エボログ

VFC LAR GBBR (FAL Type1) JP Versionのレビュー(付属品、外観、作動性能、初速チェック)

記事作成日:2022年9月7日

VFC製のガスブローバックライフル、LAR(Light Automatic Rifle)を友人が購入したのでレビューします。
尚、友人宅で撮影を行っているので、いつもの撮影環境と異なっいるのと、レビュー内容自体はいつもと同じような内容にしていますが、分解レビューは説明書に書かれている程度の簡単な分解のみに留め、完全分解などは行いませんのでご了承下さい。

VFC LARはバリエーションとして、ダイカストレシーバーのスタンダードバージョンと、スチール削り出しレシーバーのデラックスバージョン(記事投稿時点ではまだ未発売)が存在しますが、今回記事にするのはスタンダードバージョンになります。

VFC LAR (FAL Type1) ガスブローバックAmazonで購入する

付属品の紹介

箱を開けるとこんな感じ。
内容物はLAR本体とマガジン、説明書、注意書き、BBローダー、VFC LAR専用工具です。

JP Versionの印(シール)は箱と説明書に貼ってあります。
説明書は英語と中国語の併記ですが、図が書かれているので特に読めなくても何となく分かると思います。

付属のBBローダーは東京マルイのBBローダーのコピーで、VFC LARのリップに対応させる為のアタッチメントが付いています。

付属のVFC LAR専用工具はこんな感じで、色々な突起が付いているユニークな形状になっています。
これ1つでドライバーや引掛けレンチなどの機能を持っており、この工具を使ってフロントサイト・リアサイトの調整、ハンドガード、キャリングハンドルの着脱、空打ちモードの切り替え、HOP調節、テイクダウンなど色々な作業が行えます。

別の工具でも代用出来ますが、これ1つでVFC LARの調整やメンテナンス時の分解・組み立てに対応出来る、とても便利な道具です。

工具の使い方は当記事でも軽く触れますが、記事で全部取り上げている訳ではありません。

マガジンについて

マガジンはこんな感じのLAR専用リキッドチャージ式マガジンです。
装弾数は20発と実際の装弾数と同じになっているようです。

リップ側と放出バルブ側はそれぞれこんな感じ。
リップはマガジン上面に一体成型されている樹脂製でガスルートパッキンは高さの低い物が付いています。
放出バルブはかなり奥まった位置に設置されており、放出バルブの下に注入バルブが配置されている、最近の同社製GBBライフルで採用されている仕様になっています。

尚、注入バルブは海外仕様(高圧ガス仕様)のままなので、国内で一般的なフロンガス/ノンフロンガスを使おうとするとガスが入れにくいという問題があります。
ガスが入らない訳では無いですが、入れるのに時間が掛かりますし、吹き戻しが無い為満タンになっている事が分かりにくいのでVFC対応の国内用注入バルブに交換するのを個人的にはオススメします。

空打ちモードの切り替えレバーはマガジン上面に付いており、空打ちモードON→空打ちモードOFFの切り替えは単に爪でスイッチを動かすだけで可能です。

空打ちモードON
(スイッチが放出バルブ側を向いている)
空打ちモードOFF
(スイッチがリップ側を向いている)

空打ちモードOFFの状態からONにするには、まず付属の工具を使って放出バルブの脇に付いているレバーを押し下げます。
これでフォロワートップが下がり、空打ちモードのスイッチが操作出来るようになります。

マガジン底部はこんな感じで、マガジン側面と色が変わっています。
多くのGBBはガスの注入バルブがマガジン底部に配置されていますが、最近のVFC製品は注入バルブが後ろ側面に移動しているので、マガジン底部のディテールが良いですね。

ガスが空の状態でのマガジン重量は401gと大きさの割にはそこまで重くはない印象があります。
HFC134Aを満タン(ガス缶から音が無くなった時点で満タンと判断)にする事で、498gとなったので、ガスの容量は97gもある事が分かりました。

マガジンが空の状態
ガスを満タンにした状態

大きなマガジンなだけあってだいぶたくさんガス入りますし、国内用バルブに交換する事によってもっとガスは入るようになる気がします。
もっとも気化室の事も考えて、そんなに沢山入れない方が動作は安定すると思いますけどね…。

VFC LARの外観レビュー

という訳で、VFC LAR本体を見ていきます。
ハンドガード、キャリングハンドルの取っ手、グリップ、ストックだけが樹脂でそれ以外は金属です。
冒頭でも触れた通りスタンダードバージョンはレシーバーがダイカストになっていますが、パーカーライジングっぽい感じの塗装の質感も相まってとてもいい感じの重厚感があります。
また、フレームでもグリップの根本とかトップカバーなどはスタンダードバージョンでもスチールパーツになっています。

フラッシュハイダーはこんな感じ。
スチールで出来ており、アウターバレルとは別パーツになっているようですが外し方がイマイチ分からず、傷をつけてしまう可能性があったので、外す作業は試していません。
フラッシュハイダー根本のCリングを外せば外れるような気もしますが…。

ハンドガード前側、ガスブロック付近はこんな感じ。
バイポッド取り付け用の凹凸とその後ろにスリングスイベルが付いています。

スリングスイベルはかなりタイトな設計で、ガタツキは一切ありませんが少し力を掛ける事で回ります。

フロントサイトはこんな感じ。
付属の工具を使ってサイトの高さを調節する事が出来ます。

ガスブロック全面のパーツは側面のボタンを押しながら90度回転させる事で取り外す事が出来ます。
見えない部分ではありますが、ガスピストンやリターンスプリングが組み込まれており、この辺りもしっかり再現されていますね。

ボタンは写真に写っている側の反対側に付いている
外からは見えない、ガスピストン周りもしっかり再現

ガスレギュレーターはスチールで出来ておりライブで、目盛りごとにカチカチとしたクリック感があります。
こういうパーツがしっかり動くの、良いですよね。

ハンドガードはこんな感じでバイポッドを逃がすための窪みが左右に付いています。
樹脂製ですがファイバー樹脂のようでかなり硬いです。
強く握り込んでも歪んだり軋んだりする事はなくガッチリしており、安心感があります。

ハンドガードは側面のマイナスネジを外す事で、取り外す事が出来ます。
この時にも付属の工具が使えます。

ハンドガード前側のマイナスネジを外す
ハンドガードを外す事が出来る

ガスレギュレーターのクリック感はガスレギュレーター下部に付いているバネによって実現しているようです。
また、ガス抜き穴も再現、銀色のガスピストンを確認する事が出来ます。

キャリングハンドルはこんな感じで取っては樹脂、ワイヤー部分は鉄です。
ここを掴んで振り回しても問題無い位にはガッチリしている印象があります。

キャリングハンドルは左右どちら方向にでも逃がす事が可能で、動きはスムーズです。
尚、外す事も可能です。

尚、銃本体のバランスもとても良く、マガジンを挿した状態でキャリングハンドルを握ってしっかり前後のバランスが取れています。
キャリングハンドル中央に指を1本引っ掛けるだけでバランスが取れる事から、重量配分の良さが分かると思います。

キャリングハンドルを掴んでバランス良く持ち上げる事が出来る

コッキングハンドルは左側面に付いており、ハンドルは樹脂製でくるくる回ります。
ハンドルが回る事によって長いストロークであっても自然に引く事が出来て結構良い仕様だと思います。

エジェクションポートとボルトはこんな感じ。

ボルトを後退(ホールドオープン状態)させるとこんな感じになります。

マグウェルの手前、チャンバー下部にHOP調節用のマイナスネジが付いており、これを回す事でHOP調節が可能です。
このネジも付属の工具を使って回す事が可能です。

マグウェルはこんな感じで、ここにシリアルNOが記載されています。
マグウェルから内側を覗き込むと大型のバルブとローディングノズル、ガスルートが確認出来ます。

LARのマガジンは前側に突起があり、これをレシーバー側の窪みに引っ掛けてから差し込む必要があります。
AKとかG3と同じ仕様ですね。

マガジンを挿すとこんな感じになります。

マグウェル後部にはボルトリリースレバーとマガジンキャッチレバーが付いています。
ボルトリリースはレバーを押し下げます。
マガジンキャッチレバーを押しながらマガジンを斜め下方向に引っ張る事で、マガジンを外す事が出来ます。

写真手前側に付いているのがボルトリリースレバー、奥に付いているのがマガジンキャッチ
親指でマガジンキャッチを押す形

マガジンの抜き差しは非常にスムーズに行なう事が出来、マガジンのガタツキも殆どありません。

セレクターレバーにはレシーバーに傷がつかないように保護フィルムが付いています。
このフィルムの正しい外し方が分からないのですが、ハサミやカッターナイフで切って除去するしか無いような気がします。
尚、保護フィルムは結構頑丈で、外すのに地味に苦戦しました…。

セレクターポジションはSがセーフティ、Rがセミオート、Aがフルオートとなっています。
プランジャーの動きが渋いのか単にバネが硬いのか、セレクターレバーの操作がかなり硬いので、サクサク切り替える事は出来ません。
また、フィルムを外した状態でセレクターレバーを一度でも動かすとレシーバーとグリップに傷が付きます。

セーフティ
セミオート
フルオート

トリガーはこんな感じ。
リターンスプリングが硬いのか、少し重めなトリガープルでした。

グリップはこんな感じで全体的に丸みを帯び、細身の握りやすいグリップが付いています。
材質はハンドガードと同じファイバー樹脂のようで、内側に穴が空いていますがガッチリしています。

テイクダウン用のレバー(レシーバーのロックレバー)にも保護シートが付いており、これも剥がすのが大変でした。
というか、セレクターレバーの数倍大変で傷つけないように剥がそうと試行錯誤した結果、10分近く苦戦しました。

レシーバーの右側は溶接跡やピンなどが付いているだけで、あっさりしています。

リアサイトはこんな感じで、側面のボタンを押しながら前後にスライドさせる事で、距離に応じた調節が可能です。
また、付属の工具を使う事で左右の位置調節も可能です。

サイトピクチャーはこんな感じ。
普通に狙いやすい、程よいサイズのピープホールが付いています。

ストックもハンドガードやグリップと同じ材質のファイバー樹脂製です。

ストック下部にはスリングスイベルが付いており、360度回る仕様ですがガタツキなどは無くガッチリしています。

バットプレートはストック本体と材質が異なっており、少しだけ弾性があります。
ゴムっぽい柔らかさではなくポリプロピレン的な柔らかさです。

箱出し状態での作動性能と初速について

という訳で、箱出し状態のVFC LARの作動性能を見ていきます。
ガスはHFC134A、マガジン温度は常温(23〜24度)で空打ちモードONの状態での動作です。

マガジン温度が20度前半の状態であっても快調にセミ・フルが動きます。
リコイルはずっしりとした重い物ではなく、どちらかと言うと作動性に振った鋭いリコイルとなっています。
とは言え、軽いリコイルでは無く、動画を見て頂けると分かりますが結構揺れます。

尚、NPASの調整の問題なのだとは思いますが、マガジン温度を上げるとフルオートの作動性が著しく悪くなり、40度オーバーの温度で動かしたりすると生ガスを吹いたりしていました。
これに関してはNPASを弄って初速や作動性を見ながら調整していく事になると思います。

また、マガジン温度を上げる事でリコイルが強くなるのですが、それによってボルトストップが誤作動を起こし、マガジンに弾が残っていたり空打ちモードがONの状態であってもホールドオープン状態で停止してしまう事が何度もありました。

リコイルによるボルトストップの誤作動は他製品でも度々見受けられる問題で、調整次第では改善出来るとは思いますが、箱出し状態で使うならマガジン温度を上げすぎた状態での動作はあまり良くないのかも知れません。

ではマガジン温度ごとの初速を見ていきます。
ガスはHFC134A、弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾、NPASの設定は箱出し状態での計測になります。

まずは常温状態(24度)での計測。
結果は40m/s程度とかなり低めな結果になりました。

だいぶNPASで流量を絞っている気がしますね…。
正直実用レベルでは無い初速になっているので、NPASを調整してもう少し初速は上げた方が良いでしょう。

マガジン温度を10度ほど上げて35度にしてみました。
夏場だと日陰に置いておいてもマガジン温度がこれくらいになったりしますね。
結果は52m/sと、常温時と比べて10m/sちょい初速が上がりましたが、変わらず初速は低めです。

更に10度上げて45度で計測。
更に初速が上がり、59m/sまで上がりました。

私がよくやってる検証では最大温度の50度での計測。
更に上がって初速は64m/s台まで上がりました。

常温状態からマガジンを熱々にした状態で、24m/s程度は初速が上がるようなので、NPASの設定を変更する時は安全マージンを確保しつつ、マガジンの温度管理をしっかりやるのをオススメします。
ベースが高圧ガス対応の海外製GBB用マガジンなので、安全弁とかも無いですからね…。

テイクダウンを行い、内部パーツを見ていく

続いて、軽い分解というかテイクダウンを行って軽く内部パーツの様子を見ていきます。
当記事で紹介する内容は取扱説明書に記載されている範囲の分解・組み立て作業になります。

テイクダウンを行なうにはまず、レシーバー後部のレバーを後ろに動かします。
かなり硬いスプリングが入っているようで、レバーはかなり重いです。

続いて、付属の工具を使ってヒンジ部のネジを外します。
尚、ネジ受け側はピンも兼ねているので簡単には抜けず、ピンポンチを使って押し出してやる必要がありました。

これでアッパー側とロアー側に分離させる事が出来ます。
そのままアッパー側からトップカバーと樹脂製のダンパー、ボルトを抜けば説明書に記載されている分解が完了です。

尚、テイクダウンするとバルブノッカー側面のパーツが外れかかるので、完全に外れてしまわないように注意する必要があります。
別に元に戻せば良いのですが、スプリングもあるのでちょっと面倒だと思います。

というか、説明書に完全な分解図が載っていないので、正しい組み込み方法が分かりにくいのが面倒なんですよね…。

アッパーレシーバー側はこんな感じで、バルブノッカーが付いているだけでとてもあっさりしています。
また、バルブノッカーの片側だけ色が違っているのですが、材質が違うっぽいです。

ガスピストンはしっかり貫通しており、銀色の先端が見えます。

チャンバーはこんな感じで、青色のHOPパッキンがチラ見します。
棒を使って軽く突っついてみた感触ですが、割と硬そうでした。

ボルトはこんな感じで、バッファーを押す為のロッドが斜め下に突き出しているユニークな形状をしています。

ボルトの重量は284gと大きさの割には割と軽めな印象。
大きなボルトの内側の殆どがピストンになっている影響もあって軽くなっているようです。

尚、分解前の動作テストで何度かボルトストップを動作させた事もあって、少し削れて角が丸まっていました。
補強材も入っていないようなので、長く使っているとどんどん摩耗していきそうですね…。

そのうち社外製の強化パーツが出るかも知れないので、それに期待する形でしょうか…。

ロアー側はこんな感じで、ハンマーとトリガーが収まっているだけです。
尚、ストック内にはリコイルバッファーが内蔵されています。

ハンマーを起こした状態とハンマーダウン状態の内部はそれぞれこんな感じ。
尚、ハンマースプリングは工具不要でこの状態から外す事が出来ます。
ハンマースプリングはシンプルな押しバネなので、スプリング変更による初速調節やガス圧上昇時の安全対策(バルブを叩けなくする)処置も比較的簡単なように感じます。


という訳で、VFC LAR GBBR JP Versionのレビューは以上になります。

VFC製GBBはここ数年で大幅に作動性が改良されており、数年前のモデルからNPASが標準搭載されていたりとかなり改良が加えられてきている印象があります。

また、昔は名ばかりJPバージョンであれこれ調整しないと駄目だった事を思うと、メーカー側もローカライズを意識してる感じですね。

VFC LAR (FAL Type1) ガスブローバックAmazonで購入する