ActionArmy AAC-C1 ATHENAの分解レビュー
記事作成日:2024年12月3日
先日開封レビュー記事を書いたActionArmy製のガスボルトアクションライフル、AAC-C1 ATHENAを分解していきます。
こちらの製品は東京マルイのVSR10ベースでありながらガス式かつガスタンクが着脱可能というかなり特殊な仕様の製品になります。
ストックとレシーバーの分離
という訳で、まずはストックとレシーバーの分離から。
ここはVSR10と同じでストック底部から3本のネジで固定されています。
ストックはこんな感じ。
基本的にはVSR10のストックっぽい感じですが、所々変わった所もあります。
まず、本製品はアウターバレルの先端部が細いのでストックの先端部も細くなっています。
この為、太いアウターバレルを用いるVSR10純正仕様のアウターバレルを使う事は出来ません。
また、トリガーガード前側にイモネジが付いており、これによってスプリングガイドストッパーの緩みを防いでいるようです。
レシーバー側を見ていきます。
ActionArmy AAC-C1 ATHENAは形こそ特徴的ですが、この辺りを見るとVSR10らしさが出てきます。
セーフティレバーの形も特徴的ですね。
レシーバー後部のボタンを押下する事で連動しているレバーが下がり、トリガーが引けなくなる構造です。
ボルト部の取り外し
続いて、ボルトを取り外すのですがまずガスタンクとガスタンクを押し出す為のパーツを取り外しておきます。
外さなくても取り外せそうな気もしたのですが、シアーに引っかかってしまったので外しました。
ActionArmy AAC-C1 ATHENAのスプリングガイドストッパー的なパーツは2つ付いており、VSR10にもあるトリガーボックス底部から刺さっている物とボルト脇から刺さっている物です。
何故二重になっているのかは謎。
もし横からの固定であればボルトの着脱が楽だったんですが、下からも刺さっているのでストックを外さないとボルトを抜く事が出来なくなっています。
これでボルトを抜く事が出来ます。
本製品はエアーコッキング式とガス式を切り替えれる仕様になっているとの事ですが、最低限この分解は必要なんじゃないですかね…。
ボルトとスプリング、スプリングガイドはこんな感じ。
スプリングガイドにはメインスプリングを固定する為なのかゴムチューブみたいなのが巻かれています。
シリンダー本体はこんな感じで、VSR10のシリンダーの上側が削り取られているような見た目をしています。
ノズルはシンプルな二段になっているタイプ。
ボルトハンドルはこんな感じ。
この辺りもVSR10と互換性がありそうですね。
ちなみに、スプリングガイドストッパーとレシーバー横から刺さってるストッパーの位置関係はこんな感じ。
スプリングガイドストッパーはその名の通り、スプリングガイドを抑えるのに使われています。
横から刺さっているストッパーはシリンダー脇についている穴に刺さるような形になっています。
やっぱり、横から刺さっているストッパーの目的がよく分からない…。
この仕様からシリンダーも特殊である事が分かります。
一般的なVSR10のシリンダーにはこういう横穴は開いてないですからね。
トリガーの取り外し
もしVSR10の普通のシリンダーを使うなら、横穴を開ける加工を施すか横から差し込むピンを取り付けないかの2択になるかなと思います。
続いて、トリガーボックスを外します。
こんな感じのトリガーボックスで、90度シアーが組み込まれている以外はVSR10用のトリガーボックスですね。
というか、同社のVSR10互換ボルトクションライフル(T10やT11など)に組み込まれている物と同じ製品だと思います。
こちらのトリガーボックスはシアー開放のタイミングを調整する事が出来ます。
1.5mmの六角レンチを差し込んで締め込む事で、シアー開放のタイミングまでを短くする事が出来ます。
トリガーの遊びや引き代は変わりません。
側面のネジを外してトリガーボックスを分解します。
トリガーやシアー回りの構造はこんな感じ。
中身もAAC T10に組み込まれている物と同じなので、同社のVSR10コピー品と特に変わりは無さそうです。
レシーバーとバレルの分離
続いてレシーバー側のパーツを外していきます。
まず、フロントサイトとリアサイトから。
これらのパーツは上部からネジ止めされているだけです。
リアサイトを外したらレシーバーとアウターバレルを分離させる事が出来ます。
リアサイトの固定ネジはアウターバレルの緩み止めも兼ねているので、リアサイトは外しておく必要があります。
レシーバーに付いているカバーを外しました。
レシーバー内側とカバーの内側には樹脂製のガイドが付いています。
これに加えて、レシーバーの前後にはシリンダーガイドリングが付いています。
続いて、アウターバレルからチャンバーを取り外します。
チャンバーブロックを固定しているネジを外し、チャンバーブロックを取り外した後HOP調節レバーを取り外します。
その後、アウターバレルからチャンバーASSYを引っこ抜きます。
尚、インナーバレル先端にはガタ取り用のOリングが付いているのですが、抜く際に引きちぎれました。
チャンバーを抜こうとした時には既に引っかかっているような感触があったので最初から千切れていたか、千切れ掛けた状態で組み込まれていたのかも知れません。
チャンバーの分解
チャンバーはこんな感じで、これもまんまVSR10ですね。
HOP調整レバーを外してチャンバーを真っ二つにします。
HOP調整レバーに付いているプランジャーはこんな感じ。
東京マルイのVSR10には円錐状のパーツが組み込まれており、クリック感が分かりやすくちゃんと1クリック毎に止まってくれますが、本製品はボールなのでクリック感が分かりにくく、細かな調整がやりにくくなっています。
ちょっと動かそうとしても一気に数クリック動いてしまうのはこのボールが原因だと思います。
HOPアームはこんな感じで中央が窪んでいる幅広の面押しタイプ。
このアーム自体は色々と使い道がありそうです。
HOPパッキンはAACと文字が入っているニトリルゴム製。
硬度は低めで50〜60度程度な感じがします。
HOPの突起は東京マルイ純正形状のシンプルな突起です。
インナーバレルはアルミ製の黒色のアルマイトが施された物で、バレル長は300mm。
HOP窓はシンプルな形状ですが、バレルの回転止めの窪みが前側にも付いていますが、この窪みは本製品のチャンバーでは使われていません。
ガスタンクの分解
ガスタンクはこんな感じの構造になっています。
放出バルブの形状はこんな感じ。
この銀色の部分がボルトの先端に衝突する事でバルブが開放されます。
放出バルブに流れるガスはガスタンク内側中央のこの穴を通ります。
ガスタンク自体にも仕切りは無し。
このガスタンクは射撃時に勢いよく前後するので、中で液体ガスがシェイクされながらガスが放出されるので、もはや「気化室を作る」なんて考えは持てないのかも知れません。
対策出来そうな事があるとしたら、気化ガスだけを入れておくとかでしょうか…。
という訳で、ActionArmy AAC-C1 ATHENAの分解レビューは以上になります。
これをどう弄るのか…全く思いつかないので、特にカスタムはせずに組み上げるだけになるかも知れません。
元々、面白い仕様だな〜程度で性能的な面の期待はしていなかった銃なので…。
多分改善するとしたらガスタンクの構造でしょうね。
生ガスを吹かないような対策が出来ればそれなりに使えるようになるかも知れませんが、なかなか難しい…。
仕切りを設けて気化室を作るにしてもガスタンク自体が回転してしまうのでうまくいかなさそうですし…。