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コンパクトマグニファイア比較 Vortex Micro 3X Magnifier / EOTech G43 / Trijicon 3x Magnifier for MRO HD

記事作成日:2021年6月15日

各社からコンパクトマグニファイアが発売されていますが、王道ブランド製品3種類を比較してみます。

今回比較するのはVortex、EOTech、Trijiconの3社の製品になります。
尚、日本国内での価格(括弧内はメーカーサイトに掲載されてる定価)はVortex Micro 3X Magnifierが4万8000円前後(449.99ドル)、EOTech G43が10万円前後(609.00ドル)、Trijicon 3x Magnifier for MRO HD(MAG-C-2600001)が6万3000円前後(519.00ドル)という感じです。

それぞれのマグニファイア単体のレビューはそれぞれ下記になります。

尚、記事中の写真でマグニファイアが並んでいる物は右からVortex、EoTech、Trijiconの順番になっています。

マグニファイア本体の外観、スイングマウントの比較

という訳で、まずはサイズ感から。
全長は全部ほぼ同じですが、対物外周の太さはVortexとTrijiconが36.98mmなのに対し、EoTechが39.95mmと太いです。
また、ノブの出っ張りを除いた最も太い部分はEoTechが最も太く約46mm、次がVortexの約41mm、一番細いのがTrijiconの約38mmです。

こう並べてみると、いかにTrijiconのマグニファイアが小さいかがよく分かると思います。
正直EoTech G43は結構ぶっとい…。

全ての製品はQDスイングマウントがネジ止めされており、全て同じパテント(US8935875B2)を取得しているマウントが採用されています。
つまりスイングマウントの使い勝手に関してはどの製品も同じという訳です。

このスイングマウント、本当に使い勝手が良いので色んなメーカーで採用してくれるのはありがたいですし、どんどん採用して欲しいですね…。

ロックレバーのデザインはVortexのみ滑り止の凹凸が付いており、EoTechとTrijiconは同じ見た目をしています。

反対側はこんな感じ。
Vortexのみヒンジ部中央が平くなっていてそこにロゴが入っているのと、ネジが飛び出していなかったり、マウントの前側がごっそり削られていたりと少しコンパクトになっています。
また、EoTechとTrijiconにはマウント前側に脱落防止用のワイヤーを通すためと思われる穴が空いています。

スイングマウントを開くとこんな感じ。
上の写真でも分かりましたが、Vortexは結構マウント底部が大きく削られていますね。
あと、Vortexにはここにも刻印が入っていますね。
マグニファイアと連結している部分のデザインはVortexとEoTechがよく似ており、Trijiconだけ後ろ側にオフセットされたようなデザインになっています。

こう見るとVortexのスイングマウントは元の設計から色々とアレンジされている事が分かります。

マウントを取り外すとこんな感じ。
こう見るとTrijiconが大きく後ろにオフセットされているデザインである事がよく分かると思います。
アイレリーフが短めなコンパクトマグニファイアにおいてこの仕様は結構良いと思います。

尚、マウントの互換性についてですが、VortexとEoTechは双方向で互換があり、問題なく取り付ける事が出来ました。

しかし、これら2つのマグニファイアは中央に突起が付いており、Trijiconの方にはそれが無い(マウント側にも窪みが無い)ので、互換がありません。
TrijiconはTrijicon専用みたいな感じです。

バーティカル アジャスト ダイヤルとホリゾンタル アジャスト ダイヤルはVortexがmicro T1みたいなキャップ付きでマイナスネジを回して調整するタイプ、EoTechはノブを指で摘んで回せるタイプ、Trijiconはマイナスネジむき出しタイプで、VortexとTrijiconのダイヤルはカチカチとクリック感があり、EoTechは無段階調節が可能になっています。

レンズ周りの比較

対物レンズはそれぞれこんな感じで、全て緑系のマルチコートが施されていますが微妙に色味が違っており、Vortexが真緑だとするとEoTechは若干青みが入っている緑(水色寄り)、Trijiconが黄緑みたいな感じです。

対物レンズ径はVortexとTrijiconが同じで約21mm、EoTechが17mmと細いです。
また、VortexとTrijiconは対物レンズがハウジングのフチから5mm奥まった所に設置されているのに対し、EoTechは7mm程度奥まった所に設置されています。

対物レンズのコーティングがメーカーごとで違っているのと、EoTechのみ小さなレンズが採用されているのが面白いですね。

接眼レンズ側のコーティングには変化が無く、紫、青、緑、黄緑といったカラフルなグラデーションが確認出来ます。
また、レンズ径は約27mmでこれも全て同じサイズでした。

フチのサイズはEoTechが一番太く、次にVortex、一番細い…というか極端に細いのがTrijiconです。

屋外での見え方比較

最後に、屋外で覗いた時の様子を比べていきます。

撮影場所は東京サバゲパークのシューティングレンジで、30m先のターゲットを中心に合わせて撮影しています。
尚、マグニファイア内の像の位置は特に合わせていないので、マグニファイアごとで像の位置が若干違っています。
ご了承下さい。

まずはVortex Micro 3X Magnifier。
アイレリーフは65mm〜75mm程度で、フチはそれなりにあります。
色はほんの僅かな青み成分があるので寒色系ですが、コントラストはそこまで低くありません。

続いて、EOTech G43です。
ハウジングが太い事もあって結構フチも太め。
アイレリーフは75mm〜80mmで、Vortexよりも少し遠め。
色は若干の暖色の高コントラスト系(像がよりクッキリしている)となっています。

Trijicon 3x Magnifier for MRO HDは上の2製品と比較すると極端にフチが薄いです。
また、アイレリーフも80mm〜90mm程度あり、この中では一番長いアイレリーフとなっています。
尚、色味はEoTechと同じ若干暖色で高コントラスト系です。

並べるとこんな感じ。
こう見るとTrijiconのフチの薄さと小ささがよく伝わると思います。

尚、この中ではEoTechのみ極端に小さな対物レンズが採用されていて、光を取り込める量は少ないはずなのですが、明るさに関して大きな違いは感じませんでした。
それだけ優秀なレンズが組み込まれているのかも知れません。


という訳で、この3製品の中で一番オススメなのはTrijiconですね。
このフチの薄さとアイレリーフの広さはかなり魅力的だと思います。
アイボックスに関してはどれも大きな違いはありませんが、アイレリーフが長いだけでも覗きやすさが段違いです。

ただ、「どうせならVortexとEoTechの方に後ろ側にオフセットされているマウントを付けて欲しかったなぁ…」という感じもあります。
その方がバランスが取れるんじゃないかなとも。

尚、記事を書いている現時点では安定して入手出来るのはVortex Micro 3X Magnifierのみっぽいんですよね…。

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