジンを挿すとこんな感じになります。
ガタツキは殆ど無く、しっかり刺さります。

ボルトリリースボタンはホールドされたダミーボルトを前進させる事が出来る外、スイッチも付いています。
こちらはGATE TITAN2用のオプションパーツとして別売りされている、ボルトキャッチボタンで、TITAN2側で設定した発射可能弾数をリセットすることが可能になります。
特に発射可能弾数の設定を行わなければ使わないスイッチです。


エジェクションポートはこんな感じで特徴的なデザインのポリマー製ダストカバーが付いています。

ダミーボルトを引くとロックされ、ドラム式のHOP調節ダイヤルにアクセスする事が出来ます。
ダイヤルは無段階調整が可能です。

マガジンキャッチボタンは電動ガンですが、リアルな感じの固定方法です。
ただし、リアル寸法のマガジンキャッチに対応するような物では無いので注意が必要です。

セレクターレバー周りはこんな感じ。
ハンマーピンの上にはGATE x ARCTURUSと印字されています。
セレクターレバーはアンビ仕様ではありません。


ちなみに、セレクターレバーはかなり背が高いです。
普通のCOLTタイプのセレクターレバーの1.5倍位の高さがあります。

トリガー周りはこんな感じ。
特徴的なデザインのトリガーと、KACっぽいデザインのトリガーガードが付いています。


トリガーはセレクターポジションに関係なく常に引く事が可能)SAFEでもトリガーを引く事が出来る)で、トリガーストロークはそれなりにあります。
トリガープル通常のトリガースプリング単体と同じ位の重さなので、物理スイッチの製品と比べるとかなり軽いです。

アッパーレシーバーにはボルトフォアードアシストボタンが付いており、その上にはフォージマークが入っています。


チャージングハンドルはシンプルな形状をしています。

フロントサイトとリアサイトはこんな感じ。
MAGPUL MBUS PROっぽいデザインのポリマー製フリップアップサイトが付いています。


サイトを起こすとこんな感じ。


サイトピクチャーはこんな感じ。
尚、リアサイトのピープホールは大小切り替え可能です。



グリップはこんな感じで、側面全体にステップリングっぽいテクスチャが入っている丸みを帯びた握りやすいグリップが付いています。
グリップ底部にはモーター位置調整用の大きなマイナスネジが付いています。



グリップを握るとこんな感じ。
普通に握りやすいグリップで、そこまで手が大きくなくても自然な感じで握る事が出来ます。

ストックはこんな感じ。
ARCTURUSオリジナルデザインのスリムなストック(Arcturus MOD1 WKS Slim Stock)が付属します。

底部にはパーツがネジ止めされており、別のオプションパーツを取り付ける事が出来そうな見た目になっています。
ストックのここにCR123Aのバッテリーケースを取り付ける製品とかあるので、それをイメージしてるのかも知れないですね。

ロックレバーはMAGPUL CTRっぽい操作性ですが、スプリングは結構柔らかいです。

バットプレートはこんな感じで、ラバーで出来ています。
また、バットプレートに付いているつまみを90度回す事でバットプレートを開く事が可能で、ストックを外さなくてもバッテリーを挿入する事が出来ます。


バッテリーコネクタを引っ張り出すとこんな感じ。
コネクタはディーンズ、配線にはTAITAN2接続用のQRコードとPINコードが記載されたシールが貼られています。

尚、バッテリーはストックチューブ内に収納する事になるのですが、このシールが邪魔で入れづらいので剥がしちゃった方が良いと思います。
アプリとペアリングが出来たら使わないですしね。(ただし、捨てると万が一設定が消えてしまったり、機種変した時とかに困るので残したおいた方が良いです)
ストックを取り外すにはまずレバーを押した時に飛び出す棒に細い棒を突き刺して引っ張ります。
その状態でストックを限界まで引っ張ると抜けます。



ストックのポジションは6ポジション。
ストック後部はバッテリーを入れる為に開いていますが、付属の蓋で閉じる事も出来ます。


GATE Control Station(GCS)について
という訳で、バッテリーを繋いでGATEの電子トリガー設定アプリ、GATE Control Station(GCS)を開いてみます。
デバイス接続時にPINコードが聞かれますが、入力したPINコードを保存させる事が出来るので2回目以降ではPINコードの入力は不要になります。

オリジナル電子トリガーではなく、明確にGATE TITAN2が組み込まれているとアナウンスされているだけあって、ちゃんとGATE TITAN2として認識しますし、GATE TITAN2で出来る設定は全部出来ます。

ちなみに、暫く使ってたら途中から「TRINITY ARMAMENT AEG」と表示されるようになっていたので、市販されている素のTITAN2とは区別出来る何か(シリアルNOで照会を掛けてる?)が実装されているようです。

とりあえずファームウェアアップデートの通知が来ていたので最新バージョンにしておきました。
アップデートは3分ほどで完了します。
ファームウェアはベータ版しか無かったですが、0.1 ベータ 86にしました。

設定可能項目やステータスの表示はこんな感じ。
項目に関してはあまりに多く、何なら本製品には実装されていないDSGやHPA用の設定も行えるので詳細は割愛しますが、GATE TITAN2の全ての機能が使えると思って良いです。


何なら、GATE TITAN2のオプションパーツであるボルトリリースボタンやマガジンスイッチも実装されているので、素のGATE TITAN2よりも設定可能な項目は多いです。

尚、設定調整中にエアガンを動作させるには「撮影モード」という状態にする必要があります。
「撮影」ってなんぞ?と最初思いましたが、多分Fire Modeの誤翻訳だと思います…。
このアプリ、日本語がおかしい所がちらほらあるので、正直英語表記の方が使いやすい気がします…。

出荷状態の設定の注意点
工場出荷状態の設定だとマガジンスイッチが付いており、それが有効になっている為マガジンを挿していない状態では撃つ事が出来ません。
始めてバッテリーを繋いでトリガーを引いても動作しないので、注意が必要です。
箱出し状態の初速と発射サイクル、作動性について(7.4V使用時)
という訳で、ファームウェアをアップデートしただけでTITAN2の設定は出荷状態のままの動作性を見ていきます。
動作検証に使用した弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾、バッテリーはBATON Airsoft 7.4V 2000mAh 25CのLiPoバッテリーです。

HOP量を変えても初速はそこまで上下しなかったですが、HOPが低すぎると初速が少し不安定になる事があったので、ちょっとだけHOPを掛けた状態で計測しています。(実際に0.20gを飛ばす場合でも少しはHOPを掛けると思いますし…)
動作の様子はこんな感じ。
CARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)全てにおいて動作の感じは同じでした。
続いて、初速と発射サイクルを紹介します。
初速・発射サイクルはCARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)のそれぞれで計測しています。
CARBINE 11.5″(GA-TA01)の初速と発射サイクル
まずはCARBINE 11.5″(GA-TA01)から。
初速は91〜92m/s程度で安定しており、悪くはない感じ。
また、秒間18.5発と結構早めの発射サイクルになっているのはARCTURUSのPEエディションと同じハイトルクモーター+セクターカットされた13:1ギアの組み合わせ故だと思います。
プリコッキング無しの状態でもセミオートのレスポンスは結構速いです。


RIFLE 15.3″(GA-TA02)の初速と発射サイクル
続いて、RIFLE 15.3″(GA-TA02)です。
初速はGA-TA01よりも0.5m/s程度高くなっており、92m/sを少し超える初速でした。
発射サイクルは秒間18発、フルオート時の初速はセミオートの時よりも少し高めに計測されていました。
恐らくインナーバレルの長さによる物だと思われます。(後発のBB弾によって押し出されている)


SBR 7.9″(GA-TA03)の初速と発射サイクル
最後にSBR 7.9″(GA-TA03)です。
初速が85m/s台と結構低めで、発射サイクルはほぼ変わらず秒間18.2発。
フルオート時とセミオート時の初速変化も特に無かったです。


11.1V使用時の発射サイクルと作動性について
本製品は箱出し状態でも11.1Vの使用が可能との事だったので、11.1Vでも試してみました。
先述の通り、モデルによる発射サイクルの差は誤差レベルでしか無かったので、CARBINE 11.5″(GA-TA01)での検証結果を紹介します。
検証に使用したバッテリーはRe Voltage 11.1V 1500mAh 85-150C LiPoバッテリーです。
結果、発射サイクルは秒間20.4発まで上がりました。


ただし、この発射サイクルは本来の発射サイクルでは無い事が分かりました。
どうやら出荷状態に安全対策としてセクターギアの回転数の上限が20rpsに設定されているようで、『オフ』になってるROF制御の設定をもう一度『オフ』にする事でこの上限が解除されます。(外の設定にしても上限は解除される物と思われる)
ROF制御の設定を『オフ』にすると秒間27.9発まで発射サイクルが上がりました。


尚、ファームウェアアップデート時に設定が元に戻ってしまうようなので、アップデート後にサイクルが低下した場合はこのROF制御を再設定してみると良いかも知れません。
動画も撮っておきました。
このサイクルであればかなりの弾幕が張れそうです。
という訳で、GATE x ARCTURUS TRINITY ARMAMENT ALPHA AEG CARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)のレビューは以上になります。
最近の海外製電動ガンはミドルレンジモデルでも電子トリガーが搭載されており、ハイエンドモデルに関してはプリコッキングなどが可能な高性能な電子トリガーが搭載されている事が多いですが、遂にGATE TITAN2という電子トリガーの中でもかなりグレードの高いモデルが標準搭載されるようになった事に驚きつつ、ユーザーとしては電子トリガーを組み込むコストを省略出来るのがかなり大きなメリットになるのではないかと思っております。

これが純正仕様という驚き。
正直内部をゴリゴリ弄る人間からすると箱出し状態でここまで完成されていると面白みは少ないですが、素体として考えてもコストパフォーマンスが良い(電動ガンを買って、GATE TITAN2を買って、内部の強化パーツも買って〜とパーツ部品単体で集めるよりかはだいぶ安く揃う)ですし、そもそもエアソフトガンユーザーの大多数は中身を弄るような人では無いので、「メーカー出荷状態で既にカスタムパーツ全部盛り」みたいな製品は大きな強みのような気がします。

今後はこういう製品も増えてくるんでしょうかねぇ…。
時代ですねぇ…。