SYSTEMA PTW リコイルモデル(リコポン)を頃く使ってみての感想
記事作成日:2016年10月3日
SYSTEMA PTW MAX2 リコイルモデル、通称「リコポン」ですが、1ヶ月程使ってみての感想を書いてみます。
サバゲーにも何度か持っていっており、合計1000〜2000発程度撃っている状態になります。
総集編的な感じになっており、内容的には今まで当ブログで紹介してきた物の総集編+α程度の記事です。
外装(外観)について
外装としては、ハンドガードはM4の樹脂ハンドガード、リアサイトはMAGPUL MBUS(フリップアップ リアサイト)、トリガーガードはMAGPUL MOE トリガーガード、ストックはブッシュマスターストックになっています。
尚、バッファーチューブはMIL規格で色は黒色です。
正直、外観に関しては2013年のMAX2(非リコイルモデル)のSYSTEMA組立品と何ら変わりないと思います。
私が購入した物は10.5インチモデルなのですが、見比べただけではリコイルモデルと非リコイルモデルとの区別がつかないでしょう。
手に取ったらリコイルユニットの重量分だけバッファーチューブが重くなっているので、気づく人もいるかもしれませんが…。
トレポンらしい非常に高い剛性をしており、レシーバーやアウターバレル等のカタツキ、キシミ等は一切ありません。
ただ、ストックは結構ガタガタです。(これは普通のトレポンも同じですが…)
ハンドガードもかなりガッチリ固定されていますが、少しカタツキます。
リコイルモデル専用マガジンについて
SYSTEMAが10年に渡って手を加えてこなかったマガジンが遂に変わったのですが、これがまた、癖が強いというか正直不具合が多すぎる気がします。
意外と問題が多い新型フォロワートップ
まず、SYSTEMAが満を持して作ったとされる改良型のフォロワートップですが、たしかに従来品のひょうたん型のようにリップから飛び出して紛失するような事は無くなっています。
その代わりに、「マガジンインナー内部で詰る」「必要以上に飛び出し過ぎて、ノズルと衝突する」という、「ひょうたんが飛んでいく」という問題より致命的な不具合が発生しているようです。
マガジンインナー内部で詰るという問題は定期的にシリコンオイルを塗布してやれば回避できそうなのですが正直そんなにこまめにメンテナンスするのは面倒くさいですし、フォロワートップがスムーズに動いている間はBB弾にもシリコンオイルが付着し、HOPの掛かり具合が不均一になります。
必要以上に飛び出しすぎてノズルと衝突する問題ですが、これは純粋にノズルの閉鎖不良を起こし、最悪ノズルやピストン、更にはセクターギアやプラネタリギア等を破損させる原因にも繋がるので本当に恐ろしい問題です。
この症状は某ショップのスタッフの方から聞いて手持ちのマガジンで試してみた所、確かにまれに発生する事が分かり驚愕しました。
原因としては、従来型のフォロワートップ(右)に対して、新型のフォロワートップ(左)は角ばっています。
その為、ノズルと衝突した時に従来型は引っ込んでくれるのに対し、新型はそのまま噛み込んでしまうのだと思われます。
うーん…。
飛び出し防止に対して問題の方が大きい気が…。(飛び出すだけなら買い直せば良いわけですし、最悪ひょうたんは無くても給弾されますし…)
あと、「新型フォロワートップの形状ってBlackcat Airsoftの奴じゃん」というツッコミは無しでしょうか…?
ちなみに、Blackcat AirsoftのはSYSTEMAの新型フォロワートップより丸みを帯びているので、全く同じという訳ではないですが…。
尚、これはショップの人から聞いた話で、私自身は使ったことが無いのですが、Blackcat Airsoftのマガジンは弾上がりが抜群に良いそうです。
マガジン内バッテリーの面倒くささと注意点
従来のトレポンであればバッテリーはバッファーチューブ内か、ストック内に入れるようになっていたのですが、リコイルトレポンはバッファーチューブにリコイルユニットが詰まっているのでここに配線を通す事が出来なくなっています。
その為、東京マルイの次世代電動ガン HK416Cと同じようにマガジン内部にバッテリーを入れるようになっているのですが、このマガジン内バッテリーにも2つの問題があるのです…。
まず、バッテリー形状が特殊なので、セルが死んだらマガジンごと交換しないといけないという点。
この通り、出力側の端子とバランス端子が別々の方向に伸びているのです…。
試しに普通の形状のLiPoバッテリーを入れれないか試してみたのですが、3セルは無理ですね。
2セルなら入りましたが、リコイルトレポンを2セルで動かすのは辛いです。(キレが無くなり、もっさり動きます)
もう1つは端子の問題です。
マルイの次世代電動ガン用(HK416C用)マガジン内バッテリーは、端子がかなり奥まった場所にあるので、そうそうショートする事は無さそうですが、リコイルトレポンのマガジン内バッテリーはこの通りほぼむき出しです。
ダンプポーチのような不安定な所に複数のマガジンを入れてしまうといつショートするか分からないです。
幸いマガジン内部に35Aのヒューズが付いているので、ショートしてしまってもヒューズが飛ぶので、安全と言えば安全なのですが…。
マガジン内バッテリーの充電について
マガジン内バッテリーの充電はバランスコネクターのみを使った方式になります。
ラジコン用等で一般的な出力側のコネクターも充電器に繋ぐタイプの物は使う事が出来ません。(それを使いたい場合は毎回マガジンを分解しないといけないです)
私はリコイルトレポン専用にバランスコネクターだけで充電する事が出来るタイプの充電器を購入しました。
また、バッテリーから伸びているバランスケーブルはかなり短いので、別途延長ケーブルを買った方が充電がしやすくなって良いです。
作動性について
リコイルトレポンの動作に関しては普通のトレポンと殆ど同じ感覚で使えます。
レスポンスに関してもリコイルバッファーが付いた事による変化はかなり少ないですね。
[arve url=”https://youtu.be/bwSpETJjoRY”]
流速チューンのトレポンを使った時のように「立ち上がりがちょっと重いな」と感じる位です。
連射速度も毎秒18発と、通常のトレポンと大差ありません。
リコイルショック(反動)について
これが、これこそがSYSTEMA PTW リコイルモデル最大の売りなのですが、期待しちゃいけない要素の1つでもあります。
確かに後方打撃らしい、後ろに叩きつけられるようなリコイルを体感する事は出来ます。
次世代M4と撃ち比べたら”反動の動きの違い”は明らかです。
一方、”反動の強さの違い”も明らかで、次世代よりリコイルトレポンの方が断然弱いです。
ファーストインプレッションで「冬場のMWSに近い」と私は表現しましたが、割りとそんな感じだと思います。
「コツン」「コツン」と肩を叩く(ノックする)ような、言ってしまえば弱々しいリコイルです。
もっとも、リコイルバッファーの可動量が約2.6cmしか無いので、リコイルの量は仕方ないのかもしれません…。
むしろ、2.6cmの動きだけでこれだけのリコイルを実現しているという事が凄いかもしれません。
ちなみに、次で紹介しますが、プッシュロッドが外れる直前はリコイルがかなり強くなります。(次世代レベルに近づきます)
壊れやすい?ピストン
公式で「一度セッティングが決まると、作った当社でさえ、あきれるほどの耐久性があるリコイルモデルです。」と耐久性を売りにしてるリコイルトレポンですが、私の知る限りのリコイルトレポンユーザー4人のうち3人が何かしらの理由でピストンを壊しています。
しかも買って1ヶ月程、合計1000発程度しか撃っていないにも関わらずです。
リコイルバッファー側のユニット破損が原因でピストン側も壊れてしまうケースから、私のようにプッシュロッドが外れてピストンクラッシュするケースがあるようです。
幸い自分の個体はピストンが壊れただけで、それ以外のパーツは致命的な損傷を免がれており、自力で修復が可能でした。
まだプッシュロッドが外れた事の無い個体でも、念のためプッシュロッドが緩んでないかどうかを定期的に確認した方が良いかと思います。
また、プッシュロッドが外れ掛かると、リコイルバッファーの可動量が最大で約1cm増えます。
この影響でリコイルが少し強くなり、ガスブロのような「キーン」という金属音も響くようになってくるので、そうなったら要注意です。(これは私の個体でそういう事が起きたというだけで、全ての個体でそうなるかは分かりませんが…)
尚、プッシュロッドとピストンヘッドはリコイルトレポン専用品で、現状アフターパーツも供給されていないので、プッシュロッドやピストンヘッドが壊れるとSYSTEMAに修理依頼をする事になります。
また、SYSTEMAは個人レベルでの修理窓口を設けていないようで、原則ショップ経由でないと修理を依頼する事が出来ないようです。
正直、メーカー修理が嫌いな人間(なるべく自分で解決したい)なので、あんまり修理には出したくないんですよね…。
かといって、自分で修理したり弄ったりするにしても、リコイルモデルで新しく作られた部分に関してはデータが不足しすぎており、調整するにも何をどうすれば良いのかがよく分からないというのが現状です。
アフターパーツの供給が開始され、簡単に修理が出来るような状態になれば、色々と試せるのですが…。
総評
私個人としてはリコイルトレポンは面白い銃だと思っています。
こんな変態的なリコイルの機構を採用したエアソフトガンは後にも先にもリコイルトレポンだけな気がします。
内部構造を知った状態で使ってみて、「ここがこう動いてこうなるのか」というのが分かった時の感動を楽しむ為の銃だと私は思っています。
そして、どうやって弄っていこうかという事を考えるのが楽しい訳です。
まあ、銃を弄るのが好きな人は好きになれるのではないかな?と思っています。
値段だけがボトルネックですが…。
とりあえず、これからもリコポンのデータ集めは続けようと思っています。
検証の結果、「箱出し状態で、ここをこうすれば、問題なく使える」という事が分かれば評価も変わってくるかもしれませんので…。