エボログ

Archwick B&T Air APC9K SD2 GBBの開封レビュー

記事作成日:2024年9月16日

Archwick B&T Air APC9Kが先行発売され、続いて発売されたArchwick B&T Air APC9K SD2が届きました。

Archwick B&T Air APC9K昨年の予約開始タイミングで予約を行っていたのですが、度重なる発売の延期に加え、予約当初には存在していなかった「SD2、マガジンのバリエーション、CO2モデル」などが追加され、予約の内容も変更して自分は「Archwick B&T Air APC9K SD2のフロンガスモデル」の予約に変更していました。

という訳で、Archwick B&T Air APC9K SD2の開封レビューを行っていきます。

パッケージはB&T Airのロゴが散りばめられており、APC9 Seriesと印字され、側面には各モデル名が印刷されている事から、全種で同じパッケージを予定しているのだと思われます。
ちなみに、APC9 ProとAPC9 SDは現状小売店の予約すら始まっていないような気がします。

B&T Air APC9K SD2 ガスガン (Black) BTA-GBB-APC9K-SD2-BKAmazonで購入する

付属品の紹介

箱を開けるとこんな感じでAPC9K系よりも長いAPC9も収める為にスポンジのカットは大きめになっているようです。
なお、「APC9 Series」と書かれている所の下側に付属品が色々収まっており、アイアンサイト、サプレッサー、レールパネル、マガジン、14mm逆ネジアタッチメント、アウターバレル分解工具などが同梱されています。

取扱説明書はAPC9KとAPC9K SD2共通の物で、APC9Kの写真で説明がされていますが分解図はそれぞれ個別の物が用意されています。(APC9 PRO、APC9 SDの分解図は無かった)
また、CO2マガジンに関する注意書きも記載されていました。

フロントサイトとリアサイトはこんな感じで、B&TタイプもといIMIタイプの樹脂製フリップアップサイトが付いています。
多分ですがDoubleEagle製品に付属していたり、ノーブランド中華製として販売されている物と同じだと思います。

レールパネルはM-LOK 1コマ分の小さい物が2枚付属します。
ポリマーっぽいザラザラとした質感のパネルです。

サプレッサーはこんな感じで、アルミ製の筒です。
ネジ部には緩み止めのOリングが付いています。
内径は28.4mm程度だったので、28mm〜29mm位の外径のスポンジを入れる事が出来そうです。

14mm逆ネジアタッチメントとL時レンチ、六角穴付きボルト(用途不明)はこんな感じ。
14mm逆ネジアタッチメントはサプレッサーを取り外してアウターバレルにねじ込む事で純正のサプレッサー以外のマズルデバイスを取り付けられるようにする為の物です。

本製品はアウターバレルの分解に専用の工具が必要なのですが、その工具がこちら。
先端部分がスチール、パイプ部分がアルミで出来ています。

この2つのパーツはネジロック剤が塗布されているのですが、簡単に外れてしまう上にアウターバレルを固定しているナットを緩める方向に回すと工具側も回ってしまうので、恐らく永久固着系のネジロック剤をべっとり塗布して使う必要があると思います。
自分はアウターバレルを外そうとしてこの工具を使ったらあっさり工具側が分解されました…。

自分はネジロック剤だけでは足りないのでは?と思い、ネジロックしつつM4x3mmのイモネジをねじ込み、絶対に分離しないようにしました。

マガジンについて

付属のマガジンは金属外装+ゴム製のマガジンバンパーという構成。
マガジンの色は焼付塗装のようなマットな黒色(若干グレー寄りの少し明るめの黒)をしています。

質感はかなり良いですね。

リップ側はこんな感じで、リップ、マガジン上部(放出バルブ〜ガスルートが付いている部分)、ガスタンク部の3分割構造になっている事が分かります。
これはCO2モデルとマガジンの一部パーツを共用にする為の設計だと思われます。
なお、空打ちモードのスイッチなどはありません。

マガジン中腹はこんな感じで残弾数を示す数値と製造ロット?製造時期?を示す印字が再現されています。

マガジンバンパーはこんな感じでゴム製のバンパーの底部に穴が開いており、ここからガスを注入する仕様になっています。

マガジンバンパーを外すとこんな感じ。
CO2マガジンと共用にする為の構造故でしょうか、注入バルブが取り付けられている部分が別パーツになっています。
なお、注入バルブはよくある海外仕様なのでWE用国内向け注入バルブに交換する事が出来ます。

尚、注入バルブを交換した状態でのガス容量はこんな感じ。
マガジン空の状態は314g、ガスを満タンにすると344gとなるのでガス容量は30gという事になります。
マガジンのサイズを考えるとまあ、妥当なガス容量だと思います。

Archwick B&T Air APC9K SD2本体の外観レビュー

という訳で、Archwick B&T Air APC9K SD2本体を見ていきます。
サプレッサーが組み込まれている事により太ましくなったハンドガードが特徴的な製品です。

外装の質感はかなり良い感じで、レシーバーやグリップは細かなシボまで再現されていますし、アルマイトはマットな質感で良い感じです。
ハンドガードだけ若干色味や質感が異なっているというのも再現?でしょうか。

という訳で、細部を見ていきます。

マズル部はこんな感じで、デフォルトだとサプレッサーが短い状態になっており、マズルがハンドガードとツライチな状態になっています。

先端の蓋を外し、付属のサプレッサー部を取り付けます。

尚、ハンドガード内に埋まっている方のサプレッサー部を外す事で、アウターバレル+飛び出しているインナーバレルを確認する事が出来ます。

ここに付属の14mm逆ネジアタッチメントを取り付ける事で、14mm逆ネジに対応させる事が出来るようになりますが、インナーバレルがアウターバレルから大きく飛び出しているので、取り付けるマズルデバイスによってはそのままでは使う事が出来ない可能性があります(特にトレーサーなど)。

ハンドガードはアルミ製のM-LOKハンドガードが付いており、B&T独自規格のレールパネルも取り付ける事が出来る仕様になっています。
M-LOKのスロットは7面に付いており、左右上が1スロット、側面と左右下が2.5スロット、底部が2スロットです。

ハンドガード底部にはハンドガードの固定用のネジが並んでいます。
また、マグウェル手前の所にはHOP調節用のイモネジが付いており、ここから1.5mmの六角レンチを差し込んでHOPを調節する事が出来ます。

コッキングハンドルは左右対称の物が付いており、デフォルトは折りたたまれている状態になっています。
操作する時にハンドルを起こして使う感じですね。

マグウェルはこんな感じで、Archwickのシールが貼られており、剥がすとB&Tのロゴが出てきます。
ライセンス無し、ノーブランドの刻印入りモデルが刻印を隠す為にやっている事と似ていますが、本製品はちゃんとしたライセンス取得済み製品です。

マグウェル底部はこんな感じ。
本来シリアルNOが印字されているプレートは無地で、窪みにシリアルNOが印字されています。
ちゃんと日本仕様を示すJPから始まるシリアルNOになっていますね。

アッパーレシーバー側の刻印はこんな感じで、スイスの国旗とB&Tのロゴが入っています。
また、伸縮ストックと擦れる事による傷から保護する為のシールが貼られています。
このシールは結構糊が残るタイプで、剥がすと汚くなる為拭いて落としてやると良いでしょうね。

ちなみに、シールを剥がした時点ですでに傷が付いている事から分かる通り、このパーツはめちゃくちゃ傷つきます。
数回ストックを伸縮させた状態だとこんな感じ。

傷つかないように使いたいならストックを伸縮させる前にストックを分解、調整するなり何とかしないといけないでしょうね。

エジェクションポート側はこんな感じ。
ボルトを引くと銀色のチャンバーと紫色のHOPパッキンが確認出来ます。

トップレールはハンドガード上部からレシーバー上部までツライチになっており、ここに付属のアイアンサイトを取り付けるとこんな感じになります。

サイトピクチャーはこんな感じ。
リアサイトには近距離用の穴広めな物と、中遠距離用の穴小さめな物の2種類のピープホールが用意されています。

マガジンキャッチやボルトリリースレバーはアンビ仕様になっています。
共に操作性の良いボタンで、操作時の感触も悪くはないです。

トリガーはこんな感じでアルミ製。
トリガーガードはレシーバーと一体型になっているので樹脂製です。

セレクターレバーはアンビで、左側より右側の方が少し小さいです。

セミオート、フルオートのポジションはそれぞれこんな感じ。
セレクターレバーのクリック感はかなり良い感じで、しっかりしたクリック感があります。

グリップは前後が長く左右が薄い特徴的な握り心地のグリップで、B&Tのロゴがしっかり入っています。

グリップ底部はこんな感じで、ちゃんと蓋が開きます。

ストック基部はこんな感じで、左右にスリングスイベルが付いています。

ストック基部底部にはストックのロック解除ボタンが付いており、このボタンを押すとストックを縮める事が出来ます。
なお、ストックの展開は単にストックを引っ張るだけで良いです。

ストックを縮めるとこんな感じ。

ストックのポジションは縮めた状態を除くと3ポジションあります。
それぞれの長さはこんな感じ。

1段階目:17.5cm程度
2段階目:20cm程度
3段階目:23cm程度

バットプレートは硬質ゴムで出来ており、結構硬いですがグリップ力はゴム製品らしくしっかりあります。

箱出し状態での初速と発射サイクル、作動性について

という訳で、箱出し状態で動かしていきます。
尚、動作検証に使用したガスはHFC134A、BB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾です。

尚、HOPを下げた状態だとBB弾がチャンバーに留まらず銃口から落ちてきてしまう状態だったので、少しHOPを強めに掛けた状態にしています。

まずは常温(マガジン温度26.1度)の状態から。
初速は69m/s程度で高めに出た時でも70m/s前半程度でした。

作動性は悪くはなく、それなりにちゃんと動いている感じですが元気よく動いている訳ではなく「動作不良を起こさない程度には動いている」程度で、リコイルはそんなに強くはないです。
「モッサリ動いている」という表現が合っている動き方ですね。

続いて、マガジン温度を35.6度まで上げてみました。
結果、初速が80m/s台まで上がりました。

これくらいの温度になるとキビキビ動くようになり、しっかりしたリコイルも感じる事が出来るようになります。
ただし、ボルトが軽いのとストローク量自体が短い影響もあってガツガツしたリコイル感ではありません。

更にマガジン温度を上げて46.7度にしてみました。
初速は90m/s台を超え93m/s程度まで上があり、たまに96m/s位まで高い初速が計測される事がありました。

35度程度の時とリコイル感はそこまで大きくは変わらず、しっかりした動きをしてくれていました。

尚、フルオートに関しては非常に不安定で、生ガス吹きまくり+ボルトの動き自体が不安定という状態でした。
発射サイクルの計測も生ガスによってうまく行かない事が殆どでしたが、何十回かトライして偶然撮れた計測結果だけ載せます。
これはマガジン温度30度程度の状態で動かしていた時の発射サイクルで、だいたい秒間15発程度のような感じです。

動作自体が不安定過ぎてフルオート時の初速が不安定かどうかすら計測出来ないので、フルオートの性能は悪いとしか評価が出来ないです。
まあ、要調整ですね。

動作の様子はこんな感じ。
ガス残量や温度に関わらずセミオートは基本的に快調なんですが、フルオートにした途端に不安定になります。

挙動としてはボルトが閉鎖される前にガスが放出されてしまっている感じがするので、その辺りは要調整かなと思います。


という訳で、Archwick B&T Air APC9K SD2 GBBの開封レビューは以上になります。
引き続き分解レビューや調整なども行っていく予定ですし、調整が一段落したらMARUYAMA SCW-9 PRO(B&T APC9 K PRO)との比較もやっていく予定です。

B&T Air APC9K SD2 ガスガン (Black) BTA-GBB-APC9K-SD2-BKAmazonで購入する

オマケ(予約から発売までの流れ)

予約から発売までの流れですが…

2023年2月頃に国内の各小売店が予約を開始(2023年7月発売予定)

2023年7月に発売日延期(2023年9月に変更)の連絡と内部パーツの変更+バリエーション展開のアナウンス

2023年10月に更に発売日の延期(2024年2月二変更)と、マガジンのバリエーション展開のアナウンス

2024年3月に更に発売日延期(フロンガスが4月、CO2が5月に変更)の連絡

2024年5月に更に発売日延期(フロンガスが5月内になる、CO2は不明)の連絡

2024年6月に更に発売日延期(フロンガスが6月内になる、CO2は不明)の連絡

2024年7月に更に発売日延期(フロンガスが7月内になる、CO2は不明)の連絡と、海外では実機のレビューが出てきている(製品は完成しているという事を伝えたいのかな?)との報告

2024年8月に更に発売日延期(APC9K PROのフロンガスが9月以降、それ以外のモデルやCO2はそれ以降)の連絡

2024年9月:APC9K PROが予定通り(?)に発売開始、その後APC9K SD2が発売(予備マガジンやCO2モデルの販売は未だ未定)

という状態で、度重なる発売の延期と突如出てきたバリエーションによって問屋、小売店、エンドユーザー全員が振り回されていた感じのArchwick B&T Air APC9シリーズですが、遂に発売が始まったようでとりあえず一安心です。

まあ、発表して予約をさせといて何年経っても発売しないどころか別の新製品を発表、発売しているようなメーカーもあるので、発売されるだけマシですよ…はい…。