タニオコバ M4モデルガン(2023年モデル)の分解レビュー
記事作成日:2024年5月8日
先日購入したタニオコバ製のM4モデルガンを分解していきます。
こちらは2023年に再販された物になります。
という訳で、まずはハンドガードやストックなど普通に外せるパーツを外してテイクダウン、ボルトとチャージングハンドルを外しておきます。
ボルト周りについて
まずはボルト周りについて見ていきますが、ロッキングラグやファイアリングピンなどが付いた状態のボルトAsssyの分解は出来ません。
これはモデルガン全般的に言える話ですが、発射機構において最も重要な部品であるファイアリングピン周辺パーツは分解出来ない構造になっているのが一般的です。
他社製品で組み立てキットとして売られている物も、ファイアリングピン周りのパーツは組み立てられた状態になっていますね。
ボルトはこんな感じで、ファイアリングピンの部分がむき出しになっているデザインです。
モデルガンはファイアリングピン周りが分解する事が出来ない構造になっている為、クリーニングや注油がちゃんと出来ない個体が多いですが、この構造であれば比較的やりやすいと思います。
エジェクター側が大きく削り込まれているので、エジェクターピンが付いていません。
代わりに「エジェクター」という板状のパーツがアッパーレシーバーに固定されており、このエジェクターによってカートが押し出せれ、排莢される仕組みになっています。
チャージングハンドルはこんな感じで、リアル形状に近いですがちょっと変わっています。
ガスチューブを逃がす為の穴が切れ込みみたいになっています。
また、アッパーレシーバーに引っ掛ける為の左右の突起も付いていないので、チャージングハンドルの交換には基本的に加工が必要になると思われます。
レシーバーとフロント周りの分離
テイクダウンするだけであればテイクダウンピンを抜くだけで可能ですが、アッパーレシーバーとロアレシーバーを分離させるにはネジ固定されているピポッドピンを抜く必要があります。
単にネジを回すだけだとピポッドピンがレシーバーを凹ませながら空転してしまうので、ピンを抑えながらネジを回した方が良いと思います。
メンテナンスに必要なフロント周りの分解
続いて、フロントまわりのパーツを外していきます。
タニオコバ M4 モデルガンはデルタリングを外すのにフロント周りの分解が必要最低限で済むように工夫がされています。
モデルガンは発火後チャンバーやデトネーターをしっかり掃除しないといけないので、ここの分解が簡単に行えるのは良い仕様ですね。
それがこのスプリング付きのガスチューブ。
このガスチューブはフロントサイトにピン固定されておらず、このスプリングテンションによって保持されています。
その為、工具無しでガスチューブを取り外す事が出来ます。
取り外したガスチューブはこんな感じ。
「ガスチューブ」と呼称していますが、実際は穴が空いていないのでガスは通りませんしチューブではなく単なる棒です。
ガスチューブを外したらデルタリングを外します。
手回ししてみようとした所、結構ガチガチに固定されており、レシーバーを痛めてしまう可能性がありそうだったので、治具に固定してから回す事にしました。
デルタリングを外したらバレルを取り外す事がが出来ます。
これでアッパーレシーバーとバレルの間に詰まっているチャンバー+デトネーターを取り外す事が出来ます。
なお、同社のメンテナンスマニュアルだと、
- チャージングハンドルを引いてボルトストップを書ける(チャージングは引いたまま保持)
- ガスチューブを取り外す
- デルタリングを取り外す
の3ステップでチャンバー+デトネーターを外す事が出来る為、非常に高いメンテナン性がある事が記されています。
ただし、デルタリングのねじ込みの硬さを考えると治具を使わずに分解するのは少し怖い気もしますが…。
かと言って、締め込みを緩くすると発火時の負荷に耐えられなくなる可能性もあるので、十分な強度を維持しつつ分解しやすいトルクを見つけた方が良いのかも知れませんね。
チャンバーとデトネーターについて
タニオコバ M4 モデルガンのデトネーターはこんな感じでチャンバーに刺さったような状態になっています。
デトネーター自体は固定されておらず簡単に取り外す事が出来ます。
デトネーターがどうやって固定されているのか気になったのですが、どうやらバレル内に付いているインサートによって固定されている感じでした。
デトネーターに掛かる負荷をインサートで受け止めている構造なので発火時の負荷はかなり高そうに感じます。
チャンバー側に残っている銀色のチューブはCPカートのくびれ部分を保持する為のパーツのようで、カートを入れるとこんな感じになります。
バレル周りの分解
続いてバレル側を分解していきます。
まずフラッシュハイダーを取り外します。
開封レビュー時点でも紹介しましたが、タニオコバ M4 モデルガンのフラッシュハイダーは真鍮カラーをかませた状態で14mm逆ネジで固定されています。
また、フラッシュハイダーを外したらフロントサイトとフラッシュハイダーの間に付いているスリーブを外す事が出来ます。
バレル先端部はこんな感じで、ピンが打ち込まれています。
チャンバー側には横方向のインサートが付いていましたが、マズル側はピンが縦方向に刺さっているようです。
続いて、フロントサイトを外します。
フロントサイトはスリングスイベル下からのイモネジ+フロントサイト底部のピンで固定されています。
イモネジを緩めた後ピンを抜く事で、フロントサイトとハンドガードキャップを取り外す事が出来ます。
ハンドガードキャップを取り外したらデルタリングをバレルから取り外す事が出来ます。
フロントサイトによって隠れていましたが、どうやらバレルインサートはフロントサイト部のピンによって抜けないように固定されているようでした。
アッパーレシーバーについて
続いて、アッパーレシーバーを見ていきます。
こちらのレシーバーはKJ Works製のようでKJWの刻印が入っていました。
もしかしたらガスブローバックモデルと共通パーツになってるのかも知れませんね。
バレルナット用のネジ山ですが、電動ガンと同じミリピッチなので、東京マルイ用のハンドガードへの交換は一応可能となっています。
ただし、チャンバーやバレルの固定をしっかりやっておかないと動作不良や破損の原因にもなるので、バレルナットの交換時は正しく固定されているかどうかの確認が必須なのと、バレル自体は専用品なので交換は出来ないと思った方が良いです。
また、ボルトのロッキングラグがハマる部分はアッパーレシーバー側には圧入+ネジ固定されており、簡単に外す事は出来ませんでした。
このパーツはピポッドピン用の穴と一体型になっており、フル樹脂の製品と比べると首周りの強度が多少高くなっている感じでした。
ダストカバーは付いているEリングを外す事で取り外す事も出来そうですが、このEリングの取り外しが面倒くさかったので今回は外しません。
デフォルメされた見た目がイマイチなので、そのうち交換したい所ではありますが…とりあえずそのままにしておきます。
ロアレシーバー側の分解
続いて、ロアレシーバー側のパーツを外していきます。
ロアレシーバーも結構ガスブローバックモデルと共用と思われるパーツがちらほら存在しており、特にリコイルバッファー周りのパーツは全く同じなのではないか?と思っています。
リコイルバッファーとリコイルスプリングを外すとこんな感じ。
共に特徴的な見た目をしており、リコイルスプリングは一般的なGBB M4用の物より一回り細いです。
リコイルバッファーはこんな感じで、ダンパーはありません。
これによりガツンとしたリコイルと打撃音が伝わってきますが、ストックチューブの強度は大丈夫なんでしょうかね…。
尚、外装はステンレス、内側に真鍮のピンが埋まっているような構造になっており、重量は60gピッタリでした。
リコイルスプリングが一回り細いのはこの真鍮チューブが理由でしょう。
このチューブによってストックチューブが固定されているという、特殊な構造をしています。
ストックチューブを取り外すにはストックチューブの後ろ側を外し、底部のイモネジを緩めます。
そうするとストックチューブ+エンドプレートがスポンと抜けます。
エンドプレートはこんな感じで、ストックチューブ側の窪みにハマって固定される構造になっています。
ストックチューブに付いているキャッスルナットの締め込みで固定する訳ではないので、これは専用品ですね。
もっとも、スリングスイベルが付いていない普通のエンドプレートであれば大きささえ合っていれば負荷が掛かる事も無いので交換は出来そうですが、スリングスイベル付きの物だとしっかり固定出来るほどの圧を掛ける事が出来ないので、交換は難しそうです。
ストックチューブの芯である真鍮パイプは大量のネジロック剤によってロアレシーバーに固定されており、真鍮パイプ側にレンチを引っ掛けたり出来るような溝や穴も無く、外す事が困難だったので外すのは諦めました。
ヒートガンで炙ってネジロック剤を柔らかくするにも、恐らくネジロック剤より先にロアレシーバーが柔らかくなってしまい、ねじった時に歪んでしまう可能性がありますし、無理にねじるとロアレシーバーを破損しかねないです。
まだ一度も動作させていないのと、この後使う予定もあるので冒険は流石にやめておきました。
どうしてもストックを基部ごと交換したい時は、新品のロアレシーバーを注文した方が確実だと思います。
ロアレシーバー単体で17600円もします(2023年時点)が…。
グリップはグリップ底部のネジを外せば取り外す事が出来ます。
変わった所にセレクターレバー用のプランジャーが付いており、グリップを外すとプランジャーも脱落するので、気をつけましょう。
尚、このプランジャーのせいでグリップの形状が少し特殊な形になっています。
プランジャースプリングが暴れないように突起が付いている為、社外製グリップに交換する場合はこれと同じような加工を施す必要があるのかなと思います。(取り扱い説明書にもグリップ交換の場合、加工が必要である旨記載がある)
尚、元々ロアレシーバーの外側(右側のセレクターレバー付近)に入っていたTANIO-KOBA JAN11 STGAの刻印はグリップ基部の所に入るようになっています。
この手のロゴが隠された所に入っているのは良いですね。
ロアレシーバーの内部パーツの分解
ロアレシーバー内部のパーツを外していきます。
まず、テイクダウンピンを外します。
テイクダウンピン用のプランジャーはエンドプレートの内側についており、イモネジを外してプランジャーを抜きます。
プランジャーを抜いたらテイクダウンピンを取り外す事が出来ます。
続いて、ボルトリリースボタンを外します。
こちらのピンは片側にスリットが入っているタイプなので、一方方向からしか抜く事が出来ません。
ボルトリリースボタンの形状は特殊な形をしており、社外製品への交換はかなり大掛かりな加工が必要に感じます。
ボルトリリースボタンが外れたらマガジンキャッチを外す事が出来ます。
マガジンキャッチボタン側のネジはミリピッチですが、固定方法はリアルな感じ。
試してはいませんが、ボタン側に関してはMWS用とかが使えるのかも知れませんね。
次にフルオートシアーを取り外していきます。
フルオートシアーピンはクリップによって抜け防止がされているので、まずクリップを引っこ抜きます。
その後、フルオートシアーピンを抜き、フルオートシアーを取り外します。
フルオートシアーはスプリングなども含めて一体型になっており、分解・組み立てがやりやすい構造になっています。
続いて、セレクターレバーを外します。
セレクターレバーを外すにはハンマーを起こした状態でセレクターレバーをSEMIとSAFEの間にします。
そのままセレクターレバーを引っ張れば抜けます。
セレクターレバーはこんな感じ。
プランジャーの位置的に少し特殊な形状(プランジャー用の窪みの位置が少しズレた位置にある)のセレクターレバーですが、 加工して社外製品に交換する事も出来なくはない気がします。
次にハンマーやトリガーなどを外していくのですが、まずスプリングのレイアウトを記録しておきます。
ハンマースプリングはトリガーピンに乗っかるような形で設置されていますね。
まず、ハンマーピンを抜いてハンマーとハンマースプリングを取り外します。
続いて、トリガーピンを抜いて、トリガーを取り外します。
トリガーはセカンドシアーがオミットされているシンプルな形状になっており、フルオートシアーと同様に一体型になっているので組み込みが楽です。
スプリングも窪みにハマって固定される寸法になっているので、組立時にスプリングが脱落する心配がありません。
この辺りの分解・組み立てへの配慮は素晴らしいと思います。
ロアレシーバー内側はこんな感じ。
尚、ハンマーの前側は亜鉛ダイカスト製の部品が圧入されており、こちらは恐らくバルブノッカーなどを設置する部分を埋める為のパーツだと思われます。
また、ハンマーがロアレシーバーを直接叩かないようにする為の保護パーツとしての役割もあると思います。
最後にトリガーガードも外しておきました。
マグウェル側のネジを外した後、グリップ側のピンを抜きます。
という訳で、タニオコバ M4モデルガン(2023年モデル)の分解レビューは以上になります。
とりあえず使ったり弄る前に内部の構造を理解しておきたかったので、分解してみましたが基本的には純正パーツのまま組み立て直す事になると思います。
尚、マガジンやCPカートリッジの分解に関しては開封レビューの方で行っているので、そちらをご参照下さい。