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VSR10 Gスペックの内部調整・検証 Part.2(シリンダーのガタツキ防止+チャンバーのセンター出し)

記事作成日:2021年5月18日

第一弾から1ヶ月以上経過してしまったので、そろそろPart.2をやります。
と、その前にPart.1の結果から。

今回の場所はバトン レンジの30m。
射撃体勢を合わせる為に備え付けのレスト台は使わずに三脚+ピグサドルのいつものセット。
使用弾はプレシジョンマックスを買い忘れてしまったので、スペリオール0.28gのみで計測しました。

結果はこんな状態で、箱出しどノーマル状態で計測した時よりもフライヤーの頻度が増え、グルーピングが悪化するという事に…。
概ねまとまってるな〜って思ってたら突然変化球が発生して悲しい事に…。

一旦帰ってバラした所、HOPパッキンが結構削れてました。
まだ1000発ちょい位しか撃ってないんですが…こんな事になるんですかね…?

とりあえず、フライヤーの原因がこれかどうかは確定では無いですが、HOPパッキンが良くない状態になっているのは間違いないので、交換しつつ調整していく事にします。

本来ならちゃんとした結果を出してから次の調整に行きたい所なんですが、もう次にやりたい事が決まっていたので、次のカスタムに進んじゃいます。
レンジに行けるタイミングも限られていますし、今回の内容はPart.1の時の改良がメインなのでご了承下さい…。

という訳で、前回はボルト・シリンダー周りのガタとりを、シリンダーガイドリングからタイトめなOリングに交換するという割と強引な方法で行いましたが、これは重要な要素だと思うので専用パーツを3Dプリントで作りました
材質はTPUという弾性のある素材を使っています。

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こちらはVSR10純正の樹脂リング(前側に入っている方)と置き換えて組み込むシリンダーガイドリング、純正の樹脂リングの長さに加えて10mm長く作り、アウターバレル側も使ってシリンダーのガタツキを抑える作りにしています。

差し込むとこんな感じで、飛び出している10mmは全てアウターバレルに埋まります。

なお、このシリンダーガイドリングを取り付けるとボルト操作時の抵抗が増え、コッキングの操作感が残念な感じになるので、リング内側には低粘度のシリコングリスを薄く塗布してなるべく抵抗を減らしました。

この部分をタイトめに設定しているのはボルトハンドルの操作性よりもシリンダーのガタを取る事に重きを置いている為です。

また、ノズル側に入れていたOリングのサイズを小さくしました。
まあこれは微調整程度の内容ですね。

これまでは前回やったカスタムのアップデート的な話ですが、ここからがPart.2で初めてやる作業です。

チャンバーのセンター出しを行いました

これは箱出し状態のVSR10を弄ってみて初めて知ったんですが、東京マルイ純正状態だとチャンバーとノズルの位置がだいぶ合ってません。
電動ガンだとノズルが壊れたりと致命的な問題になるんですが、エアーコッキングなのであまり大きな影響は無いんでしょうね。

あと、シリンダー周りに十分な遊びがあるので、そこまでドンピシャの精度を出す必要が無いというのもあるのかも知れません。

チャンバーとノズルのセンター出しはカスタムパーツを組み込む際にはテープを貼ったりして必ずやる作業(ポン付けでドンピシャ出てる事もある)でもあり、精度の高い社外製カスタムパーツはそんなに苦労しませんが、東京マルイ VSR10の純正チャンバーだと結構苦労しました。

という訳で、まずはどこが擦れているのかを確認する作業から。
まずノズルの一番外側の段差の角にマジックペンで印を付けます。

続いて、パッキン類を外したチャンバーを取り付けた状態でVSR10をストックまで組み立て、何度かボルトハンドルの操作を行います。

何故ストックまで取り付ける必要があるのかと言うと、VSR10は構造上チャンバーの位置はストックの影響を受ける為です。
なので、ストックまで取り付けて、チェックする必要がありますし、ネジの締め込み具合で変わるので、この締込みトルクが一定じゃないと調整の意味がなくなってしまうので、注意が必要です。

何度か動かしたらバラしてノズルとチャンバーをチェック。
ノズル側でインクが剥がれている所、チャンバー側にインクが付着している所が擦れている場所です。
結果、左下付近が擦れている事が判明しました。

上側が擦れてるなら調整は簡単なんですが、下側が擦れているとチャンバーを削る必要が出てくるので調整が非常に面倒くさいです。

まず、チャンバー外周をざっくり削ります。
今回の擦れ具合は0.1mm程度削れば十分でしたが、どの程度擦れてるかによって削る量は変わってきます。

その後、追加で左下を多めに削っていきました。
また、基部パーツの方も削っています。

この削る→仮組み→ノズルの干渉具合チェックを何度も行い、ノズルを差し込む時にノズルがチャンバーに接触しないようになれば終了です。

尚、1つの目安としてVSR10用ではなくGBBのインナーバレルを挿し込んでおくと調整が楽かも知れません。
ノズルのセンターが出ている場合、GBBのインナーバレルとノズルのクリアランスが均一になります。(センターが出ていない場合はクリアランスに偏りが生じます)
また、ファイバースコープを挿し込んだ状態でノズルを動かし、しっかりノズルのセンターが出ている事も実際に確認しました。

最後に、HOPパッキンを新しい物に交換して組み立てます。
なるべく多くのパーツを東京マルイ純正で検証したかったのと、すぐボロボロになってしまったのが個体差なのか、そもそも現行の純正パッキンが脆いのかを確かめる為にも、東京マルイ純正パッキン(VSR10/GBB用)を使用する事に。

ボルトハンドルの動作はこんな感じで、一切の引っかかり無くスムーズに抜き差し出来るようになりました。
チャンバーのセンター出しは手間のかかる作業ですが、出来上がった時の動きは気持ち良いですね。

組み込み後にノズル長と気密具合のチェック。
共に問題ありませんでした。

初速はこんな感じに。
東京マルイ 0.20g 樹脂弾を使ってHOP最低の状態で90m/s半ば、HOP真ん中で84m/s半ば、HOP7割程度で77m/s後半〜78m/sといった感じになりました。
7割以上のHOP量にすると初速が著しく低下するか、弾づまりになりました。

尚、最大初速はHOP調整ノブを3クリックほど動かした位置で、91m/s前半でした。

この結果を見るのにもう1度30mで撃ちたかったのですが、ちょっと別の要件でDEFCON1に行ったので、その時にグルーピングを計測をしてみました。

使用弾は東京マルイ スペリオール 0.28gです。

ちなみにこの時に初めてこのシューティングレンジの距離をちゃんと測ったんですが、iPhoneの計測アプリを使って着弾点確認用のノートPCが置かれている机からディスプレイまでの距離が22mでした。
大体この位置に銃口が来るので、銃口からの距離は22mって感じですね。

初速は0.28gで77.21m/s。
ジュールは0.835Jです。

とりあえず適正HOPの量はだいたい把握していたので、ゼロイン調整しつつ撃ってみたら90mm台を連続で出していたので「今回はイケるのでは?」と思ったので、慎重に撃ってみる事に。

いつもどおり10発x3セットで。
結果はこんな感じで、普通にいい感じ。

調子良い時で70mm台、後は基本80mm〜90mm位って感じになりました。

ちなみに、この日のベストスコアは10発で55.4mm。
まあ、これは完全に偶然ですが、うまくいけば0.28gでもこれくらいはまとまるって感じですね。

精密射撃が疲れてきた時にスタンディングでも測ってみたんですが、100mm位は出せますね。
VSR10 Gスペックはバレル長さもそんなに長くないので、手ブレの影響はそんなに受けないのかも知れないです。

という訳で、思いの外純正部品でいい感じになってきたので、Part.2にしてやることが減ってきたのですが、次は30mで計測したり重量弾(0.43g)への対応を行っていこうかなと思います。

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