
GATE TITAN2搭載電動ガン、TRINITY ARMAMENT ALPHA AEG CARBINE 11.5″(GA-TA01)の分解レビュー
記事作成日:2024年10月28日
三山商事株式会社様よりお送りいただき、先日レビューしたGATE TITAN2標準搭載のGATE x ARCTURUS TRINITY ARMAMENT ALPHA AEG CARBINE 11.5″(GA-TA01)、RIFLE 15.3″(GA-TA02)、SBR 7.9″(GA-TA03)の3丁のうち、CARBINE 11.5″(GA-TA01)を分解していきます。


尚、GA-TA01、GA-TA02、GA-TA03の内部の違いはバレル長とシリンダーに付いている加速ホールの長さ(加速量の違い)だけになります。
具体的にどう違っているのかは記事中で紹介します。
という訳で、まずはマズルデバイスとストックを外し、ピポッドピンを抜いてアッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させました。
テイクダウンしたらインナーバレルとチャンバーを取り外す事が出来ます。



インナーバレルとチャンバーについて
TRINITY ARMAMENT ALPHA AEGのチャンバーは樹脂製のドラム式HOPダイヤルを搭載しているチャンバーです。
HOPパッキンは2点掛け。


HOPダイヤルを外し、HOPアームを外しました。
HOPアームには少し固めのスプリングがあり、常にHOPダイヤルにHOPアームが押し付けられる形になっています。
これにより振動によるHOPのズレ・緩みを抑制する事が出来ている感じです。

HOPダイヤルは360度回せるタイプですが1回転はしない仕様になっています。
また、内側には細かな凹凸があります。

Cクリップを取り外して、チャンバーからインナーバレルを分離させます。


HOPパッキンは硬度70程度の少し固めのニトリルゴム製で、クッションゴムと同じ材質・硬度だと思われます。
2点掛けの構造はオーソドックスな凸形状の中央に溝が付いているタイプです。



インナーバレルはスチール製でQPQ処理(酸窒化処理)が施されています。
パルソナイト処理(低温塩浴軟窒化処理)を施した後に焼入れ工程を加える事により、高品質・高性能化が行われているのが特徴との事です。
マズル部に付いているテーパーは深めで、HOP窓の形状はシンプルな形状です。


尚、GA-TA01に組み込まれているインナーバレル長は280mmですがGA-TA02のバレル長は380mm、GA-TA-3のバレル長は200mmとなっています。
ハンドガードとアウターバレルについて
ハンドガードを取り外すには基部に付いているネジ2本を緩めます。
前側に付いているナットはバレルナットに引っかかっている為、ナットまで外す必要がありました。

アウターバレルやガスブロックはこんな感じ。
アウターバレルはフロントサイトを取り付ける為の溝が入っているタイプで、ガスブロックがイモネジで固定されています。
ガスブロックに付いている2本のイモネジを緩める事で、ガスブロック・ガスチューブを取り外す事が出来ます。



続いて、バレルナットを取り外すのですが結構固く締め込まれていたので治具を使う必要がありました。
治具無しで無理に回すとレシーバーを破損させてしまう可能性がある程度には硬かったので、注意が必要です。


アウターバレル基部はこんな感じでよくあるスタンダード電動ガン用のアウターバレルと同じ感じでした。



アッパーレシーバー側のパーツについて
アッパーレシーバー側のパーツはよくあるスタンダード電動ガンと同じ感じですが、ダストカバーはホールドオープンに対応する為の爪が付いているタイプになっています。

尚、バレルナットを外したらダストカバーを取り外す事が出来ます。

ストックチューブの取り外しについて
ストックチューブを取り外す為にまずはキャッスルナットを外し、ストックチューブを回します。
本製品のストックチューブは一般的な電動ガンのようなメカボックスにネジ固定するタイプではなく、リアルな構造になっているのが特徴です。


というか、E&LやARCTURUS製のM4系はこの仕様ですね。
エンドプレート、キャッスルナットはこんな感じ。
エンドプレートはGBB用などを使える他、ストックチューブのネジピッチはインチピッチなのでGBB用のストックチューブを取り付ける事も可能です。

手持ちのストックチューブで試した限り、Airsoft Artisan製のVFC/WE/WA GBB用は取り付ける事が出来ました。
ロアレシーバーの分解
続いて、ロアレシーバー側からメカボックスを取り外していきます。
まず、マガジンキャッチを取り外します。
本製品はマガジンキャッチがネジ止めされているタイプではなく、リアルな形状になっている為、本来の順番的にはボルトリリースボタンを先に外した方が良い気がするのですが、ボルトリリースボタンを外さなくてもマガジンキャッチを取り外すことが出来ました。


固定方法はリアルですが、寸法は別にリアルではないのでGBB用や実物のマガジンキャッチを使う事は出来ないと思います。
続いて、ボルトリリースボタンを外したのですが本製品のボルトリリースボタンはスイッチが付いている都合上配線でメカボックス側に繋がっているので、この時点で抜き取る事は出来ません。
スイッチは両面テープでボルトリリースボタンに貼り付けられているので、テープを剥がせば良いのですが、今回はそのまま組み立てる事も考えてテープは剥がさないで分解する事にしました。
まず、ピンを後ろ側に抜いてボルトリリースボタンがフリーな状態になったらボルトキャッチ用のパーツを押し込み、ボルトリリースボタンとの引っかかりを外します。


次にセレクターレバーを取り外し、トリガーピンを抜きます。


続いてグリップを外します。
グリップ底部のネジを2本外すとモーターを取り外す事が出来ます。
底蓋に付いているモーター位置調整用のネジは中央がマイナスネジみたいな感じに窪んている形状でした。



本製品に組み込まれているモーターはARCTURUS ANT21Tというネオジウム磁石を使用しているハイトルクモーターです。
こちらのモーターはカスタムパーツとしても単品販売している製品で、以前レビュー記事も書いています。

エンドベルは樹脂製、ブラシ形状はレイダウンタイプです。
ピニオンギアの形状はD型。
以前レビューした物はO型だったのでピニオンギアの形状が変わっているようです。


グリップの内側には3つのネジが付いており、メカボックスに固定されています。
ネジはつば付きナベネジ(ワッシャーヘッド)が2本、普通のナベネジが1本でした。


最後にピストンスプリングガイドを抑えているネジを外したらメカボックスを取り外す事が出来るようになります。
尚、ピストンスプリングガイドを抑えているネジはネジ頭部を使ってスプリングガイドを取り外す工具として使う事も出来る、E&LやARCTURUS製M4系ではおなじみの仕様です。


尚、メカボックスを取り外したらボルトのロックパーツを外す事が出来ます。
このパーツはレシーバーに埋め込まれた2つのスプリングテンションで動く仕様になっていました。


メカボックスの外観について
という訳で、こちらがTRINITY ARMAMENTのメカボックスです。

まず、マガジン検知スイッチを外します。
このスイッチはメカボックスの定位置にネジ止めされています。
取付部はちゃんと基板がズレるのを防ぐ為の突起やスイッチや配線を逃がす為の窪みが設けられています。


セレクターレバー基部を外します。
アンビ仕様と同じギア付きのパーツが付いていますが、本製品はアンビセレクター仕様では無いです。
また、この基部パーツを外したらセレクタープレートを取り外す事が出来ます。
尚、このプレートは金属製です。


また、こちらのメカボックスには色々な所に穴が開いており、セクターギアとラックギアの噛み合わせ部(AOE)が確認出来るようになっている他、逆転防止ラッチを解除させる為の穴やモーターシャフト裏側を通る配線を逃がす為の溝が設けられていたりします。


他にもシリンダー前後の四隅にはクラック防止の窪み(おなじみの割れ防止加工)と強度UPの為の膨らみが確認出来ます。


純正としてはかなり気合の入った仕様のメカボックスのようですね。
メカボックスの反対側はこんな感じ。
かなり特徴的な見た目として、リアルなボルトの凹凸(ボルトフォアードアシストノブが引っかかる部分)がメカボックス後ろ側に再現されているという点です。


スケルトンレシーバーとかを使った時にのみ見える部分なのですが、わざわざこういう形の金型を作る辺り拘りを感じます。
また、配線部も変わった見た目になっており、丸見えになっています。
これにより、信号線とのはんだ付けによって膨らんだ部分を回避する事が出来ているような気がします。

尚、アンビセレクターレバー用と思われる穴からは基板がチラ見しています。
もしかしたらアンビセレクターを使うと基板と干渉してしまう為に使わなかったのかも知れないですね。


尚、写真を見て分かる通り軸受はベベルギアとスパーギアがボールベアリング、セクターギアがオイルレスベアリングになっています。
また、軸受のサイズは全て8mmです。
メカボックスの分解と内部パーツについて
メカボックスを分解する前にまずはピストンスプリングを外します。
こちらのメカボックスはQDスプリングガイドを採用しているので、簡単にスプリングを取り外す事が出来ます。


ピストンスプリングガイドはステンレス製でスラストベアリングが付いているタイプです。

ピストンスプリングは自由長17.3cm程度とスタンダード電動ガン用としてはかなり短いです。
断面は両側共に綺麗に整えられており、片側にはスプリングレートを識別する為と思われる赤いインクが付着していました。



自由長は短いですがスプリングレートはかなり高く、6.5kg程度ありました。
東京マルイ純正比166.67%のスプリングレートで、『ACE1 ARMS M100』よりも少し柔らかい程度のスプリングレートがありました。
他メーカーの電動ガンだとARES M45、DE Airsoft Maxim Defense PDXなどの電動ガンと近いスプリングレートです。

メカボックス周囲に付いているネジを外します。
メカボックス上部の後ろ側2本だけスプリングワッシャーが付いていました。


これでメカボックスを開ける事が出来ます。
事前に逆転防止ラッチを解除しておけばスムーズに開ける事が出来ます。

グリスは程よい程度に塗布されており、粘度も丁度良い感じ。
シムも適度に組み込まれており、少なくともギア同士・ギアとメカボックスの擦れやTAITAN2への干渉は起きていませんでした。

ちなみに、AOEの具合も悪くはない感じでした。
もっと詰めれますが、箱出し状態でここまで出来ているのは結構珍しいです。

では内部パーツを詳しく見ていきます。
タペットプレートとノズルはこんな感じ。

タペットプレートはエッジが補強されているタイプで材質はポリマー製。
PLUS ULTRA POLYMERと書かれており、普通のポリマーよりもより強度の高い物が使われているようです。
羽の形状は程よいアールが掛かっており負荷を減らす措置が取られているようで良い感じですね。



また、羽は少しでも抵抗を減らす為か、かなり薄くなっています。
中腹部が段差になっていますが、これはDSG用に羽をカットする目安になりそうです。



ノズルは内側にOリングが付いているエアシールノズル。
非常に滑りの良い材質(POMかな?)で出来ています。


シリンダーやピストン周りはこんな感じ。

シリンダーヘッドはGATE EON PROTECTOR CYLINDER HEAD Ver.2が組み込まれています。
分厚いダンパーが組み込まれており、これがAOEの微調整に役立っているのだと思われます。



シリンダーは長い加速ホールが開いています。
これはARCTURUS製おなじみのステンレスシリンダーで、GA-TA01とGA-TA03の加速ホール長が19.9mmあり、GA-TA02は15mmと加速量が少なくなっています。


ピストンは全金属歯の樹脂ピストン、ラックギアの2枚目が全部削られているタイプです。


ピストンヘッドはGATE EON HIGH SPEED Piston Headが組み込まれています。
AOE調整用のスペーサーは入っていませんが、スラストベアリングは組み込まれています。



続いて、基板を取り外してトリガーを確認します。
トリガーはGATE NOVA TRIGGER 2B1というGATE TITAN専用のトリガーです。


トリガーにはイモネジが組み込まれており、引き代の量を調整する事が出来るようになっています。


逆転防止ラッチは変わったデザインになっており、シャフトがメカボックス側に圧入されておりそこにラッチとPOM製のカバーが刺さっています。


非常に組み込みやすく、ガタツキが起きにくい逆転防止ラッチの構造になっています。
ギアはこんな感じで、ARCTURUS製の13:1 ハイスピード強化ギアが組み込まれています。
そして、見て分かる通りセクターギアが8枚しか残っていません。


セクターカットは恐らくフライス加工で行われており非常に精度が高いです。

配線を抑える為の樹脂製カバーが付いています。
モーターを抜き差しする際にピニオンギアでケーブルを引っ掛けてしまう可能性をなくす事が出来る仕様です。

最後にGATE TITAN2を取り外して、外部スイッチも外しました。


GATE TITAN2本体はこんな感じ。
セクターギア、トリガー、セレクタープレートの検知は光センサーによって行われているので物理的なスイッチは付いていない電子トリガーです。



という訳で、TRINITY ARMAMENT ALPHA AEG CARBINE 11.5″(GA-TA01)の分解レビューは以上になります。
開封レビュー記事でも触れましたが、内部パーツに関しては殆どがカスタムパーツが組み込まれているような状態の、かなりクオリティが高い電動ガンになっている事が分かりました。
GATEとARCTURUSのコラボ製品という事もあり、GATE社製カスタムパーツとARCTURUS社製カスタムパーツ盛りだくさんな仕様です。
