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インナーバレルとチャンバー、HOPパッキンの選定や調整で気をつけているポイント【E&C 329E COLT M653内部カスタム】

記事作成日:2022年8月1日

開封レビュー分解レビューを行ったE&C 329E COLT M653の内部を弄っていくのですが、いつも通りの内容だと対した変化が生まれないので、ちょっと深堀りした記事を小分けして投稿していく形にしてみようと思います。

という訳で、当記事では『インナーバレルとチャンバーの調整で気をつけているポイント』という事で、バレル周りの調整に重点を置いて紹介していきます。
主に個人的にいつも考えているパーツの選び方、組み込み時に気をつけている点を紹介していきます。

尚、記事の内容は全てスタンダード電動ガンにおける、特に尖っていないカスタムにおける内容となっています。

基本的な考え方は共通していますが、例えばハイサイクル、DSGカスタム、爆音系のカスタムの場合は考え方が少し変わりますし、GBBやエアーコッキングのカスタムも同様にちょっと違います。
ただし、全てのカスタムに通ずる点もあります。

また、精密射撃に特化するようなカスタムに関しても少し考え方が変わってくるのでその点ご了承下さい。(精度に関する話しは少し記事中でも触れます)

あと、個人的な話しなので別にこれが正解という訳でも無いので、そちらもご了承下さい…。

全体のざっくりしたカスタム内容について

まずカスタムをする上で全体をどういう構成にするかを、ざっくりでも良いので考える必要があります。
どんな物事でも設計が無いと何も出来ず、行きあたりばったりでうまくいく事は少ないです。

基本的に自分はエアガンを買う前に「こんな感じのにしよう」と非常にざっくりした事を考えており、分解時に「このパーツを買い足さないといな、このパーツはこれが使えるな」という事を考えながら分解しています。
また、カスタム前に必要になるパーツを一通り購入し、カスタムは用意したパーツを組み立てていくだけという作業になります。

特殊な構造の製品だと分解しながら「こういう構造なら、こういう事も出来るのか」みたいな事を思いついて、やってみる事もありますが、基本的には元々やりたかった事を実現する事が多いです。

今回の構成のコンセプトは『ロングバレル版 次世代MP5A5』で、要点は下記

  • バレル長はなるべく純正サイズのまま(363mm)
  • シリンダー容量は極力少なくし、加速シリンダーを活かす
  • 強いHOPを掛けた時でもしっかりBB弾を押し出せる重いピストンと、程よい硬さのピストンスプリング
  • 低回転ハイトルクモーターを使ってサイクルはあまり速くならないようにしつつ、オーバーランも少なめに
  • モーターの回転数の少なさを補う為に16:1のギアを組み込んで、発射サイクルを調整
  • HOPパッキンは在庫処分として、さっさと消費したい奴を適当に

こんな感じで考えています。

インナーバレルの選定について

まず、インナーバレルの選び方です。
スタンダード電動ガンに対応するインナーバレルは様々なメーカーから発売されており、基本的に外径8.5mm〜8.55mmの太さがあり、内径は6.00mm〜6.23mm、長さは様々で規格品だとMP5K用の110mmが一番短く、PSG1用の650mm(通常サイズは590mm)が一番長いと思います。
材質は主に真鍮・アルミ・ステンレス・スチールなどがあり、純正品だと真鍮かアルミが多いです。

また、インナーバレルにはHOP-UPパッキンの突起を出す為のHOP窓と呼ばれる穴が空いており、この形状も様々ですし、バレル前後のテーパー処理の形、バレルクリップを取り付ける溝の数や位置、ガタ取り用のOリング取り付け溝の有無や数、位置などのバリエーションを含めると無限に存在すると言っても良いバリエーションがあります。

その中から「これにしょう」と決める必要があるのですが、正直深く考える必要は無いと思っています。
というのも、そもそもインナーバレルは歪んでない限りだいたい全部使えます。

粗悪なバレルだと芯が明らかにズレていたり、少し曲がっていたりして修正が不可能に近い状態になっている物もありますが、そうじゃないなら普通に使えると思って良いです。

精密射撃においては色々と考える必要があるパーツではありますが、普通にサバゲーで使えて40m、50m先のマンターゲットの胴体に当てれたら十分という程度であれば、深く考えなくても良いパーツだと思ってます。
自分もたまに社外製のカスタムバレルを使ってますが、基本的に「ネタとして使いたいから買う」とか「丁度よい長さのバレルを持っていないから買う」という理由な事が多いです。

インナーバレルの選定手順 Part1『長さと内径について』

冒頭で書いた通りインナーバレルの選択肢はあまりに多いので、絞り込む必要があります。
そこで、まずは長さと内径を考えていくのが良いと思います。

長さは組み込む銃に合わせて考えれば良いです。
例えば14.5インチバレルのM4A1なら363mmが基本サイズになるので、それより長いとアウターバレルから飛び出しますし、短いとアウターバレルに対してインナーバレルが短い形になります。
別に長いから良い、短いから良いという事は無いので今回行なうセッティングに合った物を選べば良いと思います。

稀にアウターバレルの構造上短いバレルや長いバレルが使えない場合もありますが、それはまた個別に考えれば良いと思います。

尚、インナーバレルの長さに関しては、シリンダー容量(エアー量)を基準に考える方法があり、その場合はシリンダー容量が大きな物は長いバレル、シリンダー容量が少なければ短いバレルになります。

内径に関してはピストン周りの構成を考えながら選ぶ必要がありますが、基本的には6.05〜6.08mmが無難です。
それ以下のインナーバレルはタイトバレル、それ以上がルーズバレルと呼ばれ、これらは社外製品に頼る事が多いです。(純正でタイトバレルが組まれている製品もありますが、そういう製品は少ない)

タイトバレルの一例(ZC 6.02mm)
ルーズバレルの一例(PDI 6.15mm)

例えば短いバレルで初速を稼ぎたいならタイトバレルですし、バレルを短くせずに初速を抑えたいならルーズバレルが良いです。

今回の構成はシリンダー容量が少ないので、ノズルから吹き出すエアーは高圧で量が少ないです。
その為、内径の広いルーズバレルや極端に長いバレルはエアー量が足りなくなる可能性が高いので、今回は候補から外れます。

また、今回吸気系で参考にしているのは東京マルイ 次世代MP5A5で、この製品はMP5Kと同じサイズのシリンダーが搭載されているのにも関わらず、バレル長は229mmもあります(MP5Kのシリンダー容量は120〜140mmのバレル長に適合するとされている)。

次世代MP5A5のバレル長は229mm
次世代MP5A5のシリンダー容量はMP5Kサイズ

セッティング次第ではシリンダー容量=バレル長にはならない昔から弄っている人の間ではよく言われていましたし、自分も実験がてら色々なシリンダー容量とバレル長の組み合わせを試したりしていましたが、サバゲー用として弄っている銃では今回が初めてです。

まあ、色々言ってきましたが「適当に選べばそれなりになる」がインナーバレルだと思ってます。
意図的にバランスを無茶苦茶な事にしない限り、大きな問題は起きないです。

インナーバレルの選定手順 Part2『HOP窓について』

続いてHOP窓の形状です。
これもインナーバレル選びに置いて重要な要素の1つで、HOP窓形状はかなり色々な物が存在します。
窓の微妙な前後位置、長さ、広さ(深さ)、面取りの形状や大きさなど色々です。

多種多様なHOP窓

凝った窓形状だと斜めに削ったり、非常に浅く、なめらかな面取りをしたり、HOPの突起がギリギリ飛び出すような小さな窓など、色々なパターンが存在しますが、正直サバゲーで使えるレベルなら深く考える必要は無いと思います。
歪みやバリが無く、綺麗な四角い窓が空いてれば、大体問題は起きません。

少し例外があるとしたら、面押し系や長掛け系はHOP窓が長くないとHOPの突起が出てきませんし、強めにHOPを掛けるならHOPパッキンがインナーバレルによって歪められないように窓の前後に面取りがされているバレル且つ、HOP窓の左右が広め(深く削られている)な物を選ぶ必要があります。
R-HOP、G-HOP系はパッキンとHOP窓のサイズをドンピシャにする必要があります。

R-HOPの一例(Silent Sniper R-HOP Bucking for Prometheus EG barrels)

このようにHOPパッキン、アジャスタークッション、HOPアームとの相性もありますし、チャンバーの形状によっても相性が存在する要素なので、変わった形の凸形状にしたいなら、気をつける必要があります。

まあ、よく分からなかったり拘りが無いなら、東京マルイ形状の四角い窓が空いている製品と東京マルイ形状のシンプルな凸形状のHOPパッキンを使うのが一番です。
基本的に相性問題は起きないハズですし、十分な命中精度・飛距離を得る事が出来ますので…。

インナーバレルの選定手順 Part3『インナーバレルの機能について』

インナーバレルの基本的な仕様はバレルクリップの溝が左右に1箇所、HOP窓が1つ、HOP窓の下側に真っ直ぐ縦に伸びる窪み(パッキンのセンター出し用の溝)が付いています。
ただし、製品によってはOリングを取り付ける溝が付いていたり、バレルクリップの溝が複数あったり、マズルが深めのテーパーが施されているバレルだったりと色々な種類が存在します。

マズル側に溝が2つある
バレルクリップ用の溝が2つある
深めのテーパー処理

まず、インナーバレル先端のOリングを取り付ける溝に関してはあると便利ですが、無くてもテープを巻きつける事で調整は出来るので別に無くても困らないです。

続いて、バレルクリップ用の溝に関してはメーカーによって個数や溝の位置がまちまちなので、自分が使用するチャンバーに適合する物を選ぶ必要があります。
GBB AEG両対応のインナーバレルとかもありますが、そういうのは必要に応じて選べば良いと思います。

マズルのテーパー処理に関しては深めのテーパーや段付きテーパーは整流効果(マズルから出るエアーの流れを安定させる)を生む場合があるので、セッティングによっては重要になってきます。
ただし、しっかり精密射撃とかやってる人は自分で適度な量に調整している印象がありますし、自分も段付きやロングテーパー加工を行なう場合もあるので、正直自分で加工した方が理想形な形になると思います。

サバゲーで使う程度なら無難な45度のテーパーが軽く掛かっており、バリが出ていなければ問題無いと思っています。

これで良い。
むしろ変な問題も起きないので、これが良い。

インナーバレルの調整について

色々と選定方法について紹介しましたが、もし自分が欲しい長さのバレルが無い、テーパーを調整したい、初速調整でバレルを短くしたいなど、インナーバレルを加工したくなる事は多々あると思います。

そんな時に「最低限これがあると便利」という工具を紹介します。

  • 万力:加工するインナーバレルを固定するのに便利(めんどくさい場合は手持ちでやる場合もある)
  • パイプカッター:インナーバレルをカットするのに使用。大き過ぎても不便なので、手頃なサイズが良い。
  • 電動ドリル+テーパーリーマー:面取りをするのに使用
  • 耐水ペーパー、スポンジやすり:バリ取りなどに使用

尚、旋盤があれば全部解決しますし、綺麗に仕上げれますし、長さの微調整もテーパーも自由自在ですし、インナーバレルが歪んでいるかどうかのチェックにも使えるので旋盤があるとめちゃくちゃ捗ります。
まあ、旋盤を買うかどうかはお好みで…という感じにはなります。

自分も旋盤やフライス盤をインナーバレルの加工をするのに使う場合もありますが、毎回使う訳ではなく本当にこだわって弄る時にしか使いませんし…。

E&C 329E COLT M653で使用するインナーバレルの準備

使うインナーバレルですが、今回はE&C 329E COLT M653純正のバレル長さ363mmをそのまま使います。
見た感じ歪みも無かったですし特に癖のない形状でしたので、特に問題は無いかなと。

ただし純正インナーバレルは色々と傷や汚れがあったので、研磨剤を使って軽く磨いて綺麗にしました。
手作業で磨きすぎるとバレルの内径にブレが生じてしまうので、内側はそんなにゴシゴシ磨かない方が良いと思います。
自分はクリーニングロッドにキムタオルを巻いて、ワコーズのメタルコンパウンドを適量塗布、ゆっくり回しながら4〜5往復させて終了です。
外側も同様。

HOPパッキンによって変色していた部分もちょっと綺麗になりました。
まあ、外側を磨いても精度には影響無いと思いますがね…。
気分的な物です。

Before
After

インナーバレルの磨きはメンテナンスの時にも気をつけないといけないポイントですが、過度な磨きは精度を落とします。
その点、ステンレスなどの硬い材質のインナーバレルを使っていると傷が付いたり摩耗したりするのをある程度防げるので、メリットではあります。

尚、インナーバレルの掃除やメンテナンスはブレーキクリーナーとシリコンスプレーがあると便利です。
ブレーキクリーナーで汚れを落とした後、シリコンスプレーを吹き付けて注油する感じです。
特に真鍮バレルは一度酸化してしまうと著しく精度を悪くしてしまうので、定期的な注油はやった方が良いでしょう。

HOPパッキンとクッションゴムの選定について

HOPパッキンやクッションゴムも、インナーバレルと同様に無限とも言えるバリエーションが存在します。

HOPパッキンにゴムの種類(ニトリル、シリコン、ウレタン)、硬度(基本的に50〜80度)、HOPの凸形状と口の形状、微妙な厚みの差など、選ぶ際に気をつけないといけない箇所は多数存在します。

クッションゴムも形状や硬など、HOPパッキンほどでは無いものの種類が沢山ありますし、そもそもクッションゴム無しのアーム直押しというのも存在します。

ゴムの種類について

ゴムの種類に関しては明確に表記している場合としていない場合がありますが、ざっくり「黒色はだいたいニトリルゴム」「半透明がシリコン」「色が付いているのがウレタン」といった感じです。
ただ、例外もあります。

正直、何が良いかとは自分も一概には言えません。
正解は無いと思うので、好みを優先すれば良いかと…。

ニトリルゴム(NBR)について

ニトリルゴムは耐油性や耐熱性、耐摩耗性に優れており、多くのエアソフトガン用HOPパッキンとして使われています。
東京マルイのHOPパッキンにもニトリルゴムが採用されています。

耐熱性、耐寒性にもそれなりに高いですが、全ての製品が同等という訳ではありません。(ゴムを構成する成分の配合率によって色々変わってくる模様)

まあ、一番無難なHOPパッキン用の素材だと思います。

シリコンゴムについて

ニトリルゴムよりも耐熱性、耐寒性に高く、気温の変化による硬さの変化が比較的控えめなのが特徴です。
耐油性も高いですが、エアソフトガンでよく使用されるシリコンオイルとの相性が良くなく、シリコンオイルに長時間触れていると膨張し、柔らかくなるので扱いには注意が必要です。

夏でも冬でも安定した弾性が維持できるのはニトリルゴムよりシリコンゴムという印象があります。
ただ、例外もあるので「夏でも冬でも使いたいならシリコンゴム」と一概に言える訳でも無いと思っています。

自分はHOPクッションの方にシリコンゴムを使う事が多いです。

ウレタンゴムについて

耐摩擦性が非常に高く、摩耗しにくいのが特徴で、耐油性もニトリルゴムと同等という印象です。
自分が把握している限り、有名なのはKM規格とMapleLeaf製品だと思います。
また、海外製GBBの純正パッキンがウレタンだったりする場合も多い印象です。

正直ウレタンゴムに関しては「ウレタンゴムを使いたい!」というモチベーションは無くて、単に使いたいHOPパッキンがウレタンゴムだったという事が多い気がします。

HOPパッキンの硬度について

HOPパッキンの硬度はだいたい商品に記載されています。
東京マルイの純正HOPパッキンは50度相当と言われているのでそれを基準に考えれば良いと思います。

硬度は数値が高ければ高いほど固くなります。
HOPパッキンが硬いと少ないHOP量で強い抵抗を生むのでHOPが強く掛かったり、シリンダーの内圧が上がるなどの効果を得られます。

ただし、パッキンが硬いと寒くなった時の変化が極端になるので、柔らかいパッキンを使うよりも扱いが難しくなる場合が多いです。

HOPパッキンの凸形状について

HOPパッキンにはBB弾を抑え、HOP-UPの回転を掛ける為の突起が付いており、この形状も様々です。
また、スリックパッキン(フラットHOPパッキン)という突起の無い製品も存在し、これはHOPアームやHOPクッションによって突起を作ったり、R-HOP/G-HOPのような製品で使用します。

以前、G.A.W. マルチフィット 保持ぴったんをレビューした時に軽く手持ちのパッキンで比較してみましたが、このような差がありました。
黄色いラインがマルチフィット 保持ぴったんの突起の開始位置、赤い四角が突起です。

他にも独特な形状をした突起になっている製品は多数存在しますが、ざっくり下記のように分類出来ると思います・

東京マルイ形状のHOPパッキン

横方向に楕円形に膨らんでいる、最も無難な凸形状です。
尖ったカスタムをしない限り、だいたいのセッティングと問題の無い組み合わせが出来ます。

この凸形状が不向きなの構成はシリンダーの圧力が非常に高い物と、ハイサイDSGみたいな高速でBB弾がチャンバーに叩き込まれ、次々とBB弾が送り込まれるような製品位じゃないかと思います。

また、東京マルイ形状の突起の中央に窪みを設けた、V字パッキン/2点掛けパッキンという物も派生として存在します。

DoubleEagle B&T APC556に組まれていた幅広のV字パッキン

これはBB弾のセンター出しをHOPパッキンによって行なう事が出来き、HOPの回転が安定するという効果があり、PDIやFIREFLY、宮川ゴムなどがこの形状の製品を出している他、昔から東京マルイのHOPパッキンを加工して自作している人も少なくはない形状です。

2点長掛けHOPパッキン

昔から多く存在する凸形状で、この形状を自作している人も昔は多かった印象です。
今は宮川ゴム製のHOPパッキンが圧倒的なシェアを獲得しているような気がします。

Vパッキンと同様にBB弾のセンター出しをHOPパッキン側でやってくれるので何かと便利ではありますが、長く使っていると突起の片側だけが摩耗してバランスが悪くなってしまう事があるので、メンテナンスの際にしっかり確認しておく必要があります。

また、ちょっとでもズレて組んでしまうと悲惨な弾道になりがちな凸形状でもあります。

面押し、フラットホップHOPパッキン

平な突起を出すタイプで、海外製パッキンでもよく見かけます。
凸形状のバリエーションが非常に豊富で、有名どころだとA-Plus Airsoftの魔HOP、Maple LeafのDiamond/Delta/Super/Wonder、FIREFLY 電気うましか、BATON、ORGA、LayLaxなどの面押しクッションラバー+スリックパッキンを使った面HOPなどがこの凸形状になると思います。

フラットホップクッションラバーの一例。
基本的にスリックパッキンと組み合わせる。

V字やU字の切れ込みが入っていたり、BB弾の形状に沿ってアールが掛かっている物など、色々な派生形状が存在します。

V字型になっている面押しパッキンの一例
2点長掛け形状のクッションラバーとスリックパッキンで作る、面押しと2点長掛けの間の子みたいな奴

R-HOP/G-HOPについて

上記のHOP形状はHOPパッキン(チャンバーパッキン)を使ってHOPを掛ける物ですが、R-HOPやG-HOPはチャンバーパッキンとは別にHOP-UPの回転を掛ける為のパッキンを別途用意する特殊な形状になります。

HOP窓のサイズに合ってるゴム板にスリックパッキンを重ねて使う、Silent Sniper R-HOPパッキン。
この上にスリックパッキンを重ねて使う。

ルーツは不明ですが、相当昔から存在する形状で、昔はゴム板を切り出して作ったり、ゴムパテを使って整形したりなどの自作が主流でしたが、今は製品も存在します。

尚、SILVERBACKフラットホップラバーやMaple Leaf MR.HOP、TNT T-HOPなどはR-HOPやG-HOPを参考に作られているような形状をしていますが、一応扱いは面HOPになるような気がします。

HOPパッキンの口の形状について

意外と忘れがちなのがHOPパッキンの口の形状です。
結構重要な要素なんですがね…。

全部同じだろうと思いきや、結構メーカーによって厚み、長さ、角度などに違いが存在し、ノズルやチャンバー、BB弾との相性問題を起こします。

一概に「この形が良い」という物はありませんし、「この構成ならこういう口の形状が良い」と断言出来る物でも無いので、難しい要素でもあります。

たまに弾詰まりする」「たまに凄いフライヤーが発生する」「弾は出るけどたまに詰まったような音が鳴る」「たまに二重給弾する」などの問題が起きた場合は口の形状を疑った方が良い可能性があります。

例えばノズル長が長めかつ、ノズルの先端にしっかりテーパーが掛かっているような製品であればパッキンの口にスムーズにノズルが差し込まれる形がベストになります。
例えばパッキンの口が肉厚だったり角度がキツく、内径が狭くなっているとノズルが前進した時にノズルがパッキンの口にぶつかり、巻き込んでしまう可能性が出てきます。

ノズルの種類によっては差し込まれるのが良い
先端が触れる程度がちょうど良い場合も存在

また、これらの話しは適切なノズル長との兼ね合いもあるので、割と悩まされるポイントではあります。

HOPパッキンのカスタムと言うと、エアソフトガンのカスタムの中でもかなり簡単な部類と思われがちですが、精度を気にし始めると考える事はかなり多いです。

ここの調整が一番めんどくさい。
ただ、正直精密射撃をやらない限り、そこまでシビアに考える必要も無い。

二重給弾とHOPパッキンの巻き込み事故について

HOPパッキンの口について色々書きましたが、HOPパッキンの形状が原因で二重給弾が発生する事もあります。

HOPパッキンの口がBB弾の外径よりも広く、給弾ルートから上ってきたBB弾が流れ込んでしまうという事がケースとして多い気がします。
その為、二重給弾防止用にこういう口の内側に突起が付いている、変わった製品も存在しますが、個人的にはチャンバー側を調整するか、そもそものHOPパッキンを変えた方が良いと思います。

また、HOPパッキンの口の長さに関してはもう1つ気をつけないといけない事があり、チャンバーに挿し込んだ際に給弾ルート状にHOPパッキンの口が大きく飛び出していると、BB弾の巻き込みを起こしやすくなるので、全く飛び出していないか、飛び出していてもほんの僅かな状態が理想形です。

HOPパッキンが全く飛び出していない例
HOPパッキンが大きく飛び出している例

クッションゴムについて

HOPパッキンの説明時にも少し登場しましたが、BB弾に回転を掛けるにはHOPパッキンだけではなく、クッションゴムも重要な要素となります。

クッションゴムはHOPパッキンをBB弾が通過する時にHOPの突起に対してバネのような役割を担う、結構重要なパーツです。
このクッションゴム次第でHOPパッキンの突起が生かされたり、生かされなかったりします。

形状として多いのは丸形で、チューブタイプと丸棒タイプの2種類です。
チューブタイプはクッション性に優れており、丸棒タイプは硬めです。

チューブタイプ(東京マルイもこれ)
丸棒タイプ

HOPアームにくっついている、ひょうたん状の物もありますね。
個人的にはあんまり好きじゃないですけど…。

また、フラットホップのようにクッションゴムの形状によってHOPの突起を作るタイプも好んで使っている人は多いです。
こちらはざっくり、面押しクッションゴムと2点押しクッションゴムが2大巨頭で、たまに使ってる人を見かける、モヒカンタイプの大体3種類があります。

2点長掛け
モヒカン

全てスリックパッキンと組み合わせてHOP-UPの突起を作る為、クッションゴムの形状と大きさ、硬さなどがダイレクトにHOP-UPに影響を与えます。

面押しはアールが付いているタイプと、真っ平らな物の2種類があります。
アールが付いているタイプはHOPパッキンを歪めにくく、綺麗に組めばかなり安定しますが、あまり強くHOPを掛ける事は出来ません。
逆に、真っ平らなタイプはかなり強くHOPを掛ける事が出来ます。

アールが掛かっているタイプとシンプルな面押しタイプの例

正直複雑な形は拘りを持ってから使った方が良いと思います。
実際、無難な構成で組むならチューブ型で何の問題も無いです。

E&C 329E COLT M653に組み込むHOPパッキンとクッションゴムについて

では今回、E&C 329E COLT M653に組み込むHOPパッキンについてです。
昔買ったHOPパッキンが余ってて仕方がないので、今回も余り物を使います。

何年も前に面白そうだから買ったものの使ってないパーツをさっさと消化したかったので、最近はそういうパーツを極力使うようにしているのですが、今回もまたUnicorn Airsoft UNI-HOPです。
硬度は60度、材質はNBRです。

前にLCT LK-53A2にも組み込みましたが、何で同じパッキンを2個も買ってるんでしょうね…。
恐らく、店頭で「あ、このパッキン面白そう、そのうち組もう」と思って買った物と、RWAを見ていて「あ、このパッキン面白そう、そのうち組もう」と思って買った2個ですね…。
買った物を覚えていないし、使ってもいない。まあ、あるあるですけど。(こうしてパーツ在庫が増えていく)

という訳で、UNI-HOPを組み込むのですが、E&C 329E COLT M653との相性が悪く、溝にHOPパッキンが入ってくれませんでした。

こういう相性問題も度々起きるのですが、自分はその場合溝を広げます。
溝を掘る事が出来るリュータービットを使って、溝を拡張します。
基本的にこういう工具は必要になった時に買い足しています。

HOPパッキンがインナーバレルにちゃんと取り付ける事が出来たらチャンバーに挿し込んでクリアランスの確認です。
尚、チャンバーに関しては純正品で特に問題は無さそうだったので、そのまま使います。

また、自分はあまり遭遇した事が無いのですが、バレルクリップを取り付ける溝の位置が数ミリ狂っている場合もあるので、それのチェックも合わせて行った方が良いと思います。

HOPパッキンとチャンバーのクリアランスですが、感覚的に僅かな抵抗で差し込める状態がベストだと思います。
もしゆるい場合はHOPパッキンがそのサイズになるまでインナーバレルを太くします。

尚、逆に力を込めて差し込まないといけないようなタイトさだとパッキンが歪んでしまう可能性があるので、HOPパッキンを少し薄い物にするか、チャンバーを違う物にした方が良いと思います。
インナーバレルを削るという方法もありますが、その場合フライス盤が必須になります。

インナーバレルを太くする方法は色々な種類があり、一番よく見かけるのはシールテープをバレルに巻きつける方法なのですが、ちょっと不安定なので最近はテープ派になっています。
まあ、めんどくさい時はシールテープを使う事もありますけどね…。(かさ増し出来れば何でも良い)

ポリイミドテープを巻いた後、カッターナイフで不要な部分をカットします。
主にHOP窓の所と下部の溝部分です。

尚、個人的にお勧めなカッターナイフはOLFAの先端が30度の角度になっている物です。
アルミや真鍮程度なら余裕で削れる程度には切れ味が良いですし、デザインナイフのように細かな作業も行えるので、なにかと重宝します。

HOPクッションはいつも使っているシリコンチューブ(外形3mm、内径1.15mm)を適切なサイズにカットして使います。
気分で別の物を組む場合もありますが、私の使っている電動ガンはだいたいこのシリコンチューブを使っています。

外形0.5mm刻みで3種類用意している
一番よく使うのは外形3mm、内径1.15mmの物

チャンバーの組み立てとバレルのガタ取り

最後にチャンバーを組み立てます。
私はチャンバーに関してはよほど問題が無い限りは純正を使いますし、今回も先述の通り純正を使います。

チャンバーにも沢山の種類がありますが、正直トレーサー内蔵とか、弾ポロ防止とか、ダイアルのクリック感の有無とかの違い位だと思っています。
特殊形状な物だと交換不可能ですし、あまりチャンバーの交換はよほどの事が無い限り視野に入れなくて良いと思っています。

チャンバーの組み立てが出来たらHOP調節ダイヤルを回して、HOPの突起が問題無く出てくるかを確認します。
HOP最低の状態で一切突起無し、最大HOPで大きく飛び出す感じになりました。
この時点で真っ直ぐ降りていなかったら組み直しです。

HOP最低の状態では一切突起が出ない
最大HOPは突起が大きく飛び出す。

尚、ノンHOPでの調子が悪かったり弾詰まりを起こしてしまうような強すぎるHOPにならないように、HOPダイヤル側を調整する事もあります。
まあ、これは全部組み立てた後、十分な動作検証を終えてからやる作業ですね。

という訳でこれでバレル・チャンバーASSYの組み立ては完了です。

最後に、アウターバレルとのクリアランスを調整していきます。

インナーバレルを挿し込んだ状態でどの程度のクリアランスがあるのかを確認し、アウターバレルにテープを巻いて調整します。

普通に組み込むより逆から差し込んだ方がガタツキ具合を確認しやすい
ガタ取りようのテープはポリイミドテープやアルミテープが無難。

インナーバレルにOリングを取り付ける溝があると、このテープを巻く作業が無くてちょっと楽です。

ガタ取りに使うテープとして、自分は「ポリイミドテープ」「アルミテープ」「ビニールテープ」の3種類を使っています。

微調整にはポリイミドテープ、ざっくり調整する時はアルミテープ、アウターバレルの内径とインナーバレルの外径差があまりに大きい場合はビニールテープを使います。

まあ、ほぼポリイミドテープかアルミテープで事足ります。

最後にチャンバーの左右に付いている突起にアルミテープを貼り付け、チャンバーの上下や回転方向のズレを抑えます。
アウターバレルに対してチャンバーがドンピシャなら不要な処置ですが、ガタツキがある場合はこれをやっておかないとマガジンに負荷が掛かった時にチャンバー位置がズレてしまい、弾道がブレてしまいます。

という訳で、これで全ての作業は完了です。
次の記事ではギア周りの調整を行っていきます。


最後にまとめると

正直インナーバレル、HOPパッキン、チャンバー関係のパーツに関しては「粗悪品以外は全部使える」と思っているので、そんなに深く考えてパーツ選びはしていません。
削ったり、貼ったりの微調整でどうにかなる場合が多いですし…。

ただ、精度を重視し始めると考えることが増えますが、基本となる「粗悪品以外は全部使える」は変わらないので、既製品の組み合わせでHOP形状やHOP量の調整やBB弾の停弾位置調整などを行うだけです。
調整が大変になりそうだったり、手持ちの工具ではどうしようも無い場合はカスタムパーツを頼ったりしますし、知り合いの工場にお願いして加工してもらう事もあります。

正直、毎回そういう細かい調整をやるのは時間が掛かりますし大変ですし、サバゲーで使うならそこまで高精度な物は要らないと思っているので、結構妥協して弄ってます。
サバゲーで使うなら、40m先のマンターゲットの胴体を狙ってしっかり当てられる精度があれば良いと思っていますので…。

E&C 329E COLT M653内部カスタム記事へのリンク