
APS製電動ガン ASR102の分解レビュー(バレル・チャンバー・メカボックスの分解)
記事作成日:2018年2月6日
つぼみトレードカンパニー様よりお借りしたAPS ASR102を分解していきます。
尚、ASR102の外装や箱出し状態の動作(初速・発射サイクル等)のレビューはこちらの記事をご参照ください
という訳で、APS製の通常電動ガン、ASR102を分解していきます。
ASR102は前配線のモデルなので、まずはハンドガード内のギボシ端子を外す必要があります。
ギボシ端子は熱収縮チューブに覆われているので、こちらを切断する必要があります。
熱収縮チューブを切った後、レシーバーのピポッドピンを抜き、アウターバレル+アッパーレシーバーを手前にスライドさせるとアッパーとロアを分離出来ます。
尚、ピポッドピンには抜け防止の為の樹脂製のリングが付いていました。
チャージングハンドルは特殊な形状をしています。
恐らくリアルブローバックのギミックを実現する為に、このような形状になっているのだと思われます。
APS ASR102のチャンバーとインナーバレルを見ていきます
チャンバーは東京マルイの通常電動ガンと同じ仕様のメタルチャンバーです。
また、インナーバレルとチャンバーの間に挟み込んでブレを抑える真鍮製のリングも付いていました。
HOPテンショナーは樹脂製のH型です。
サードパーティ製のカスタムパーツでもこういう形状の製品が出ていますが、個人的にはあまり好きではない材質+形状のテンショナーです。
インナーバレルは長さ約274mmで、磁石がくっついたのでステンレスだかスチールあたりだと思います…。重みもあります。
HOP窓は手前にアールが掛かった形状で、マズル側にはガタツキ防止の為のOリングが2つ付いていました。
最初からカスタムパーツが色々と組み込まれているようなチャンバーですね。
特にインナーバレルのガタツキ防止のOリングやHOP窓の形状は高評価です。
APS ASR102のロアレシーバーを分解していきます
続いて、ロアレシーバー周りのパーツを分解していきます。
まず、普通の電動ガンではアッパーレシーバー側に付いているダミーボルトですが、リアルブローバックを実装しているAPSの電動ガンではメカボックス側に付いています。
後で外しても良いのですが、カチャカチャ煩いので先に外し、ストックも外しておきます。
ストックは一般的な通常電動ガン仕様のもので、キャッスルナット部分がバッファーチューブと一体型になっている物でした。
次に、グリップを外します。
グリップの底蓋は2本のネジで固定されているので、これを外せば良いだけなのですが、樹脂穴にタップネジが埋め込まれているタイプの物なので注意が必要です。
何度も着脱を繰り返すと段々とネジ穴が壊れていく可能性があります。
モーターは『EVOLUTION EDGE』というAPSオリジナルモーターでピニオンギアはD型でした。
磁力も弱く、ピニオンを掴んで回すとがローターがスルスル回るので、『いわゆる中華モーターだな』といった感じ。
机モーターほど酷くは無いので、机とEG1000の中間位の性能のモーターかと思われます。
次にボルトリリースボタンとマガジンキャッチを外します。
ASR102は後退させたままロック出来る機能がが付いているので、ボルトリリースボタンの形状が特殊です。
マガジンキャッチは一般的な電動ガンと同様、マガジンキャッチボタン側からネジ止めするタイプです。
最後にテイクダウンピンとトリガーピンを抜く事で、ロアフレームからメカボックスを抜きます。
尚、テイクダウンピンにもピポッドピンと同様に抜け防止の樹脂リングが付いています。
APS ASR102のメカボックス内部を見ていきます
メカボックスはVer2亜種タイプですね。
ほぼVer2と同様の仕様なので、パーツの互換性は比較的高いと思います。
ASR102に限った事ではありませんが、APSの電動ガンはQDスプリングガイドが採用されており、メカボックスを開けずともピストンスプリングを抜く事が出来ます。
ピストンスプリングは国内用にデチューンされた物になっているのですが、デチューン方法がスプリングカットでした。
不等ピッチスプリングの手前側(ピストン側)がカットされています。
ピストンスプリングは結構硬めで、M110〜M120程度の硬さがあるような気がしました。
恐らく海外仕様のスプリングのままだと国内では初速が高く出過ぎる為、スプリングカットによるデチューンを行っているのだと思われます。
また、QDスプリングガイド以外の特徴として、ボルトストップ用のレバーが付いているのと、逆転防止ラッチを解除する穴が空いていました。
メカボックスに付いているネジを外してメカボックスを開けます。
見た感じ、ギアグリスとシリンダーのグリスは違う物が使われており、ギアグリスは若干黄ばんだ粘り気のあるグリス、シリンダーのグリスは透明の柔らかめのグリスが使われていました。
シリンダーやピストンなどの吸気系はこんな感じ。
シリンダーは加速シリンダーで、シリンダーヘッドは樹脂製。
ピストンは最後の1枚が金属になっている樹脂ピストンで、ピストンヘッドは後方吸気の樹脂ピストン。
タペットプレートも樹脂、ノズルは金属製のエアシールノズルでした。
ピストンに使われているパーツとしてはこんな感じ。
ピストンスプリングのヘタリを抑制する為のベアリングが付いていました。
尚、ピストンヘッドを固定する為のネジはタップネジでした。
ギアはAPSだけあって純正ギア(厳密にはどこかのOEMギアで、E&LやASG製の電動ガンにも採用されており、SHSやZC等のカスタムパーツとしても販売されています。)。
個人的にはかなり好きなギアで、割と色んな銃にこのギアを組んでいます。
メカボックス内部の配線はかなり特徴的というか、「何でこんな事に…」といった印象。
絶縁する必要が無さそうな箇所に熱収縮チューブが付いており、そこに接着剤が塗布されています。
配線を引っ張ると「パリパリパリ」と音を立てたので、ちょっとびっくりしました…。
トリガー周りやスイッチ、セレクタープレート等は一般的なM4と同じ感じですね。
尚、東京マルイと同様にSAFE状態にすると物理的に通電がカットされる仕様のスイッチとセレクタープレートです。
軸受は8mmのベアリング軸受けです。
どの軸受もスムーズに回転しました。
という訳で、APS ASR102の分解レビューは以上になります。
※普通はこんな袋詰めにはせず、もっと雑な管理なのですが、依頼品のパーツを紛失するわけにもいかないので、各パーツを袋に入れてます…。
APS ASR102を分解して思ったこと
「これは致命的に駄目」と思える箇所は特に無く、普通の海外製電動ガンだなといった印象です。
また、問題のあるパーツと大丈夫そうなパーツの差がはっきりしている仕様だと思いました。
最低限の調整で割と普通に使えるレベルの銃に仕上がるような気がします。
絶対に交換+追加した方が良さそうなパーツは、
- チャンバーパッキン
- HOPテンショナー
- ピストンスプリング
- ピストンヘッドの錘(ピストンの重量UP)
辺りですね。
チャンバーパッキンとHOPテンショナーは東京マルイ純正のように国内の仕様に最適な物に交換するのが吉だと思います。
また、ピストンスプリングが硬すぎてレスポンスに影響を及ぼしている気がしたので、交換推奨ですね。
モーターを変えてゴリ押しする事も可能ですが、スプリングを変えるだけでもかなり良くなりそうな気がしました。
ピストンヘッドの錘ですが、これはHOPを強くした時の初速の安定性を向上させる為にもあった方が良いと思います。
少なくとも柔らかめのスプリングを使って初速を稼ごうとするなら、ピストンの重量を増やすのが一番手っ取り早いですね。
これらのパーツ交換程度なら、1000円〜2000円程度で何とかなると思います。
できれば交換した方が良さそうなパーツは、
- チャンバー
- モーター
あたりでしょうか。
まず、この形状のチャンバーは使っているうちに銃の振動によってHOPが緩んでしまう事が多いので、個人的にはあまり好きではありません。
モーターは先述の通りお世辞にも良いモーターとは言えないので、東京マルイEG1000のような普通のモーターに交換するのが良いと思います。
絶対交換した方が良いパーツと出来れば交換したほうが良いパーツを合わせると8000円程度でしょうか…。
その程度の金額をプラスする事で改善出来る気がします。
更に良くしたいなら、もう青天井ですね…。
内部カスタムだけでも10万円位なら余裕で消えていってしまうでしょう…。
という訳で、次はカスタム記事を投稿します。
ASR102の内部カスタムでは、なるべく低予算(目指せパーツ代1000円)を目標に、「最低限のパーツ交換だけでここまで良くなります」といった感じの事をやろうと思っています。
具体的にどんなパーツを使うかはまだ未定ですが、私がよくやる「余り物カスタム」ではなく、ちゃんと新規でパーツを調達した低コストカスタムをやっていくつもりです。
[追記]
カスタム記事を投稿しました。
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