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FALCON TOYS MAXIM DEFENSE MDX 508 GBB(MWS互換)のレビュー

記事作成日:2024年10月18日

FALCON TOYS MDX 508 for MWS(Black)を三山商事株式会社様よりお送りいただいたのでレビューしていきます。
本製品はMAXIM DEFENSE MDX 508を模したデザインのガスブローバックライフルで、東京マルイ M4A1 MWS系の内部構造を採用している製品になります。
仕様に関しては同社から発売されているMCX、TTI TR-1、PDXなどのコンプリートGBB製品と同じと思ってもらって良いと思います。

本製品のモデル番号は2101Jで、日本仕様のモデルになります。

本製品の特徴について

本製品はメーカー出荷段階で『初期不良の排除』と『慣らし』を済ませる為に工場で組み上がった後、外部ソースで100〜200発程度+リキッドチャージのマガジンで1〜2マグほど撃ってから出荷を行うようにしているとの事です。

その為、新品の状態でも付着しているグリスが汚れていたり、擦れていたりしますが製品の仕様との事です。
※ハンマーやボルトに付着しているグリスは輸送中にパッケージから漏れ出すのを防ぐ為に拭き取られています。

その分、開封直後からしっかり動作させる事が出来るのが本製品の特徴でもあります。

付属品について

内容物はこんな感じ。
弾速証明書と銃本体、マガジン、ハンドストップです。
また、銃本体はアッパーレシーバー、ロアレシーバーとリコイルスプリングの3つのパーツに分離された状態で収納されており、組み立ててから使う必要があります。

ハンドストップはMAXIM DEFENSE製のM-Rax Hand Stopを模した物が付属します。
アルミ製でM-LOKスロットを1つ使用するタイプです。

ちなみに、何故かM-LOKナットが上下逆に付いていたので、取り付ける場合は一旦外してナットの向きを変更する必要があります。

付属のマガジンについて

付属のマガジンはFALCON TOYSのMWS用30/39連ポリマーマガジンです。
こちらはMAGPUL P-MAG GEN M3を模した製品で、装弾数は30発です。
FALCON TOYS製 東京マルイ MWS用 MAGPUL P-MAG GEN M3タイプ マガジンのレビュー』の記事で紹介した製品と同じ物になります。

中に入っているスペーサーを抜く事で装弾数が39発まで増えますが、最大限まで装填した状態でボルト操作を行うとローディングノズルにダメージが入る可能性があるので、38発に抑えておいた方が良いと思います。

マガジン上部の刻印周りもしっかり再現されており、細かなシボもそれっぽく再現されています。

リップ側はこんな感じ。

マガジン底部はこんな感じ。
バンパーの前側に注入バルブが付いており、国内仕様の物が標準で装着されている為HFC134AやHFC152Aなどのフロンガスの注入がしやすくなっています。

テイクダウン状態で確認出来る内部パーツについて

アッパーレシーバーとロアレシーバーが分離されている状態なので、テイクダウン状態で確認出来る内部パーツも軽く紹介しておきます。

まず、リコイルスプリングは東京マルイのMWS系と似たような形状で、片側がすぼんでいるタイプ。
硬さは比較的柔らかめで、フロンガスでの動作時に問題が無いような硬さになっています。
また、自由長が31cm程度と通常のMWS用スプリングよりも短く、PDWストック用の長さになっています。

ロアレシーバー側のハンマー・トリガーASSYはこんな感じ。
IRON Airsoft製の東京マルイ MWS用トリガーユニットが組み込まれています。

また、ボルトストッププレート(Zシステムのダンパー)なども全てIRON Airsoft製の強化パーツになっています。
メカボックスはアルミ削り出し、ハンマーやシアー、トリガーなどの負荷が掛かるパーツはスチールと、そう簡単に消耗・摩耗するようなパーツ構成では無いです。

ストック側はこんな感じ。
リコイルスプリングやリコイルバッファーなどを固定する為のピンなどは付いていません。

アッパーレシーバー側には予めボルトやチャージングハンドルが組み込まれた状態になっています。

ボルトは非常に特徴的な形をしており、ボルトのリコイルバッファーがくっついているような見た目になっています。
ボルト本体はアルミ削り出しの軽量ボルトになっています。

ボルト後部にはローラーが付いています。

ローディングノズルはグレーの樹脂製。
IRON Airsoft製のMWS用強化ローディングノズルが付いています。

こちらのローディングノズルにはNPASが組み込まれており、ガスの流量を調整する事が出来ます。
尚、出荷状態では最大限ノズル側にガスが流れるように(初速が最も高い状態)設定されているとの事です。

ノズル側に多くのガスが流れ、初速が高くなる状態(出荷状態)
ピストン側に多くのガスが流れ、初速が低くなる状態

尚、NPASを操作した後はフローティングバルブを棒などで押してが正しく動くかどうかを確認した方が良いです。
イモネジを回した結果フローティングバルブが変な所で固まってしまう事があり、そのまま動作させるとバルブが閉鎖せず、生ガスを吹き出してしまいます。

尚、アルミ製ボルトの問題にハンマーやボルトストッププレートとぶつかる事で削れてきてしまうというのがあるのですが、本製品はハンマーやボルトストップとぶつかる箇所がステンレス製で補強されています。
補強パーツはボルト本体から0.1mm程度飛び出した状態になっており、ボルトにハンマーやボルトストッププレートが直接衝突しないような設計になっています。

ボルトの重量は106gです。

チャージングハンドルはSLR RADIAN RAPTORタイプの物で、こちらもIRON AirsoftからMWS用カスタムパーツとして販売されているチャージングハンドルになります。
左右のどちら側を掴んでもロックを解除する事が出来る、アンビチャージングハンドルです。

HOP調整ダイヤルやチャンバー周りもCNC削り出しパーツになっています。
これもIRON Airsoftから発売されているMWS用のカスタムパーツですね。
HOPパッキンは赤色の硬度高めの物が付いていました。

尚、HOP調節ダイヤルはカチカチとしたクリック感があり、それなりに固いですが操作し辛いほどの物では無かったです。
また、出荷状態では最大HOPの状態になっているようなので、使う前にある程度下げた方が良いと思われます。

組み立てについて

という訳で、FALCON TOYS MDX 508 for MWSを組み立てていきます。
尚、出荷状態ではハンマーやボルト周りのグリスが殆ど塗布されていない状態になっているので、可動部には注油してから組み上げる事をお勧めします。

また、個体差もあると思いますがローディングノズルの食い込みが激しい場合はノズルに少量のシリコングリスを塗布してあげると良いと思います。

まず、ピポッドピンを取り付けた状態でリコイルスプリングを取り付けます。
リコイルスプリングは先端がすぼんでいる側をボルト側にして取り付けます。

その後、スプリングを圧縮してアッパーレシーバーを閉じます。
ちょっと面倒ですがリコイルスプリングは柔らかいので特に問題無く組み上げる事が出来ます。

FALCON TOYS MDX 508 for MWS(Black)の外観レビュー

組み立てた状態のFALCON TOYS MDX 508 for MWS(Black)の外観を見ていきます。

マズルはラッパ状のスチール製マズルデバイスが付いています。
こちらはHATEBRAKE Muzzle Boosterを模した形状をしています。

こちらは14mm逆ネジで固定されており、外すとこんな感じ。
2つのパーツに分かれており、サプレッサーとフラッシュハイダーの2つの機能を兼ね備えている事が分かります。

アウターバレル側のねじ切り部はこんな感じ。
アルミ製のパーツが付いており、インナーバレルはアウターバレル先端まで伸びている事が分かります。

ハンドガードは結構太めのM-LOKハンドガード。
M-LOKスロットは7面についており、斜め上側が3つ、それ以外は4つ付いています。

ハンドガードの上部は20mmレールになっています。
下部の根元側にハンドガード固定用のナットが付いており、締め込む事でハンドガードを固定します。

ハンドガード根本側にはMAXIM DEFENSEのロゴが入っており、その前にはQDスイベルホールが付いており、回転防止構造にもなっています。
また、上部はハンドガードの回転防止用の突が付いており、レシーバー側の窪みにささって固定する仕様になっています。
HK416とよく似た固定方法を採用していますね。

レシーバーはこんな感じで、MAXIM DEFENSEのデザインがよく再現されていると思います。
全体的にかなり肉厚なレシーバーですね。

エジェクションポートはこんな感じ。
スチール製のダストカバーが付いていますが、MWS用なのでリアルな形状では無いですが色味や質感は良い感じだと思います。
尚、このパーツもIRON Airsoftから販売されているパーツだと思います。

ホールドオープン状態だとこんな感じ。
本製品はボルトリリースボタンはレシーバーに埋まった構造になっているのですが、ボルトリリースボタンは大きく飛び出すので押しやすいです。

ボルトフォアードアシストノブはこんな感じ。
ちゃんと操作する事も出来ます。(押すとボルトも押される)

トップレールはこんな感じで、HK416系と同じようにAR15系よりも1段高くなっています。

レシーバーに取り付けられた状態のSLR RADIAN RAPTORタイプチャージングハンドルはこんな感じ。

マグウェルはこんな感じで、MAXIM DEFENSEのロゴが入っています。
マグウェルの前側には横方向のセレーションが付いており、マグウェルを握る持ち方をする場合、良い感じの滑り止めになってくれます。
マガジンキャッチボタンの形状はシンプルですが、アンビ仕様になっています。

マガジン挿入部はかなり大きめテーパーが掛かっており、マガジンの差し込みはやりやすいです。
レシーバーが肉厚な分、ここのテーパーも大きくなっているような感じですね。

マガジンを差し込むとこんな感じ。
気になるようなガタツキも無くガッチリ取り付ける事が出来ます。

トリガー周りはこんな感じ。
トリガーガードはレシーバーと一体型になっています。

トリガーの動きはこんな感じ。
ちょっと引くと重みが強くなり、そこから更に引くとハンマーダウンする、ハンマーダウンのタイミングが掴みやすいトリガーフィーリングです。

セレクターレバー周りはこんな感じ。
レシーバー左側には『MAXIM DEFENSE INDUSTRIES ST. CLOUD, MN USA』とシリアルNOが入っており、長いセレクターレバーが付いています。
右側のセレクターレバーは短い物が付いています。

グリップはMAGPUL MOE-K2タイプのグリップが付いており、こちらもIRON Airsoftから単品販売されているGBB用グリップになります。
刻印やテクスチャの再現度は高いですが光沢感が強いです。

ストックはPDWストックが付いています。

ストック底部にはスリングスイベルとロックレバーが付いています。
ストックを伸ばす時はバットプレートを引っ張るだけで良いのですが、縮める際にこのレバーを使用します。

バットプレートはこんな感じ。
滑り止め部が六角形になっているのが特徴的ですね。

ストックの長さは一番短くした状態で13cm程度。

そこからストックを伸ばすと、16.5cm、19.5cm、22.5cmと伸びていきます。

1段階目
2段階目
3段階目

ストックのワイヤー部はこんな感じ。
スチール製で非常に高い強度がありそうです。

バッファーチューブはこんな感じで中央にはエア抜き用の穴が設けられています。

尚、ロックレバーを左右から摘むように押しながらストックを引っ張る事でストック機部からストックを分離させる事が出来ます。

箱出し状態での初速と発射サイクル、作動性について

という訳で、箱出し状態での初速や発射サイクル、作動性を見ていきます。
検証に使用したBB弾は東京マルイ 0.20g 樹脂弾、ガスはHFC134Aです。

HOP量はHOP最低の状態から少し強くした状態が最大初速のようだったので、少し掛けた状態にしています。

また、MWS互換製品なので純正マガジンの他に東京マルイ MWS用マガジンとFALCON TOYS MWS用CO2マガジンの検証も行っていますが、純正マガジンと東京マルイ MWS用マガジンの初速差は誤差レベルだったので、実質純正マガジンとCO2マガジンの比較になります。

左から純正マガジン、東京マルイ製品マガジン、FALCON TOYS MCX Rattler用CO2マガジン

まずはリキッドチャージタイプの純正マガジン及び東京マルイ製マガジンでの初速から測っていきます。

常温(23度程度)の状態での初速はこんな感じ。
初速は83m/s前後で安定、初速のブレ幅は2m/s程度でした。
アルミ製で軽めのボルトが組み込まれている事もあり、リコイルはかなり軽めですがボルトの後退速度は結構速い印象があります。

続いて、マガジン温度を34度まで上げた状態はこんな感じ。
初速は88m/s前後まで上昇し、リコイルも若干強くなります。
ただし、先述の通りボルト及びバッファーの重量は軽いので重いリコイルというよりもバッファーが勢いよくバッファーチューブを殴打するような感じです。

更にマガジン温度を上げて45度にしてみたらこんな感じでした。
初速は93〜94m/s程度まで上がりますが、リコイル感は34度の検証時と殆ど変わりませんでした。

尚、マガジン温度30度程度の状態だとフルオートの発射サイクルは秒間13.8発でした。
何度か計測しましたが、マガジン温度が低い状態だと秒10〜12発程度でした。
また、初速の振れ幅はそれなりにあり、大体5〜6m/s程度はブレる印象があり、連射時は急激に初速が低下する為、80m/s半ばの初速から70m前半まで下がるのに10発も掛からない感じでした。

また、フルオート時の安定性は純正マガジンよりも東京マルイ MWS用マガジンの方が高いようで、純正マガジンは撃っている最中に勢いが無くなっていくのが目に見えて分かる感じだったのですが、東京マルイ MWSマガジン使用時は1マガジンフルオートで撃ち切る事が出来ました。

気化効率に関しては純正マガジンよりも東京マルイのマガジンの方が高そうです。

これに関してはメーカー側も把握している事のようで、PMAGタイプのマガジンでは外部に樹脂製のカバーが装着されている分、熱交換効率の差から連射の際により早く冷え、常温への復旧もマルイ純正より時間がかかります。
フルオートやロングバーストを多用するような使い方を考えられているのであれば、マガジンウォーマーなどで事前に少し温めてあげた方がより快適に動作するようになります。

続いてCO2マガジンでの検証です。
本製品はFALCON TOYS MCX Rattler用として発売されている製品で、それ以外の本体で使う場合はメーカーとしては推奨・保証はしておらず、ユーザー側の自己責任となります。

MCX Rattlerで使う場合、インナーが短い分マガジンをかなり温めても初速は問題ありませんが、それよりインナーバレルが長い本体で使うと、周辺温度など諸条件の違いによっては初速オーバーのリスクがありますので、要注意です。

それを前提で紹介していきます。

今回の検証で使用している12gカートリッジはLayLax製です。

CO2マガジンだと常温状態で初速は98m/s半ばとかなり高く、15〜20発程度撃つと95m/s程度まで下がります。
CO2マガジンを使う場合はフロンガスマガジンとの両用は考えず、NPASで流量を絞って適切な初速に調整するのが良いと思います。

ハンドストップを取り付けた状態での全体像について

最後に付属品のハンドストップを取り付けた状態での見え方を紹介します。
このハンドストップはハンドガード前側に取り付ける物なので、前側に取り付けています。

マガジンも挿すとこんな感じ。


という訳で、FALCON TOYS製MWS互換GBB MAXIM DEFENSE MDX 508のレビューは以上になります。
店頭での販売価格が16〜17万円程度と非常に高価なエアソフトガンになりますが、殆ど全てのパーツが切削パーツに加え、内部パーツは基本的にIRON Airsoft製の強化パーツという構成を考えると納得できる価格になっていると思います。

また、メーカー出荷時点で慣らしが済んでいるというのも手間を掛けずに使えるようになるという、大きなメリットだと思います。