1-6倍ショートスコープ 25mと40mでの見え方比較(Discovery Optics HD 1-6x24IR/NOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24/Sightmark Citadel 1-6×24 CR1/SIG SAUER TANGO-MSR 1-6×24/SIG SAUER TANGO6 1-6×24)
記事作成日:2023年1月13日
手持ちの1-6x24mmのショートスコープも結構種類が増えてきたので、せっかくなので比較してみる事にしました。
今回比較するのは手持ちの1-6x24mmの中でも特性が異なっている5機種。
似たような見え方の物に関しては除外しています。
また、FFPレティクルの物も除外し、今回比較するのは全てSFPレティクルの製品になります。
左から順にDiscovery Optics HD 1-6x24IR、NOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24、Sightmark Citadel 1-6×24 CR1、SIG SAUER TANGO-MSR 1-6×24、SIG SAUER TANGO6 1-6×24です。
2万円クラスから15万円クラスの物という感じですね。
撮影場所はサバイバルゲームフィールド SAVASのシューティングレンジで、サバイバルゲームで使う場合を想定して25mと40m先に設置されているマンターゲットを使って撮影、比較していきます。
それぞれのショートスコープの特徴と価格帯について
という訳で、まずは今回比較していくショートスコープの特徴と価格帯を紹介します。
スコープの性能の目安として分かりやすいのは値段です。
スコープは値段≒性能と思って良いと思います。
Discovery Optics HD 1-6x24IR
メーカー希望小売価格27,500円(実売価格18,000円程度)と比較的入手しやすい価格帯のショートスコープです。
個人的にサバゲーで使うならこれくらいの価格帯の製品で十分満足出来ると思っていますし、入門機としても悪くはない価格帯だと思います。
Tangent ThetaっぽいデザインでおなじみのDiscovery Optics製品(ここ1、2年の新作はVortexっぽかったりSIGっぽかったりする)です。
ミルハッシュが付いたT字型のレティクル(SFP IR-MOA)を採用しており、中央のドットがイルミネーションで点灯します。
パワーノブは左回りで1倍と2倍の間が極端に広い為、低倍率での倍率の微調整がやりやすい仕様になっています。
NOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24
NOVEL ARMSが2022年に発表した新シリーズ、ABSOLUTEシリーズの第一弾として登場したショートスコープで、今まで販売されていたSURE HITシリーズとは別扱いで、NOVEL ARMS製光学サイトのフラグシップモデルという位置づけになっている製品です。
メーカー希望小売価格は52,250円(実売価格40,000円程度)と比較的入手しやすい価格帯のショートスコープです。
サバゲーで使うショートスコープとしてはある程度のレンズ性能が欲しい場合(満足度の問題)はこれくらいの価格帯の製品が選択肢に挙がると思います。
1〜2万円程度のスコープよりワンランク上のレンズ性能を体感できる製品がこの価格帯ですね。
NOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24のデザインはVortex RAZOR HDを強く意識している…というかまんまVortexのデザインになっています。
レティクルはミルハッシュ付きの十字レティクルで、これまたVORTEX VMR-2にそっくりなレティクル形状です。
パワーノブは左回り。
また、パワーノブに取り付けるスルーレバーが同梱されているので、倍率切り替えの操作性は高いです。
Sightmark Citadel 1-6×24 CR1
ミドルエンドのスコープを色々と集めていた時に購入した物の1つで、Sightmark製品の中でもミドルエンドの位置づけになる製品になります。
定価が431,99ユーロ(2022年12月現在、6021132.97円)で、日本国内での販売価格が50,000円程度の製品になります。
レティクルはCR1というドットやホースシュー、移動ターゲットを狙う時に使うと思われる左右のハッシュにBDCが付いたレティクルになります。
こういうレティクル形状も個人的には割と好みです。
パワーノブは左回りで、スルーレバーも付属します。
スルーレバーがあると倍率の切り替えがよりスムーズに行えるので便利です。
SIG SAUER TANGO-MSR 1-6×24
SIG SAUER TANGOシリーズの廉価グレードとして、ワンピースマウントリングがセットとなって販売された製品です。
廉価グレードらしくTANGOシリーズの中では最安の機種となっています。
定価は499.99ドル(2022年12月現在、65557.19円)で国内での販売価格は6万円程度になります。
他製品に比べると少し割高ですが、ワンピースマウントベースセットという事を考えると悪くはない価格かな?と思います。
レティクル形状はBDC6。
左右の太い線と移動ターゲットを狙う為の小さな三角形、ホースシュー、BDCが特徴的です。
近距離から遠距離、移動ターゲットまで幅広く使う事が出来るレティクル形状になっており、シューター目線で開発されたレティクル形状のように感じます。
パワーノブは右回りで、スルーレバーが180°回転します。
倍率の表記がチューブ側に印字されているのも特徴です。
このパワーノブの仕様、慣れると使い勝手が良いのですが、慣れないと他のスコープと勝手が違いすぎてちょっと分かりづらい印象があります。
SIG SAUER TANGO6 1-6×24
SAUER TANGOシリーズの最上位モデルです。
安心安全のMADE IN JAPAN(恐らくライト光機製)です。
1-6倍のTANGO6はノブやレティクル形状によって若干価格が変わりますが、私が持っているタイプの物は価格はメーカー定価が1,699.99ドル(2022年12月現在、222957.94円)、日本国内での販売価格は150,000円程度になります。
レティクル形状はHellfire MRAD Milling。
TANGO6には色々な形状のレティクルの製品がありますが、私が購入した物はミルハッシュ付きのT字レティクルというちょっと変わった形のレティクルが採用されています。
パワーノブは右回りで、パワーノブが同梱されています。
倍率を示す部分には2本の集光アクリルが埋め込まれているのですが、1本は最初から欠品していました…。(新品なのに…)
見た目比較
という訳で、これらのスコープを覗いた時の様子を比較していきます。
尚、実際の肉眼での見た目になるべく近づける為にカメラの倍率やフォーカスを調整して撮影しています。
Discovery Optics HD 1-6x24IR
最近はこの価格帯でもかなり綺麗な像を提供している製品が増えてきているので、正直サバイバルゲームで使うなら十分すぎる性能を持っていると思います。
ゼロインが狂ったりするような光学サイトとして致命的な問題も現状起きたことが無いので、そういう点でも十分実用性のある製品だと思います。
もっと近い距離で覗くとレンズの歪みが気になったりしますが、これくらい距離が離れていれば何の違和感も無く使えます。
ただし、FOVは自然な角度ではなく若干広めになっているので魚眼レンズ感は否めません。
その分広い範囲を見えると言えばそうです。
距離感が狂いますが、慣れればなんとかなると思います。(何事も慣れればどうとでもなる)
強いて問題を挙げるなら、若干のコントラストの低さでしょうか。
ただ、コントラストの低さに関してはより上位のスコープと比較した場合に感じる事であって、これ単体でそこまで「色味が浅いなぁ」とか思う事は無いと思います。
ただし、これはあくまで倍率が低い時の話しで倍率を上げると少し不満が増えます。
6倍まで上げると分かるのは明らかな明るさの低下です。
1倍〜3倍位の間であれば広い範囲を見渡せている影響もあってかそこまで気にはならないのですが、倍率が上がるにつれて徐々に像が暗くなっていきます。
コントラストの低さとも相まって日陰などの薄暗い環境ではちょっと見づらいな…と感じるようになります。
また、1倍の時と6倍の時でアイレリーフに大きな差があるので同じ構え方で覗く事が困難になります。
感覚的には1倍の状態で自然な感じで覗けていたとしても、6倍では少し前かがみになったり首の位置を前にズラしてあげないとちゃんと覗けません。
まあ、1〜3倍位の範囲で使うなら何の問題も無いので、最大倍率付近をあんまり使わないなら、これで十分という結論に至ると思います。
NOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24
NOVEL ARMS的にはフラグシップモデルになりますが、価格帯としてはミドルエンドクラスなので、ミドルエンドとして評価します。(流石に他メーカーのフラグシップ機種には及ばない)
ミドルエンドクラスという事もあり、1〜2万円で購入可能な普及価格帯製品と比べても綺麗な像を提供していますし、歪みも控えめです。
ただし、スコープのフチは若干広く感じます。
評価が難しいのですが、個人的にはスコープのフチを狭くする事によって像が歪む位ならフチは狭くない方が良いと思っているので、この見え方は全然アリだと思っています。
特にNOVEL ARMS ABSOLUTE 1-6×24は癖の少ない自然な色味なのも良いポイントですね。
この価格帯の製品だと少し赤みがかっていたり青っぽかったりする事も少なくはないので、バランスの取れた像だと思います。
倍率を上げると少し暗くなりますがそこまで気になるレベルではなく、アイレリーフの変化も許容範囲内でほぼほぼ同じ覗き方で使う事が出来ます。
覗きやすいスコープは優秀。間違いない。
Sightmark Citadel 1-6×24 CR1
こちらは少し古いですが流石にミドルエンドクラスなだけあって十分綺麗な像を提供しています。
ただし、気持ちNOVEL ARMS ABSOLUTEよりも暗く、逆にNOVEL ARMS ABSOLUTEよりもコントラストが高いです。
また、スコープのフチのサイズはNOVEL ARMS ABSOLUTEよりも太めで、より歪みの少ない自然な像を提供しているように感じました。
倍率を上げるとフチはより大きくなり、像も暗くなっていきます。
6倍まで上げるとライフルスコープに近い見え方になります。
像が暗くなるもののコントラストの高さは健在なので、それによって標的が視認しにくくなるような事は無いと思います。
ただしアイレリーフの変化は激しく、1倍の状態から結構姿勢を変えないと6倍で覗く事は出来ません。
倍率を上げるとフチもかなり大きくなります。
SIG SAUER TANGO-MSR 1-6×24
ミドルエンド機種の中ではかなりコストパフォーマンスに優れている製品ではないか?と個人的には思います。
スコープのフチは太めですがその代わり歪みの少ない自然な像を提供していますし、明るさもコントラストも程よい感じです。
倍率を上げた時の見た目の変化も少なく、アイレリーフもほぼ同じなので、低倍率から高倍率まで使い勝手が変わらないのも良いですね。
ぶっちゃけTANGO4買うならこれで良いのでは…と思いました…(SIGのTANGOシリーズとWHISKYシリーズが揃った時に覗き比べした時の感想)
SIG SAUER TANGO6 1-6×24
フラグシップなだけあって明るさ、コントラストは今までの製品の中でダントツで綺麗ですし、歪みも少ないです。
1倍の状態に関してはアイレリーフがとても長い事もあって、感覚的にはドットサイトに近い使い使い方が出来ます。
この像の綺麗さはこの価格帯じゃない体験出来ません。
未だに各社のハイエンドスコープに日本製が多い理由がよく分かります。
ただし、倍率を上げると少しアイレリーフは短くなり、若干姿勢を変えないといけなくなります。
ただ倍率を上げても明るさはそこまで下がらず、高倍率での使い勝手も悪くはないです。
まあ、サバゲーで使うのにこのスコープが必要か?と言われると全く必要無いです。
性能の差は感じますが、この性能をサバゲーで活かせるかと言われるとほぼ活かせないと思います…。
という訳で、1-6倍ショートスコープの比較は以上になります。
結局光学サイトって金額=性能になっちゃうんですよね…。
その中でもコストパフォーマンスを追い求めたり、自分好みの見え方の製品を探したりしたい場合の参考にして下さい。