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ARROW DYNAMIC製電動ガン、AKM(AD-AEG023)のレビュー

記事作成日:2025年3月31日

2025年 SAMURAI 3万円福袋から出てきたARROW DYNAMIC製の電動AKM(モデル名:AD-AEG023)のレビューを行っていきます。

ARROW DYNAMICのAKシリーズはE&Lの工場で製造されている製品ですが、本家E&Lよりも安価で提供されているのが特徴の製品になります。(SAMURAIでの販売価格は31,300円)

基本的な仕様はE&L製品と同じですが、パーツの組み立ての粗さが目立つ個体が多い気がする製品です。(再組み立てで問題が改善する事もある)

内容物について

内容物はAKM本体とマガジン、説明書のみのシンプルな感じ。
AKMやマガジンが収められている袋は全体的に黄ばんでおり、出荷時点ではオイルが塗布されていたような感じですが、開封時点ではオイルが気化してしまっていたのか一切無く、一部パーツは錆びている状態でした。

説明書は日英併記で、基本的な操作方法や分解方法、パーツリストが記載されています。

マガジンについて

付属のマガジンは装弾数140発のスチールマガジンです。
特徴的な凹凸は再現され、プレスのつなぎ目である背中もしっかり閉じていますがいますが、全体的にのぺっとした感じでリアルさがちょっと欠けてる気がします。(外装が薄いというのもあると思います)

マガジン上部はこんな感じで、フォロワーがBB弾1発分奥まった位置で停止している為、撃ち切ってもマガジン内に1発残る事があります。

マグウェルに引っかかる前側は別パーツになっていますが、後ろ側のマガジンキャッチに引っかかる部分はマガジンインナー一体型の樹脂製になっています。

マガジン底部はこんな感じ。
ここもスチールプレスで出来ています。

本体の外観レビュー

という理由で、外観を見ていきます。
本製品はAKMなのでハンドガードとストックが木製、グリップが樹脂製になっています。
木製パーツはリアルウッドで、赤みがかった特徴的な色のニスが塗られています。
また、外側に見えている金属部品はすべてスチールで出来ており、外観はかなりリアルに出来ていると思います。

フラッシュハイダーはAKMの特徴でもある先端が斜めにカットされた物が付いています。

フロントサイト前側に付いているプランジャーを押しながらフラッシュハイダーを回す事で外す事ができます。
マズルのねじ切りは14mm逆ネジになっており、各種マズルデバイスの取り付けが可能になっています。
また、ネジ部にはネジロック剤と思われる赤っぽい粉末が付着していましたが、これは多分サビじゃないかなと思います。

フロントサイトは回転させる事で上下の調整が出来ますがかなり硬いです。
また、左右に飛び出している出っ張りを叩く事で左右に微妙に動かす事もできます。(本来は専用治具を使って調整するらしい)

アウターバレル周りはこんな感じで、底部にはクーニングロッドが付いています。

クリーニングロッドはマグウェル部まで伸びている非常に長い物が付いており先端はメンテナンス用のブラシを取り付ける為のネジ山も設けられています。(メンテナンスツールは付属していませんし、クリーニングロッドの長さ・ねじ切りがリアルな仕様かどうかも不明)

ガスピストン部はこんな感じ。

ハンドガード前側にはスリングスイベルが付いています。
スリングスイベル部にはサビが出ていました。

ハンドガードはこんな感じで、ハンドガード下側左右の膨らみ、底部の穴、金属ピンなどAKMのハンドガード形状がよく再現されていると思います。

リアサイトブロックとリアサイトはこんな感じ。
リアサイトには1〜10までの目盛りが付いており、白色で塗られています。

リアサイトの上下を調整するとこんな感じ。

サイトピクチャーはこんな感じ。

レシーバー左側はこんな感じ。
刻印は☆1976 021079と入っています。

至る所にリベットやピンが打ち込まれていますが、整形で再現されている訳ではなく、基本的にちゃんとリベットやピンが打ち込まれています。

マグウェルはこんな感じで、前側にはマガジンを引っ掛ける為の凹凸が付いています。
最近のAKの電動ガン系にはマガジンがマグウェルの奥まで入りこまないようにスペーサーが追加されていたりしますが、本製品はそういう物は付いていません。

マガジンは前側を引っ掛けた、その状態でマガジンキャッチがロックされる場所まで押し込みます。

尚、必要以上にマガジンを置くまで差してしまうとマガジンキャッチがちゃんとロック出来ないだけですが、逆にマガジン前側を引っ掛けそこねたまま、マガジンキャッチがロックされてしまうと噛み込んでマガジンが抜けなくなってしまうので注意が必要です。
強引に引っ張ればマガジンは抜けますが、結構コツが必要です。

正常にマガジンがロックされるとこんな感じになります。

レシーバー右側はこんな感じ。

セレクターレバーは上からセーフ、フルオート、セミオートの順番で動きます。
しっかりしたクリック感があるレバーで、操作はそれなりに硬いです。

セーフ
フルオート
セミオート

ボルトハンドルは半分位動きます。
尚、AK系のボルトハンドルはセレクターレバーをフルオートかセミオートに入れておかないと後ろまで引く事が出来ないです。(セーフ状態だとセレクターレバーとボルトハンドルが干渉する為)

HOPダイヤルは東京マルイと同じで前後にスライドさせるタイプ
LAND ARMS刻印が見えます。

トリガー周りはこんな感じ。
トリガーガードは金属板を曲げて作られており、丸みを帯びています。

グリップは茶色い樹脂グリップが付いています。
シンプルな成形樹脂色で、ベークライトの特徴的な色ムラはありません。

結構頑張って薄くしているような印象はあるのですが、薄型ではなくフルサイズのモーターが内蔵されているのでグリップは割と太めです。

トップカバーやロックボタンはこんな感じ。
もちろんこちらもプレスで作られており、特徴的な凸も再現されています。

ストックはこんな感じ。
ストック基部は上下からネジ止めされており、スリングスイベルもネジ止め。
また、ストック根本とバットプレート側に金属ピンが刺さっています。

ストック機部の上側はこんな感じ。

バットプレートは金属製でクリーニングキットを収納する為の蓋も稼働します。(クリーニングキットは入っていません)

組付けの問題点について

本製品、パット見は部分的に錆びている程度で致命的な問題は無さそうに見えますが実はかなり大きな問題があってバレル根本から左側に曲がっています。
アウターバレルの途中で曲がっていたり、フロントサイトが傾いて付いているのではなくバレルの基部から左に曲がっているんですよね…。

なので、レシーバーを基準にして真っ直ぐ覗くとフロントサイトの位置がちょっとだけ左に来ます。

組み直しで治るかも知れませんが、基部から曲がっている場合、アウターバレルを固定している基部パーツ自体がズレて固定(溶接)されている可能性があるので、とりあえず分解してみて確認しないと改善出来るかは分からないですね…。

尚、バレルの根本から曲がっているおかげで弾道への影響は無さそうなんです。
なので、アイアンサイトで狙う分にはちゃんと狙った所に飛んでいきます。

バッテリーについて

バッテリーを入れるにはトップカバーを外します。

ヒューズは小型平型の30A、バッテリーコネクタはミニコネクタが採用されています。

ガスピストンが収まる部分(リアサイトブロックと上部ハンドガードの内側)は空洞になっており、ここに細いバッテリーなら入れる事も可能です。
例えばスティックタイプ(うなぎタイプ)のLiPoバッテリーであればバッテリーの1/3位をハンドガード内側に入れる事が出来るので配線の取り回しが楽になります。
逆にAKタイプでもセルサイズが太い物は無理です。

空洞になっているリアサイトブロック〜上部ハンドガード内側
上:LiPoバッテリー、下:リチウムイオンバッテリー

箱出し状態での初速と発射サイクルについて

という理由で、箱出し状態での初速や発射サイクルを見ていきます。
検証に使用したBB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾、バッテリーは動作検証でよく使っている7.4V 2000mAh 25C LiPoバッテリーで、ミニコネクタへの変換をかませて使っています。

HOP最低の状態が最も初速が高く、HOPを強くしていくと初速が下がっていくよくある電動ガンの仕様になっていますが、HOPをかけると初速が不安定になっていきます。

HOP最低の状態(最大初速)が88m/s後半〜87m/s後半程度、HOP量真ん中位が79m/s前半〜76m/s後半程度、HOP最大の状態は64m/s後半〜59m/s前半程度といった感じでした。

HOP最低の状態
HOP量真ん中位
HOP最大の状態

HOPパッキンが極端に硬いか、気密取れてない感じですね。

フルオートの発射サイクルは秒間14.7発
ちょっと遅いですが安価な海外製電動ガンとして考えるとそんなに悪くはない発射サイクルだと思います。

屋外で撃ってみた様子

という理由で、箱出し状態でどんな感じに飛ぶのかを見ていきます。
場所はサバイバルゲームフィールド ジェロニモのシューティングレンジ、BB弾はHITCALL 0.25g BB弾です。

ちょっと浮き上がらせるようなHOP量にすれば40m位であれば容易に狙う事が可能な感じでした。
また、動作音に関しても別に静かでは無いですが異音は無く悪くは無い印象です。

40m先にある人の胴体程度のサイズがあるターゲットにもそれなりに当たってはくれるので、案外実射性能は悪くはないのかな?と思います。
ただし、上下には割とブレるので、セミオートでしっかり狙って撃つというよりもフルオートでばら撒く感じの使い方が良いと思います。


という訳で、ARROW DYNAMIC AKM(AD-AEG023)のレビューは以上になります。
そのうち分解レビューやカスタムも行っていこうと思いますが、正直新作でも何でも無いので普段の頻度(翌日分解、その週のうちに調整とか)からはだいぶ低下すると思います…。

ARROW DYNAMIC (アローダイナミック) E&L AKM 電動ガンhttps://www.samurai-gear.jp/shopdetail/000000006624/

本製品は福袋から出来た製品という事もあるので、『2025年新春 エアガン福袋限定サバゲー』の様子も紹介します。
本製品は後編の最後の方で紹介しています。

開封の儀 前編

開封の儀 後編