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SNOW WOLF STEYR AUG A3 ロングバレルの分解レビュー

記事作成日:2025年2月19日

先日ファスガン専用機として購入、開封レビューを行ったSNOW WOLF製電動ガン、STEYR AUG A3 ロングバレルを分解していきます。

箱出し状態での作動性も初速も中々な中華電動ガンっぷりでしたが、中身にも期待をして分解していきます。

まずは通常のテイクダウンを行い、バレルとレシーバー、ストックに分離させます。

アウターバレルの分解

アウターバレルとインナーバレルを分離させ、アウターバレルを分解していきます。
まず、アウターバレル根本側の左右に付いている2本のネジを外します。
これでアウターバレルからインナーバレル+チャンバーを分離させる事が出来ます。

続いて、アウターバレル根本の樹脂になっている部分を外します。
こちらは根本のネジ1本で固定されており、バラすと樹脂アウターバレルの内側にアルミ製のインサートが組み込まれている事が分かります。

続いて、フォアグリップとガス流量調節ノブを外します。
フォアグリップはヒンジ部のピンを抜くだけで外す事が出来ます。
フォアグリップ基部の内側にアウターバレルの先端部を固定する為のイモネジが付いているので、外側に見えているアウターバレルを外すにはフォアグリップを外す必要があります。

フォアグリップ固定部の内側に付いているイモネジを外す事で、アウターバレルを取り外す事が出来ます。

アウターバレルがガタつくのも理解出来ますね…。
そもそもアウターバレルの外径と基部の内径の公差が大きい上に、このイモネジ1本だけで固定されている訳ですから、このイモネジが少しでも緩むとアウターバレルがガタガタになります。
実際、結構緩んでました。

インナーバレル・チャンバーの分解

インナーバレルからチャンバーを分離させるには、Cクリップを外すだけです。
HOPダイヤルは給弾口部を90度回転させる事で取り外す事が可能で、そのままHOPダイヤルを外す事が出来ます。

HOPパッキン・HOPクッションは共にゴム製で硬度はちょっと硬めで70程度のような感じ。
また、口は結構肉厚で固く、見ての通り整形不良による物と思われる変形が確認出来ます。
HOPの突起はシンプルな東京マルイ形状。

バレル長さはカタログスペックに記載されている通り510mm(厳密には511mmありました)で、材質は真鍮製。
HOP窓はシンプルな形状ですが、それなりにバリが出ています。

メカボックスの取り外し

まず、ストック内側に付いている蓋を固定しているネジ2本と、メカボックス(厳密にはスプリングガイド)を固定しているマイナスネジを外します。
これで蓋が外れます。

これでメカボックスを取り外す事が出来ます。
尚、蓋を固定するナットの緩み止めとして大量に塗布されているグルーガンに引っかかって中々抜けなかったです。

という訳で、取り外したメカボックスはこんな感じです。
尚、配線は銀ケーブルが採用されており、メカボックスは黒色で『SW』と入っています。

いわゆるVer3系メカボックスですが、AUG用にアレンジされているモデルの特徴として、ダミーボルトがメカボックスに付いているというのと、トリガーがP90のようなスイッチが2つ付いている仕様(セミオート用とフルオート用)になっています。
配線のレイアウトもP90のトリガーASSYと同じレイアウトですね。

全ての配線ははんだ付けされており、モーターに繋がる配線もはんだ付けされていますが、被膜がガッツリ破れていました。

メカボックスの分解

という訳で、メカボックスを分解していきます。
まず、スイッチに繋がるボードを外します。
このボードを固定している3本のネジはメカボックスの固定にも使われています。

これでモーターホルダーを外し、モーターを取り外す事が出来ます。
モーターホルダーは1本のネジで固定されており、内側にはモーターの上下居位置を調整する為の板とイモネジが組み込まれています。

見ての通り、モーターホルダー底部は片側保持なので、イモネジを強く締め込むとモーターホルダーが変形してしまい、モーターの角度が狂ってしまうのでモーターの上下位置調整にはあまり過度な期待はしない方が良いです。

モーターはおなじみの机モーターことCHAOLI製ゴミモーター。
低トルク・低サイクルでおなじみのモーターです。
11.1Vで回しても回転速度が上がらず、安く中古で出回っているので使い様によっては便利なモーターではあるのですが、よほど特殊なセッティングをしない限りは出番の無いモーターですね。
また、ピニオンギアはD型ですが、ピニオンギアを固定するイモネジ部は何かで埋められています。

メカボックス上部に付いているダミーボルトを外します。
スプリングガイドがメカボックス上部の背骨に引っかかっているだけなので、簡単に外すことが出来ます。
その後、メカボックスの背骨を外します。

メカボックスを開ける前にQDスプリングガイドを外すのですが、このスプリングガイド、ドライバーを引っ掛けるような形になっていません。
丸い窪みの奥にネジ穴が付いているだけです。
普通はマイナスドライバー用の溝があるか、六角穴になってるかしているんですが…。

仕方がないので、トルクスドライバーをネジ穴に差し込んで回しました。
トルクスドライバーの突起に引っ掛けて回した感じです。

ピストンスプリングはこんな感じで、ガッツリスプリングカットされた短いスプリングが組み込まれていました。
次世代電動ガン用並の長さになっていますが圧縮時の重量は7.8kgもあり、これは東京マルイ純正比200%の硬さのスプリングです。
これ、スプリングカット前だと一体どれだけ硬いスプリングだったんでしょうね…。

箱出し状態の無茶して動かしているような作動音の理由にも納得です。

ようやくメカボックスを開けます。
メカボックスを固定している残りの3本のネジを外し、トリガー内側に付いている樹脂パーツを外します。

メカボックスを開くとこんな感じ。
中華メカボックスありがちなグリスの異臭は無く、グリスも程よい粘度の物が塗布されていました。
シムもしっかり調整されている訳では無いですが、必要最低限の調整はされているようです。

尚、軸受は全て7mmのメタル軸受が付いていました。
ギアボックスにしっかり固定されており、変な形状にもなっていないので特に交換しなくても良いかなと思います。

ギアはこんな感じ。
粉末焼結と思われるギアセットで、穴だらけのセクターギア、東京マルイ純正形状の4枚ラッチのベベルギアが特徴的です。

吸気系パーツはこんな感じ。
樹脂ピストン、ステンレス加速シリンダー、樹脂シリンダーヘッドと何の変哲もないタペットプレートとノズルです。
特に変わった形状の部品は無いですね。

シリンダーヘッドとノズルはこんな感じ。
シリンダーヘッドは丈夫が飛び出しているいわゆるAUG用で、ノズルは前方吸気対応型でシーリングノズルではありません。
ノズル長は24.98mmありました。

尚、シリンダーヘッドに付いているゴム板を貼り付ける為と思われる接着剤が漏れ出しており、カチカチに硬化+変色していました。

タペットプレートはAUG用の樹脂製。

羽の形状は普通ですが、前側は綺麗に90度になっておらず少し前側に傾いている為、少しノズルが垂れ下がるような感じで固定される形になってしまっています。
これは要交換ですね。

シリンダーはステンレス製の加速シリンダー。
外側は少し傷が付いていますが、内側はそんなに気になるような傷は入っていませんでした。
加速穴のバリも無さそうです。

ピストンは赤色の樹脂ピストンで、ラックギア2枚目が全部削られており、最後のラックギアが金属になっています。

ピストンヘッドは半透明の樹脂製で吸気穴6個の後方吸気型。

ピストンを分解するとこんな感じ。
ピストンヘッドは2分割になっており、内側にはスラストベアリングが組み込まれている事が分かります。

最後にトリガーやスイッチ類を外していきます。
まず、トリガーを外した後、スイッチを取り外します。

各部の配線がはんだ付けされている為、スイッチをメカボックスから分離させる為にスイッチを分解しました。
ついでに接点の状態を確認しておいたのですが、変形していたり消耗も特に無さそうでした。

最後にカットオフレバーを外してメカボックスの分解は完了です。


という訳で、SNOW WOLF STEYR AUG A3 ロングバレルの分解レビューは以上になります。
新品で2万円を切る価格帯の電動ガンとしては全然悪くないレベルなんじゃないかと思います。

この後、ファスガン専用機としてカスタマイズしていきます。