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G-Force NOIR SUPPRESSION ストックチューブインサイズ ハイCレート LiPoバッテリー 7.4v 1100mAh 40Cを買ってみた

記事作成日:2020年5月11日

フルオートに特化し、均一なサイクルを実現出来る事を売りにしているG-Force(ジーフォース)社製品のLiPoバッテリー『NOIR SUPPRESSION(ノワールサプレッション)』シリーズを買ってみました。

ミニSサイズやセパレート、電ハンサイズなど色々なサイズが出ていますが、今回購入したのは7.4V 1100mAhのストックチューブインサイズの製品です。

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パッケージの「制圧射撃」という文字が非常に印象的でしたが、製品のコンセプトがこれみたいですね。

  • フルオートサイクルを力強く支える、専用チューニング!
  • 中ダレを防ぎ均一なサイクルを実現した放電力!
  • 制圧射撃に最適な高C仕様!
  • リポバッテリーならではのキレもバツグン!

との事です。

今回はこの40CというCレートに惹かれて…というか気になって買ってみました。
40Cという数値がバーストなのか定格なのかちょっと気になったのです。
もし、40Cが定格ならバーストは最大80Cという凄いCレートになるはず…。(定格のCレートは最大でバーストの1/2Cらしいので)

ちなみに、NOIR SUPPRESSIONとは逆に、セミオートに特化していると謳っている『NOIR Snipe Master』という20Cの製品もありますが、こちらはLiPoではなくLiHV(ハイボルテージ・リポバッテリー)になっているので注意が必要です。

7.4Vとなっている所が7.6Vとなっているのに注意

LiHVはセル自体の電圧設定がLiPoよりも高い為、HV対応充電器が必要です(LiPo専用の充電器では基本的に非対応で、正常に充電されません)

YOKOMO YZ-114 PLUSの表示

フルオート用に高Cレートのバッテリーを、セミオート用に高い電圧のバッテリーをという選択肢は正しいですが、セルの種類の違いには気をつけましょう。(割と気づかずに買っちゃう人居るみたいなので…。そして簡易充電器だと普通に充電できちゃうらしいのです…。)

まあそんな事は置いといて、NOIR SUPPRESSION 7.4V 1100mAh 40Cはこんな感じのLiPoバッテリーです。
バッテリーコネクタはタミヤミニSサイズ、バランスコネクタはJST-XHです。

ケーブルの色が独特な感じですが、黒が-、それ以外が+です。

ラベルはこんな感じで電圧と電流、Cレートに加えて『HIGH C RATE』と書かれています。
やはりCレートの高さをウリにしているシリーズなのでしょう。

尚、バッテリーの大きさはこんな感じ。
セル外側に若干の弾性があるので正確な値ではありませんが、幅20.45mm、厚さ9.23mm、長さ124.02mmでした。

同じストックチューブインサイズLiPoバッテリーであるNEOX 7.4V 1200mAh 20C/40Cと比較するとこんな感じで、全長や幅はほぼ同じですが、厚みが結構違っています。
NEOXのLiPoバッテリーに比べると少し小さい感じですね。

↑がNEOX、下がG-Force

という訳で、とりあえずコネクタを変えました。
いつものXT30(XT30U-F)です。

バッテリーはM4系のストックチューブ内はもちろん、SIG AIR版のMCXのハンドガード内に余裕で入りますし…

弄ってある状態ですが、VFC MP7A1 AEGにも一応入りました。

ただ、このサイズのLiPoバッテリーを入れる場合はこんな感じで、基板を取っ払ってバッテリースペースを確保する必要があるかもしれません。

↑私はFETの交換ついでに基板も取っ払いました

尚、NEOXのバッテリーは厚みの問題でVFC MP7 AEGには入りません。

発射サイクルをNEOX 7.4V 1200mAh 20C/40Cと比較します

という訳で、私が普段使っているストックチューブインタイプのLiPoバッテリー、NEOX 7.4V 1200mAh 20C/40Cと比較してみようと思います。

使用する銃は先日再調整を行ったSIG AIR MCX
ピストンスプリングは東京マルイ純正より若干弱い程度、ギアはAOLS製の18:1 ギアセット、モーターは東京マルイ サマリウムコバルトモーターで、7.4V LiPoバッテリーで運用するように調整済みの銃です。

FCUにJefftron Leviathan-V2を組み込んでいるので、色々データが取れて面白いかな?と思い、この銃で試す事にしました。


検証で使用しているBB弾は東京マルイ 0.20g樹脂弾です。

という訳で検証していきます。
尚、検証前にG-Force NOIR SUPPRESSIONの方は何度か充放電を行い、多少なりエージングを行っています。
NEOXの方は何年も使ってきているので特に何もしてません。

満充電状態での比較

まず、バッテリーを満充電の状態から。
最初にNEOX 7.4V 1200mAh 20C/40Cでテスト。
何度か計測を行い、発射サイクルは毎秒17.9〜18発でした。

また、30発以上の連射を行った場合でも発射サイクルの低下は起きず、安定している感じでした。
「中ダレを防ぎ均一なサイクル」というのが何発の間でなのかがよく分からないので、検証としてはとりあえず30発を目安にしてみました。

尚、本当に中ダレを起こしていないかという検証としては5発程度の連射時との比較をしています。

続いて、G-Force NOIR SUPPRESSION 7.4V 1100mAh 40Cです。
こちらのバッテリーは何回充放電を行ってもセル合計が8.3Vを超えるか超えないか程度までしか電圧が上がりませんでした。
その為、NEOXよりも0.09V程度電圧が低い状態での検証となっています。
発射サイクルは秒間16〜16.1発でした。

こちらも30発以上の連射を行った場合でも発射サイクルの低下は起きず、安定している感じでした。

NEOX製バッテリーとの比較としては秒間2発程度のサイクル低下だけですね。
計測せずとも分かる程度のサイクルとレスポンスの低下が感じられました。

尚、私がSIG MCXに入れている電子制御ユニット、Leviathan V2の機能でも確認してみました。
概ね弾速計と同じ結果ですが、電流値などが確認できるのが良いですね。

G-Force NOIR SUPPRESSIONはNEOXに比べて突入電流が30Aほど低く、セミの消費電流が10Aほど高い感じでした。
フルは21.3〜21.4Aと共に同じ感じ。
※データを更新する為に十数回、セミ・フルで射撃を行っています

電圧が下がってきた状態での比較

続いて、バッテリーの電圧を下げた状態でテストを行いました。
電圧は充電器のストレージ充電モードを使用して低下させています。

まずはNEOXの方から。
ストレージ充電で7.667Vまで電圧が落ちている状態でのサイクルは秒間16.3〜16.4と満充電の時よりも秒間1.6発程度サイクルが低下していました。

明らかに発射サイクルが落ちている事が体感でも分かるものの、30発以上の連射を行ってもサイクルが低下する事は無く、元気に動いています。

続いて、G-Force NOIR SUPPRESSIONA。
こちらは7.707Vまで電圧が下がり、サイクルは秒間15〜15.1発と、満充電の時から秒間1発程度サイクルが低下していました。

超時間の連射も問題無し。

アプリ上で確認するとこんな感じ。
電流値が全体的に落ちており、特にG-Forceでセミの平均消費電流が著しく落ちているようです。
フルの平均消費電流も2A近く差が出ていますね。
※データを更新する為に十数回、セミ・フルで射撃を行っています

G-Force NOIR SUPPRESSIONAにおいて、満充電状態と消耗した状態では、下記のような変化がありました。
電圧:8.296V→7.707V(↓0.589V)
発射サイクル(実測):16rps→15.1rps(↓1.1rps)
突入電流:60.9A→58.6A(↓2.3A)
セミの平均消費電流:47.8A→27.6A(↓20.2A)
フルの平均消費電流:21.3A→17.8A(↓3.5A)

尚、NEOXに関しては下記のような感じ。
電圧:8.388→7.667V(↓0.721V)
発射サイクル(実測):18rps→16.3rps(↓1.7rps)
突入電流:90.5A→81.9A(↓8.6A)
セミの平均消費電流:38.6A→33.2A(↓5.4A)
フルの平均消費電流:21.4A→19.5A(↓1.9A)

一応比較してみましたがこれと言って何か凄い事が分かった訳でも無く…まあ、普通な結果ですよね…。
ちょっとなぜG-Forceの方でセミの消費電流が著しく落ちているのかが謎ですが…。

オマケ:ディーンズで計測してみた結果

私が普段使っているXT30コネクタは最大電流が30Aで、定格電流が15Aと、タミヤミニコネクタの10Aを少し上回る程度のスペックになります。
私が普段作っている銃の殆どは負荷の少ない仕様にしているので、XT30でも足りるのですが、負荷の高いセッティングの銃の為にディーンズも残しています。

その為、「XT30のせいでパフォーマンスが落ちている可能性は無いか?」と思い、念の為ディーンズコネクタでも試してみる事にしました。

検証に仕様するディーンズコネクタはAmass社製のちゃんとした物です。
バッテリー側と本体側のコネクタを交換します。

私はディーンズの個体差問題に嫌気がさしてXT30に乗り換えたのですが、その後ちゃんとしたブランド品同士なら問題は起きにくいという事が分かり、必要な場合(XT30では足りない場合)は、このメーカーの製品を使うようにしています。
もう寸法めちゃくちゃなノーブランド品は嫌だ。

とりあえず、満充電の状態で計測します。
結果はこんな感じで若干サイクルが上がり、突入電流が5A増えた程度で後はほぼ変化無しでした。

若干サイクルが上がるという事はXT30だと若干足りていないとも取れますが、まあ誤差レベルだと思いますし、そこまで気にする事も無いかなと…。

発射サイクル(実測):16rps→16.7rps(↑0.7rps)
突入電流:60.9A→65.4A(↑4.5A)
セミの平均消費電流:47.8A→47.4A(↓0.4A)
フルの平均消費電流:21.3A→19.3A(↓2A)

総評

という訳で、G-Force NOIR SUPPRESSIONAはスペック通りの、至って普通のLiPoバッテリーといった感じの印象を受けました。
7.4V 1200mAh 20C/40CのLiPoと比較してサイクルが2rpsもも低いという事は、やはり40Cってバースト時のCレートであって、7.4V 1100mAh 20C/40Cなのかな…?とも思いました。

このバッテリーを選ぶ利点としては、NEOXの物よりも薄くて配線の取り回しがしやすくなるという事でしょうか。
薄いのでバッテリースペースが小さな電動ガンに向いていると思います。

価格面では特段安い訳でも高いわけでもなく、電動ガン用LiPoバッテリーとしては無難な価格帯だと思います。

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