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東京マルイ P320 FULL SIZE GRIP MODULE:Mの分解レビュー(バレル周り、ブリーチ、FCUの分解)

記事作成日:2025年10月14日

先日レビュー記事を書いた東京マルイ製ガスブローバックハンドガン、P320 FULL SIZE GRIP MODULE:Mを分解していきます。

まず、マガジンを抜いた状態でスライドを後退させ、スライドロックレバーを回転させてスライドとグリップを分離させます。
東京マルイ P320はマガジンを入れた状態だとレバーが回せなくなるギミックが再現されている為、まずはマガジンを抜く必要があります。

スライド周りのパーツについて

まずはスライド側に付いているパーツを外していきます。
まず、工具無しで外せるパーツは開封レビュー記事の方で紹介しているリコイルスプリングとバレルです。

リコイルスプリングの分解について

東京マルイ P320のリコイルスプリングは1本のスプリングと樹脂製スプリングガイド、ゴムダンパーという構成になっています。

リコイルスプリングを分解するには、スプリングガイド先端のパーツを外す必要があります。
ここはねじ込まれて付いていてソコソコ硬いですが、プライヤー2つあれば回せます。

分解するとこんな感じ。
東京マルイのリコイルスプリングはシャフトが二分割になっている事が多い印象があるのですが、本製品は一本物のリコイルスプリングのようです。

バレルの分解について

アウターバレルとインナーバレルを分離させるには、アウターバレル側のチャンバー部を少し指で開きながらインナーバレルがくっついてるチャンバーを引っ張ります。

これでアウターバレルとインナーバレルを分離させる事が出来ます。

インナーバレルはこんな感じで、特徴的な部分はマズル部が若干削られているという所でしょうか。
東京マルイ P320はアウターバレル先端の内径が狭くなっており、インナーバレル先端を細くしないと取り付ける事ができなくなっています。

そして、インナーバレルの先端で保持されている為、社外製インナーバレルに交換したい場合は自分で適切なサイズに加工するか専用品が出るのを待つのが良いでしょう。
短いインナーバレルを使用すると精度が落ちる上に最悪の場合アウターバレルにBB弾がぶつかってしまう可能性があります。

チャンバーはこんな感じで、最近の同社製ガスブローバックハンドガンで採用されている幅広で確実に真っ直ぐ下ろす事が出来る新型HOPアジャスター付きの物になります。

チャンバーは2本のネジで固定されており、外すと開く事が出来ます。
HOPアジャスターはしっかり固定されています。

HOP窓の形状やHOPパッキンに関しては一般的な形状。
窓のサイズは広めな物が採用されていますね。

尚、バレル長は106mmです。

HOPアジャスターはこんな感じで、チャンバー本体とHOPダイヤルによってしっかり固定されており、水平も出ています。
アジャスターを外すにはHOPダイヤルを固定しているネジを外すだけです。

ブリーチの取り外しと分解について

続いて、スライドに付いている補強用の金属パーツやローディングノズル、ピストンなどを取り外してい聞きます。

と、その前にXで話題になっていた「クラック」について触れておきます。
恐らく気にしている人は赤線の部分の白いラインの事をクラックと呼んでいるようですが、これは樹脂にネジをねじ込んだ際に樹脂が引っ張られて出来る線で、クラックではなくグレーズ(グレイズ)やストレスホワイトニングと呼ばれている物になるかと思います。
本製品に限らず樹脂にネジがねじ込まれている箇所で度々確認出来る物です。

ここからクラックに発展する可能性は否定出来ませんが、クラックは衝撃・負荷によって起きる物です。
ただし、そもそもここは負荷が掛かる部分でも無い、むしろ負荷が掛からないように金属製のパーツが埋め込まれているので、このグレーズに関しては特に気にする必要は無いと思います。

グレーズが発生している原因としては、組み込み時に締め込みトルクが高かった、そもそも肉薄すぎる、ネジサイズの若干の個体差など、色々な要因があるかも知れませんが、いずれにしても大きな問題になる事は無いかなと思っています。

むしろ、細いネジをゆるく締め込んだ結果、動作中にネジが緩んで飛び出してしまうという事が起きる可能性もあるので、それよりかはちゃんとネジが締め込まれてしっかり固定されている方が安心出来るかなと思います。

という訳で、分解を進めます。

まず、ブリーチ後部とリアサイトを固定しているネジを外します。
これでリアサイトを外す事が出来ますが、結構タイトに固定されているので無理に外す必要は無いと思います。(ネジさえ外せば、リアサイトを外さなくてもブリーチは外せます。)

続いて、スライド後部に付いているエキストラクタースプリングガイドを押しながらスライドリアキャップを下方向にスライドさせます。
これでエキストラクタースプリング、エキストラクタースプリングガイド、スライドリアキャップを取り外す事が出来ます。

続いて、スライドの左右内側に付いている補強パーツを固定しているネジを外します。
このネジは非常に細い上に樹脂スライドにねじ込まれているので組み直す時にネジ山を潰さないように、必要以上のトルクをかけて締め込まないように気をつける必要があります。

続いて、新調にブリーチを引っ張り出します。
補強パーツとブリーチは噛み合った状態になっているので、同時に抜く必要があります。
スライドを強引に開けば補強パーツを外さずにブリーチを外す方法もあるかもですが、スライドに負荷を掛けない取り外し方なら、この方法の方が良い気がします。

ブリーチ前側に付いている凹凸と、補強パーツ後ろの凹凸が噛み合って、ブリーチにかかる負荷をスライド全体で受け止める構造になっている感じですね。

スライド内側はこんな感じ。
かなり肉薄で限界までブリーチを大きくしている事が分かります。
この感じだと社外製スライドが発売されたとしても、リアルな寸法のオプティクスレディスライドは難しそうですね…。
専用ブリーチとローディングノズルもセットにする必要がありそうです。

尚、ブリーチを外したらエキストラクターを取り外す事が出来るようになります。

ブリーチの分解について

続いて、ブリーチを分解していきます。
東京マルイ P320は商品説明でも紹介されている通り、15mmという大型なピストンが採用されています。
ブリーチ上部は貫通してローディングノズルが見えている状態で、リターンスプリングは上部の左側に1本ついています。

補強用パーツはこんな感じ。
エジェクションポートの部分を跨ぐ形でこのパーツが差し込まれ、スライドの引張強度を高めているのだと思われます。
どうしてもエジェクションポート周りは強度が落ちますからね。(特にP320のスライドは薄いですし)

ローディングノズルとブリーチを分離させるとこんな感じ。
ピストンカップはブリーチに付いているネジに引っかかっている、よくある構造をしています。

15mmサイズのピストンが仕様されている事もありシリンダーのサイズは肉薄で大口径になっています。
ローディングノズルに付いているピンを抜けばフローリングバルブを取り外す事が出来ます。

フローリングバルブは三角形の形。
東京マルイ製品でもたまに見かける(最近よく見かける)形状ですが、この形状が良いんですかね。
尚、フローリングバルブスプリングはフローリングバルブの先端に引っかかるように先端が窄んで潰されています。

FCUの取り外しとマガジンキャッチの分解について

続いて、グリップ側の分解です。
FCU(ファイア・コントロール・ユニット)を取り外すにはスライドロックレバーを外し、トリガーを下から押し上げます。

これでFCUを分離させる事が出来ます。
ワンタッチで取り外せるのは良いですし、社外製グリップとかが登場した最は組み込みが非常に簡単に行えそうです。

尚、東京マルイ P320のシリアルNOは実銃と同様にFCU側に入っており、フレームに開いている窓から見える仕様になっているという所も再現されています。
しかもこのシリアルNO、ちゃんとユニークな物になってるんですよね。

続いて、マガジンキャッチボタンを取り外します。
マガジンキャッチボタンはボタンを押した最に飛び出す反対側に細い棒を突っ込んで爪を押してあげる事で取り外しが可能です。
ちょっとコツがいるので、慣れが必要な箇所な気がします。

また、P320のマガジンキャッチボタンは左右の入れ替えに対応しています。
恐らくですが、これも実銃のマガジンキャッチボタンの構造と同じなんじゃないかと思われます。(なんか昔見た動画で同じような方法でマガジンキャッチを外していた気がする)

FCU(ファイア・コントロール・ユニット)の分解について

最後にFCU(ファイア・コントロール・ユニット)を分解していきます。
FCUはP320の特徴の1つですね。
ここにはトリガー、スライドストップ、セーフティレバー、ハンマーなどの射撃(ガスの放出)に必要な機能が全て組み込まれています。

FCUの分解にあたって、まずはトリガースプリングを取り外します。
トリガースプリングはトリガーバーの後ろ側に付いており、引っかかってる部分を外す事で簡単に取り外す事が出来ます。

トリガースプリングを外したらトリガーバーやトリガーを取り外す事が出来るようになります。

FCUを外してトリガーの分解まで1分も掛からないので、いずれ発売される事になると思われる社外製トリガーやトリガースプリングなどのパーツの組み込みはかなり簡単に行えそうです。

続いて、FCUの分解する前に「マガジンが入っている状態だとスライドロックレバーが動かなくなる」という部分の構造について紹介しておきます。
スライドロックレバーの動きに連動して動く黒色のバーが付いているのですが、ここがマガジン部分に干渉する構造になっているようです。
その為、マガジンが刺さった状態だとこの黒色のバーが動かず、結果としてスライドロックレバーが動かなくなるという仕組みになっている事が分かりました。

スライドロック状態
ロック解除状態

ではFCUの分解を進めます。
まず、シアーハウジングを外します。
このパーツは側面からネジ止めされているだけです。

続いて、セーフティレバーに付いているカチカチという感触を生み出す為のパーツを外します。
このパーツはセーフティレバーを左側から押し込む事で外せます。
その後、セーフティレバー右側に付いている極細のロールピンを抜きます。

FCUの分解でこのロールピンを抜く作業が一番面倒というか、神経使いました。
失敗するとロールピンが変形してしまいますからね…。

ピンを抜いたらセーフティレバーを外す事が出来ます。

ディスコネクターとかハンマーとか、激しく動くパーツがたくさんある部分な事もあり、セーフティレバー周りには結構しっかりグリスが塗布されていました。

セーフティレバーを外したらFCUを固定しているネジを全部外す事が出来るようになるので、FCUを開きます。

ハンマーやスライドストップなどのパーツはFCUを開いてもちゃんと固定されており、パーツがバラバラにならないようになっていました。

スライドストップ側はこんな感じで、スライドストップ自体は引っ張れば外せます。

シアーはFCU外側からネジ止めされています。
ネジを外せば取り外せますが、特にこれ以上得られる情報も無さそうだったので外していません。(見ての通りでしかない)

ハンマー周りはこんな感じ。
ハンマーの分解までは結構手間が掛かるので、ハンマー自体の交換やハンマースプリングの交換はあまり気軽に交換は出来なさそうです。

これが「ピストンストロークの最長化を実現したアンダーハンマー方式」というハンマー形状のようです。
本当、変な形してます。

ハンマーを外した後、テイクダウンセーフティという名前の黒色のバーを外しました。


という訳で、東京マルイ P320 FULL SIZE GRIP MODULE:Mの分解レビューは以上になります。
スライド側は少し注意点はありますが、一般的なGBBの分解と難易度はそんなに変わりないかなという印象があります。
ただ、FCU側に関してはちょっと面倒かなとも思えます。

特に何度も分解・組み直しを繰り返しているとセーフティレバーのロールピンが緩くなってきてしまったりしそうなので、正直意味無く分解するのはあまりオススメ出来ないですね。

少なくとも作動性は十分すぎるので、よほどの拘りが無い限りFCUを分解する必要は無いと思いますし、外装カスタムで必要になりそうなトリガー周りの交換はやりやすいので、カスタムする上で困る事は無いかなと思います。

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