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ActionArmy AAC-C1 ATHENA VSR10互換系ガスボルトアクションを買いました

記事作成日:2024年11月14日

ActionArmy製のVSR10互換ガスボルトアクションライフル、AAC-C1 ATHENAを購入しました。
元々9月中発売予定で予約していたのですが、相変わらず2ヶ月位は遅れるみたいですね…。

ガス式のVSR10は以前から存在しており自分も使った事はありますが、本製品のようにガスタンクが着脱可能になっているモデルは業界初なのではないかと思います。

昔から存在し、問題だらけの機構を採用している製品の新作なんて試すしか無いなと思って買ってみた次第です。

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付属品について

内容物はこんな感じで、銃本体とカートリッジ式のガスタンク、マガジン、説明書です。
尚、カートリッジ式のガスタンクは本体に1個組み込まれた状態になっています。

説明書には基本的な操作方法やパーツリストが記載されています。

また、純正オプションパーツの紹介もあります。
どうやら12g CO2カートリッジに対応させるガスタンクがあるようですね。

尚、元々「エアーコッキングとガス式を切り替えれる」という触れ込みで、販売店からの情報では別売りオプションパーツを用いてエアーコッキングライフルとして使えるらしい(クロスシステムと呼ばれている模様)のですが、2024年11月現在ではそのようなパーツの存在は確認出来ず、今時点でエアーコッキング化をさせようとすると、ボルトハンドルをVSR10の物に交換してエアーコッキング対応させる形のような気がします。
なので、サクッとガス式とエアー式を切り替えれる訳ではなく、毎回分解が必要になると思います。

この別売りのオプションパーツはいつ出るんでしょうか…。
そして、その『別売りパーツ』とやらが単なるVSR10用ボルトハンドルだったりしないよな…?とちょっと懸念があります。

付属のマガジンはAction Army製のVSR10系50連マガジンです。
同社のAAC T10、T11用の物と同じでしょう。

尚、このマガジンは東京マルイ VSR10とは相性問題があり、装着すると抜けなくなるという問題があるので東京マルイのVSR10で使用する場合は注意が必要です。

本体の外観レビュー

という訳で、AAC-C1本体を見ていきます。
かなり変わった見た目というか、実銃で言うと22LRを使用する小口径ライフルみたいな見た目をしています。
個人的にはちょっとカッコよくしたコルク銃みたいな印象を受けました。

重量は2キロ未満とVSR10系の中では結構軽めな製品ですし、全長も900mmと短いです。

マズル部はこんな感じで、アウターバレルはアルミ製ですがマズル部は樹脂製のカバーが付いています

樹脂製のカバーを外すと14mm逆ネジが出てきます。
この14mm逆ネジ部はアウターバレル一体型ですが見ての通り塗装はされていません。
尚、ネジ山の上下が平らになっており、イモネジ固定のマズルデバイスを取り付けてもネジ山が損傷しないようになっています。

インナーバレルはマズル先端近くまで伸びており、インナーバレルの色は黒色です。

バレル基部、ストック前側はこんな感じ。
バレル基部はVSR10規格なので非常に太く、先端部が細くなっている特徴的な見た目をしています。

ストック前側の底部にはスリングスイベルやバイポッドを取り付ける為のスイベルスタッドがあり、左右にはQDスイベルホールが付いています。

マグウェル部はこんな感じで、マグウェル前側にマガジンキャッチボタンが付いています。
また、ここからチャンバーが確認出来ます。

マガジンを装着するとこんな感じ。

HOP調節レバーは本体左側に飛び出しています。
少し引っかかりがあり、細かく調整するのが難しかったです。
クリック感が無く、ちょっと動かそうと思っても一気にグッと動いてしまう感じです。

フロントサイト、リアサイトはこんな感じで、フロントサイトにはオレンジ色の集光ファイバーが付いており、リアサイトには白色の点が付いています。
フロント・リア共に調整する事は出来ません。

フロントサイト
リアサイト

サイトピクチャーはこんな感じで、オレンジ色の点を白い点に重ねるような感じで覗きます。
意外と狙いやすいアイアンサイトだと思います。
これで調整が出来れば良かったんですがねぇ…。

レシーバー上部はこんな感じで、マウントレールを取り付ける為のネジ穴が3つ開いています。
また、左側はヒンジになっています。
これを空けてガスカートリッジの交換が出来るのですが、それは後述します。

明らかなガタツキは無いですが、押し込むと少し動くので、ここに光学サイトを乗せるのはどうなんだろう…という印象を受けます。

エジェクションポートはこんな感じで、シリンダーではなくガスカートリッジが確認出来ます。

『MADE IN TAIWAN cal. 6mm BB』、『READ INSTRUCTION BEFORE USE』と入っています。

ボルトハンドルはこんな感じで、VSR10 Gスペックのような感じで途中で折れ曲がっているボルトハンドルが付いています。
ハンドルは比較的大型で操作性は悪くない感じでした。

ボルトハンドル下げた状態と起こした状態はこんな感じになります。

ボルトを引くとこんな感じ。
VSR10の半分程度のストローク量で、ボルトハンドルの操作も軽いのでかなり引きやすいボルトでした。

セーフティレバーはボルトハンドルの下側中央に付いています。
ボタンを押し込む事でセーフティがONになり、裏側から飛び出しているボタンを押す事でセーフティを解除します。

トリガーはこんな感じで、結構遊びは多めですが、同社製のトリガーASSYは今まで引き代の調整が可能な物が採用されていたので、調整は可能なのではないかと思います。

無負荷状態
この辺りまでは非常に軽い
シアー開放直前までは少し重い

グリップ部はこんな感じで、細身な形状になっています。

ただし、上下が分厚いので親指を回り込ませようとすると結構手が大きくないと握りにくいです。
自分は親指を回り込ませないような握り方の方が使い勝手が良かったです。

親指を回り込ませるとちょっと使いづらい
この握り方の方が安定する

グリップ部底部は四角形になっています。

ストックのデザインもかなり特徴的で、やたらと小さいです。
頬付部は少しだけ膨らんでいますが、それでも気持ち程度のサイズで「流石に小さすぎないか?」という印象。

バットプレートは樹脂製で滑り止めの凹凸が付いていますが、グリップ力は全然無いです。
尚、ストック下側にはQDスイベルホールが付いています。

ストックが小さいのは厚みや上下だけではなく長さも短く、グリップ部付け根の所から29.5cm程度しか無いです。

どの程度短いかと言うと、グリップ部の位置を合わせた状態にするとAR15系の伸縮ストックを一番短くした状態とほぼ同じ長さで、レミントンM700系ストックよりもかなり短いです。

これにより普通のボルトアクションライフルに慣れていると構えた時の違和感が大きいです。

ガスカートリッジの交換について

ガスカートリッジを交換するにはエジェクションポート後ろ側に付いているロックレバーを引っ張ります。

これでカバーのロックが解除され、開ける事が出来るようになります。

カバーの内側にはシリンダーが暴れないようにする為の樹脂製スペーサーが付いており、ガタツキを抑える為のゴム板が貼られています。

非常にシンプルな固定方法で、しっかりロックされている訳では無い事が分かります。
先述の通り、ガタツキは無いものの蓋を押したりすると動くので、ここにマウントレールを取り付けるという構造はかなり精度が低くなる物と思われます。
特に重いスコープなどは付けない方が良いかも知れないですね。

ガスカートリッジの交換を説明します。
蓋を空けた状態でボルトを引くとこんな感じになります。

そのままボルトを少し前進させた状態でカートリッジを前側にスライドさせ、指でカートリッジを押すと外れるのですが、たまに噛み込んで抜けなくなる事があるので、そういう時はボルトとカートリッジの間にマイナスドライバーを差し込んで外してやると良いです。

ボルト側には磁石が付いており、この磁石でガスカートリッジが固定されています。
尚、説明書にも注意書きがあるのですが、カートリッジ未装着状態でトリガーを引くとこの磁石が吹き飛び破損してしまう可能性があるそうなので、ガスカートリッジは必ず付けておくようにしましょう。

ノズル側はこんな感じ。
このノズルの内側にガスカートリッジの放出バルブがぶつかり、ガスが放出される感じですね。

ガスシリンダーを取り付けるにはノズル側にシリンダーを差し込み、そのままボルトの後ろ側にシリンダーをスライドさせます。

カートリッジの交換を動画に撮ってみました。

ガスカートリッジについて

本製品にはガスカートリッジが2本付いてきます。
共にリキッドチャージ式のカートリッジで、前後がスチール、中腹部がアルミで出来ています。

放出バルブと注入バルブはこんな感じで、注入バルブは海外仕様の物になっています。
この放出バルブが叩かれるとガスが放出されます。
この構造自体は既存のVSR10用ガスシリンダーと同じ仕様ですね。

ガスタンクの重量は105g、そのままHFC134Aを30秒ほど充填した所、106gになりました。
1gしかガスが入らないなんて事あるのか…?と思って何度か試したのですが、何度試しても106gでした。

ガス空の状態
ガスを充填した後

注入バルブを国内仕様の物に交換してみます。
注入バルブはWE/VFC/KJ Worksなどのメーカーと同じ形状なので、市販されているWE用の国内向け注入バルブに交換可能です。

注入バルブを日本仕様に変更した所、116gまでガスが入るようになりました。
ガス容量自体はハンドガンのマガジン位ですね。

マガジンの互換性について

東京マルイ VSR10のマガジンが使えるかどうかを試してみました。

結果はとりあえず使う事が出来るものの、少しガタツキがありたまに給弾しない事があり、マガジンをグッと奥まで差し込むようにするか、マガジンを抑えながら使うと安定しました。

箱出し状態での作動性と初速について

箱出し状態で動かすとこんな感じ。
勢いよく100g超えのガスカートリッジが前進するので、リコイル感がありますし、「カツン!」と良い音が鳴ります。
感覚的にはVSR10 リアルショックバージョンと同じような感じです。

ただし、動画にも映っていますがかなりの生ガスを吹き出しています。
これは従来のVSR10系ガスボルトアクションライフルでも同じ事が起きます。

これを防ぐにはガスタンクに仕切りを設けて帰化室を確保してやる必要があるのですが、本製品はカートリッジが固定されていないので、構造的に無理かも知れません。

また、動作検証中に気づいたのですが、ボルトを引ききった時にも放出バルブが叩かれるので生ガスが吹き出します。
勢いよくボルトハンドルを引くと100%発生するので、これを防ぐにはボルトハンドルをゆっくり引く必要があります。

という訳で、箱出し状態の初速を測っていきます。
尚、動作検証に使用しているガスはHFC134A、BB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。
HOP量は最低だと弾ポロしてしまっていたので、程よく掛けた状態にしています。

尚、1発撃つごとに2〜3秒程度は時間を置きながら撃っています。(連射すると生ガス吹きすぎて初速計測が出来なかった為)

まずは常温(23度)の状態から。
最初のうちは初速50m/sでしたが生ガスを吹いた影響で急激にガス圧が低下、8発撃ち終わった段階では35m/sまで低下していました。

カートリッジを温め35度までしました。
初速は76m/s程度まで上がりましたが、これも初速はどんどん下がっていき、8発撃ち切る頃には62m/sまで低下しました。

最後に45度まで上げた状態の初速を測っていきます。
94m/sまで上がりましたが、これもやはり初速の低下が著しいです。
ただ、温かい分初速の低下は控えめですね。

尚、燃費に関してはとりあえず50発位は1カートリッジで撃てましたが、20発も撃ってるとまともな初速は出なくなります。


という訳で、ActionArmy AAC-C1 ATHENAのレビューは以上になります。

海外製品だと「問題あっても調整すればなんとかなるか」というケースが多いのですが、本製品は構造上の問題が大きいので、調整して何とかなるかなぁ…?という印象です。

このタイプの製品を買う場合は注意した方が良いですね。
自分は過去に同様の製品を使って弄った事もあるので、分かってて買っていますが…。

とりあえず分解してみてどの程度VSR10との互換性があるのかを見ていこうと思います。

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