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PDI製 電動ガン用インナーバレルのルーズバレル(内径6.15mm)のレビュー

記事作成日:2018年11月8日

株式会社 PDI様より、インナーバレル5種類のレビューをご依頼頂いたのでレビューしていきます。

今回レビュー用にお送りいただいた製品は、6.01mm、6.03mm、6.05mm、6.08mm、6.15mmの5種類になります。
長さに関しては当方からのお願いで、全て210mmに統一して頂きました。

長さを210mmでお願いした理由としては「私が210mm程度のバレル長が好きだから」です。
長さを統一させた理由としては、同じ長さでどういう違いが出るのか?を検証したかった為です。

本来は銃のセッティングに合わせて適切な長さを選択するべきなのですが、今回はバレル以外の仕様を全て同じにして比較した場合、どういった違いが出るのかを検証していこうと思っています。

尚、210mmのバレルは、本レビュー専用の長さとなります。
万が一「同じ長さが欲しい!」という場合は、PDI様までお問い合わせ下さい。

専用品以外の既成品に関しては、公式販売店である「X-FIRE」をご参照ください。
http://www.x-fire.org/

当記事では、こちらの内径6.15mmのインナーバレルについて、ご紹介していきます。

他の内径については、別の記事で紹介しています。

尚、こちらのインナーバレルは2018年10月1日に発表されたばかりの新製品になります。
PDI社のプレスリリースページ(http://www.pdijapan.co.jp/?p=171)

ルーズバレルという製品の特徴の紹介

まず、こちらの製品はかなり特殊な仕様の製品なので、まずは「ルーズバレル」について簡単に説明します。

その名の通りというか内径の表記の通りなのですが、一般的には東京マルイ純正の6.08mmよりも内径の狭いバレルを「タイトバレル」と呼び、逆に内径の広いバレルを「ルーズバレル」と呼びます。

基本的にインナーバレルの内径が広くなれば広くなるほど初速は低下しますし、インナーバレル内で弾が暴れるので普通は精度が悪くなります。

ではルーズバレルは何のためのバレルなのかと言うと、バレルとBB弾の間の隙間を広くする事でそこに空気を流して弾道を安定させるのを目的としています。
しかし、先述した通り通常のセッティングではバレルとBB弾の隙間を流す為のエアー、すなわち「余分なエアー」が十分に確保出来ず、逆に失速したりBB弾がバレル内で暴れてしまう原因になります。

それを実現する為の要素が、

  • 硬いスプリング
  • 重いピストン
  • 適正以上の大量のエアー

の3つです。
「流速チューン」と呼ばれるカスタムがありますが、それの事ですね。

流速チューンではフルシリンダーが推奨されたり、場合によってはボアアップシリンダーを使って更にエアー量を増やす場合がありますが、個人的にはシリンダー容量はバレル長に合わせて選んだ方が良いと思います。
基本的に加速シリンダーを搭載しているモデルであれば、位置段階加速量の少ないシリンダーを組み込めばOkです。

バレル長400mmを超えるような長さのバレルを使わない限りフルシリンダーは要らないと、私は思っています。
むしろセッティングを難しくするだけな気が…。

そして、硬いスプリングと重いピストンを使って一気にエアーを圧縮、高い圧力で打ち出すという感じですね。
圧力を高める為にノズルを少し絞る場合もあります。(少し厚手の熱収縮チューブをノズルに差し込んで接着剤で固定するのがオススメ)

スプリングを固くしたりする事によって必然的にモーターやギア、軸受を変える必要が出てきますし、ピストンのAOE調整もしっかりやっておかないと耐久性に問題が出てきます。
更に言うとチャンバーパッキンや押しゴムの形状にも拘った方が良いでしょうね…。

そういったかなりゴリゴリにメカボックス側をカスタムする事を前提とした、カスタムバレルが「ルーズバレル」になります。

PDI 6.15mm インナーバレルのレビュー

少しバレルのレビューとは違う話が入りましたが、6.15mmのインナーバレルをレビューしていきます。

材質はステンレス(SUS304)で、銀色をしたバレルになります。

マズルのテーパーはシンプルな感じですが、HOP窓の形状は前側が大きく斜めにカット、後ろ側も若干斜めにカットされており、HOPを強く掛けた時など、チャンバーパッキンを強く押し付けた時にゴムがヨレないようにする為の処理が施されています。
この処理は重量弾を使う事が多い流速チューンでは、必須と言っても良い処理だと思います。(重量弾を使う為にHOPを強くかける事が多い為)

バレルの側面にはPDIのロゴと「.15 PDI JAPAN」と刻印が入っています。

内径の差を東京マルイ純正のインナーバレルと比較してみます。
この差ですよ。(写真だと伝わりづらいかもですが、結構違いあるんです…)

重量は45gと6.08mmのバレルよりも1g軽かったです。

また、6.01mm〜6.05mmのバレルは47gだったので、タイトバレルとノーマルバレルとルーズバレルで1gずつ重さが違うみたいですね。

という訳で、こちらのインナーバレルを今回検証機として使う東京マルイ P90TRに取り付けていきます。
計測時の条件など、詳しい事は6.08mmの記事を参照して頂きたいのですが、純正から少し変えてる点としてガタツキ対策の為に真鍮製のインサートを取り付けています。

まずは初速チェックから。
使用弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾を使っています。

尚、東京マルイ純正の内径だと初速は83m/s前半、PDIの6.08mmだと83m/s半ばでした。

6.15mmで撃った結果は79m/s後半。
かなり下がりましたね。

  1. 79.84m/s
  2. 79.75m/s
  3. 79.81m/s
  4. 79.73m/s
  5. 79.69m/s

また、ほんの僅かながら初速のバラツキが目立ちました。
続いて、グルーピング(集弾性能)の比較を行っていきます。

グルーピングの比較を行うにあたって、千葉県酒々井市にあるガンショップ DEFCON_1さんのレンジをお借りしました。

電子ターゲットが設置されており、射撃した結果がリアルタイムで手元のディスプレイに反映されるので、こういう検証をする時にとても便利なのです。
尚、距離は25mです。

使用する銃の仕様はこちら。
初速の検証にも使ったP90TRにスコープ(DEON March Compact 1x-4x24mm D4V24IML)を乗せています。(もちろん、ゼロイン済みです)
弾は東京マルイ 0.25g バイオBB弾(現地で購入した新品)、射撃体制は机の上に銃をレストしての射撃になります。

こちらを10発を1セットとして、3回射撃を行いました。

尚、東京マルイ純正インナーバレルだと、このような結果でした。

  1. 147mm
  2. 130mm
  3. 148mm

では、6.15mmのインナーバレルに変えて撃っていきます。

  1. 153mm
  2. 153mm
  3. 135mm

上下左右と、まばらに散りました。
これは冒頭でも述べたとおり、間違いなくメカボックス側とセッティングが合っていない事に起因する問題でしょう。

本来は流速チューンを行った上で組み込むべきなのですが、今回の検証の趣旨は「バレル以外そのままで比較するとどうか?」という内容なので、こういう結果になりました。

当たり前ですが、ルーズバレルを入れたからといって流速チューンになるわけではありません。
バレルだけではなくメカボックス側も、インナーバレルに合った適切なカスタムを施す必要があります。

という訳で、このルーズバレルに関しては別途メカボックス側をカスタムした上での検証をやろうと思っています。
実はP90のメカボックス自体は何個か持っており、それを使おうと思っています。

というか、実はこの記事を書いている段階では既にカスタムには着手しているのですが、少々調整に時間が掛かっておりまして…。
マルイ純正メカボックスをQDスプリングにしたい…。


他の内径のバレルについて

他の内径のインナーバレルについては、別の記事でレビューしています。